電子妖精のMasquerade!   作:はめるん用

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メインストーリークリア後に挑戦できるラスボスより強い先輩キャラ概念とか大好きで候。


⑦なかよし5人組、あるいは続編でのヤベー強キャラ集団。

「ほーん、それでウチに相談しにきたってワケな。勢い任せにいきなしブッ込まない天ちゃんのそういう冷静で慎重なところ、ほかの男子どもにも見習ってほしいわ~。で、幽霊探しのアシストだけど……そうなー、報酬次第で引き受けてもえーよ」

 

「報酬? なんだ、また素材買い過ぎて金欠にでもなったのか? 色気より食い気よりパーツ開発なのは今さらだけど、もう少し経済力というか、生活力をだな」

 

「いやー、あはは。それはそうなんだけど、そうじゃなくて。天ちゃんのノートにあった“ファンネル”とかって魔法武器の図面。アレ、ウチにちょーだい♪ インコムだっけ? アッチは須和が持ってたんだからいーでしょ」

 

「別にいいけど、ありゃ俺の思いつきだけで設計したヤツだぞ」

 

「要求を満たすのは技術の問題、大事なのはアイディアだよ。小型エネルギーガン風にデザインした式神を自動ではなくある程度手動で操作してオールレンジ攻撃とか、サイコーに頭おかしくてウチ好みだわ~」

 

「すまぬ、いせ殿。アレの武器に、我があるじは“はぁときゃっち”されてしまったのだ。こうなってはとにもかくにも造らねばおさまるまい。まぁ、しょうじきに言ってしまえば我もきょうみあるのだがね」

 

 

 蔵人が物理属性エンジニアだとするならば、この稲成美羽という女子生徒は魔法属性エンジニアに分類されるだろう。大昔に陰陽師たちが扱う武具を専門に取り扱っていた職人の家系らしく、ご両親も老舗FDメーカー『あまの屋』で主力商品である八百万シリーズの開発を手掛けている。

 美羽の相棒である烏天狗をイメージした法力型FD『伊吹』が装備している武装パーツも刀に錫杖に御札に数珠と、如何にも陰陽師というか……なんだろう、僧兵? みたいな雰囲気で統一されており格好いいと評判だ。

 

 しかしまぁ、ファンネルが魔法武器扱いされるとは夢にも思わなかったわ。確かにね、ガンダム知らん人にサイコミュ兵器とか見せたら魔法的なモノだと思うよね。騎士ガンダム物語でも魔法扱いだった気がするし。

 

 

「わかった。それで美羽が納得するなら、むしろこっちから作ってくれとお願いしたいぐらいだ。それで、時間の都合は?」

 

「んー? いつでもいーよ。夏休みの課題は全部終わってるし、大会とかバトルイベントの予定も無いし。ってか、ファンネルの図面貰ったらしばらく部屋に引きこもるし?」

 

「なら蔵人と蒼真がつかまったら行くとしよう。本格的に探索するかどうかは別として、どんなもんか現場を下見しておくだけでも得るものはあるはずだ」

 

「おっけおっけ。でも天ちゃんや、わかってると思うけどガチお祓い必要になったらウチじゃどーにもならんからね。そこだけは期待し過ぎないでね」

 

「そんときゃ証拠揃えてTNSに駆け込むさ」

 

 

 ◇◇◇

 

 

「というワケで、オレたちはウワサのゲームセンター跡地へとやってきたのだ!」

 

「やってきたでござる! ふむ、つい最近まで出入りしていただけあって小綺麗でござるな」

 

 テーブルに埃が積もっていることもなく、床が土や泥で汚れているワケでもなく。食べ物やらお菓子やらのゴミはちゃんと燃えるゴミの袋にしっかり捨ててある。中学生にとってこうした隠れ家的な空間は憧れだし楽しいだろうからな、ちゃんと大事に使っていたのだろう。

 ちなみにこうした場所はあえて残すようにしているらしい。悪ガキたちの遊び場を護るバカな大人がいてもいいじゃないかと有志を募りイロイロと頑張っていると教えてくれた。もちろん出雲学園の教師陣(主に男性)も一枚噛んでいる。

 

「幽霊FDか……。一応生徒会でもウワサ話は把握していたが、証拠が無いのではな。会長は気にかけていたのだが、副会長が下らないイタズラに付き合う必要はないと」

 

「あぁ、例の副会長さんね。真面目だし一生懸命なのはわかるけど、ボクは少し苦手かな。皆の模範として、という考え方は素晴らしいと思うのだけど」

 

「ハイハイ、本人のいないところであんまりそういうこと言わないの。副会長さんみたいな人は組織には絶対必要なんだから。お前たちも大人になればわかるよ」

 

「ちょっと蔵人サン、聞きまして? 天ちゃんってば副会長サマのお味方をするですのことよ」

 

「イヤね~これだから変なところだけ真面目なヤツわね! これはまたあとで天成の部屋に突撃してアイディアノート取り上げなきゃですわよ」

 

「さんせぇ~い!」

 

 

「別に漁られて困るような物なんて置いてないからいいけどね。なんだかんだ新しいパーツの完成は楽しみだし。……ルビア、どうだ?」

 

「FDはもちろん、人間の魔力反応も無し。いまのところはね。ま、これがイタズラ好きの迷惑なマスターの仕業だとしたら、バトルログが残らないってのは変な話になるさね」

 

「それもそうか。となると……ウィルスが悪さをしてる可能性のほうがまだあり得るな。魑魅魍魎、悪鬼悪霊。大先輩の皆さんが苦戦したんだ、現代人の俺たちが翻弄されても仕方ないってね」

 

「それならむしろ楽でいいじゃないか。マスターの得意分野だろ? 駆除したデータはキッチリTNSに報告しとくから安心しなよ」

 

 イカや魚が生き残るために空を飛ぶように、怨霊たちも電子の世界に……いや、さすがに違うか。時代が変化しても人間たちを負の感情で満たしてやろうとする一途さは見習ってもいいのかもしれんね。

 

 チーム戦ともサバイバル戦とも違う、マスター同士が協力してウィルスと戦い電子機器やらサーバーやらを防衛する『ウィルスバスター』の仕事は公式戦に出られない俺の貴重な収入源だ。

 FDを相手にするバトルとは違う、数の暴力に如何にして対抗するか。表層での防衛戦ではたまにリーダーをやりたがるマスターが複数現れて連携がバラバラになってしまうこともあるけど、セキュリティの深い部分ではちゃんとチームワークを優先してくれるマスターが揃うので安心して戦えるのだ。いや、深層までウィルス侵入してるんだから安心しちゃいけないんだけどさ。

 

 

「仮に伊瀬様の仰る通り、ウィルスが我々FDの姿を模しているのだとすれば由々しき事態ですわね。電脳空間で全てが完結するウィルスどもに装備コストの概念などあるとは思えませんし、パーツを揃えるのに苦心する必要も無いでしょうから」

 

「うむ、相対すればみようみまねでかんたんにぱーつを再現されるだろうな。我らの武器がしんかするほどやつらもたやすくおいついてくるだろう。もちろん、もほうしたところでつかいこなせるかは別のはなしになるがな」

 

 

 コピー、コピーか。

 

 ロボット作品では定番の敵キャラではある。主人公の機体をコピーして量産し、高性能(笑)な人工知能をパイロットにして挑んでくるのはお約束といっていい。特にスーパーロボット系の作品ではコピーとの戦闘がパワーアップの切っ掛けになることも多い、気がする。

 しかしウィルスがFDの真似をするとなると……どうにもイヤな予感しかしない。最初は姿形だけをFDに似せる程度かもしれないが、そこから自我に目覚めてチームワークを駆使して挑んでくるように、なんてことになればどうなるか。

 

 数の暴力に連携が加わる、控え目に表現して地獄かな? やはり火力、我々には火力が必要なのだ。大艦巨砲主義バンザイ、早急にメガバズーカランチャーを開発するのだ!

 

 もちろん俺は遠慮させてもらうけどね! だってなんか不吉だもの。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 不良くんたちは本当に真面目にゲームセンター跡地を利用していたらしく、電気の管理にも気を遣っていたようだ。出入り口のところに手書きで『帰る前にブレーカー!』と大きなポスターが張られていたとおり、施設は完全に沈黙していた。のだが。

 

「うおッ!?」

「む……ッ!」

「なにッ!?」

「にゃッ!?」

 

 部屋に入ると同時にフィールドの電源がオンになり、その中央にお客さまが現れた。いや、状況的には俺たちのほうがお客さんなのかな? 

 

 

 

 

『フ……フフ……! 見ツケタァ……見ツケタゾォ……! ソノ魂ノ輝キ、オマエコソガマスターニ相応シイ……! ツイニ見ツケタァ……我ガマスターァァ……ッ!』

 

 

 

 

「よかったねマスター、こういうのを“逆ナン”って言うんだろ? 男の子のロマンじゃないか」

 

「愛が重そうなのが難点だな。付き合ったら一生肩こりに悩まされそうだ」

 

 ギリギリ人型に見えなくもない影がフィールドの上にニョキっと生えて、なんとか頭部っぽく見える部分がニヤリと笑った……ような気がする。

 しかし魂の輝きときたか。それってやっぱり俺が転生者だからだよなぁ。俺自身がオカルトの塊なワケだし、こういう手合いに好かれる理由としては充分だろう。

 

「オイオイオイオイ、閉じ込められたわオレら。ってマジかよッ!? 電子制御のハッキングじゃなくてポルターガイストとか初体験なんだけど! ちょっと感動だけどヤベェだろコレはッ!!」

 

「どいて蔵人ッ! ──急々如律令ッ!! ……うん、やっぱムリだわー。うん、外部とも通信つながんないし、こりゃお覚悟キメてウイルス駆除せんと出られないわー」

 

『ウフフ……アハハ……アハハハハッ!! ムダムダムダムダァァァァッ!! 逃ガサナイ、逃ガサナイゾォッ!! サァマスター、一緒ニ戦イマショウ? 誰ヨリモ誰ヨリモ誰ヨリモ誰ヨリモ強クナルタメニィッ!!!!』

 

 

 

 

「……なぁ、ルビア」

 

「……なんだい、マスター」

 

「空気、読まないとダメだよな」

 

「読んだほうがいいだろうねぇ」

 

 俺の相棒、ルビアはレンタルFDである。

 

 レンタルFDはその性質から常にTNSとオンライン状態なのである。

 

 如何なる事情があろうとも、オフラインになった瞬間スタッフに連絡が行くのである。

 

 常に監視されているような気がすると、そういう部分でレンタルFDを嫌う人も多い。データ収集に協力する見返りとして安くバトルが楽しめるのだから悪くないと思うのだが、まぁ普通はイヤだろうな。プライベート覗き見されてるようなもんだし。

 だが、今回のようにトラブルに巻き込まれた場合は実に頼もしい非常連絡装置となる。悪用防止のためにTNSのセキュリティスタッフ、あるいは警察のFD部隊が事実確認のために現場に急行することになると、利用規約にちゃ~んと書いてある。

 

 なんなら、本気か冗談かワカランけど日本で一番長くレンタルFDを相棒にしているマスターということで俺はかなりの注目を集めているらしいので、いまごろTNSでも異常事態ってことで動いてくれてるんじゃないかな。ルビアも幽霊FDの調査のこと一応報告してくれてたみたいだし。

 

 

「……そう、だな。とりあえず、ひとつ提案があるんだがいいかな?」

 

「テイ、アン? フフ、ナニカシラァ?」

 

「一目惚れで気に入ってくれたのは嬉しいが、せっかくフィールドもあることだし、ここはお互いをもっとよく知るためにもバトルといこうじゃないか」

 

「……ヘェ? アハ、アハハ! 素敵ヨ、トッテモ素敵ヨマスターァッ!! 本気ナノネ、本気デ我ヲ試スツモリナノネェッ! アハ、アハハハハッ!!」

 

「天成! まさかとは思うけど、キミ本気であのウィルスのマスターになるつもりなのかい!?」

 

「これでもし負けたら今日から俺はGDコマンダーとしてデビューだな。ウィルスが入るためのコアも買わないと」

 

「ハァ……お前というヤツは。もちろん負けるつもりはないのだろう?」

 

「当然。なぁ、運命のマスターが弱かったらガッカリするだろう? やるなら本気で遊ぼうじゃないか」

 

「ウフ、ウフフ♪ イイワ、全力デ壊シアイマショウ? マスターノ心ヲハッキングシテアゲル。サァ、5人マトメテカカッテコイヨォッ!!」

 

 あらやだ、交渉無しの自然な流れで全員参加オッケーになってる。たぶんアレだな、ウィルスって基本的に1対1で戦わないから俺個人じゃなくてチーム単位で認識してるのかもしれんな。向こうにしてみれば「エ? バトルッテ大勢デ遊ブモノデショウ?」みたいな。この世界の怨霊は孤独とは無縁らしい。

 

「ルビア、レンタルFDのお前にこういうこと言うのもなんだけどさ。零式をお迎えするまでは、俺はもう少しだけお前と一緒にバトルしたい」

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。マスターにそんなこと言われちまったら、アタシも本気で勝ちにいかなきゃならない──ってマスター!? アンタ負けたら本気でGDコマンダーになるつもりかい!?」

 

「俺、ウソ、ツカナイ」

 

「……呆れた。やれやれ、健全な青少年がイロモノ軍団の仲間入りしちまうのは、TNS所属のFDとしちゃ見逃すワケにはいかないねぇッ!!」




転生者チームはこの5人で行動させる予定です。これ以上キャラを増やすと確実にもて余すでしょう。
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