夜を徹して移動したリュウマ達は町に到着電車に乗り空港を目指す。
「はぁ!?お前ら全員観光ビザで来てんのか!?ハンター
「俺達もそう言った」
「誰も使わないから全員が付き合う事になったがな」
「うん…だって決めたんだもん。やること全部やってから使うって!」
「何だよ?やることって」
「え~っと……お世話になった人に挨拶に行って……カイトって人に落とし物返したいし。でも一番は……」
ゴンはポケットから『44』と書かれているハンター試験で使われていたヒソカのナンバープレートだった。
「このプレートをヒソカに顔面パンチのおまけ付きで叩き返す!!そうしないうちは絶対ハンター
「ゴン、意気込むのはいいんだけど…肝心のヒソカの居場所は?」
「うっ……知らない」
「「ドアホ」」
「うぅ……」
リュウマとキルアが呆れながら言われて、項垂れるゴン。するとため息を吐いたクラピカが口を開く。
「私が知ってるよ」
「本当!?」
「ああ」
「……最終試験の時か?」
「それもあるし、講習会の後にも聞いた」
レオリオが真剣な顔でクラピカに訊ねる。
「ずっと気になってたんだが。何を言われたんだ?」
「……クモについていいことを教えよう、とな」
「…幻影旅団か?」
「ああ。そして、講習会の後に問い質したら9月1日…ヨークシンシティで待ってると言った」
「9月1日、半年以上先だね」
「ヨークシンシティで何かあんの?」
「ヨークシンシティ…9月1日。あっ!」
「世界最大のオークションがある!」
「成る程、まさに盗賊にとっては格好の的になる時期だな。奴らが狙わない筈がない」
レオリオとポンズがほぼ同時に気づく。今年世界中から国宝級の貴重品が集まる場で、マフィアが欲望を満たすためやってくる世界で一番金が集まる場所だ。
「ヤツらが来るのか」
「かもな。少なくとも関わりの深い連中はごまんと来るだろう」
「というわけでその日、ヒソカはヨークシンのどこかにいるはずだ。見つけたら連絡するよ」
「わかった。ありがと!」
ゴンの今後の方針も決まりヨークシンの話が終わったようだった。
「じゃあ、私はここで失礼する」
「え!?」
「キルアとも再会できたし、私としては一区切りついた。これからは本格的にハンターとして、仕事を探す。オークションに参加する金も要るしな」
「そうか……じゃ、俺も故郷に戻るとするか」
「レオリオも!?」
「やっぱり医者の夢は捨てきれねぇ。国立大学に受かればバカ高い授業料もハンター
「……うん! 頑張ってね!」
「リュウマとポンズはどうするんだ?」
「俺はポンズとしばらく行動を共にする。約束もあるしな」
「ええ、今の私の実力じゃ胸を張ってプロハンターとして活動はできない気がするの。だから…もっと力をつけてからプロのハンターとして活動したいの!」
「そうか、頑張れよポンズ」
「ええ、レオリオも勉強頑張ってね」
「おう、サンキューな」
「また会おうね!」
「そうだな。次は……」
「「「「「「9月1日。ヨークシンシティで!!」」」」」」
再会の約束をし、クラピカとレオリオは空港で別れたゴン達。
「さて!俺たちこれからどーするキルア?」
「どうするって、特訓に決まってんだろ?」
「ヒソカを殴りたいんだろ?そんなんじゃ半年どころか何十年かけてもヒソカの顔面を殴ることは出ないぞ?」
「なんでそんなに楽観的なのよあなたは…」
「うぅ……」
楽観的なゴンにキルア、リュウマ、ポンズ、は呆れ、ゴンは再び項垂れる。
「そう言えばポンズはどうしてリュウマと行動するんだよ?ただ鍛えてもらうためじゃないだろ?」
「ええ、リュウマがハンターになったら力を教えてくれることになってるの、リュウマ曰く…プロハンターなら誰でも使えるらしいけど」
「力?」
「うん。リュウマ…そろそろ教えてもいいんじゃないかしら?」
「……そうだな。とりあえず説明はしておくが、ハンターじゃないキルアも一緒となると条件がある」
「なんだよ?」
「来年ハンター試験を受けること…この条件を飲まないと教えることは出来ない」
「…わかった。条件をのむ…さっさと教えろよ、その力ってやつを」
リュウマは頷いて、念について簡単に話すことに決めた。
「今から教える力は【念】と呼ばれているものだ」
「念?」
「ああ、この力はプロハンターなら使えて当然。まぁ既に使える人物、お前らも何人かは心当たりはあるだろ?」
「ヒソカも?」
「そうだ。今年の受験者の中では俺とヒソカ、そしてキルアの兄貴が念を使える。ハンター試験の試験官達はもちろん全員使える」
「どんな力なんだ?その念ってやつは…」
「……」
キルアが訊ねた直後、リュウマは【練】を行い2人に威圧をかける。キルアとゴン、ポンズはリュウマから異常な圧迫感を感じて反射的に跳び下がる。
「今のは……兄貴と同じ」
「そう、お前の兄貴がキルアを威圧してたのがそうだ」
「リュウマの使ってたあの威圧とはまた別の物?」
「そうだな、その辺は詳しくは教えるつもりはないが、ポンズが知ってるやつは全く別物だ」
「?さっきのが念なの?」
「その一部だ。念は体に眠るオーラを自在に操る力。つまり、キッカケさえあれば誰でも使うことが出来る。自覚はなく稀に生まれ持って既に扱えると言う事例もなくもない…ポンズ、お前が蜂を操ってるのがそうだ」
「え…私の蜂が?」
「ああ、だが教える段階もあるからその辺はある程度念が身についたらな。念の恐ろしいところは、オーラだけで人や物を簡単に壊せることだ。これを防ぐには、念には念で対抗するしかない。こんな感じにな」
リュウマは紙切れを取り出しオーラを流し込むとピラピラだった紙は直立し、それを手裏剣の応用で木に投げその紙切れは木を貫通し地面に突き刺さる。
「今の技術は見覚えあるだろ?これを人に向けて叩き込む。念を全く使えない人間が今のを防げると思うか?」
3人は冷や汗を流して首を横に振る。
「お前達にこれから念の使い方、そして念能力の基礎や守り方を叩き込む。一応聞くが……覚悟はあるか?」
「今更よ…当然出来てるわよ」
「……その念は、ハンターなら誰でも使えるんだよね?」
「ああ…」
「だったら、俺も一緒に鍛えてほしい!ヒソカと戦うにも、親父を探し出す為に、ハンターとしてやっていくにも必要だったらやるしかないじゃん!」
「俺もやるよ」
ポンズ、ゴンとキルアは決意した顔で頷く。リュウマも笑みを浮かべて頷く。
「そうか。ならうってつけの修行場所に今から向かうぞ」
「うってつけの修行場所?」
ゴンが首を傾げる。
「そういやゴン。お前金はまだあるのか?」
キルアがゴンに所持金のことを言われると少し気まずそうに言う。
「うっ……そろそろやばい」
「俺もあまり持ってない。確かにあそこならうってつけだな」
「どういうこと?」
「もしかして……天空闘技場?」
「そうだ。鍛えることと金を稼ぐことを同時に行うことが出来る場所……それが天空闘技場だ。だから今後活動のためにもうってつけの修行場所だ」
「天空闘技場……」
「とりあえず俺たちはこれから天空闘技場に向かう。念の詳しい話はそれからだ」
「それもそうね」
「分かった!」
「おし、早く行こうぜ!」
こうしてリュウマ、ポンズ、キルア、ゴンは、決意新たに『天空闘技場』へと向かうのだった。