怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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広大な世界を目指して

「相変わらず、ひでぇ……」

「わぁ、みんな可愛くなりましたねー」

 

地球寮関係者は寧ろ後段のリリッケのセリフに戦慄した。可愛い……そうか……? …………そう……そうかな?

 

「これな、多分この子達は普段から軍事教練受けてたんだと思う……」

筋肉のプロ、陸さんが解説を始める。

「銃持って走り回ったり、匍匐前進したり、障害物乗り越えたり、シバもやったよな?」

「意外とウェイトトレーニング系はなかっ……腕立てやスクワットは罰で散々やらされたか」

「基本はまず体幹から鍛えるんだ。後ケツと腿な。こいつで基礎代謝を上げる。モヤシやデブはこれで一気に基礎代謝が上がって締まった身体になる」

「そっから鍛えると痩せやすいのか……でも、太らせるには?」ティルは純粋に興味から尋ねる。

「まずこの子たち、普段からトレーニングしてるからダイエットなんかした事ないだろ? 基礎知識が無いんだ。普段なら何食っても太らないし、痩せようとか綺麗になろうなんて考えてないだろうね。

そこに来て監禁だ。エアロバイクはあっても体幹鍛える機器がねぇ。だからまず筋肉量が落ちる。基礎代謝が減少したのに飯は以前と同じ様に食えてしまう。この辺でもうオーバーカロリーになりやすい下地が出来てる」

「ふんふん」チュチュは妙に真剣に聞いている。

「更にいうと鏡無しだ。気付きにくくなるわけだよ、しかも目の前のメイドはメリハリボディ……同じもの食ってるから自分も同じ身体だと錯覚してしまう」

「そう言えば……担当さんそれぞれの子と体型似てましたねー?」リリッケのこの辺の仕草が天然っぽいのは一種の才能だろうか?

「運動量が違うのにな。そも、人間は鍛えないとすぐ筋肉量減る様に出来てる」

「なんで……ですか?」

「基礎代謝が高いとそれだけ必要カロリーが増える。つまり燃費が悪くなる。集団生活する上でこれは不味い特性だ。だから集団生活する環境に合った、すぐ代謝が減少する体に進化して行ったんだろうな。虎やライオンはトレーニングしなくても筋骨隆々だろ? 人間だけが大規模な社会性を獲得して低代謝でも生きていける道を選んだからこんなになっちまったんだ」

「母親の発案とはいえ、流石に恐ろしいわ……」ミオリネはジト目だ。

「人間は尊厳の為に死ぬ事も出来る生き物だ。自分の美しさや磨き上げた身体に自信や優越感抱いてる人間だとこれは効く。年頃の女の子にやっていいプログラムじゃねぇよ……そも、この子達アーシアンの戦災孤児じゃないか? 食えてない時期を経験して「その後食える様になると」ドカ食いしちゃうんだよなぁ……」

「そこまで考えた上でこれやってるのか?!」アリアは本気で驚いている。

「こっち見んな!」ソフィは怒る。

「多分。無理矢理戦争や闘争から引き離して平和に農家させる為のプログラムだ。飯は美味いし心の折り方や調教の組み方が酷い」

「食うのって、快楽だもんな」オジェロ

「肌を露出してないだけで、エロ本だよこの展開」

「くっコロとか、勝てなかったよ……みたいな?」ヌーノ

「大の大人が自社商品のヘビーリピーターを作り出して商圏広げる為に編み出した悪魔の技だ。それでいて誰からも非難されない合法的手段と来た。ナジもこれ食う前は俺に匹敵するほど身体動かせたのに……」

「我々も本気、と言う事です」カーギルの担当がビデオを停止する。

「──この様な極めて平和的な対応により、我々の所有するデータの裏付けが取れました。彼らのバックはかの悪名高きドイツ第三帝国の裔を自称する──オカルティストグループです」

「なんか……話の規模が小さすぎねぇか?」

「馬鹿にしたものではありませんよ。古今東西、この手のものにハマるのは高学歴層、高額所得者に多い。現にインドの一大財閥であるアリアさんも占いに傾倒している」

「……これは……その……趣味だから」

「別に悪いこっちゃ無い。それ自体は自らが乗っかってる好況に対する懐疑だ。科学や現代思想に乗っかって、それでいいのかって疑う気持ち、嫌いじゃ無いぜ」

「好況や運に自惚れないって言うのは確かに美徳だよな」

「俺はその幸運に溺れる自信があ〜る」ギャベルのボケは完全に滑った!

「……で、貴方はそれを私たちに話して何したいの?」

「これはノートレット様のお子様とは思えぬ凡庸さ! お考えください」

「……地球の各方面への根回し!?」

「はい、ご名答ですがお母様なら最初からご理解頂けたでしょうね」

「どゆこと?」オジェロ、ちょっとその顔は間抜けだぞ。

「あなた方はアスティカシアでは下層民扱いですが、アーシアンの中では上澄みです。あなた方にこちらの意図を知らせるのは、その上層部の次世代指導者層に話すのと同じ事……我々のアーシアンとスペーシアンの格差調整作戦をご理解頂き、可能であれば我々と共に計画を推進して頂きたい」

「地球の持つ大地の力で、スペーシアンを支配する?」

「それは些か先走りすぎでしょうな。市場には国境や人種や住んでいる場所など存在しない、それだけです。世界を分割したり対立させたりして【商圏】を狭めるなど愚の骨頂! 世界は広くあるべきなのですよ、友好的に、ね」

「俺たちはみんなでテーブル囲って美味い料理食って楽しみたいだけ。敢えて言うならその楽しい食卓を守るのが……我々AMES賛同組織が掲げる唯一の正義だ」




【AMES】
アンパンマンの目機構(システム)。世界を注視して空腹で苦しむ人を根絶するべく生まれた組織。発案・提唱者はノートレッド・レンブラン。現在は原義が(ちょっと恥ずかしい語であることから)忘れられて皆アーメスの略称で呼んでいる。その実態は穀物メジャー・カーギルと緩く繋がるヒューミント、シギント、オシントを駆使して凡ゆるリソースの効率的配分(ご商売)を実施する巨大商業組合(ギガ・ギルド)である。
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