怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
(それは八甲田山の方だろというツッコミを待ちながら)
P.S.
全ページpvが10万超えたが、内5000pvぐらいは筆者の誤字修正読み返しの様な気もするからビミョーである(多分この物語そこまで読んでるの私しかいない)
そして、今日遂に! 筆者以外からの誤字報告がっ!
こんなに嬉しいことはない(こんなん放置してたかーと青ざめながら)
追記
BingAIに頑張って貰って挿絵追加。
「パーメット リンク 8!」
ガンさんのコールを聞いたスレッタがベルメリアに目配せすると、ベルメリアは「痛いのダイヤル」をキューっと8の文字のところまで捻った。
「これは落ちるわね」ベルさんの笑顔が怖い。
「──あのー……物凄い勢いでのけ反ってましたケド……あれ本当に平気?」スレッタが小声で尋ねる。辺りはシンとしてノレアとソフィは抱き合って震えている。
「大丈夫よ、本当のデータストームだったら64回ぐらい死んじゃうけど、痛みだけだから失神するだけよ。失神させない様にしたら精神ぐらいは一発で死ぬかもだけど……ああ、植物状態だけど生きてるパターンってそれなのね! 研究しなきゃ(使命感)」
気が付くと、プロスペラ──いや、エルノラは赤い砂嵐が荒れ狂う砂丘を
「エリー! エリー! 返事をしてーっ! お母さんよーっ!」
返事はない。
「エリー! エリー! お母さんよぉーっ!」
吹き付ける砂粒に目を
「何処にいるのエリー! お返事してぇーっ!」
びゅぅぅう、ごう。ふあぁぁぁあ、びゅぅぅう、ごう。
嵐は視線を
「エリー……」
力無く膝から落ちると、砂塵の上に涙が一粒落ちて、その砂粒が瞬く間に風に運ばれ飛び散って行く。
下を向くなら思い出して
「進めば二つ」と声にして
その細い眉を引き絞り、顔を上げて心で呟く。「進めば二つ!」
お母さんは、負けない。
夢は時に 呪いになる
願いは叶えようとするほど
人は平等じゃないと知るんだ
平等なんて、知ったことか!
あの子にはもう私しか居ない……唯一無二、2度と手に入らないナディムと私の娘よ!
「エリーーーっ!!!!! お母さんはここよぉぉぉぉ! お返事してぇぇぇぇ!」
涙の跡に砂が張り付く。いつしか髪は若き日の赤毛となり、それを
遠くにマントをはためかせて歩く背の小さな生き物! エルノラ・サマヤは足を砂に取られながら覚束ない足取りで小さな生き物に駆け寄る!
「エリー! エリィー! おかあさん、お母さんよぉ!」
それは信楽焼のタヌキに似た珍獣だった。
「おばちゃん、だれ?」ガンビット1子の名演が光る。しかし何故タヌキ?
「エリーじゃない……! そんな……!」
「ここにはそんな子居ないよ」タヌキがいつの間にか増えた!
「アリー、イリー、ウリー、オリーは居るけどね。エリーは居ない」
ここでまさかのアラン、イラン、ウラン、エラン、5号はおらん」の掲示板ネタが繰り返された。エリーは居ない。
「そんな事は無いわ、エリクト、エリクト・サマヤよ、私のエリー、大切な子!」
「アリクト、イリクト……」ガンビット3子ちゃんの名演はエルノラに遮られた。「いいから、それはもういいから、エリクトよ、貴方何か知ってない?」タヌキ達は白く光りながらその姿を受肉したガンビット6子……即ちプル、8歳時のスレッタ・マーキュリーに似た姿にモーフィングして行った。
しかし余りに容姿は瓜二つなのに、一人としてスレッタは居ない。雰囲気が違うのだ。あの子はこんなに酷薄な目をしない。眉毛をそんなに
「……元服したんでしょ? 彼女は今アスティカシアにいるよ」
「そう、あなたが別の名前にしたんじゃないか」
「でも……もう会えないかもね」
女児はいつの間にか11体にまで増えてエルノラを囲った。ガンビット6子ちゃんが扮する幼女が後ろから水晶玉の様なデバイスを取り出すと、その中には瓦礫に挟まって身動きが取れない「煤汚れッタ」が頭から血を流していた。
「「「「「早く、目覚めなよ」」」」」
「一体あれは……」頭を振って気を取り戻すとエアリアルの起動キー代わりの携帯端末が受信を知らせていた。スレッタだ……
「どうした……っ!」どうしたの、スレッタ?と優しく語りかけるつもりだったが、映像通信の画像を見てエルノラは息を呑んだ。スレッタが頭から血を流して瓦礫に押しつぶされている!
「良かった、エアリアルの中に居たんだね、そこなら大丈夫、エアリアルが守ってくれる……お母さんごめんね、私、もうダメみたい……」
「何! どうしたのスレッタ! 返事をして!」
「学校にまた、テロ……っ! (はぁはぁ) エアリアルが無いから、私、わたし……ごめんねエアリアル、お母さんをよろしく……」
「スレッタ! スレッタ! エリィ! エリーちゃん!!」
静かにエアリアルのコクピットが開き、その向こうに後ろ手で捕縛されたデリング総裁、ゴドイ、ガンさんが並べられている。
「レディ・プロスペラ、手を挙げて機体から降りろ。クワイエット・ゼロはじぇ……フォルドの夜明けが貰い受ける!」グエル氏、いい所で致命的ミス。スレッタがあんなに頑張って長台詞覚えたのに、君ってやつぁ……
幸い、耳には入らなかった模様。プロスペラの目が怒りに燃える。
「くれてやるわよ、こんなガラクタ!」ガラクタとはなんだねチミィ! ちょっとだけ僕は腹を立てた。
「肝心な時に動かないとか、役に立たないとか……腹立つわね」
「プロスペラ、終わりだ。クワイエット・ゼロは……」
「持って行くなり破壊するなり好きにしなさい。ただ、私の娘を殺したお前たち、エリーを殺したお前たちは……」マスクを剥ぎ取り鬼の様な形相でヘルメット姿のグエルを睨む。「娘の旅路が退屈にならない様に、血祭りに上げる!」
「いかん!」
「不味い! キレた!」
デリングとゴドイは悲鳴を上げた。プロスペラが流麗な動きでグエルの左肩を掴む。そのガンド腕は易々とプロテクター付きの宇宙服を貫き、グエル氏は声にならない悲鳴を上げる。
「動くな」
僕の背後に立つエキストラのラウダ君が銃を向けると、プロスペラはそちらに視線を投げた。野獣の目だ。
今、その時!
僕の瞳が赤外線シリアル信号を発すると、怒りに燃えた猛獣はその場に崩れた。
こ……殺されるかと思った……
デリング氏は、出すつもりだった自筆の「ドッキリ大成功!」の看板を残念そうに見ている。
凄い達筆なのに。
あやうく人が死ぬ所だったぜ。