いやー……昨日はあの後が大変だった。
マシュちゃんにちょっと圧で殺されかけたが、意識を取り戻した立香ちゃんが思ったより冷静でいてくれたおかげで助かった。
その後に立香ちゃんから『一栗さんはまともだから大丈夫』と謎のフォローも頂いた。
マシュちゃんから聞いた話だと、カルデアには【溶岩水泳部】や【勝手に寝床トリオ】と呼ばれている3人組がいるらしく、その人達のおかげで耐性がついたんだとか何とか。
それって多分、あの時金時さんが言ってた人達だよな。
そうなると、源頼光は溶岩遊泳も出来るのか。初めて知ったわ。
「フォウフォー?」
「ふむ、昨日より花や水が少なく見える」
うん、明らかに地面が乾いてる。
昨日まで辺り一面に生い茂っていた芝も、今日は所々が禿げている。
これはつまりユガが移り変わったということなのだろう。
「日付的には、今日から
『
『何、この世界はそういうものなのだろう。人々も慣れているはずだ……しかし、やはり我々から見れば異常過ぎる。これでは世界的な歪みが何処に生まれていても、驚きはしないな』
世界的な歪み……ねぇ……カリじゃねぇの?
だってアレ絶対におかしいじゃん。
この世界で何が一番異質かって言われたら、確実にアレだぞ?
『さて、もう周囲の状況には慣れたね?では約束通り講義の時間だ。歩きながら聞いてくれたまえー』
おっ、待ってました。
『アスクレピオスはギリシャ神話の英雄だ。父はアポロン、母はコロニスという女性。つまり半神だ』
へぇ、それは知らなかったな。
半神ってことは、王様と一緒……いや、これ言ったら絶対に怒られるヤツだな。
『我を斯様な雑種と一緒にするな!』みたいなこと言われそう。
実際、あの人『完璧』をコンセプトに生み出された的な所あるし。
『で、そんな彼だが、生まれてすぐに人馬の賢者に預けられる。ご存知ケイローン先生だ』
「「ッ……!」」
え、知らね。誰それ。
……あ、アレか?ヘラクレスに毒矢打たれてシテ……コロシテ……になった人か?
立香ちゃんとマシュちゃんの反応を見る限り、相当凄い人らしいな……後でカルデアに居るか聞いてみよう。
『そこで彼は医術を学ぶ……訳じゃ無い。彼がケイローンから学んだのは、正確には薬草学などの知識だ。そこから彼がそれらの知識をまとめ、医術に発展させたんだね。かつて神の領域にしか無かった【医】を、人の理解の及ぶ範囲にまで引き摺り下ろす……これが、彼の【医神】や【医術の神】という呼び名の理由だろう』
「へぇ、そう聞くと結構な大物な感じがするっスね。いやまぁガネーシャさんの方が知名度は上だと思うっスけど」
「え?」
違うんじゃね?……あー、いや、どうだろう。
まぁ、確かにガネーシャ神は有名だし、色々なゲームとかにも出てらっしゃる神様だが……
アスクレピオスにはかの有名な“アレ”があるからなぁ……
「ん?何スか?」
「いや、一概にそうとは言い切れないんじゃ……と」
「む!そこまで言うんだったら根拠を提示して欲しいっスね!」
「いや、まぁ、その……WHOのロゴマークがですね……」
アレって世界的なヤツだよな?
だったらインドの神様なんかよりはよっぽど知名度がありそうな気がするんだが……
『そう!次の話は一栗君が言った通り、あの組織のシンボルにもなっている蛇の……ん?』
『話の途中だが巨大敵性生物反応だ。それも
『あちゃー、蛇の話をしちゃったからかな?蛇と言えばインドにはナーガとかヴリトラとか色々あるけど……これはただの蛇っぽいね』
ヴリトラは知ってるな。パズドラで習った。ナーガは知らん。
ってか、この世界って普通にあんな頭いっぱい巨大蛇が暮らしてんの?
ヤバくね?
「ふん、インドラ神の手を煩わせるまでもない。片付けよう」
「いやー……ボクも食われたく無いっスねぇ……」
「よーし!じゃあ戦闘開始!!」
『アーティファクトの効果によりNPを100獲得します』
よーし、やるか。
まぁ、大量のカリよりかは楽だろ。
□
はい、楽勝でした。
何と言うか、哪吒さんがあの蛇に相性良過ぎたね、うん。
なんか哪吒さんが蛇の周りを縦横無尽に飛び回った結果、首が絡まった。
いやー……大爆笑しちゃったよね。まさかあんなギャグ漫画みたいな展開になるとは。
その後にちゃんと止めは刺したので、後ろから襲われるなんてことはないだろう。
いやしかし、マジで面白かった。カメラ持ってくればあの光景を残せたんだが……
『カメラは襟の部分に内蔵されています』
え?……あ、マジだ。レンズ付いてる。すげぇ。
……いや、え?どうやってデータ取り出すのコレ。
『Bluetoothです』
わぁすげぇハイテク!
俺スマホもパソコンも今持ってねぇけど!
『スマホは胸ポケットに』
あ、そうだった、あるんだった。
よし、後で移しておこう。
『……む、目的の町まではまだだが、これは人間の反応だな。君たちと同じような旅人……かもしれない』
お、マジか……え?マジで?
こんなアホみてぇな世界で旅をする人間がいんの?
「情報は大事です。話を聞いてみましょう!」
まぁ、そりゃあそうなんだけどさ。
「ん?あんたらは……?」
「こんにちは。少しお話よろしいでしょうか?」
「おお、まぁ、構わねぇが……」
「有難うございます。私たちは現在、ここを真っ直ぐ行った先の町を目指しているのですが、何か知っておられることは?」
「ええ?この先の町に行くつもりなのか?」
む、これは……
「悪いことは言わねぇ!やめとけ!」
「へ?なんでっスか?」
「病気だよ、タチの悪い流行り病だ」
流行り病か。成程ね。
確かにこのくらいの時代だと碌な治療法なんて無いだろうし、ここインドだから沐浴とかですぐに広まるだろうからな。
別におかしくもなんとも無いか。
…………ん?待てよ?ってことはアスクレピオス居るんじゃね?
「俺は町で仕事を探すつもりだったんだが、それ聞いて慌てて通り過ぎたんだ。話聞いた時ですらもう酷いって話だったから、今はもう死体だらけかもしれないぜ」
「疫病か……それは……」
「じゃあなカリには祈りと聖獣様が効くが、病はそうもいかねぇ。命は大事にするこった」
ちょっと前までならまだしも、今の俺の命はもうドブに捨てるモンなんだよなぁ……
「……で?どうするのだ?」
「勿論直行でしょう。それ以外にありません」
まぁ、ほぼ確実にアスクレピオスも居るだろうしな。
なんなら治療中に後ろから殺れるかもしれん。
『ちょ、待て待て待てーい!おい技術顧問!予防接種はキッチリ済んでいるのだろうね!?』
『もっちろん!これまで、あれだけあっちゃこっちゃ行ってたんだよ?ほとんどの疫病は対策済みさ!なんなら、サーヴァント達に先行してもらって、ウィルスなり何なりのデータを取ってきてもらってからでも────』
「いや、行こう」
ホラ、立香ちゃんもこう言ってるんだから。
「よし、ならば行くぞ」
『いいか!おかしなものには絶対に手を触れるなよ!?ゴム手袋とマスクの用意は!?使い回しは厳禁だぞ!?』
「心配性のオカンっスか、アンタは!」
『よーし!では出発だ!目的地はすぐそこだよ!頑張ろう!』
□
「……あ、あれ?」
……うぅん?なんか普通に活気溢れてるなぁ、この町。
なんだ?さっきの奴が嘘ついたのか?
……いや、アスクレピオスがなんかしたって可能性もあるな。
「すみません、少しよろしいでしょうか」
「なんだい?」
「この町に蔓延していた疫病と言うのは……」
「あっはっは!遅い!情報が遅いよ旅人さん!まぁ、確かにちょっと前まではこの町も終わりかって感じだったけどね。もう駄目だって時にお医者さんが来てくれてな」
お?
「彼は町の救世主さ。家も食い物も用意するからここにずっといてくれってみんなで言ったんだが、何の礼も受け取らずにさっさと立ち去っちまってな。奥ゆかしいったらないぜ」
うぉぉ……もうアスクレピオスは行った後かぁ……
クソ、出来るだけ早めに潰しておきたいんだけどなぁ……
「ああそうそう、去り際に『様子見で立ち寄っただけだ。この世界の根本的な解決にはならない』とか言ってたけど、何か悩みがあったのかなぁ?とにかく、この街はもう完全に平和さ!安心して過ごしてくれよな!いいとこだからよ!」
うーん……根本的な解決ぅ……?
ってことはアレか?その病気も、もしかしてユガの急速な巡りで生じた不具合なのか?
そうだとしたら割とヤバくね?ワクチン貫通されるんじゃ?
「先輩、これは……」
「うん、やっぱり医者に悪い人は居ないんだよ!もしかしたら味方になってくれるかも!」
えぇ……?本当にそうかぁ……?
俺が聞いた限るじゃあ、随分と……
『その答えはすぐに出そうだよ。本人のお出ましだ』
………………え?アレ?
もう別のところに行ったんじゃ?
誰か人違いっていう可能性も……
「なんだ、これは。どうなっている」
ファッ!?
「ラグビーが楽しすぎて書く時間が全然取れねぇぜ!!」
(新高校生筆者による圧倒的言い訳)
ヒロイン二人目はどうする?
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鯖の誰か
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鯖(降)の誰か
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邪神(旧支配者含む)
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奉仕生物