「スーパーマリオ オデッセイ」発売5周年記念作品です。
マリオって滅多に喋らないから少し口調の把握が難しかったです。
「ねぇ、マリオ。ちょっと良いかな?」
「うん?」
キノピオ達が長閑に暮らしているキノコ王国。様々な国の住人が観光で来ており、非常に賑やかとなっている。そんな平和な国の中心地であるピーチ城の一室で、この国のスーパースターであるマリオと、相棒である帽子のキャッピーはのんびり過ごしていた。そんな中、キャッピーはマリオに声を掛けられた。
「以前クッパを追ってオデッセイ号で月まで行った事あるよね?」
「うん。まさか宇宙に飛び出すとは流石に思わなかったよ」
まさかクッパが月で結婚式を挙げるとは、当時はかなり驚いた。以前メガバッテン団*1を追った時にも月に行ったが、再び行くなんて思ってなかった。しかし、月では宇宙服無しで動けたが、それについては未だに謎である。いや、深く考えない方が良いか……
「オデッセイ号は宇宙に行く事が出来るって訳だけど、そこで僕はある事を思いついたんだ」
もしや。マリオはキャッピーが何を言おうとしているのか薄っすら察した。
「パワームーンを沢山使えば月より遠い所まで行けるんじゃないかな?」
成程。やはりそうか。
「もしかしたら宇宙の果てまで行けるんじゃないかな?」
「宇宙の果てかぁ……」
宇宙の果て。どうなっているのか想像もつかない。以前月だけでなく宇宙にも行った事がある*2が、宇宙の果てには行った事が無い。それに、月まで行けたオデッセイ号なら月だけでなく火星や金星、天王星や海王星などにも行けるのではないだろうか。
「行くにしてもどれくらいのパワームーンが必要なのか分からないね」
「あ、そうか…… え~と、確か月までは最低で何個で行けたんだっけ?」
確か、最低で124個で月まで行く事が出来た……
「124個で月まで行けるなら、そこから遠くまで行ける距離が分かるかもしれないね」
「よぉし! 本とかで調べてみよう!」
キャッピーは興奮したような様子で部屋の扉を開けて本を探しに行った。キノコ王国とお城と言うだけあって資料を置く場所に本は沢山置いてある*3。直ぐに分かるだろう。自分も行くか。マリオが立ち上がろうとしたその時だった。
「マリオ~、本が置いてある場所って何処だっけ……?」
キャッピーが恥ずかしそうな表情で戻って来た。そういえばキャッピーは図書室の場所を知らないんだったっけ? マリオはその事に気が付いた。
「ふむふむ、地球から月までの距離はおおよそ38万キロメートルか……」
ピーチ城の図書館でマリオ達は地球から月までの距離を調べていた。宇宙に関する本があったので、それを読む事により月までの距離が分かったのだ。
「えぇと、124個のパワームーンで38万キロメートルを航行出来るから、1個あたりだと……」
「約3064.516キロメートルか。1個だけでこんなに飛べるんだな……」
「凄いよね、パワームーンって!」
パワームーンのエネルギー量はかなり凄いようだ。ニュードンク・シティの発電もパワームーンによって行われている事を考えると莫大なエネルギーを持っているのも納得だ。
「とりあえず最初に何処に行くか決めようか。その場所までの距離に応じてパワームーンを集めないといけないし」
「う~ん、そうだな~…… まずは、火星はどうかな?」
「火星かぁ…… 先ずはそこにするか!」
「もしかしたら火星人がいるかもね!」
火星人…… フィクションでは度々出てくる存在。マリオも過去に宇宙人と会ったり戦った事がある*4が、火星人と会った事は無い。昔から火星には生命がいるのでは、と言われていた事もあって、先ずは火星に行く事に決めた。
「先ずは火星までの距離を調べよう。それで必要なパワームーンの数が分かる筈だ」
「えぇと、地球から火星までの距離は…… 公転しているので距離は変わるが、約1.5AU…… AUって?」
「あ、此処に書かれてる。地球から太陽までの距離を1AUって定めてるんだって。1AUで約1億5000万キロメートルかぁ……」
「うわぁ、凄い大きな数字だ……」
宇宙というのは途轍も無く広大だ。地球で使われている単位であるキロメートルなどでは数字の桁が大きくなり過ぎて混乱してしまうだろう。そこで、大きい数字を基準にして新しい単位を使えばある程度分かりやすくなる。宇宙と言うのはそれだけ広い世界なのだ。
「思えば地球から月までの距離も結構離れてるし…… ボク達って凄く広い世界を移動してたんだね…… いや、太陽系って宇宙のほんの一部分だから、まだ『広い』って言えないかも」
キャッピーの呟きも同意だ。月に行くだけでも遠いと思っていたが、宇宙全体で考えれば大した距離ではない。それどころかほんの一部分でしかないのだ。
「僕達はこれからその広い世界を
「うん! 面白い帽子があるかもしれないしね!」
帽子はあるのかな? 心の中でそう思ったが、宇宙人が被っているかもという思いなのかもしれない。キャッピーからすればわくわくするだろう。
そういえば1.5AUの距離を移動するにはどれくらいのパワームーンが必要なのかまだ計算していなかった。キノピオから借りて来た電卓を使って最初に地球から火星までの距離を求める。
「1AUで1億5千万キロメートルだから、1.5AUだと…… 2億2500キロメートル*5だ」
「って事は必要なパワームーン数を求めるには、1パワームーンの3064.516で割って……」
マリオとキャッピーは電卓をポチポチと押しながら数字を出していく。そして、必要なパワームーンの数を割り出した。その数は……
「73421.055……」
7万3千4百2十1。
7万3千個以上の数が必要。
「お、多い……」
「凄く多いね……」
膨大な数故にマリオとキャッピーは一瞬時が止まったような感覚を受ける。今まで冒険してきた中で沢山パワームーンを集めてきたが万単位の数は今まで無かった。宇宙が広いというのは理解していたものの、実際に数を算出してみるとやはり驚くものである。
「今あるのは1000個位だから、その……」
「そのおよそ73倍以上……」
今持っているパワームーンの73倍の数。
それだけあれば火星に行ける。
しかし、それだけ集めるのにどれだけ時間がかかるだろうか? もしかしたら年単位の時間がかかるのでは? 火星に行くのにそれだけ時間がかかるのだとしたら、太陽系を出たり他の銀河系に行こうとなると……
「何十年…… 何百年もかかるかも……」
「僕達、おじいちゃんになっちゃうなぁ……」
あまりの数に流石に困ってしまった。これでは時間がかかり過ぎる。どうにかパワームーンを短時間で沢山手に入れられる方法は無いのだろうか。
「ルイージさんのバルーンファインドで出来るだけコインを稼いで、クレイジーキャップでパワームーンを買ったらどうかな? 短時間でコインを沢山稼げる筈だよ!」
「うぅ~ん、それでも大分時間がかかるかも……」
良い案が思い浮かばない。
マリオの弟であるルイージが催してるバルーンファインドをすれば効率的に稼げるだろうが、それでも時間がかかる。パワームーンの値段は100コイン。必要なパワームーンの数は73421個以上で、現在持っている数は約1000個。つまり最低でも72421個のパワームーンが必要となるので必要なコイン数は7242100コイン。これだけ稼ぐのに時間はかなりかかる筈。
他に効率的に稼ぐ手段は無いかと考えていると、
「あれ? マリオさんにキャッピーさん。此処にいるなんて珍しいですね?」
「あ、キノピオ隊長!」
後ろからキノピオ隊長が声をかけてきた。
彼は世界の色んな所を冒険する探検家。マリオがピーチとティアラを追っていた時に色んな国に立ち寄ったが、その殆どの国でキノピオ隊長と遭遇している。彼がいる所は常人が行けないような所にいるのが多い。今まで過酷な冒険を経験したからこそその場所に行けたのだろう。
「何で此処に?」
「実は都市の国の計画で宇宙調査の話が出てるんですよ! そこで私が一緒に行く事が決まったので、先ず宇宙の事を調べに来たんです」
眠らぬ都市。
都市の国、ニュードンク・シティ。
常に最先端を進む国で、そこには最新技術が沢山存在している世界有数の技術国だ。宇宙に行く技術があっても不思議じゃない。そして、キノピオ隊長の話によるとどうやら調査の為に宇宙に行くようだ。宇宙は未知の世界故に誰もが行こうと思うようだ。
「あ! ねぇ、マリオ。都市の国のポリーンさんに僕達の話をしてみたらどう? 協力してくれるかも?」
「あぁ、そういう事か……」
「?」
キャッピーの言おうとしている事をマリオは理解した。それは、市長であるポリーンに頼んでオデッセイ号で調査に出かけようと言うのだ。ニュードンク・シティで一番偉いポリーンに話せばパワームーンを使わせてくれるかもしれない。そう考えたのだ。
「よし、早速頼んで見よう」
「うん!」
「えぇと、何をですか?」
マリオとキャッピーは早速ポリーンの元に向かう準備を始める。何を言ってるのか分からないキノピオ隊長は頭の上に「?」を浮かべているが、図書室を出る時にマリオ達の事情を説明した。
ニュードンク・シティの市庁舎。
見る者を圧倒させる高さと豪華さを併せ持つこの建物の一室にマリオとキャッピー・キノピオ隊長・ポリーンがいる。彼ら彼女らは話している内容は、宇宙へ行くための調査をマリオとキャッピーの船であるオデッセイ号で行わせるという交渉をしている。
「確かにあなた達のオデッセイ号なら月まで行けた実績がありますし、宇宙の調査をするにはうってつけですね」
「という事は……」
「えぇ、オデッセイ号で調査を認めます」
「やったぁ!」
受け入れられた事にキャッピーは喜ぶ。ふわふわと宙に浮いて手を振っている。その様子を見たマリオは自然と笑顔になってしまう。
「こちらとしても新しい宇宙船を製造する手間と予算を省けるというのも理由ですが、この国を救った英雄の頼みを断る理由はありませんからね」
英雄。かつてクッパがこの国にやって来た時ニュードンク・シティはメカハナちゃんに襲われてしまったが、マリオが打倒す事で再興する事が出来た。その一件の事だろう。
「やりましたね! マリオさん! これでオデッセイ号で宇宙に行けますね!」
「うん。先ずは火星に行く予定なんだけど……」
「えぇ、大丈夫です。私達の宇宙調査の第一段階の目標は太陽系内の惑星で、火星はその内の一つです。先ずは火星から調査する事にしましょう」
「あ、そういえば必要なパワームーンの数は……」
「大丈夫です。パワームーンは大量にあります。都市の発電は一日に軽く何万個も利用しているので、数は大量にあります」
「そうなんだ……」
都市の発電となると膨大な電力が使われる。それをパワームーンで行っているのだからかなりの数と想定はしていたが、ポリーン曰く「軽く数万」となると数十万や数百万は余裕で超えるだろう。しかも一日にそれだけ消費するとなると、1か月や1年となると膨大になるのも分かる。
「勿論都市の暮らしに影響が無い個数ですよ♪」
「星の数程ありそう……」
「月だけどね」
キャッピーの呟きにマリオの秀逸な返しが来た。確かにパワー“ムーン”だから“月”である。
まぁ、こんな事もあってオデッセイ号で宇宙に行く事が決定した。その第一段階として先ず火星に行く事になった。
調査当日。
オデッセイ号がニュードンク・シティの広場に停まっており、そこには多くの人達が集まっている。都市の国の住人だけでなく、マリオが訪れた事がある様々な国の住人、そしてルイージが出発式に出向いている事からかなり賑やかとなっている。
「遂にこの日が来たね……」
「うん。結構ドキドキするね」
「火星探検ですからね! 楽しみです!」
調査に向かうメンバーはマリオ・キャッピー・キノピオ隊長・キノピオ探検隊・ピーチ・ティアラ・ポリーンの合計10人。探検と調査は主にキノピオ達で行う予定だ。
「火星の事を事前に調べているけど、実際に見るのは初めてだわ」
「凄い楽しみー!」
「マリオさんやピーチさん達と一緒に行けるなんて嬉しいです」
ピーチ達もかなり楽しみにしており、ティアラに至ってはルンルン気分で宙を舞っている。兄と似たような仕草であるため、兄妹だな…… というのが分かる。
「それでは出発です!」
「気を付けてねー! にいさーん!」
皆が乗り込んで準備をした後、オデッセイ号は遂に火星に向けて出発した。地上で見送っている多くの国の住人は手を振りながら見送っており、オデッセイ号が上昇する度に彼らは小さくなっていくが、それでも彼らが手を振っているのはマリオ達には分かった。
こうして、オデッセイ号は大気圏を抜けて、宇宙空間に飛び出した。オデッセイ号の窓から地球が見えるが、大気がある部分は青く見え、非常に美しい惑星に見える。月に行った時も地球を見る事が出来るが、やはり何時見ても美しい。
「やっぱり地球って綺麗だね…… まるで宝石みたいだ」
「あ、あれはキノコ王国が見えるよ!」
「二人共はしゃいでるなぁ」
「ふふ、微笑ましい光景です」
「ティアラったら、随分燥いじゃって……」
マリオ達はキャッピー・ティアラの様子を見て微笑ましく思う。特にマリオにとってキャッピーは冒険の頼りとなる相棒なので、相棒が楽しく騒いでいるとこちらも騒ぎたくなってしまうものだ。
一方のキノピオ隊長達はと言うと、
「わぁ! これがシュワシュワーナのお土産ですね! 綺麗なグラスタワーです!」
「月のお土産も綺麗です~!」
景色よりオデッセイ号に飾られている土産物に夢中だった。探検隊のキノピオ達にとってお宝のように見えるせいかそっちに夢中になっている。宇宙の風景も宝に負けない位綺麗だと思うのだが。
「あ、月が遠く離れていく……」
「オデッセイ号もパワームーンがあればこんなに遠くまで行けるんだ……」
「もうすっかり宇宙船ね」
オデッセイ号はスピードを下げる事無く順調に宇宙空間を航行している。外から見える景色は星の輝きを映しており、その輝きはまるでダイアモンドなどの宝石だ。宝石の海とも言える空間をオデッセイ号は航海しているのだ。
「あ、そうだ。事前に火星の事を事前に説明しとこう」
もう直ぐ予定の火星に到達しそうな頃、キャッピーは何やらパンフレットのような紙を広げてその紙に書かれてる文章を読み始めた。
「太陽から四番目の惑星で、酸化鉄により赤く見える。約2年で太陽の周りを一周し、地球とほぼ同じ自転周期。重力は地球の4割程。水があると推測されてるから生命がいるかもしれないと期待されている…… だって!」
「一日の長さは地球と同じなんて驚きね!」
「重力は地球の4割かぁ。ちょっと跳べる位かな」
「マリオさんなら地球でも高く跳べますし、火星なら更に高く跳べますよ!」
「月にいた時は凄い跳べてたしね!」
「あれは正にJump Up Super Starでした!」
皆が会話を弾んでしばらくすると、オデッセイ号の前方にやや赤い惑星が見えてきた。アッチーニャのように赤い砂漠と局地の氷と思しき土地が見える。
あれが、火星だ。
「あれが火星だ!」
「着いたのね!」
本で見た通り赤い惑星である火星に到着した。オデッセイ号は着陸場所に向かって降下していく。その場所はアマゾニス平原という滑らかな大地。
砂煙を上げながらオデッセイ号は火星の大地に着陸した。見渡す限りの平原。地球ではこのような光景は砂漠などでしか見られないだろう。
「うわぁ、此処が火星かぁ……」
「結構殺風景のような……」
「まるでカラカラ砂漠*6みたいね」
「見渡す限りの平原です~!」
火星の大地に降り立った一同はそれぞれの感想を口にする。この場にいる皆はクレイジーキャップが製作した本格的な宇宙服を着ている。火星の大気の95パーセントは二酸化炭素だ。そのため幾ら超人的な力を持つマリオでもこの環境下では生きていけない。そのため宇宙服はどうしても必要になる。
「結構広々としていますね。火星の基地を造るにはちょうど良いかもしれませんね!」
「此処でバンドをするには少し寂しいですね。飾り付けとかした方が良さそうです」
キノピオ探検隊とポリーンが各々の意見を口にしている。当のマリオはと言うと、
「此処で皆とカートレースをしたら面白そうだな……」
カートの事を述べていた。今までワリオやドンキー・クッパ達とカートで勝負する事が多いので、そういう考えが浮かんでも仕方が無いだろう。キャッピーもカートをやりたいと言った事があるため何れキャッピーも混ぜてあげる予定だ。
「この辺りに調査基地を置いて今後の火星調査をするのはどうでしょう?」
「いや、少し離れた場所にオリンポス山があります。活火山の可能性があるので、もっと離れた所が良いでしょう!」
「確かにそうですね! それでは此処から離れた平原にしてみますか?」
キノピオ隊長の言う通りオリンポス山を含めた火星の火山の多くは死火山ではあるものの、将来噴火する可能性がある火山があるといわれている。キノピオ探検隊の相談によりやや離れた場所で調査基地を建てる事になり、火星の探査がこれから本格的に始める事になった。オデッセイ号も資材の運搬として使われるようになり、多くの人に役立たせる事が出来た。
こうして、火星に都市の国主導の調査基地が出来た。アメリカのNASAという宇宙を調べる組織と共同で調査する予定だ。それと並行して将来の移民・植民化も考えて居住地区も建設されている。
一方、マリオ達は宇宙船の着陸基地にいる。そこにはキャッピー達もおり、そこで今後の調査の事を話している。
「今回の調査の成功により、他の惑星への調査でもオデッセイ号を使わせて欲しいと頼みが来ています」
「本当に!?」
「えぇ。今後水星と金星の調査して内太陽系を調べた後、その次に外太陽系に当たる木星・土星・天王星・海王星に行って欲しいとの事です。その分パワームーンの提供をするとの事です。勿論私達都市の国も協力します」
「やったぁ!」
「水星と火星かぁ。太陽に近い分暑そうだなぁ」
「おぉ! 他の星にも行ける何てワクワクします!」
「まぁ! それは楽しみだわ!」
「綺麗な星に行ってみたい~!」
今後も協力してくれる事にキャッピーは喜び、マリオも面には出さないが内心は喜んでいる。キノピオ探検隊・ピーチ・ティアラも喜んでいる。他の星に行ける何て確かに喜ばしい事だろう。水星も金星も地球から離れている惑星だ。是非とも行きたくなるだろう。
「金星って明星って言うでしょ? 光ってる星なのかな~?」
「水星なら水がありそうですね! 何せ『水』が名前にありますし!」
皆は他の星を行ける事を喜んでおり、子供のように燥いでいる。特にこの中で一番幼いであろうキャッピーとティアラは特に燥いでおり、やっぱり兄妹なんだなと思ってしまう。キノピオ探検隊も喜びの表情を浮かべており、ピーチも楽しそうな雰囲気を晒しだしている。
このまま行けば更に遠い星にも行けるだろう。以前キャッピーが言った通り“宇宙の果て”にも行けるかもしれない。宇宙の果てがどうなっているのか。観測や推測をした者はいるものの、実際に行った者はいない。初めて到達した人物が自分達になるかもしれない。そう思った。
マリオは他の星を巡りながらその日を楽しみに待つ事にした。
それ以降の調査と探検は順調に進んだ。
水星に行った時は約600度という昼と夜の寒暖差・水星表面にあるリンクル・リッジという非常に高い崖にキノピオ隊長達はかなり驚いた。
金星では硫酸の雲を突破するのに苦労してやっと入ったら二酸化炭素の温室効果のせいで水星よりも暑い気温ととんでもない強風を体験する事になった。
小惑星帯を抜ける為にオデッセイ号を操縦して小惑星の間を潜り抜けたりしたが時々ぶつかってしまい傷付いた事があった。その時はキノピオ探検隊が持って来た修理キットでどうにか直す事が出来た。この小惑星帯を抜けて外太陽系に到達した。
木星などの外太陽系はガスで構成されており、着陸出来る地面が無い。そのため各惑星の衛星に調査基地を設置し、そこを拠点にして調査する事にした。木星の大赤斑の観測は楽しく行われた。
土星の環が約6万キロメートルという幅だが厚さが数百メートルしかない事に驚いた。
天王星は自転軸が大きくズレていて環が存在する事に驚いた。
海王星では「海」と書かれているがそれは大気の色である事を知ったり、様々な発見をした。
勿論各惑星の衛星の調査もしている。各惑星・衛星での発見はこれからの科学の発展・宇宙の歴史の解明に役立つだろう。
こうして太陽系内の調査が進んでいく中、冥王星やハレー彗星といった太陽系に関わる準惑星や彗星も調査していき、天の川銀河全体の調査へと進んでいった。途中でほうき星の天文台に遭遇し、ロゼッタ・チコにこれまでの冒険や宇宙の探検の話をして盛り上がった。
天の川銀河は大きな渦のような形をしていて、その中心から星の集まりに見える棒のような形状が渦を巻くように出ている。これを「渦状腕」と言う。その渦状腕にはそれぞれに名前が付いており、太陽系が存在するのは「オリオン腕」という渦上腕だ。オリオン腕の調査から始まり、オデッセイ号は「ベルセウス腕」・「はくちょう腕」・「いて腕」と、次々とオデッセイ号は赴き、横から見ると膨らんでいるように見える天の川銀河系の中心「バルジ」にも到達し、天の川銀河の周辺にある恒星の集団「球状星団」や天の川銀河の周辺を包む球のような形状の「ハロー」にも到達した。
そして、オデッセイ号は天の川銀河系の外へと向かった。
アンドロメダ銀河・さんかく座銀河・大きな銀河に引き寄せられた小さい銀河である「伴銀河」。
3個から50個の銀河の集団である「銀河群」・天の川銀河を含む銀河群である「局部銀河群」。
50から数千個の銀河が集まった「銀河団」・局部銀河群の近くにある「おとめ座銀河団」。
銀河群や銀河団を含む「超銀河団」の一つであり、局部銀河群やおとめ座銀河団を含む「おとめ座超銀河団」。
超銀河団が多数連なる「銀河フィラメント」と銀河が殆ど無い「ボイド」が大量にあり、それらが連なって泡のような構造に見える「宇宙の大規模構造(宇宙の泡構造)」……
マリオ達は宇宙の深い深い先へと向かって行く。
「結構遠くまで来たね」
「うん。地球から何億光年も離れてる場所まで来たね」
オデッセイ号は遠い遠い宇宙にまで来た。その場所は地球からかなり離れている。今いる場所は最近地球で確認された光の光源だ。光源までの距離は地球から約460億年程離れている。
宇宙が産まれてから約138億年。光より速く移動出来ないので観測出来る限界は約138億光年と思う人が多いが、宇宙は常に膨張し続けているため光が届く迄にその光の光源はどんどん遠ざかっているのだ。それを考慮すると観測出来る距離は半径約470億光年迄なのである。
「いやぁ、色んな星を見てきましたよ! これだけの数の星を見れたお陰で色んな事が解明出来ました!」
「お宝もありましたしね!」
キノピオ探検隊はオデッセイ号の室内には色んなお宝や石が置かれている。これらは赴いた星や惑星の鉱物や石、宇宙人から貰ったお宝だ。色んな銀河や惑星を訪れているため様々な宇宙人とも交流するようになり、色んな物を貰った。その星々の人達とは今地球と交流している。今地球と色んな星との文化交流が盛んで、宇宙旅行も多くなった。
「えぇ、キノコ王国もかなり発展しました」
「色んな宇宙人が来てるよね!」
「都市の国も様々な星の技術が取り入れられて大きく発展しました」
交流があれば技術も提供される。宇宙人から齎された技術で地球の技術は大幅に上がった。歴史に例が無い程の技術革新が起きた。発達した科学は魔法と区別が付かない、と言われているが正にその通りの状況だ。
地球は大きく変わった。これからも更に発展していき、人々の生活を豊かにしていくだろう。
「ねぇ、マリオ。最近僕は思うんだ……」
「?」
「このオデッセイ号は滝の国に置かれていた古い船だった。それが宇宙まで行ける程性能が高い。だから、今ならこう思うんだ……」
「……………………」
「このオデッセイ号を造った人は、宇宙に行きたかったんじゃないかな? 宇宙の謎を解き明かしたいとか、色んな星を巡りたいとか、宇宙人と仲良くなりたいとか、きっと色んな目的があって宇宙に行きたかったんだと思うんだ」
キャッピーは窓から星を見ながら答えた。
空を飛ぶ船は多数あるが宇宙まで行けるものは少ない。しかしオデッセイ号は100億光年以上離れた場所に十分行ける程の性能がある。それ程の高性能の船が昔造られたというのは驚きでしかない。最早オーパーツとも言って良いだろう。何故これ程の船が造られたのか。何の為に造られたのか。理由は今となっては分からない。
「まぁ、僕の推測なんだけど……」
「いや、間違いじゃないと思うよ」
マリオはキャッピーを見ながらそう答える。その瞳には迷いが無く、確信を持って言っている。
「僕の相棒が言うんだ。それを信じるのは当然じゃないか」
「……! マリオ……!」
マリオがキャッピーを信じる理由は“相棒”だから。
今まで多くの国を巡って冒険してきた。長く傍らにいて、互いに助け合ってきた故にキャッピーを信頼しているのだ。
「あ、見えてきました! あの惑星です!」
キノピオ隊長が声を上げた。目的の地だ。観測でしか見た事の無い惑星が近づいている。これからあそこを調査する。
「よし、行こう! キャッピー!」
「うん!」
こうして、次の星へ行く。
誰も知らない宇宙へ。
煌く世界で、より一層の光を放つ星へ。
皆もマリオとキャッピー達と共に、
その頃、此処は宇宙の何処か。
「うぅ~む、一体此処は何処なのだ!?」
「今調べております!」
漆黒の空間に一隻の船が航行している。その船は非常に豪華な見た目で、各所に煌びやかな金属とパックンフラワーの花束が飾られている、目出度いような船だ。その船の甲板の上には巨大な緑色の甲羅を付けている巨大な亀が何か喚き散らしている。
「もう放浪して55日だ! 何時になったら地球に帰れるのだ!」
「しかし、このまま真っすぐ行けばそろそろ見える筈なのですが……」
「全然見えてこんぞ! 方向を間違っているのではないのか!?」
この巨大な亀の名は「クッパ」。
多くの者を恐れさせる恐怖の大魔王で、今までマリオ達を苦しめてきたクッパ軍団のリーダーだ。そのクッパが何故宇宙の何処かを彷徨っているのだろうか?
実はピーチ姫がオデッセイ号に乗って宇宙に出たと聞いて「吾輩のピーチ姫がマリオと共に宇宙旅行だと! 認めんぞ!」という事でピーチ姫達を追いかけたのだ。しかし、宇宙は広大と言う事もあり見事迷子ならぬ迷亀になったのである。
かつて宇宙帝国を造ろうとした時*7は自身が調べた宇宙で活動していたので迷う事は無かった。しかし今回は勢いで出てしまったため完全に迷ってる。
「これでは地球に帰ることもままなら~ん!」
「ク、クッパ様…… 落ち着いて……」
「これが落ち着けるか~!!」
クッパが地団太を踏む度に甲板は大きな音を立て船を揺らす。船が揺れる度に船内にいるクリボーやノコノコ・ハンマーブロスといった部下達が転びそうになってしまう。そんな状態だから船の運航も一苦労している状態だ。
「ぬぉ~! マリオ~! ピーチ姫~! 緑のヒゲ~!*8 助けてくれ~!」
一体何時になったら地球に帰れるのか。
それは誰にも分からない…………
Nintendo Switchを初めて買ったのが2018年の年明けの頃だったのですが、その時同時に購入し、初めて買ったスイッチのソフトが「スーパーマリオ オデッセイ」でした。
マリオの3Dアクションは「スーパーマリオサンシャイン」以来だったので上手く遊べるか不安がありましたが、徐々に慣れていき、楽しく遊べるようになりました。雰囲気が全然違う色んな国に行くのが本当に楽しかったです。また、写真を撮るのにハマってしまい、何枚も撮影しました(皆さんは何枚位撮ったのかな?)
発売から5周年、おめでとうございます! 続編が発売されたら絶対に買います! ワリオやワルイージ・ロゼッタ・ドンキーコングを出してくれたら嬉しいです!