破壊王の双子には兄が居るらしい。   作:なにぬねの

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個人的には主人公の装備執事服にしたかったんですけど、後半のウィルバートと被っちゃうんですよね......。


近い将来、歩く要塞になる少女にあったらしい。

 

 イズから装備を受け取り数週間、カイは再びレベル上げや探索に勤しんでいた。装備による大幅強化もあり、彼は一般的に難易度が高いと称されているフィールドにもちょくちょく赴いていた。よって現在のレベルはLv34と、順当に上がりにくくはなっているが良い進度である。

 そんなカイは、今日は先日洞窟で見つけた比較的レア度の高い鉱石をイズの工房へ持っていこうとしていた。

 

 (イズからDEX補正のピッケル借りておいて正解だったな。)

 

 青い軍服をまとうカイはそのまま、町中を進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、時同じにして彼以外に工房へ向かう者たちがいた。

 黒髪の少女と体格のいい男。両者とも装備は大盾である。少女の方は初期装備であるが。

 会話を弾ませながらついた先は、先程も言ったようにイズの工房であった。

 

 カラン、と軽快な音とともに二人が入店するや否や、ここの主人である生産師が声をかける。

 

 「あら、いらっしゃいクロム。どうしたの?」

 

 クロムと呼ばれた男性は、彼女に今回の経緯の説明と少女の紹介をした。その時、クロムがイズにからかわれたのはまた別の話である。

 

 「メイプルちゃんね。大盾を選んだのはなぜかしら?」

 

 「えっと......あの痛いのは嫌だったので、防御力をあげようと思ったんです」

 

 そんな感じで会話を進めていく。もともと少女もといメイプルはコミュ力が高いのか、すぐに場に馴染んでいる。

 そしてメイプルがオーダーメイドの金額に打ちひしがれた時、店内に新たな客を告げる音が鳴り響いた。

 

 「イズー。レアなやつ持ってきたぞーって、あれ先客がいたか」

 

 三人の視線は、入ってきたカイへ向けられる。

 

 「カイじゃない。もしかしてまた素材持ってきてくれたの?」

 

 「ああ、これ。そろそろ枯渇しそうとか言ってなかったか?」

 

 そう彼は言い、インベントリから鉱石とその他の素材も出す。

 

 「有り難いわ。地味に採取量が少ない上、採れる場所も限られてるのよね」

 

 「なら良かった。で、そっちの二人は?」

 

 カイは気になっていた者たちの方へ視線を移す。少女と壮年の男性、正確には男の方は一度会話を交えたことはあるが、ものの1、2ターン程度なのでカイは初対面を装う。

 

 「私のフレンドの一人と将来的にお得意さんになって貰う予定の子、かしら」

 

 イズがそう言い終えると二人がカイに向かって話しかける。

 

 「メイプルです。よろしくおねがいします!」

 

 「クロムって名前でやってる。よろしく頼む」

 

 思っていたよりも友好的な二人にカイは同じように返す。

 

 「カイだ。よろしくな」

 

 ある程度の自己紹介を終えると、メイプルはカイのことをキラキラとした表情で見つめる。まあ、彼の着ている装備を、だが。

 

 「カイのもすごくかっこ良い装備だよね!!どこで手に入れたの?」

 

 「俺の?俺のは、武器はダンジョンでだけど着てるのはイズに作ってもらったんだ」

 

 「へー!ダンジョンでもそんな武器が手に入るんだなぁ...」

 

 「確か、今情報が上がってるのは3つだったよな」

 

 メイプルのつぶやきにクロムが返す。

 

 「ていっても、実質割と最近上がった妖精の城とか言うとこはまだ情報提供者以外入れてすらいないらしいが」

 

 「え、あれまだ見つかってないのか」

 

 「じゃあやっぱりカイはラッキーだったのね」

 

 知っている単語にカイとイズが反応する。当然、クロムは戸惑っていた。

 

 「え?あれ見つけたのカイなのか?」

 

 「うん」とカイは答える。クロムはまたスレでのネタができたと内心思っていた。

 

 それから4人はフレンドになり、イズ以外は工房を後にした。これからダンジョンに戻るつもりであろうメイプルに、カイはポーション類を渡している。こんなに年は近くないが、自身にも居る天真爛漫な妹たちに少し重ねてしまったのだろう。後ろでクロムが呟いた「兄属性...」と言う言葉は二人には届いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー 

 

241名前:名無しの大盾

大盾の少女と姫と遭遇したと言うかフレンド登録したw

 

242名前:名無しの槍使い

は?

 

243名前:名無しの魔法使い

ギルティ!!

 

244名前:名無しの大剣使い

姫ガチ勢の叫びwww

 

245名前:名無しの弓使い

つかどうやって?

 

246名前:名無しの大盾使い

少女の方はログインしたら目あって話しかけられた。装備についての話になって、そのまま生産職の人紹介した。んで、AGIは俺にもついてこれなかったから低そう

 

247名前:名無しの短剣使い

大盾少女コミュ力たけーなおい

 

248名前:名無しの大剣使い

>246

お前のAGIいくつ?

 

249名前:名無しの大盾使い

20ぐらい

 

250名前:名無しの弓使い

んじゃまじで極振りかもな

 

251名前:名無しの槍使い

姫の方は?

 

252名前:名無しの大盾使い

行った先で鉢合わせた。なんかその専門職のやつに装備作ってもらったっぽい。軍服のやつ。武器の方は妖精の城のダンジョンで獲得したらしい

 

253名前:名無しの魔法使い

その人に感謝

 

254名前:名無しの短剣使い

え 妖精の城って、今んとこ情報提供者しか見つけられてないっていうやつ?

 

255名前:名無しの大剣使い

あれ見つけたの姫だったのか......

 

256名前:名無しの大盾使い

とりままとめるぞ

大盾少女の方は

 

パーティーは組んでない

大盾を選んだのは攻撃受けて痛いのが嫌だから

超素直で活発系美少女

 

総評 めっちゃいい子

 

姫の方は

 

見た目とかオーラからして結構なランカー

武器は情報通り片手剣

安定のイケメン(兄属性持ち)

 

総評 もう姫より王子だと思う

 

257名前:名無しの弓使い

何だふたりとも。設定盛りすぎか

 

258名前:名無しの大剣使い

それな思った

 

259名前:名無しの大盾使い

つか多分みんなそう思ってると思うが、見守っていく方向性でおk?

 

260名前:名無しの魔法使い

いいともー!

 

261名前:名無しの槍使い

>259

いいともー!

 

262名前:名無しの短剣使い

>259

いいともー!

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 翌日、カイにメイプルからの通知がとぶ。バナーを開くとそこには新しい装備が手に入ったから一緒に探索しない?的なことが書かれていた。

 ちょうどカイの方も区切りがついたところだったので彼は了承のメッセージを送り、メイプルの待つ広場の方へ駆けていった。

 

 

 広場につくと、待っていた彼女はカイが気づくよう大きく手を振った。カイに気づかれる分周りの注目も集めるわけで、彼は居心地の悪さを感じながらメイプルの方へ向かう。

 

 「よかった〜カイがログインしてて。イズさんとクロムさんは今日はまだログインしてないみたいだったから」

 

 

 するとメイプルは見てみてと言わんばかりにくるりと一回転をする。

 彼女が身にまとうのは、黒を基調とし所々に赤い装飾の施された鎧と大盾、それに短刀。重厚感のある鎧の胸の位置には赤いバラのレリーフが刻まれている。

 正直な所、カイの厨ニ心に刺さった見た目であった。

 

 「めっっちゃかっこいいじゃん!」

 

 「でしょー!!私も気に入っちゃったんだ〜!似合ってる?」

 

 「ああ、もちろん」

 

 そう言うと彼女は照れくさそうに微笑んだ。メイプルの黒髪によく合っている装備だとカイは思う。

 

 それから街を出て、フィールドに向かった二人はお互い話に花を咲かせながらも順調に探索を続けた。

 メイプルがVIT極振りなこと、装備がふたりともユニークシリーズであること、カイの昔やっていたゲームについてなどなど、話題が途切れることはなかった。

 

 「そういえば、メイプルはVIT極振りならどうやってボスとか倒したんだ?いくら装備の分の補正があるとはいえ攻撃手段少ないだろ」

 

 カイはメイプルにそう問う。次にメイプルから発された言葉は、常人では考えもしないものであった。

 

 「えっとね、食べたんだ!」

 

 カイが聞き返す。しかし答えは変わらず「食べた」の三文字である。

 

 (あれ、俺何について聞いてたんだっけ?食関係だったっけ?)

 

 ついにカイは一種の自問自答をしだす。大丈夫、普通はそういう反応をするはずだ。

 

 「なんかね、途中から【毒無効】ゲットしたから死にはしなくなったんだけど攻撃手段がお互いなくなっちゃって...。あ、でもでもHPドレインで倒したみたいな判定でスキルの【毒竜】が取れたんだ!これが詳細だよー」

 

 カイはメイプルに見せられたスキルの詳細を知り、また固まる。因みに先程の話のおかげで「食べる」という行動は「HPドレイン」に分類されるのだとカイの頭に刻み込まれた。

 そこでカイの中に一つの考えが浮かび上がった。

 (ボスじゃなくていいから、俺もなんか食っとくか。氷系の!)

 考えることをやめたのか、はたまた良い情報として受け取ったのか。後者の場合、彼のネッ友はしない選択だろう。

 それはさておき、そう考えたカイは一応メイプルに了承をとる。彼女は快く頷いてくれた。

 

 

 数時間の間二人は共闘し、その後別れた。

 一人になったカイはスキルについて一つ考え込む。

 

 (んー。俺の手持ちのスキルと合わせて氷系統のスキルがほしいし...。あっそういえば氷のスライム的なのが西の森の湖の方にいたっけか......よし)

 

 

 

 

 

 

 後日、かき氷機とシロップを持って森に入るカイが目撃されたらしい。

 氷スライムに冥福あれ。

 

 

 

 

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