怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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いゃぁ、ワタシいつも思うんですけどねぇ……
本作の原作に当たる「水星の魔女」 計画立ててる人達が計画の失敗や不完全成功を前提としていないのは、如何なものですかねぇ……


タイトロープ

シャディクは焦っていた。計画通りなら今頃エナオとメイジーがルブリスでガンヴォルヴァでランブルリングを蹂躙し、イリーシャとレネがサリウスを誘拐している筈だった。

所がルブリスはガンヴォルヴァを呼び出す前に謎の墜落をして、イリーシャとレネの乗る偽装救援車両は脱線して地上に落ちた。敵側が何か仕込んでいても二段構えでサリウス誘拐ぐらいは達成できると踏んでいたのだが……

「──やはり、無理があったな」

隣のサビーナが冷静に判断する。計画の準備に掛けた手間を惜しんだのが裏目に出たか。

「認めよう。策を弄し過ぎた、失敗だ」

ソードワールドTRPGのリプレイに登場するバブリーズのスイフリーならこう評した筈だ。【策の層が薄過ぎる】

 

作戦とは状況に応じていくつもの仕組みを組み合わせて使う物だ。戦略にしろ戦術にしろ状況の変化に応じて切り替えていかなければ上手く機能しない。大きな作戦を一本道で組み立てて用いて成功するのは物語の中にしかないのである。プロスペラの誘いにミオリネが乗らなかったら? 決闘が盤外戦有りなら、スレッタが薬を盛られて決闘に負けエアリアルを失う可能性があったのでは? 脚本家は考える、そうはならないからと。視聴者は察知する。あ、この脚本作戦が成功する前提でしか話考えてない!

 

陸さん達とはここが決定的に違った。彼らはエラン5号が裏切れなくなる様にして、味方に引き込む算段をした。物資の移動から敵の動きを予知して資材を巻き上げ、仕込みをして返した。ソフィとノレアをフォルドの夜明けごと抱き込んだ。黒幕の手足を捥いだ様な物である。

別組織を通じてグエルに、ジェタークに情報を流して地球寮との共闘を示唆した。黒幕を絞り、人員配置から予想される作戦規模を推し量った。

離間工作と抱き込みを最大限に行い、敵を解体して味方を増やす。分断を主軸に考えて味方を増やす策を用意しない素人とはアプローチが違うのだ。

 

地球の魔女が準備した愛染明王(ラーガラージャ)はガンダムでは無いが優秀な機体だ。

「なんだおめぇ! 無茶苦茶な機動しやがって!」チュチュの狙撃を無茶な加速で回避する。

「後ろも見えてる?!」エランのファラクトの後方からの抜き打ちまで見切る愛染明王(ラーガラージャ)

「くっ……なんだこの感覚! 2体以上を相手にしている様な……」グエルは獅子のカンで違和感を感じた。

まぁ、実際1機当たり6つの腕を駆使しているのだから6体相手にしているのに似ている。

 

(おかしい。ガンダムでも無いのにあの動きはおかしい)

(僕らみたいだよね、あの急制動は中の人危険だよ)

(迂闊にビットオンフォームの解除もできない……)

(中に人、居ないのかなぁ?)

(おねえちゃん、いきなり混ざるのやめてよ! 運転集中!)

(あっちも私みたいにシェルユニットの中入ってない?)

(ガンダムじゃあるまいし、そん──あったわ!)

(セイズ……アストラル投射?! ドローン戦争後のカイロ条約で禁止だよ!)

(禁止されてるのはガンダムも同じだけどね)

(テロ屋が条約守るわけないよねー)

(すると……ジョーカーは天狗様だ!)

(中継機! 中継機探してー!)

(あー、あー、こちら天狗。ガンビッツでスフィア展開無理? 単独じゃ探し切らんよ)

「グエルさん! 10秒でいいからガードお願い出来ませんか?!」

「お前なら一生でも守ってやるさ!」

「えーっ! そりゃないのだ……」「兄さんを誑かすな水星女ぁっ!」

「そうは行かないぞグエル!」

「見逃すほど我々は甘くない!」

「みんな! なんか丸いヤツ!」

(スフィア、なんだけどなぁ……)

 

 

「なんだよコレ、エアリアルのパチモン?」

「なにコレ、コクピット狭っ!」

「ぼくのだもん。じゅうぶんじゅうぶん♪」

「詰めろよプル、入れないじゃん!」

「ちょっとちょっと、ソフィ無理だよ無理!」

「おねえちゃん、流石に無理だよ……」

「無理を通せば全部オッケー! 気合いだ!」

「ふぇぇぇ、シート少し下げるよ……」

「おっけおっけ、平気平気行ける行ける根性ぉ!」

「きーつーいー! アーリエルなんとかしてぇ……」

無理です(本当に無理です)

とりあえず常よりゆっくり一次コクピットドアを閉めてロック。なんとか収まるのを確認して2次装甲と最外部ハッチを閉める。

「大丈夫そう? デッキ開けるよ?」

「起きてアーリエル! アストラル投射開始!」

 

【挿絵表示】

 

「へ? 何してんだプル?」

「僕をコピペしたの! 行くよアーリエル!」

「オッケー僕!」

「「パーメットリンク、2!」」

「……おしゃべりなガンダムね」ノレアはドン引きした。

「……あれ? データストームは?」

「油断してるとたまにくるよ?」燃えるタヌキ眉をした幼女(プル)(にこや)かに笑った。

 

【アストラル投射】

パンタグリエルタイプのガンダム特有の操作。機体にパイロット自我を転写して、2者の操縦が完全にシンクロすると「データストームの波形」を完全に上下反転させてアクティブノイズキャンセリング(ANC)が可能になるのだが、ルブリスレベルの制御機構は勝手に自我が生えてきてしまいアストラル投射が「必ず失敗する」

このANC用に自我をコピーする技術がアストラル投射だ。偶然にもエアリアルのコピーに失敗したアーリエルだけが期待されたデータストーム抑止可能なガンダムになったのだが……人間だと偶に発想の飛躍や勘働きにより同調できない事があり、ランダムで倍ダメージのデータストーム喰らう。つまりガンドロイドじゃないとデータストーム抑止できないし、ガンドロイドは高速処理対応出来るのでデータストーム出ても問題無い。

むぅ、何のためにやってるんだこれ?

 

 

「まだか! スレッタ・マーキュリー!」

「兄さんに(たか)るクソ虫は全て落とすっ!」

「あっちいけなのだ!」

「我らの誇り、ディランザは!」

「重厚長大、溢れるパワー!」

「デカいは強い!」

「重いはパワー!」

「「行け行け僕のっ!私のジェターク社!!」」

 

ジェターク寮の面々は、グエルと共にある時常とは異なる動きをする。テンションがちょっと上がり過ぎてバフが掛かるのだ。しかし相手が悪過ぎた。守勢に回ったダリルバルデを容赦なく愛染明王(ラーガラージャ)の手足が襲う! ディランザ2機も倒れてないだけでボロボロだ。

(スフィア展開!)

(保つかな、ダリルバルデくん……)

(流石に実戦仕様のビームは痛いね……)

(アクティブディフェンス無しだと改修型の装甲でもヤバいなぁ……)

「グエル先輩!」

「守り切ったらぁぁぁあっ!」

 

その時、愛染明王(ラーガラージャ)の前に一機のガンビットが舞い降りた。




まぁ、ここでヒキでしょうなぁ。
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