怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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ソフィノレは激怒した。必ず、かの那智暴虐のプリンスを除かねばならぬと決意した。
ソフィノレは政治が分からぬ。ソフィノレはフォルドの夜明けの傭兵である。テロを起こし、ガンダムで遊んで暮らして来た。しかし愛機に対しては人一倍敏感だった。

「ヒトの愛機で何してくれてんだプリンスーっ!」



ルブリス・ウルとソーンはソフィとノレアの愛機であり、文字通り死線を共に掻い潜って来た戦友である。そして、この2機のコクピットこそが、ノレアとソフィの棺桶であり墓標になる筈だったのだ。


パクられた棺桶

ランブルリング開始から数分後、ソフィとノレアは信じられない物を見た。ルブリス・ウルとソーン、そして真紅のMSが2機現れて学生のMSを襲い始めたのだ。

「……ってか、バレてるのに強行、普通やる?!」

「私たちのMS、なに勝手に使ってるの!」

「あれ、おねぇちゃん達のMSなの? なんかちっちゃい方ブサイク……」ノレアはプルを軽く小突いた。「言い方!」

そして両機のシェルユニットが赤く瞬間的に輝くと……両機は敢えなく墜落した。

「あ、ガンさんの仕込み気付かなかったんだ」

「普通ブービートラップ疑うだろ……」ソフィは頭を抱えた。ポンコツ過ぎる。まぁ、高電圧は喰らうと筋肉が萎縮して離せなくなるから仕方ない。気合いや根性でどうなる話では無いのだ。

「ガンさんだから殺しはしないだろうけど……」

「「ランブルリングは、トラブル発生の為中止します……」」

「……発注元とは言え、私たちのものパクられると腹立つわね……」

「「……係員の指示に従い、落ち着いて退避して下さい……繰り返します……」」

 

 

「赤いMS……ダリルバルデの同型機?!」

「ラウダ、フェルシー、援護しろ! あいつらは俺が叩く!」

「了解!」「のだ!」

 

「デチューン版がオリジナルのラーガラージャに敵うものかよ!」

 

【ラーガラージャ】

オックスアース社がガンダム以前に開発していた機体。21年前のヴァナディース事変の際に設計は押収され、ジェターク社で解析・改良を進めたのがダリルバルデである。その外見は頭部の三つ目を除けば各部がシャープに尖ったダリルバルデに似ている。

その名は日本語に訳すと愛染明王だったりする。

 

 

「不味いな、まだ隠し球があったか」

「……まさか、実戦出力?」プロスペラの声に緊張が滲む。

「スレッタさん、チュチュちゃん、エラン! 逃げて!」

「……たった2機相手にケツ捲れるかよォ! ガンダム社上等!」

「エランさん援護お願いします!」

「お礼はデート券でお願いするよ☆」

「却下。真面目にやんなさい!」社長は激怒した、必ずや淫猥放蕩の社員を(以下略)

真面目にやって死ぬのはごめんだね……エラン5号は心の中で毒付いた。

 

 

「引けない指揮官ってのも困りもんだね……」

「いつもみたいにちゃっちゃとやってよ……」

「──なにしてんの、ノレアおねぇちゃん?」

「チャリパク……硬ったいな、このセキュリティ……」

「セキュリティ解除したらいいの?」プルはキックボードじみた学園内移動用のスクーターに備え付けられたハロの目を凝視してハッキングを仕掛けた。元がエアリアルのコピーだから、ガンさん同様軽いハッキングは彼女にも出来る。

「できたよ。モーター回るよ」

「やるなぁ、ちびっ子!」

「みたか水星のぎじゅじゅりょく!」えっへん

「乗って。とりあえず1番頑丈な港湾区に行く!」

「あ、それなら……私のMSあるかな?」

「「わたしのモビルスーツぅ?」」

「お〜っしゃ、それでプリンスぶん殴ろう!」

 

 

【走れメロスのように】

盗んだバイクで走り出す(刑法235条 窃盗罪)、それは様式美。青春の幻影というか、割とガチに懲役食らって【青春が幻影になる】から気を付けよう。

「かーっ! パワーたんねー!」走るよりマシ程度のスピードに、ソフィが天を仰ぐ。

「ソフィ、お菓子食い過ぎで太ってない?」──単なる過積載だ。

「もう一台パチる?」朱に染まれば赤くなり、メスガキーズに交わると漏れなくグレる。人類初のガンドロイドの倫理観は急速に深刻なレベル低下を引き起こしていた。

「パクるならもっといいのパクろう。あのモビルクラフトイケる?」

「あ、シン・セーのしんがただ! できるよ!」

「よしやれ、私が許す!」ソフィは勝手な事を言う。

「あーい!」

 

許すな(真顔)

 

 

「……あの赤いの、粘るな……」

「押さないでよソフィ、操縦桿がブレる」

「押さえとかないとちびっ子が浮いちゃうんだから仕方ないのっ!」

「わーいわーい、すーいすいっ!」

「電車のトンネル伝って移動する。暴れないでよ!」ぷぁあん!

 

お分かり頂けただろうか?

 

ノレアが僅かに目を逸らしてトンネルに向かう丁度その時、サリウスが乗る観戦用列車の救援用車両がトンネルから抜け出ようとしていた。まさか救援列車もかなり高所にある軌道内にモビルクラフトが侵入してくるとは思っておらず……

「危な

 

ガッシャーン

 

「だ……大丈夫?」

「おでこぶつけたー(涙)」

この程度の被害に留めたノレアの操縦テクは本物だ。

「あ、あ、あ、あ……電車が! ヤバいよノレア、電車が!」

脱線した列車はスローモーションの様にバランスを崩し、アスティカシアのフロントが発生させる擬似重力に引かれて落下した。

「──テロリストは酷いことするよね(棒)」

「ほんと許せないよね、ルブリスパクるし(棒)」

元テロリストガールズはハイライトの消えた目で淡々と「悪いのはテロリスト(シャディク組)」という事にした。まぁ中にはシャディクガールズが乗っていたし、彼らは結果的にサリウスを助けた事にはなるのだが。

「飛ばすよ!」

「「了解」」

 

少し外装とフレームが歪んだモビルクラフトは、交通機動隊から逃げる暴走族の様に、若しくはメロスの様にスタコラサッサと駆け抜けた。

 

 

 

SET ME FREE 止めないで

SET ME FREE 僕をこのまま

見送ってくれー




S スーパー
P パクられたもの
T トレーサー
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