カルデアに探索者が召喚されました   作:POTROT

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怒ってるヤツはやりやすい

 えー、はい。なんやかんやあって無事に引き摺り出せました。

 いや、すごかったね。うん。瞬殺だった。

 戦闘が始まるや否や立香ちゃんが、なんかすごいキラキラした縦ロールの如何にもお嬢様って感じの人(露出:強)を呼び出したと思ったら、石像がバックドロップされてた。

 んで、気づいたら勝ってた。

 

 ちょっと何言ってるかわかんないと思うけど俺も自分で何言ってるかわかんない。

 頭がどうにかなりそうだった……催眠術とか超能力とか、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

「うう、ひどいっス。ボクの楽園スーツがぁ……」

「上出来だ。たまには外に出て運動しないと体に悪いぞ」

 

 いや、カルナさん。それはもうオカンなんよ。完全に保護者のセリフなんよ。

 ……うぅん、こうなるとますます以前の関係が気になるなぁ……えぇー? マジでどういう関係だったんだ? 今の所の最有力候補は「引きこもりの娘とその親」だけど……

 まぁいいや。とりあえず指示班の連絡を待

 

『はっは、勝ったか? 勝ったな?』

 

 あっ、待ってなんか嫌な予感が

 

『ならば生殺与奪は我々が握ったという事だ! というわけでそこの敗北者君! 大人しく我々に協力せよ!!』

 

 あーもう滅茶苦茶だよ。

 だからダメだって初対面の人にそれは。反感買うだけなんだから。

 

「また出たっス。もうなんかウザいんで神権濫用で神罰下していいっスか?」

 

 それは結構やめておいて欲しいんだよなぁ……でもなぁ……

 まぁ、うん、これは下されても所長が悪いと思う。俺もあの人の立場だったら絶対にウザいって思ったもん。

 これはアレだな。いつか所長には初対面の人と丁寧に話し合う必要性について説明する必要があるな。

 とりあえずあの人を宥めるのは立香ちゃんにお願いして、ヤバそうなら俺が【言いくるめ】でも【説得】でも振ろう。

 

「まぁまぁ……あんなでも一応普段は良い人だから……ちょっと、話だけでも……ね?」

「む……ま、いいっスよ。実はキミの一般人オーラには親近感が湧いてたんで、キミに免じて許してやるっス。さ、お喋りタイムといっちゃうっスか」

 

 よし、大丈夫だったな。……しかし、一般人オーラかぁ……俺も出てるのかな、それ? 

 なんか最近の俺の事こと考えたら多分出てないだろうけど。

 さて、じゃあ説明の時間にしましょうかね。俺のトークスキルが活きるかな? 

 

 □□□□

 

「はー。そっちは意外と大変なコトになってたんスねぇ……っていうかキミ」

「え? どうしたの?」

「パンピーどころか超重要人物じゃないっスか! 凡人仲間だと思ってたのに、裏切り者ぉ!」

 

 いや、それって貴女が勝手に思い込みで裏切られただけですよね? 

 っていうかそもそもこんなところにいる時点で常人じゃないことは分かってたでしょうに。

 その辺言ってやってくださいよマシュさん。

 

「はい先輩は一般枠のマスターですがそのご活躍は止まるところを知らずA級魔術師にも引けを取らないのですそのあたり詳細に説明しようとするとレポート資料最低500枚は用意しなくてはならないので今はなかなか難しいですね非常に残念でなりませんが」

「お、おぉう。本気で言ってるっス。怖い」

 

 うん。俺も今のは怖かった。流石に立香ちゃん本人も引いてる。

 息継ぎなしで今の全部言えるとか人間辞めてるよそれ…………まぁ辞めてるんだけど。

 俺もやろうと思えばできたりするのかな? 【言いくるめ】に補正入りそうだし、できるならやってみたいんだけど。

 

「えー、気を取り直して……そんでキミ一般人だったんスか!? そんないかにも『自分、生粋のサーヴァントです』みたいな格好とオーラしてるのに!! あんなにエグいパンチ繰り出してきたのに!! 一体全体カルデアはどうなってるんスか!?」

「俺も聞きたいですよそんなこと」

 

 いきなり俺に矛先を向けないで欲しいところなんだがなぁ……まぁ、うん。気持ちはわかる。マジでどうなってるんだろうねこの機関。

 あと確か一般人枠はイリヤちゃん? だったっけ? もいるんだったか。俺も立香ちゃんもこんな感じに一般人詐欺してるってこと考えると、その子も何かあるんだろうなぁ……変な方向にぶっ飛んでないといいなぁ……

 

「疑問 神霊 凡人に あらず」

「うむ。お前も神霊の器なのだ。とても凡人ではあるまいよ」

 

 あ、そうじゃん。そもそもお前も凡人じゃねぇじゃん。

 あまりにも現代味が強すぎてこの人が神ってこと忘れてたぞ。

 もっと神らしくしていてくれ。

 

『しかし、そんな一般人なガネーシャ神であるキミは何故この異聞帯に召喚されたのだろうか?』

 

 矛盾も甚だしいなオイ。なんだ一般人なガネーシャ神。

 そんなヤツがいてたまるか。

 

「えぇぇ……? それはボクの方が聞きたいっス。なんとなーくお前に決めた、みたいなのノリで……ボクの中にガネーシャさんが入ってきて……的な? 『世界を救え、電子の勇者よ。まぁちょっと無理あるかもしれんが可能性の塊っていうか可能性そのものな汎人類史ならお前でもいける。さぁ、羽ばたくが良い。というか母様方面からの要請なので羽ばたく以外に選択肢がない。あと、ぶっちゃけ世界を救わなければ色々やばいので覚悟せよ』……みたいな? あ、クラスについては知らないっス。ボクを探すときに小悪魔系の仲介者に頼んじゃったんスかね?」

 

 随分とまぁ難儀な神様してるなぁガネーシャ様……でも、しっかり人類を救いに来てくれてるあたり優しさを感じる。

 あと俺その小悪魔系仲介者にちょっと心当たりあるんだけど、アイツじゃねぇよな? そうだよな? 

 

『ふぅむ、では…………

 

 

 □□□□

 

 

 えーはい。あれから結構話長かったので要点だけ纏めさせてもらうと、

 

 ・ガネーシャさん味方になる

 ・ガネーシャさんは元々此処にいたわけじゃない

 ・ガネーシャさん町に行ったのは5日前

 ・5日前の町は綺麗そのものだった

 

 という具合でして、今現在翌日。我々はカリ・ユガに直面しております。

 ちなみにこのベッドに慣れまくった俺は洞窟じゃ寝れないんじゃないかと寝不足覚悟でしたが、なんと俺のコートが寝袋になるというなんとも便利な機能を持っておりまして、ちゃんと寝れました。

 あ、立香ちゃんはちゃんとマシュちゃんが持ってきていた高性能な寝袋で寝てました。

 

 で、カリ・ユガなわけですが、清々しいくらい世紀末です。

 空の色は澱んでるし、植物は何故かどれも焼け焦げてるし、地面には水気が全く無い。

 明らかに異常。SANチェックも入った。

 

 しかも途中途中で獣どもと戦闘したんだが、どうにも体が重い。

 GM曰く、ちょっとステータスにマイナス補正がかかってるんだとか。

 で、そんなこんなあってやっと町に到着したわけなんだが……酷い。

 

 建物は殆どが倒壊してるし、植物類はご丁寧に全部枯れてるし。たった1日でよくもまぁここにまでなったものだと感心さえできる。

 だが一応人間達も生きてはいた。犬っ子とその父親も生きている。犬もちゃんと生きてはいたが、まだ足を引きずっていた。

 あとあのクソ町長もいた。飽きもせずに唾を噴き出しながら突っかかってきてキモかったが、おかげでいい情報も手に入った。

 

 どうやらこの世界にはガチモンの神がマジで1柱いるらしい。

 町長の言い分から、俺もホームズさんもそう推測できたので多分間違いないと思う。

 っていうかホームズさん、事あるごとに俺に意見求めてくるの心臓に悪いからやめて?

 

 まぁ、多分俺のスキルとか、CoCで鍛えた推理力を買ってくれてるって事だと思うのでそれは良いことだとして、今現在我々はカリと交戦しています。

 えー、数が滅茶苦茶多くて、かなり苦戦を強いられております。

 

「ぷひー! 多いっス! きついっス! 休憩していいっスか!?」

「駄目です! こっちだってキツいのは変わりないんですから!」

「えぇいわかってるっスよ! わかってるっスから!! もう少しだけ頑張るっスよ!」

 

 マジで休みやがったらどうしてやろうかと思ったぞお前。

 アンタ普通に滅茶苦茶強いし結構カリも倒せてるんだから、休まれると正直俺がキツイ。

 

「……む、あちらもお出ましだ。来るぞ」

 

 あぁもうここで白いのも登場かよ……! 

 うぅん……できるだけカリと戦わせつつ、こっちに来たのだけ処理って感じか。

 面倒臭いが、ギミックみたいなモンだと思えば……! 

 

『【Buster】……自動成功。【ダメージ】4000d3……8383。【クリティカル】50≧34……成功。クラス相性によりダメージ1.5倍』

『【Arts】……自動成功。【ダメージ】2500d4……5791。【クリティカル】50≧79……失敗。クラス相性によりダメージ1.5倍』

『特殊技能【連続攻撃】……クリティカル120回判定中68回成功。クラス相性によりダメージ1.5倍』

『【幸運】……23回判定中18回成功』

『【アイデア】……自動成功【ファンブル】90≦21……成功』

『【Arts】……自動成功。【ダメージ】2500d4……9899。【クリティカル】50≧12……成功。クラス相性によりダメージ1.5倍』

『【Arts】……自動成功。【ダメージ】2500d4……8821。【クリティカル】50≧00……失敗。クラス相性によりダメージ1.5倍』

 ・

 ・

 ・

 :

 :

 :

 :

『【幸運】80≧17……成功』

 

 ……ええい全然数が減らん!! どっから湧いて出てきてやがる!? 

 もしかして今回も無限湧きなのか? ってなると時間制限はいつだ? 

 ……まさか今日が終わるまでってか? 

 あり得ない話じゃ無いってのが恐ろしい。でもさっきまでは止んでたっぽいし、もう一回くらい小休止くらいあるとは思うんだが……

 

「立香さん、大丈夫ですか? 休憩は取ってます?」

「大丈夫、騙し騙しやってるから」

 

 それは……大丈夫なのか? 

 人間の限界って割と早く来るぞ? 俺の場合は【CON】と【POW】でなんとかなるが……

 うーん……休憩は無理矢理にでも取らせた方がいいか? だがなぁ……うぅぅぅん…………

 

「うむ、いい強がりだ! 励みになるな! うむうむ、このままいけば人的被害を出さないことも可能ではないだろうか?」

「あ、駄目っスラーマ君。そーいうのをフラグって言うんスよ……」

 

『【聞き耳】60≧78……失敗』

『【幸運】80≧37……成功』

 

 あ? え? なんか今振ったな? 一体何ガァッ!? 

 

『【ダメージ】1000』

 

 …………グゥッ……か、壁……ぶっ飛んだのか……真横に何か降ってきた…………? 

 

「一栗さん!!」

「ああ!? 知らねぇ神気を感じてみりゃあ、こりゃどういうことだぁ!?」

 

 知らん男の声……まさかコイツが神なのか? ……いやでも言動的にそんな感じはしないんだがな……

 見た目は……赤い髪、黒い肌、デケェ車輪。

 うん、わっかんね。

 

「ふざけんな、腹が立つ。ああ、怒りが収まんねぇな……どうしてテメェがここにいやがる! カルナァ!」

「……お前か、アシュヴァッターマン」

 

 あ? 知り合いか? 

 まぁ、見た目もインドっぽいし、あり得ないわけじゃないな。

 でも俺アシュ、アシュヴ……言いづらいな、アシュバでいいや。アシュバ君なんて知らないんだけど。正直、俺マハーバーラタちゃんと読んでないし。

 

「……カルナさん、知り合い!?」

「肯定する。ヤツはアシュヴァッターマン。クル族の大戦において、同じカウラヴァ側で共に戦った勇士だ。俺の師ドローナの息子であり、兄弟弟子であり、友であり……」

「そして、今は敵だ、カル『【Buster】……自動成功。【ダメージ】4000d3……10026。【クリティカル】50≧61……失敗。クラス相性によりダメージ1.5倍』グォアァッ!?」

 

 そうかそうか、敵か。なら容赦は要らないな。

 とりあえずぶっ飛んでおけ。

 

「テメェェェェェェッッッ!!!」

『【回避】20≧58……失敗。【ダメージ】2000d2……3643。クラス相性によりダメージ2倍』

『【応急手当】……自動成功。【クリティカル】50≧87……失敗』

 

 ぐお!? 痛ってぇ! この車輪バカ強いが!? 

 

「テメェコノヤロウ!! いきなり何しやがるぅ!! ……あークソがクソがクソがァ……! 苛々するぅ……! フゥゥッ……まだ俺が話してただろうがぁ!!」

「あ、そうだったんですか? すいません。吹っ飛ばされてたんで分かりませんでした」

 

 まぁバッチリ聞こえてたんだけどね? 

 あ、【アイデア】お願い。スキルの方ね。

 

「こんのッッ……クソ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

『【アイデア】……自動成功。【ファンブル】90≦32……成功。【回避】……自動成功。【反撃】50≧29……成功。【ダメージ】30000d2……48269。【クリティカル】50≧12……成功。クリティカル威力up効果によりダメージ100%上昇。クラス相性によりダメージ1.5倍』

「ッガァァァァァァァァァァァァッッッ!!?」

 

 お、おお……思ったよりもぶっ飛んだな……

 ってか前々からも思ってたけどこの判定方法、俺に有利過ぎねぇか……?

 うーん……まぁ有利なら有利でいいや。有難い限り。

 

「……ハッ! 一栗さん! 大丈夫!?」

「えぇ、はい。問題ありません。すいませんね勝手にやっちゃって」

「肯定 独断・単独行動 禁止したの お前」

 

 いやぁ、うん。ついつい勢いでやっちゃったけど、拙かったかな、コレ。

 後々になって響いてこないと良いんだが……

 いや、今はまずアイツを

 

ォォォォォォォォォォォォオオオオオアアアアッ!!!」

「させん」

「ガッ……カァルナァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 戻ってくんの早っ!? ってかカルナさんアレに普通に間に合った!? アンタ一瞬前までカリ相手にしてたよな!? 

 大英雄すげぇ……って違う、そうじゃねぇ。早く俺も合流しないと……

 

『待った! また町の外から何かが来るぞ! カリでも聖獣でもない反応が、複数! …………サーヴァントだ!!』

 

 またかよ!? ……ハッ、まさか神将か!? 12神将なのか!? 

 ヤバイヤバイヤバイ……! あのレベルのヤツが12体……!! ここは撤退を……! 

 

「へっへ、どうやら時間切れらしいぞぅ、アシュヴァッターマン」

「非推奨/遊戯の続行。 無意味だ」

「同意しよう、実に無意味だ。僕らがここに来ることもな。まったく、このお供に何の意味があるんだ?」

 

 ……アレ? 3人だけ? 少なくね? 

 

 





 一応サーヴァントとしての単純な強さは
 アシュヴァッターマン(現地)>>>ジナコ>カルナさん>アシュヴァッターマン(カルデア)>ラーマ>哪吒>一栗君
 の順番。
 今回一栗君がアシュヴァッターマンを圧倒してるのは、普通なら運ゲーするところを、【アイデア】使って回避に確定を付けて反撃をしてるだけなので、1ターン経てば普通にボコボコにされる。
 なので「一栗君強すぎだろふざけんなテメェ!」って文句言うのはやめてくださいお願いします何でもしますから。
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