怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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肉を焼いて讃えよ
四方(よも)に向かって伝えよ
肉を食って讃えよ
四方に向かって伝えよ
カルビの脂は
世界を照らすー♪


焼肉屋の垂訓(すいくん)

「ペラペラなのねぇ……」

「脂身ばっかじゃん、もっと赤身のさぁ……」

 

焼肉未経験のミオリネやアメリカンなギャベルが文句を垂れる。

 

ここは万世アスカティア店「万世牧場」

タレの大河が滔々と流れ、肉の葉を付ける大樹が茂る約束の地……全てのお肉は脂でツヤツヤと輝き、網はなおも鋭く(しろがね)の様に輝く。

 

肉の焼ける音に香り。この幸せのあかしを前に早速デザートのアイスを食い始めるソフィにプル。不信心ものめ。【食い改めよ】冷麺!

 

くっくっく……貴様らは特上カルビ様の畏れを知らぬ……

食うがいい! 極上の脂がもたらす奇跡の甘みを!

 

焼肉奉行、陸さんはトングをカチカチと鳴らして網が熱せられるのを今か今かと待ち構えていた。

 

「!」

「美味ーい! なんだこれ! 本当に肉か?!」

レバーが焼けるより早くミオリネとギャベルは掌を返した。凡そ人類の少年少女でこの旨みに抵抗できるものは居ない(諸説あります)

「ヌーノ、早く、早くそれ載せてくれよ!」

「おーいしーぃ。幸せー」

「ハムっ……はむっ……お肉が塩っぱくない!」

「……水星には大豆肉の牛丼かハムやソーセージしか無かったからね……」

「マジか、スレッタこっちのタン食べるか?」

「タンって舌でしょ、気持ち悪い……食べるのそれ!」

「み、みみみみミオリネさん! おおおお美味しい!」

「内臓だ筋肉だなんてのは、焼肉の前では些細な話よ……」陸さんは渋く肩ロースを味わっている。

「ネギ乗っけてレモン汁で食ってみ……飛ぶぞ」

「レバーはヘルシーだからいくら食べてもいいんですよねー」

「カルビ! カルビ! カルビもっと!」

「落ち着きなよソフィ……」

「ノレアおねえちゃん野菜食べてるフリして、中にお肉隠したよね……」

「これはサンチュ。プルも野菜食べな?」

「火力最大! 早く焼けろ!」

「焦げちゃうから中火(ポチー)」

「ティル先輩! 焦がしたりしないから!」

「あーっ! こんなんならさっき焼きとうもろこし食べなきゃよかったー!! 今すぐ空腹になる薬がほしぃー!!」

「これはシマチョウ。大腸だ。グロいねー(棒)」

「もう騙されないわよ、それも美味しいんでしょ!」

「正解、この世に不味い焼肉など存在しない。焼肉を讃えよ!」

「甘ーい、なんでお肉が甘いの! お肉ってもっと固くて辛い……」

「それ、天狗印のビーフジャーキーじゃないか?」

「焼肉の神様が美味しくなぁれ、美味しくなぁれと願いを込めたから甘いんだよ。聞くところに寄れば、日本語の「UMAI」は「AMAI」が語源だって言うぜ?」

「すいませーん、カルビお代わり食い放題プランで貰えますか?」

「安心なさってください、メニュー全て食べ放題ですよ」

「じゃあ、カルビとレバーとハラミを6人前2皿ずつ、あと網変えてください」

「マルタン、網変えたら暫く肉焼けないじゃん、後にしろよ」

「ええーっエリンギも焼いて食べようよ!」

「ロースも美味い! 陸さん隠してたな!」

「知られちまったら仕方ねぇな。上ミノも美味いぜ!」ニヤリ

「ハチノスって、あのハチさんの?」

「いや、牛さんの第2胃だ。美味いぞ!」

「牛って二つも胃があるの?!」

「4つある。ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラだ」焼肉奉行は焼肉の名前に詳しい。

「そんなに胃があったらお腹一杯にするの大変だね!」

 

プルの何気ない言葉にソフィとノレアの顔が曇る。

「お腹をいっぱいには出来なかったよ……」

「みんな、どうしてるかな……」

 

「? ナジからメール来てねぇの?」ぽちぽち……

「一昨日みんなでバーベキューしてるぜ?」

陸さんが見せる写真の中で、ビールジョッキを高く掲げてご機嫌なナジと肉を頬張る子供達。本当に助かったと謝辞が添えられている。尚、なんかしょげてるピンクの前髪は無視された。

 

「任務中は、無線封鎖してるから……でも、良かった」

「先にお肉食べてたんだ! 私も食べよーっと!」

「……みんな、楽しそう……」

「任務は終わりだって言っただろ。偶には電話してやれ」

「任務って何さ?」アリアが問う。

「アスティカシア探検(ニッコニコ)」骨付きカルビを齧りつつ、陸さんは答えた。

 

「まぁ、みんな。肉食いながらでいいから聞いてくれ。

マルタンとりあえずエリンギはもう焼けてるぞ。

 

美味いもん食うと笑顔になる。愉快な仲間と食ったら美味さもひとしおだ。みんなが美味いもん腹一杯食べてニッコニコしてたら戦争とか紛争は起きねぇ。これは間違いない。なんなら俺はそんな戦地を散々見てきた。

戦いやるのに素手でやる奴ぁーいないからな。カルビが小銃になり、レバーやギアラが戦車に、バズーカに、MSに変わる。

銃弾やMSは焼いても食えん。あんなもん買わずに焼肉すりゃあいいのに」

 

「でもよ、人間って2人居ると争い始めるって言うぜ?」

「まぁまぁ真理よな」

「どうやったらみんなで楽しくご飯食べられるのかな?」

「──それを考えてたのがミオリネの母さんさ」

「え? お母さんが?」

「お母さんの旧姓知ってるかい?」

「確か……マクミラン……?」

「そう、穀物メジャー、カーギル社の経営一族。カーギル&マクミラン家の裔、ノートレット・マクミランだ。俺も軍隊にいる時カーギルには散々世話になったし、今回ナジのキャンプに支援してくれたのもカーギルだ」

「なんでそんな……」

「軍産だけではなく、戦争は食糧需給にも影響出る……カーギル的には騒乱が起きる度にかなり儲かってしまっている」

「悪徳商会だな。とんでもねぇ奴らだ」

「これが必ずしもそうじゃねぇのよ。食い物って食ってくれる奴が居ないと売れないからな。人が死ぬのは彼らにとって不都合だし、作物作ってくれる農家が銃を持つと仕入れもできなくなる」

「……戦争しない方が儲かる……?」

「そうだ、みんな腹一杯飯食ってスクスク育って子供を1ダースも作ってくれたら御の字だ。食い物のトン当たりの単価は下がるが、結果的には儲かる。だから飯をモリモリ食わせたがるって寸法よ」

「それがなんでトマト作りになったんだろ?」

「焼肉と同じさ……美味い食い物は人を幸せにするんだ。これがノートレット女史の戦い方なんだ」

「でも……それじゃなんでベネリットグループに嫁いだの?」

「そりゃあ恋して愛したからだろうが……ある意味ではデリング総裁ノックアウトして、世界平和実現するつもりだったかもな」




流石に長いので分割ー

どなどなどーなどーなー
カルビがうーまーいー
どなどなどーなーどーなー
ロースもうーまーいーぞー(突然の味皇様)
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