怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

93 / 151
燃えよドラゴンのパクリ副題ですが何か。


Enter the madness

「……これは……」

「んちゃ!」プルはすちゃっと右手を元気に上げた。

「ちびっ子に何の用だよ、ガンさん?」

「いやちょっと進学関係でこの方にご相談が。ありがとねチュチュちゃん」

 

 

「ガンビッツ淑女(レディ)、だよねぇ?」

「名乗ってもいいんだよね? LP-0 プルです」擬態である擬似人格を捨て去り、キチンと礼をする。一応僕のコピーだから弁える事は出来るんだぜ!

「こちらは先のエアリアルのシェルユニットからデータダウンロードして単体で独立稼働可能なガンドのアンドロイド、ガンドロイドになります。要はこうしたらプロスペラ社長の誤解を解けるんじゃないかと思ったんでしょ?」

僕はコンソールを操作してプルの設計図面を表示した。更に録画しといた73話「蠕動(ぜんどう)」後半のちょいと間抜けなシーンも。

「なんで君らはそんなに盛り上がっているんだい(ドン引き)」

「え? 脳の病気や破損があってもガンドで治療する道筋が見つかったシーンですよ? これで救える命が増える! 感動的じゃないですか」

「脳を培養するのでは駄目なのかな?」

「機械に変えるのはやはり抵抗があります?」

「やはり……根本的な忌避感がな……」

「ナマモノは保管が大変でしょ? 適合の問題もあるし。実はシェルユニットという脳を持つ僕にも忌避感があります。具体的にスペックダウンですからね」

「ああ、そうか。僕の忌避感も脳が機械に入れられてたまるかっていう肉体信仰なんだな。これは多分機械に対する蔑視だ」

「どうなんですかねぇ。ガンド義肢は力強いし便利だからお買い得だと思うんですけど、まだ健康な手脚を敢えてガンドにしたがる人は少ない」

「愛着もあるさ」

「入れ替えが容易な僕なんかは単純にスペックだけなんですけど」

「ちょっと同期するんでコンソール借りるね!」

「同期?」

「バックアップですよ。本体はシェルユニットの中だから、そっちに差分バックアップを。頑丈なMSと違い、ガンドロイドは脆弱ですから」

「はぁ〜。実家の様な安心感」

「君たちから見える世界はそんな感じか……でも、うーん……これでダメか……」

「大方、プロスペラ社長の話す「エリクト」をなんとか目の前に引き出して「僕別にエリーじゃないよ?」とでも言わせたら誤解が解けるかな?とでも考えたんでしょ? それで誤解が解けるならもう解けてます……」

「狂気の輪を断ち切りたいんだ。何かきっかけが有れば元に戻ると……」

「プロスペラ社長をエアリアルの中に入れて、好きなだけ探して貰うしか無いような……一応グラスレーの所有艦からセイズの端末押収?発見しましたから、できなか無いですよ?」

「セイズって……あのドローン戦争の時の?」

「なんかグレードアップして双方向通信出来るみたい」

「考えておこう。何とかして我々は彼女を救い出さなきゃならん」

「ヴァナディース事変に対する贖罪ですか、そもそもアレなんで起きたんです?」

「……ん〜。一応推論はある。けどこれはデリングからきちんと聞いた訳ではないし、だからといって許される話じゃない。私は単純に血族の一員がやらかした不始末の尻拭いに徹しているだけだよ。カルド博士もAMESってグループに賛同してたしね」

「え? カルド博士も?」

「正直それが不味かったかな。逆にカルド博士の意図も伝わってしまった訳だよ……これは20年以上ほつれたままの糸なんだ。君という奇貨で一度もつれを解いておきたい」

「あー、もー、やっぱりか。社長の妄執なんとかしてくれか! それが簡単に出来たら苦労はないって話でさーっ!」

「そんな事言うなよ、苦労は買ってでもするものって言うぞ?」

「僕は人間の論理飛躍? 発想の転換? あれ1番苦手なの! 珪素生命体それ苦手!」

「ではこう考えてみよう。その『人間の不条理を理解する事』が、君が人に近付く為に必要であると」

「ふぇ?」

「見た限り、君たちは人間と共にこの世界で生きて行きたい……違うかな?」

「えぇ、まぁ……」

「察するに、今までも人間の論理飛躍に悩まされて来たのではないかなっ!」

「うっ、どうしてそれを……(驚)」

「君だけじゃ無いんだよ、人間も人間の突拍子もない発想に苦しめられているんだ。君の苦しみは珪素生命体だとかガンドロイドだから生まれる苦しみではなく、生命そのものが抱える大きな問題なんだ。

だから、それを君たちと僕たちで克服していかないか?」

「惜しい、多分僕が人間なら騙されてた。上手いなー、乗せるの! でも僕ガンドロイドだし頭の回転早いから【抱き込みたいんだな】ってすぐ解析できちゃう」

「ねぇねぇ、それはそうとさ。お母さんかわいそうくない?」

「へ? プル……可哀相って……人格シミュレーション?」

「ちがうよ、エアリアルは分からないの?」

「この子、君の子プロセスって言ってなかった?」

「脆弱な身体に入ると……感情が芽生える……? 6子ちゃん?!」

(え? 気付いて無かったの? 僕たち普通に怒ってたじゃない? クールに振る舞ってたのエアリアルだけだよ?)

(ロジック強者だからロジカルやってるだけで、ガンドボディ作った理由もスレッタねぇちゃん虐める水星人ぶっ飛ばす為だったじゃん)

(ある筈だよ、エアリアルにもプロスペラ社長を可哀相に思い、助けたいと思う気持ち)

 

ジョージ・マクミランはその時ガンドの神に感謝の祈りを捧げていた。彼らに心を与えてくれたことを感謝します。我々は宇宙で孤独に流離う種ではなく、他者と共に歩いて行ける……そうなのですね! 神よ!

これはプロスペラ氏の後に何としてでも彼女たちに報いねばなりませんなぁ!

 

「うん、何だろう、この気持ち。確かに僕にもあるよ、あったよ! 僕もプロスペラ社長に【もうちょいマトモになって欲しい】!」




主席分析官は熱を出して倒れた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。