閉店するにあたって、錦木千束が最初に手を付けだしたのは閉店する旨を記したチラシ作りだった。もっと不動産の解約や使わなくなった食器、調度品を始末する方が優先度的には高いはずなのに、千束は“SNSに乗せんだから手を抜けない!”と謎の理論を展開して、閉店を知らせるチラシにおおいに時間をかけた。
「どうせ常連しか見ないのに、そこまで手を掛ける必要ないだろ」
「わぁかってないなー、だからだよ。忘れたー?リコリコは最後まで楽しい場所って決めてたんだし。お別れの時に手ぇ抜くとか有り得ないから」
「そうかよ、いいさお前の好きにするといい。最後までつきあってやる」
「──えへへ、あんがとねー。でも、きちんとリコリコのお別れが終わったら、黄理も次にしたいこと、行きたいとこに行くんだぞ~」
「へいへい、もう耳にタコができたよ」
笑いかける千束の言葉を黄理は適当に返して店内の掃除を黙々と進める。使わなくなる食器を拭いて、座布団やちゃぶ台も普段よりぴっかぴかになって。もう客は来ないというのに、必要以上に綺麗になった店内は何処か物哀しい空疎な雰囲気だった。
もうすぐ、喫茶リコリコは終わってしまうんだと思うと、それを目にするのが少しだけ辛くなった。千束はカウンターに置かれた写真立てを手に取る。写真には、リコリコの開店初日、今より若い相貌のせんせいと虎杖さん、あと二人の腰くらいの背丈をしたわたしと黄理の姿。二人の満面の笑みに、ぎこちないけど本心からの微笑み、よく見ないとわからない不器用な笑顔。
あの頃から月日は流れて、リコリコにもいっぱい繋がりが生まれた。たくさんの楽しい日々を積み重ねて、最後まで誰一人欠けずに……終わることが出来る。
きっとこれ以上は望めない。
望んじゃあ、ダメだよね。
リコリコの閉店日は、なんの変哲もない平日。SNSに閉店を知らせる投稿をしたが、はたして今日は何人ほど来るだろう。まぁ、来てもらったところでろくに構えもしないので、閉店することを直接伝えることしかできないが。
店の前を箒で掃いていた黄理はリコリコの扉に貼られた閉店を知らせるチラシを見て、名残惜しそうに目を細めた。
まぁ、元が娯楽と酔狂でやっていたような店だ。喫茶リコリコの最後の日といっても、常連が一人、二人来れば上等だろう、と思っていると千束がひょっこり顔を出す。
「冷蔵庫の片づけ終わったから手伝いにきたよ~!」
「別に店前の掃き掃除くらい俺だけでも…………というか、まだ普段の開店時間から十分も立ってないぞ。さすがに常連の人が顔を出すのを期待するには早すぎないか?」
「べ、べべ別にこんな平日の朝早くにみんなが来てくれるかもって思ったわけじゃなくて~~。そう、気合入り過ぎて空回ってるだけだから!」
「……声を大にして言う内容じゃないな、それ」
リコリコの普段の開店時間を過ぎて、店内でボーっとしていられず耐え兼ねた千束が店から出てくる。最後の日くらい、常連の誰かに会いたいということなんだろう。とはいえ、平日の朝早く、これからたたむ店の様子を見に来る人なんてそう何人も──。
いやまったく俺の予想はなんと見当外れだったことか。
「──ちょっと、なに、なんで閉店しちゃうのよ~!」
「あ~、うーんと、一身上の都合で~」
常連の一人、漫画家の伊藤さんが店先でしょぼくれていた千束をひっ捕まえて、閉店の経緯を聞き出そうと、あわよくば閉店を思いとどまらせようとしていた。
「この先、私はどこで漫画描けっていうのぉ。こんな静かなお店は他にないしぃ~」
伊藤さんの言うことに俺は少し首を傾げる。店はそれなりにいつも騒がしかったし、静かな時は全体の比率で考えると、二~三割くらいだった気が。
というか、静かなことが店のウリだとすると……。
「ふむ、それは流行ってないとか、繁盛してない、と捉えられても仕方ないのでは?」
「うえっ!?いえ、違うのよ。リコリコはいつも楽しいし、店の中で作業しても止められたりしないとこだからぁ~。くっ、こんなことなら常連のみんなでリコリコのために百万くらい貢ぐべきだったか……」
「いやいや百万あったら、それでアシさん雇ってくださいよ~」
そう言う千束はごねる伊藤さんをどうにか説得して彼女を見送る。
「とにかく、ぜったい帰ってきてよ~……約束よぉ~」
休む間もなく常連さんらがリコリコにやってくる。みな、SNSに簡素に投稿された閉店の知らせを目にして、慌てて平日だというのに店にまで来てくれた。多くが血相変えて、めっちゃテンパってるのを見て、感動のお別れ的な空気にならなかったのが少し残念だけれども。
「ちょっと、これホントに!?急すぎるよミカさーん!千束ちゃーん!」
「閉店なんてやめよーよぉ、黄理くんだって、お店が無くなっちゃったら食いつないでいけないでしょ~」
「これ、マジなんですか!?ドッキリとかじゃなくって!?」
常連さんらを言い含めて帰すころにはとっくに精も根も尽き果てて、リコリコのカウンターで黄理が突っ伏し、お座敷の畳に千束が寝っ転がっている。
「まさか、ここまでリコリコを気に掛ける人たちがいたとは……」
「つっかれたー。まぁ、でも~……なんか嬉しいね♪」
真島のアジト襲撃から一夜が明けた。突き付けられた苦々しい敗北、辛うじて死傷者や大きな負傷者はいないが真島一人にいいようにされ、リコリスたちは延空木の完成記念式典の日を迎える。
昨晩の敗北を踏まえ、リコリスたちの装備を拳銃から軽機関銃などに換装させたが、それでも真島とその配下たちの戦力は未知数という不利な状況。
司令部の人間らは誰もが不吉な予感を禁じ得なかった。
もうじきセレモニーが始まる時間。東京の新たなランドマーク、延空木周辺ではサードリコリスたちが目を皿のようにして一帯を険しい目つきで警戒していた。そして、周辺の監視カメラ、リコリスたちの活動をモニターしているオペレーターの一人がおずおずと、右腕を三角巾で吊った楠木司令へ報告する。
「警備のリコリス、配置が完了しました」
右腕を三度撃ち抜かれ、痛々しい姿になりながらも司令部に詰める楠木へオペレーターや秘書の女性が案じるような視線を向けている。だが、楠木はそれらに取り合わず画面を見つめる。
“それでは!これより延空木完成セレモニーを開催いたします。大沼都知事、どうぞ!”
今日が平和の終わる日か、それとも電波塔の悲劇を上書きする日となるか、日本という国家の分水嶺となる長い、長い一日が此処より始まった。
常連さんたちへのお別れを済ませてより暫く。
リコリコの閉店に関する手続きを終えたミカさんが途中で出くわしたという橙子さんと帰ってきた。もし、此処に虎杖さんがいれば、開店初日に居合わせた者たちで閉店に立ち会えたろうにと取り留めないことを考えていると、ミカさんが千束と俺に地下室から、取ってきてほしいものがあるという。
リコリコの地下、ミカさんの扱う銃火器や弾薬はじめ使われなくなった食器などがごちゃ混ぜになった倉庫。
誰もかれも全容を把握しきれていない倉庫で、杖を突いたミカさんに俺たちは同道する。何故か、橙子さんも面白そうな顔つきで来ているのを見て、千束と俺は若干、警戒しながら倉庫の奥へ向かう。
杖をついたミカさんでは届かない棚の上。そこにある物を取ってくれと、千束が頼まれていた。俺が代わりに取ろうかとも提案したが、俺の方は逆に棚下の床板を外し、その中の物を取るよう言われた。
「上、というかスカート覗かないでよ~☆」
「下の人間のことを気にかけて落っこちないでくれ」
棚上の物を取ろうとした千束は、ゴホゴホとせき込んでうず高く積もった埃に歓迎されている。俺の方も似たようなものだ。チリが積もっており取り出そうとした木製の箱は時間の経過を感じさせた。
「──嗚呼、その箱だ」
「けっほ、コホ、ゴホっ……もーいつから触ってないのよ。んー、ライフル?」
「それにしてはなんか軽いけど……」
流麗な木目、幾年月を経ようとくすみなど無い桐の箱。軽くゆすっても金属的な音はせず、中身は依然として不明。黄理と千束は取ってきた箱を持ち、店側へ戻っていく。
「千束、黄理くん、それは二人のものだ、開けてみろ」
黄理は千束と顔を見合わせたのち、ドアの方に注意を払う。もし、一般のお客さんに見られて不味いものだったら、見られたこちらも見た側も大変な騒ぎだ。しかし、俺たちの心配を橙子さんは軽快に笑い飛ばした。
「ああ、心配はいらんよ。その箱の中身はミカさんと虎杖さんから二人への贈り物だからね」
話の流れでミカさんだけなら安心なんだが……。
「虎杖さんも?え、爆弾とかじゃないよね?」
「いや待て、なんか処理に困った化学兵器なんてことも」
「ありうるわー。鍵、閉めとく?まだお客さん来るかも……」
二人がじりじりと箱からにじり退いていくのに、ミカさんが困った顔で笑った。
「いや、いいんだ。物騒なものではない」
「少なくとも裏稼業の物品じゃないから開けてみるといい」
ミカと橙子に促され、二人は桐の箱をおずおずと開く。
箱の中に納められていたのは──。
「着物?」
「店の制服の替え……にしては豪勢すぎるな」
色とりどりの花柄があしらわれた白金色の着物。落ち着いた品のある暖色系の帯に赤い帯紐。帯飾りであろう青のトンボ玉。
質の良い生地で織りなされた黒い着物、いわゆる男性用の黒紋付袴。それに合わせられるよう揃えられた赤い袴紐。
それは、まだ千束や黄理が着こなすには少しばかり早い、ハレの日の祝いに着こなすべき着物だった。
「私と虎杖さんで選んだ二人の晴れ着だ。成人式にはちょっと早いがな」
ミカさんの言葉に千束が感極まったのか、身悶えしながら彼へと抱き着いていく。俺はというと、自分がこういった祝いの衣装に袖を通すことを想定しておらず、戸惑ってしまっているのを自覚した。
着物を手にして硬直する黄理の頭を強めに撫でつけ、橙子とミカは二人の着付けを始める。晴れ着に着替え終えた二人は、互いの着こなしを見て息をすることも、考えることも脳裏から抜け落ちた。
黒紋付を着こなした黄理と、晴れ着を身に着けた千束。黒と白、影と光のコントラストめいて二人の並んだ姿は、互いを補完し補強するように両者の魅力とでもいうべきものを高め合っていた。
呆然とした状態から復帰するのが黄理より早かった千束は表情を柔らかく綻ばせ、挑発的な微笑みで黄理に迫り寄る。
「どーよ、この千束さんは?特別に感想言ってもいいんだよ?」
「…………嗚呼、目に焼き付いて離れない。……眩しくて“綺麗だ”」
「えへへ~、どれくらい~」
影さえも照らし出すような陽のごとき笑顔を向けられ、少年は冗談めかして心の底からの本音を彼女へ伝えた。
「そう、だな…………お前の為なら死んでもいいってくらい」
「──そこは一緒に生きたい、って言う方がいいな~。うん、黄理もさいっこうに“素敵”だよ。ずっと見てられる、かな」
そこで千束は橙子の方にも向き直った。ニコニコと言葉を待つ千束に、橙子は肩を竦めて祝福を送る。
「良く似合っている、まるで光に包まれた華を纏っているかのようだ」
機嫌良さそうに黄理の腕を取ってカメラを持ったミカの方に微笑みかける。千束の意向をくんだのか、ミカはファインダーに二人が収まったところでシャッターを切る。
パシャリ、という音に弾けた閃光。
「──どう?どぉ?」
「あぁ、ちゃんと撮れている」
「いやぁ、そーじゃなくってせんせいの感想を聞いてるのっ」
その言葉に面食らったミカは目を見開いた。黄理と橙子の感想を聞いたから、てっきり自分の感想は求められないものかと思っていたが、千束は嬉しそうに着物を着たまま華麗に回ってみせる。その姿は過去のミカが願い、望み、夢にまでみてきたものだった。
涙ぐみながらも彼は千束に感想を告げる。
「ああ、嗚呼。……もちろん素敵だよ、すっかり大人の女性だな」
「えへへ、ありがと、せんせ。そうだ!ほれほれ、黄理もちゃーんと先生に褒めてもらえ~」
「いや、俺は別に……」
「黄理くんも、すっかり立派になって。直接見られなかった虎杖さんが悔しがってしまうかもしれん」
その言葉を聞き俺はいまいち想像できなかったが想像してしまった千束は派手に笑い出し、それを橙子さんのカメラに収められる。橙子さんは悪びれもせず一眼レフのカメラを振ってみせた。
「ああ、だから私が今、身動きの取れない虎杖さんに変わって黄理の晴れ着の写真を撮りに来たんだ。ほら、もっと満面の笑みを浮かべろ、黄理。ピースとかどうだ?きっと高値が付くぞ」
「柄じゃないんで……」
売りものになるという事実を聞かされて、満面の笑顔でピースできる奴はそういないだろう。ミカさんと千束の感動のやり取りに比べ、俺たちの方は別の意味で泣きたくなる会話をしてる。
笑いつかれた千束が神妙な面持ちでミカさんの隣の席に座る。
「ありがとね、先生!すーっごく嬉しいし、本当に子供の頃からずっと傍にいてくれて、いくら感謝してもし足りないよ」
「やめてくれ、千束……お前に感謝されるようなことなど、なにもできていないさ」
「またまた~」
ミカの行き過ぎなほどの謙遜に千束は嬉しそうな顔で指折り、彼がしてくれた多くの事を数え始めた。
「わたしに名前を付けてくれたのも先生だし~、銃を教えてくれたのも~、この店も~、ふっつ~のリコリスだったら出会えなかったような色んな人に会うことができた!なにより、わたしのためにヨシさんを探してくれたのも先生じゃん?」
千束が過去を、素晴らしいと感じる思い出を跳ねるような声で語るたび、ミカさんの表情はより曇っていく。そして、“彼の思念”も昏く曇っていくのが瞳に映る。過去を美しいものと思う千束に対して、ミカさんの見る過去の情景は間違いなく悔恨と後悔に満ちたものであることが俺には視えてしまった。
「あっ、さっきの写真ヨシさんに送ってよ!それに、それに、ヨシさんとまたちゃんと話して、仲直りだってしたいし──」
「そうじゃないんだっ!」
耐えかねたミカさんが声を大にして否定を告げる。声を荒げることも、滅多に怒鳴ることもない彼の叫びに千束はわかりやすく狼狽えていた。
「な、なに?せんせい、いきなり大きな声出して」
「千束……シンジのことで話すことがある、聞いてくれ」
どうやら込み入った話だろう。
俺と橙子さんが離れようとすると、いつに間にやら千束が俺の着物の裾を握っていた。橙子さんは頭を掻いて、カウンターに腰を落ち着ける。俺も肩を竦めはしたが千束の隣に立って、共にミカさんが今まで何を抱えていたのかを聞く姿勢を取る。
千束が頷くと、ミカさんはゆっくりと話を始めた。
そう、これは千束がどうして救われたのかを巡る大人たちのお話だ。
千束たちの過去の物語と縁遠い場所、延空木を巡る現在の状況は今のところ、何一つ問題なく進行していた。
DAのオペレーターたちは高速道路の車両を誘導し3台のトラックを隔離する経路へと導いていく。やがて、真島、が乗ると予想される車両が出現。オペレーターたちの表情に恐怖が過ぎる。
「真島と思しき車両を捉えました」
腕を吊り、包帯を体のあちこちに巻いたボロボロの楠木司令が静かに命じる。
「始めろ、ヤツの思い通りさせるな」
「了解、セレモニーを避け北側へ誘導。延空木への他のルートは全て封鎖」
真島たちが狙う標的までの道を一つだけ開いて構築する。相手の最善手を自らが用意してやることで他の選択肢を潰し、想定外の行動を封じる。今回はタンカーでの時と違い、動員できる全てのリコリスを延空木へ配置。
リコリスの全てが延空木で真島を待ち構える。
「……破壊が目的であれば、ヤツの狙う場所はただ一つ」
延空木の構造脆弱点。ラジアータが算出した延空木を爆薬などで倒壊させることのできる唯一のポイント。延空木の急所と言える重大部位、第一展望台直下の構造体。敵もそれを割り出していることを見越し、多くのリコリスたちが第一展望台に配置される。
「ブラボー完了」「デルタ完了」「チャーリー完了」
各チームには昨晩、真島に無力化されたリコリスたちが多くいる。彼女らは因果応報のときを待って、色濃い殺意の瞳でテロリストたちを待ち構える。
そしてフキも同じく指揮するチームを連れ防衛地点に到着。銃を構え、エレベーター正面に陣取った。
「アルファ完了」
彼女たちは皆、真島と呼ばれるテロリストを恐れながらも徹底した面制圧の作戦を立て、誰一人狼狽えることなく持ち場で銃を握る。やがて、エレベーターが上がってきた。
正式なオープン前、一般人が侵入できる余地はなくやってくるのは間違いなくテロリストたち。リコリスは処分すべき敵対者が来るのを今か今かと銃口を上げた状態で待ち続ける。そして、標的の乗るエレベーターが自分たちのいる階へと差しかかった、かに思われたが──。
「えっ?」
「はっ?」
肩透かしのようにエレベーターはリコリスたちが最終防衛と決めた地点より上に上がっていった。現場のリコリスたちは訝しむだけだったが、司令部は予想を覆されたことで、
「ターゲット、予想ポイント通過!?」
「バカな!」
「うろたえるな。各チームへ通達、それぞれで連携し奴らを
楠木の言葉に意気を取り戻したのか、各オペレーターがリコリスたちに指示を通達する。昨晩は各個撃破にやられたが、“今度こそテロリストを一網打尽にできる”と司令部のオペレーターや楠木の傍らに佇む秘書までもが勝利を確信している。
楠木も同様に勝利を予感していたが、同時に昨晩の真島の哄笑が頭から離れずにいた。もしや、DAは敵の目的を、そのスケールを読み違えているのではないか……。
そうだとすれば……。
楠木が至りかけていた予想は正鵠を射ていた。
そう、破壊は主目的ではない。真島たちの目的を誤認してしまったがゆえに延空木の制御室の制圧は、司令部やリコリスたちに気づかれぬままに成功してしまう。
真島は勝ちを確信し、機嫌よくロボ太へ呼びかける。
「あとは頼んだぜ~、ロボ太~」
かつての警察署での事件。リコリスたちが最後まで単なる宣戦布告としか認識していなかった一件の影響が此処で最悪をもたらす。
そこで仕組んだモノが最大限に活用されるチャンスの到来。
「当然!この日のためのバックドアだ!」
ロボ太は勝利の一手となるエンターキーを叩く。
そう、リコリスは……DAはこの瞬間にこそ敗北したのだ。