たまたまベータテストのデータが残ってたので有効活用させてもらいます。   作:好きjaなくないない無い

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投票締め切らせてもらいました。
次回からはキリアスのイチャイチャが始まりますのでどうぞお楽しみに!!


不安要素

友切包丁(メイト・チョッパー) 

 

 

「.........では、第六十層フロアボス偵察結果を報告します。」

 

 

 

第六十層フロアボス攻略会議に参加した100名の一人であるリンドが浮かない顔でそう告げる。残り99名も、勿論俺とアスナも同じだ。詳細はさておき暗いニュース事態を速報で聞いているからだ。

 

 

「第六十層に上がってから五日。ボス部屋前まで迷宮区を攻略し、今日の朝3パーティー18名で構成された先見隊を派遣したもの............先ほど全滅を確認しました」

 

 

告げたくない、認めたくない。そんな気持ちがリンドの表情からひしひしと伝わってくる。ここまでの大きな犠牲は第二のクウォーターボスである第五十層以来だ。

 

 

「.........だとしてもおかしいわ....」

 

 

「アスナ.....」

 

 

「先見隊の皆さんは転移結晶を所持していたはずです。それなのに.....なんで....?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「..............使えなかった?」

 

 

 

 

それは証拠があったわけではなかった。けれど、俺にはそうとしか思えなかった。

 

 

 

「使えなかったってどういうことだよ、キリの字?」

 

 

俺の言葉にクラインが説明を求める。残り98人も同じ姿勢だ。

 

 

「説明は構わないがこれは俺が考えた推測の中で最も確信に近いものだとと思う。これまでの迷宮区でいろいろな制約があった。迷宮区内のプレイヤーにメッセを送れない。ボス攻略中はボス部屋内部から出ることは出来ない。それで今回は......」

 

 

 

「転移結晶が使えなくなった.......ってことか?」

 

 

「......ああ、そうだ。これからはそんな空間『結晶無効化エリア』は増えていくかもな。だからこそこれからはボス部屋の前に数パーティー設置して外からボス部屋を開ける人を配備するべきでな。」

 

 

「......そうですね。とりあえずは今後の方針は保留。ここらへんで一時各々のステータスレベルアップに励みましょう。」

 

 

異存なしなのか反論の声は出てこない。そのまま会議は終了した。俺はクラインとエギルにアイコンタクトをして部屋を後にしようとした。だがその体はもう一人の副隊長に首根っこを掴まれたため、動かなくなった。

 

 

「キリトく~ん?」

 

 

「!!!や、やぁ、アスナさん....」

 

 

「パーティーメンバーの私に何も言わず三人でどこに行くのかな~?ま・さ・か!迷宮区に潜るとか言わないよね!!!」

 

 

「うぐぅ!!!!!!」

 

 

 

 

す、鋭い!!

 

 

 

 

でもここでばれる訳にはいかない。アスナには....こんな、こんな......

 

 

 

 

「おーいキリの字!!早く迷宮区にいこーぜ!」

 

「おい、クライン!今絶対ダメだろ!」

 

「いぃ!!ヤッベ!」

 

 

 

 

クラインさん!!!なんでそんなことできるのかな!!!

 

 

 

 

神様!!なんでクラインはこんなタイミングの悪い奴なんだ!!!

 

 

 

やつは前世で何をした!!!!!!!

 

 

 

 

「キリトく~ん。つい五日前に言った約束を覚えてるかなぁ~?」

 

 

「え~っと...........」

 

 

 

本当のことを言える勇気もなく俺が黙っているとエギルが助け船を出してくれた。

 

 

 

「アスナの嬢ちゃん、勘弁してやってくれ。キリトはあんたに危険な目に合わせたくねぇんだとよ。」

 

 

「えぇ!!」

 

 

「んなっ!!!おい、エギル!」

 

 

「別に隠さなくていいだろ?それにここまでバレちまってんだから言った方が絶縁されにくくなるぞ?」

 

 

「うっ、そりゃそうだけどさ...」

 

 

「ならよ!キリの字が送ってきたメッセ全部読んだ方がいぃじょねぇごほぉお!!」

 

 

クラインが余計なことを言う前にしっかりと男の急所を殴っておく。そして今できる精一杯の笑顔をアスナに送る。

 

 

「アスナも一緒に迷宮区にくるよな?」

 

 

「えっ、それは行きたいけどまずは今回の件をちゃんと...」

 

 

「おい!聞いたかお前ら!今回はアスナもくるってよ!いやぁ攻略難易度が下がって安全で頼もしいなーーーーーー!!!じゃ!俺先に広場で待ってるから10分後出発するぞ!」

 

 

 

俺は可能な限り大声を続けこの部屋を後にした。エギルとクラインはキリトとアスナを見比べた後、キリトに続いて行った。

 

 

「もう、ちゃんと...言ってくれればいいのに.....バカ....」

 

 

アスナの独り言はこの場の誰も聞いていなかった。

 

 

 

 

 

 

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迷宮区に挑んでから約1時間、俺たち4人はマップデータもあったためあっという間にボス部屋前まで到着した。

 

 

「ボス部屋に入れば出られないけど外に1人待機させれば入れるかもしれないか」

 

 

「どうする、キリト君?私たちのレベルなら1人くらい入ラズに残っても大丈夫だと思うけど.....」

 

 

「いや、行くつもりはないよ」

 

 

「えっ、どうして?」

 

 

「まず一つ目は攻略組のレベルが低いってことだ。俺含めてここにいる4人は百層までの安全マージンは取れてるけど他のみんなは違う。現に俺の護衛であるクラディールは六十層時点で71。充分ではあるけど強くはないだろ?」

 

 

「まぁ、そうだな。だがこの層のボスを倒すくらいならいいんじゃねぇか?この4人で働いている間に他のメンバーはしっかりとレベリングできるんだぞ?」

 

 

エギルがごもっともな意見を出す。

 

 

「その通りだ。だけどそうも行かない理由ができた」

 

 

「理由?何のことだよキリト?」

 

 

クラインが聞いてくる。 

 

 

「これは一般論だけどさ....仮に現実世界にSAOみたいなゲームがあって百層クリアするのが最終ゴールとする」

 

 

「うん」

「おお」

「ああ」

 

 

「その時に各層のボスがあまりにも強すぎたり弱すぎるとクソゲー扱いになっちゃうんだ。だからこそ開発側はアップデートとかで度々調整をしなくちゃいけない。このゲームの場合はβテストがあってその調査を基準に各層に微々たる調整をしていた」

 

 

「ああ、そうだな。第一層のボスも使用武器が違ったし四層や五層なんて名前も姿も違った」

 

 

「そう。どうなゲームにも当初の予定とは違う設定になっている。そして変更しなくてはならないんだ。いくらこのゲームを作った人間が茅場でもな」

 

 

「そうね。例えばバグが起こったら即座に対処されるし.....ってまさか....」

 

 

「ああ、今回俺が言いたいのはプレイヤーの成長速度が速かった場合についてだ。その場合、最初に言ったけどゲームとしてはクソゲーに分類されてしまう。それを防ぐために....」

 

 

「茅場がゲームレベルを上げた?」

 

 

「そういうことだ。そうなってくると俺たちはもうラストアタックボーナスを狙うマネをしてはいけないって事だ」

 

 

「...そうだな。キリトの指輪の効果はもう誰にも付与できないしこれからはそうすべきだとおれも思う」

 

 

「だな。俺たちがこれ以上強くなるとその分だけこのゲームの難易度が上がっちまうんだもんな」

 

 

3人とも異論はないようだ。今後の方針が決まり俺たちは街へ帰ろうとする。

 

 

「そういえば、今日は何でボス部屋前まできたの?この話を誰にも聞かれたくないから?」

 

 

「まぁそれもあるけど1番はマップデータ通りに歩いてみて途中の別れ道とかがどれくらいあるのかを見てみたかったからかな。そこ行けば行くほどリソースがあって攻略組が底上げされるからな」

 

 

「ああ、そういう....」

 

 

直後俺の《索敵》スキルが反応を示す。この反応はプレイヤーだ。探索のため動くわけでもなくただただ前後に移動を繰り返している。

 

 

俺はすぐさま聴力がアップするイヤリングを装備する。

 

 

 

 

キンッ....ガキッ......

 

 

 

聞こえたのは剣のぶつかる音。おそらく誰かと戦っているのだろう。

 

 

 

「なぁみんな。索敵に引っかかったパーティーがあるから向かってもいいか?」

 

 

「もちろんよ。もし劣勢だったら救助しないと」

 

 

「そうだな。じゃあ向かうぞ」

 

 

そう言って走り出す。見えてきたのはディアベルとリンド含めた二パーティー12人。そして黒のマントを被ったプレイヤー30ほど...

 

 

「マズイ!ラフコフだ!!」

 

 

「え?!!」

「なんだと?!」

 

 

一同が驚いて早速救助に向かう。実力では攻略組が勝っていてもあの数は厳しいだろう。俺はソードスキル《ソニックリープ》を発動して戦いの間に割り込む?

 

 

「キリト君!!来てくれたのか!助かった!」

 

 

「ディアベル、戦況は?」

 

 

「あまり良くなかったよ。レベリングのためにここまで来たんだけど...こんな所で出会うとは思わなかった」

 

 

ディアベルの言うことはもっともだろう。

 

 

 

レッドギルド《ラフィン・コフィン》 通常ラフコフ。

 

 

レッドギルドと言うのはこのSAOでの犯罪集団。その中でもラフコフは最低最悪な集団だ。プレイヤーキルを繰り返したプレイヤー、通常レッドプレイヤーの寄せ集めだが幹部クラスになると実力はディアベルやリンドと同等の実力を持つほどの腕前だ。

 

 

しかし問題はそこではない。なんでラフコフがこんな最上層に居るのだろうか?ラフコフのメンバーはほぼ全員がレッドプレイヤーだ。そうなると町や村への行き来がしづらいなどの理由でレベリングがうまく進まない。だからこそ安全マージンをとっていないこんな上層には姿を見せないはずだ。

 

 

 

両者共に隙を窺うべく構えていると黒のフードを被ったプレイヤーが徐々に両サイドへと避けていった。その奥から3人のプレイヤーが現れる。

 

 

一人目は骸骨のようなヘルメットと赤く光った目が特徴の細剣使い.....

 

 

 

二人目はフードの奥から見える白い髪が特徴的な短髪の短剣使い......

 

 

 

そして三人目は......

 

 

 

 

「Wow!おい、お前ら!こんな所に攻略組トップの4人がいるぜ!」

 

 

この声は聞きたくなかった。

 

 

 

 

「3ヶ月ぶりか?ブラッキーさんよぉ......」

 

 

 

 

「ああ、久しぶりだな...PoH.......」

 

 

 

その男の名前は《PoH》。このレッドギルド《ラフィン・コフィン》の(ヘッド)だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ケッケッケ....なぁヘッドぉ!!どうするんすか、殺っちゃうんですかぁ??!!!」

 

 

幹部の一人であるジョニー・ブラックの声がダンジョン内に響き渡る。彼は元々攻略組にいたはずだがなんでそこに堕ちてしまったのだろうか。と今考えても仕方がない。

 

 

「ディアベル、転移結晶は?」

 

 

「半分ほど足りない。第一今日はボス部屋まで行く予定ではなかったからな」

 

 

つまりここで逃げる選択は取れないと言うことだ。このまま奴らと戦っても無傷とは行かないだろう。

 

 

奴らは俺たちと違って一つアドバンテージがある。

 

 

 

 

PVPの経験数だ。

 

 

 

数多のプレイヤーと戦っては殺し、戦っては殺してきた彼らの実践経験数は攻略組の俺たちよりも少なく見積もっても数倍は上だろう。

 

 

 

それにこちらは彼らを殺すのではなく拘束しなくてはならない。

 

 

 

こんな堕ちた彼らでも俺たちに殺しはできない、という判断からできた攻略組の暗黙のルールだ。

 

 

そんな沈黙の中PoHは口を開く。

 

 

「なぁあんたら、俺たちは本当に戦うつもりはねぇんだぜ?もちろんあんたらがその気ならこちらも相応の対処をしなくちゃいけねぇけどな」

 

 

そう言って彼は自身の主要武器《友切包丁友切包丁(メイト・チョッパー) 》を取り出す。

 

 

《友切包丁》 俺が見てきたドロップ品の中で最も悪質な武器だ

 

・プレイヤーを切るたびに剣のステータス値が上がる

 

・PKしたプレイヤーのレベルの20%を摂取できる。また2人にまでならこの権限を与えられる(その2人は5%になる)

 

 

 

その武器の効果により3ヶ月前は俺とアスナ2対1でも倒し切ることができなかった。

 

 

「今のレベルは350あたりか?」

 

 

「いい線だな。まぁ教えるとオレ375だ。こいつのおかげで俺たちはあんたらにも負けないスピードで、いやそれ以上のスピードでレベリングができる。まぁブラッキーさんとフェンサーさんには負けるけどな。なぁあんたらは今レベルどれくらいだよ?まぁ俺たちと同等のレベルに来ているってことだけは予想がつくけどな」

 

 

PoHの言う通りで実は筋力値や俊敏性などのレベルアップと同時に上がるアシスト機能はLv.200あたりから変わらなくなった。理由として考えられるのはゲームのシステム上それ以上のアシストを再現できなかったからだろう。その世界線に立っている俺やアスナ、PoH達に求められる次のスキルは自身の反応速度や身体能力でスキルを強化する《システム外スキル》だ。その上達度が戦いの勝敗を分けると言っても過言ではない。

 

 

その点で俺が勝っているのはレベル差からなるHP量、そしてこの二年間で培った反応速度だ。

 

 

 

HP差の詳細は分からないが、反応速度に関しては間違いなくこちらに分がある。

 

 

 

 

 

 

なぜなら俺はその称号を既に得ている。

 

 

 

「キリトさん、どうする?」

 

 

「悩む所だが正直ここは後退した方がいいと思う」

 

 

「だが、ここで見逃せばまた新しい犠牲者が出てしまう。それならここで痛み分けでもいいから奴らを半壊させるべきだ」

 

 

リンドの意見も最もだ。正直PoHがいる限りこのギルドは放っておけばおくほど力をつけてしまう。だがここで相手したら間違いなくこちらが不利だし、死者も出るだろう。

 

 

「おやおや?なんかやる気になってないか?ならこっちも誠心誠意応えてやらねぇとな」

 

 

そう言うとPoHの身体から何やらドス黒いオーラが溢れ出す。

 

 

「なんだコレは!??」

 

 

「俺も使うのは初めてだ。まだ熟練度不足だから攻略組へのお披露目はもう少し後にしたかったんだが仕方がねぇ。ユニークスキル《暗黒剣》だ」

 

 

その言葉に攻略組は驚く。まさか団長と同じユニークスキル使いが敵に、しかも最悪なレッドプレイヤーだなんて

 

 

 

 

 

 

 

《暗黒剣》

 

 

・このスキル発動時、ダメージを与えたプレイヤーにレベル2の麻痺毒、ダメージ毒、移動速度減少のデバフを与える

 

 

 

 

 

 

 

先ほど熟練度が足りないとか言っていたがコレはおそらく今後デバフのレベルが上がったりまた新しい機能がついたりするのだろう。

 

リンド、ディアベル隊のパーティーが2歩下がる。先程口ではああ言ったもののやはり本能的には逃げの一手という所だろう。正直俺たち4人で彼らを守りながら戦うこともできなくはないが失敗するリスクが高い。

 

 

そんな中PoHは悲しながらに呟く。

 

 

「まぁもう一度言うが今日は上層には遊びに来ただけなんだよ。それにやるならもっとデカいステージで盛り上がりテェんだ。例えばあんたらの団長がいる時とかもっとあんたらが狙われたくない時とかな」

 

 

「呼んだかい?ラフコフの団長くん」

 

 

全員の視界の外にいたのは赤い鎧に十字架の盾、そして剣を装備したヒースクリフが立っていた。

 

 

「「「団長!!」」」

 

 

団員が口をそろえた叫び、そして喜んでいる。彼1人が来ることで生き残れる確率がどれだけ上がったことだろうか。ユニークスキル《神聖剣》保有者はコツコツと俺たちの前に立つ。

 

 

「私は攻略にしか興味がなくてね、君たちの被害などは全て各自の判断に任せていたんだが流石に我がギルドの主力に手を出そうとするのならば見過ごすわけには行かない」

 

 

「how...how...how、それは当たり前だな。ならまずはあんたから退場してもらおうか」

 

 

「っ!!ヒースクリフ!!2時の方向!!《隠蔽》で誰か来てるぞ!!!」

 

 

見ると先程までいた幹部、《赤目のザザ》がいない。近くでスキルを看破したとはいえヒースクリフはまだ戦闘準備に入っていない。そのまま、ザザの細剣を防ぐ術はなくヒースクリフの脇腹を貫い.....

 

 

 

ガガガガッッッ!!!

 

 

 

 

ていなかった。間一髪で反応し盾でソードスキルを受けたヒースクリフがザザにカウンターをする。

 

 

 

ズバァァァァンンン!!

 

 

 

クリティカルではないがかなり深くまで削られたザザは自陣に戻るHPバーは2割ほど削られただけだが、普通のプレイヤーならばもっと減っていただろう。

 

 

「Wow!!さすがは攻略組最強、痺れるねぇ」

 

 

「お褒めにあずかり光栄だよ。だがここで戦うのならばそこにいるギルドメンバーの半分は私に葬られることを覚悟してほしいね」

 

 

「こりゃすごい。まぁ本当に今日はあんたらと戦うつもりはない。あんたらだって今日はこれ以上犠牲を増やしたくないだろう?」

 

 

 

 

 

......こいつらは先見隊の死を知っている。

 

 

 

まさか....裏切り者か?

 

 

 

 

「待ちやがれ!!ユダは....」

 

 

俺はソードスキルを発動させながら近づく。そんな俺を見ながらPoHは笑いいつも通りの煙玉を放り投げる。瞬間、当たり一体に煙が広がった。低層の頃から使っているPoHの逃走手段だ。前まではただの煙だったのだが40層あたりからその煙に麻痺毒が入っている。

 

 

 

「総員、解毒ポーション準備!!」

 

 

俺はポーションを口に咥えながら周りに伝令。みんなもストレージやポケットからポーションをとりだしている。そのおかげが誰も麻痺毒による妨害は喰らわなかった。だがその間にラフコフのメンバーは何処かへと居なくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

また会おうぜ、ブラッキーさん......

 

 

 

 

 

 

黒い煙が薄くなってゆく中、そんな声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

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「キリト君、一体何があったのだい?」

 

 

《索敵》で周辺に奴らがいないことを確認しているとヒースクリフに声をかけられた。大方、どう言った経緯で接触したかだろう。

 

 

「迷宮区に潜り込んでいたが団体で移動しているあいつらと接触したんだ。恐らくだかまでこの近くに根城にふさわしい場所があったんじゃないか?」

 

 

「そうか。まぁその辺りは私の管轄外だな。キリト君たちに任せるとしよう」

 

 

「ひとつ聞いてもいいか?ヒースクリフ」

 

 

「?...構わないがどうかしたのか?」

 

 

「あんたはなんでここに来ていた?助かったからいいもののタイミングが良過ぎたように見えてね」

 

 

「なんだそんなことか。私もレベリングに来ていたのだよ。そうしたら《索敵》で多数のプレイヤーを見つけその一部がキリト君やアスナ君にディアベル君だったんだ。団員の心配をするのは私の仕事だろう」

 

 

「....そうだな。つまらない質問をして悪かったな」

 

 

 

それだけ言って俺は彼を見送った。彼は団員全員が見える場所に立つと声を上げた。

 

 

 

「先見隊の話は聞いた。しかし、我々はこの失敗を踏まえて次に進まなくてはならない。現に我々攻略組は各層の攻略に1週間もかかっていないため各々のレベルが日に日に安全マージンのレベルに近づいている。このままでは我々も先見隊の二の舞になってしまう!そこで我々はコレから各層の攻略時間を最低一週間とし各々週3日はレベリングに、1日は休憩に使うように!この話はアインクラッド解放隊等他ギルドにも伝達し原則とする!異存は無いな!!」

 

 

団員を鼓舞するかのようなその掛け声に反発するものなど誰もおらず中には拍手をする団員もいた。

 

 

「ボス対策などは今夜詳細をつめ明日中には各団員に報告する。また今日のような不測の事態に備え只今より血盟騎士団団員はエリア外に出るときは各々ストレージに最低でも2つの転移結晶を装備するように!」

 

 

たった今できた団の規則は特に難しいものでも無いので全員が了承した。ギルド本部にいる残りの団員も同じだろう。この規則さえあれば無闇にPKされることはないだろう。とりあえずは一件落着と言っていい。

 

 

 

 

 

 

 

.......違う。

 

 

 

現実を見ろ、俺は今二つの違和感を覚えている。

 

 

一つはPoHが先遣隊の死を知っていること、あの会議場にいた百人以外に知っているのは同じ攻略組のプレイヤーかアルゴくらいだろう。つまりは攻略隊の誰かぎPoHの仲間、裏切り者がいると言うことだ。

 

 

 

 

 

そしてもう一つは.......

 

 

 

 

「キリト君、大丈夫?なんかすごい考え込んでいみたいだけど、みんなもう帰り始めてるよ?」

 

 

 

アスナに声をかけられて俺はオートパイロット状態から戻る。見ればヒースクリフを先頭に全員が迷宮区を後にしようとしている。この疑問は二つともまだ答えが分かったわけでは無い。時間はまだあるためコレからじっくりと考えていけばいい。

 

 

「ねぇ、キリト君」

 

 

「ん?どうした、アスナ?」

 

 

「君はね、いっつも自分1人で抱え込んで1人でなんとかしようと思ってるでしょう?」

 

 

「うっ」

 

 

「もう一年も相棒やってるのよ?そういう性格は私が1番理解しているって自負してるわ。別にそのことについて責めたいってことじゃ無いの。ただ、何があっても私は絶対にキリト君の味方だよ?それだけはこの先ずっとずーっと変わらないことだから言いたかったの」

 

 

「......ああ、ありがとうアスナ」

 

 

 

俺は赤面になりそうな顔面を必死に抑えてアスナの方を向く。アスナはこのゲームがはじめてのゲーム体験だ。一年たった今となっては玄人なりのゲーマーだが初めの頃は違った。

 

 

 

俺は絶対にアスナを現実世界に返す。

 

 

 

 

 

 

 

例えどんな残酷な選択が待っていようとも________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はそう心に決めてアスナたちに続いた。そこから1ヶ月間十分なレベリング、休養を得た攻略組は無傷で三層上がることができた。

 

 

 

 

 

 

 

そしてクリスマスの時間がやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この2日でこの世界は大きく変わることになったがその出来事が起こることはまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






文字の上に文字書くのってどうすればいいんですか?(泣)

今後の展開どうしますか?

  • 都合の良い層を作っちゃいましょう。
  • 原作やアニメ以外の層は使用禁止。
  • イチャラブみたいです。
  • もっとキャラ出してほしい。
  • アリス、またはユージオが見たい。
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