破壊王の双子には兄が居るらしい。 作:なにぬねの
これは、第一回イベントがあった日の夜のことである。
【NWO】姫(王子)の謎【考察】
1名前:名無しの大剣使い
メイプルちゃんに引き続きスレ立てたぞー
2名前:名無しの魔法使い
次は我らが姫についてだな
3名前:名無しの槍使い
お前姫呼び派なんか
俺ぜってー王子のがあってると思う
4名前:名無しの魔法使い
これは譲れん
5名前:名無しの大盾使い
もうそれを掘り返すな
さっきまで十分その手の話でスレ消化したろ
6名前:名無しの短剣使い
つかぶっちゃけペインとかメイプルちゃんに比べて目立つような大技はなかったよな
7名前:名無しの大剣使い
比較対象間違えてるだけだと思うぞ
8名前:名無しの大盾使い
冷静になってみろ
あれ(プラネタリウムとかプレイヤー操るやつとか)目の前で起こってもお前は恐怖を感じずにいられるか?俺はくっそビビると思う
9名前:名無しの短剣使い
俺が悪かったです
10名前:名無しの槍使い
草www
11名前:名無しの魔法使い
まあ普通に考えてあれはやばいよなあ
12名前:名無しの大剣使い
同じ初期勢と思えんのだが
13名前:名無しの短剣使い
やっぱ第一線組は違うよ...うん...
14名前:名無しの槍使い
んじゃ今回の王子(姫)まとめだ
第一回イベント
カイ二位
死亡回数0
被ダメージ確か20くらい
撃破数2987
装備は馬鹿みたいな攻撃手段ととんでもないバフ?を与え続ける片手剣+撃破時にMPだかなんだかを相手から刈り取る軍服
正直常時発動系が多いのかスキルの数とか威力はまだ謎
高いPSとステータスで1対多数を得意としてるっぽい
後途中から二体に増えてた
15名前:名無しの魔法使い
なんだろう確かにメイプルちゃんよりパワーワードは少ないはずなのだが......
16名前:名無しの大盾使い
バフの数がもう後衛のそれなんだよな
17名前:名無しの大剣使い
ドレッド倒した後ちゃっかりHP回復もしてたし
18名前:名無しの槍使い
回復はメイプルちゃんじゃなくてそっちだったか...
19名前:名無しの短剣使い
にしたって後半の分身は誰も予想できんわ!
20名前:名無しの魔法使い
まあ、姫だから......
21名前:名無しの大剣使い
もう最近その一言で「あ、じゃあしょうがないか」ってなってきてる自分がいる
22名前:名無しの大盾使い
まじでそれだわ
つか多分今後も強化されてくんだろ
どうする1位と3位の二人みたいな大技放つようになったら
23名前:名無しの槍使い
まじでありえるんだよなあそれ
メイプルちゃんと違って確実な弱点もいまなさそうだし
24名前:名無しの大盾使い
多分ステ的にVITにはあんま振ってなさそうだけどそれでも基本弾いちゃうんだもんなあ...
25名前:名無しの魔法使い
ステ→第一線級つか実質もうトッププレイヤーの一人
中身→多分めっちゃゲーム上手
性格→それらを上回る可愛さ+イケメン力
これもうやばいって
26名前:名無しの短剣使い
いずれファンクラブできたりして
27名前:名無しの大剣使い
ありそうだわ
28名前:名無しの大盾使い
王子も各自調査してくか
29名前:名無しの魔法使い
>28
ラジャ!
30名前:名無しの槍使い
>28
ラジャ!
31名前:名無しの短剣使い
>28
ラジャ!
第一回イベントから数日、魁は以前通りNWOでレベリングに励みながらも日常生活をきっちり送っていた。
その日も学校の予習を終わらせた後、深夜までログインしているつもりだった。自室の勉強机に向かい、集中力を保ち続けながらノートを埋めていく。
「ふー、よし。そろそろ終わりでいいか」
なんてつぶやきノートと教科書類をかたす。その時、廊下の方から2人分の足音がドタドタと響いてきた。バン!、と開けられた扉の先には嬉々とした表情の彼の妹二人がいた。
「お兄ちゃん!私達もゲームできるって!!」
白髪の方の少女、ユイが先に口を開いた。
「おっ、本当か!良かったなふたりとも」
「うん!今度買ってもらえる事になったんだ!」
魁の言葉に返答するのは黒髪の少女、マイの方であった。
普段ユイに比べおとなしいマイも嬉しさのあまり興奮を抑えきれていない。そのさまを見た兄の頬はしっかり緩みきっていた。彼のシスコンは健在である。
「それでね、いいたい事があるの......」
急に神妙な顔つきになった二人に合わせ、魁も切り替えた。もちろん外面だけ。
「どうした?ああ、ゲーム内でレベリングとか手伝ってh―――
「「私達!ゲーム内ではお兄ちゃんに頼らないようにするから!!」」
「へ」
確実に魁の心が折れた音がした。ゲーム内で傷をつけることすら難しいと言われている彼に双子は精神的ダメージを大盤振る舞いしたのだ。流石、次期破壊王たちである。まあそんな与太話は置いておこう。
「えっと......?因みになんでか聞いてもいいか......?」
ボロボロのまま魁は妹たちに疑問を投げる。言葉の端々から瀕死のオーラが漂いまくっていた。
「えっとね、私達現実ではお兄ちゃんに頼りっぱなしだから」
「ゲームでも同じようなことしたら、ちょっとズルかなぁって思ったんだ」
マイの言葉にユイが続く。そして魁もこころの中でそれに続く。
(いや、俺の妹たち良いこすぎる!かわいすぎる!でもそれは俺が死ぬ!避けられるの??俺??無理だわ馬鹿っっ!!!)
一般人の皆さん、ドン引きするなら今のうちです。共感してしまった方々、最後までご同行お願いします。
「もちろん、意識して避けたりはしないよ。それにこれは私達がある程度強くなるまでなの!」
魁に希望の光が見え始める。
「初心者のうちは、お兄ちゃんといたら足引っ張っちゃいそうで...。だから!私達が強くなるまで待ってて!」
「「お兄ちゃんと一緒に戦いたいの!!」」
魁の中で言葉がエコーする。が、そんな内面は一切感じさせないまま言葉をかける。
「俺は気にしないけど、そうだよな。二人がやりたいんだもんな。じゃあ、俺もレベリング頑張ってるからふたりも頑張れ!」
ユイとマイが顔を見合う。
「「うん!」」
その言葉を残し、二人は部屋を出ていった。
「うん、ウチの妹達が大優勝」
彼は一切ブレなかった。
翌日、魁は昼休みにメッセージが届いていたことに気づいた。
「ん?だれだろ...」
昼食のメロンパンを頬張りながらカイはアプリを開く。差出人は彼のネッ友である理沙だった。
「ええっとなになに......お!」
魁が見たメッセージの内容は、理沙がようやくNWOにログインできるようになった報告だった。
「よかったな」と返すと1分もしないうちに返信が来る。
何本かのやり取りの末、早速今日ゲーム内で会うことになった。彼女のリア友もその時紹介してくれるらしい。魁としては待ちわびていた彼女の参戦と、ちょくちょく話題に出て気になっていたそのリア友とやらにも会えるので内心楽しみでいた。
帰宅後、約束の時間に間に合うように学校の準備と夕飯等を終わらせた魁は、NWOにログインした。
待ち合わせはログインしてすぐの広場。「少し早かったか」とつぶやくカイはすることも特にないのでインベントリの整理をしていた。カイは理沙に自身の装備の特徴を伝えただけなので、彼の方から探すのは不可能であったからだ。
待つこと数分後、彼の横にポリゴンが発生し、淡い色の髪をポニーテールにまとめた少女が現れた。彼女は隣でパネルを操作していたカイに気がつくと「あ」と声を漏らす。
「もしかして...魁?」
名前を呼ばれた彼は馴染みにある声にその少女が誰なのか理解する。
「ああ、理沙だったのか」
「あー...ここではサリーって呼んで。そっちのプレイヤーネームは?」
「いや、俺はまんまカイだ」
そういいながらカイはステータスに表示された己の名前を見せる。
「うわっほんとじゃん。安直だなぁ」
「文句あるんですかぁ?」
最初はぎくしゃくしていた二人も次第に態度をいつもの調子に戻す。
サリーは自身のステータス等を確認した後、「そういえば」と口を開いた。
「そろそろ私のリア友も来ると思うんだけど...」
「言ってた子?もうご対面か」
「...あんまり変なこと言わないでしょうね」
「言わない言わない。サリー相手じゃあるまいし」
「ちょっと!」と言うサリーを横目にカイはそろそろ来るという子を待つ。
(俺の知ってるやつだったりして...いや、ないか)
残念ながらその思い込みは打ち破られることになった。
少し離れたところに発生したポリゴンはカイのよく知っている姿へ形を変える。
「「「メイプルじゃん/楓〜/理沙!と...」」」
「「「え?」」」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「いや〜、まさかサリーとカイが知り合いなんてびっくりしたよ」
「それは俺も。まあ、今思うと言ってた人物像メイプルっぽいしな」
あれからカイを含めた3人とも一度落ち着き、全員何かしらの関係だったことが判明した。話しながらフィールドの方へ移動する。
「今更だけど、俺ここいてよかったの?二人でプレイするつもりだったんでしょ?」
カイは少し申し訳無さそうにそう言う。
「うーん、でも私とカイもう友達だったわけだし」
「そういうこと。私だってNWOでカイと遊ぶ気でいたし、いいんじゃない?」
「そうか。じゃあ改めてよろしくな」
二人の言葉にカイはほっこりする。が、内心焦っていた。
(さっきからなぁ!視線が凄いんだよなぁ周りの人からの!そうだよねごめんなさいふたりとも美少女だもんね!!)
残念ながらその視線は妬みのものではなく、3人全員を可愛いものとして見るものであったが、カイは当然気づかない。
「それで?パーティー組んだけど今からどこ行くの?」
メイプルは二人に今の目的は地底湖に行くことだけということを続けて伝えた。二人はそれを快く承諾する。
サリーは少し考える素振りをを見せた後、考えがある、と話した。
「わーー!!すごいはやーい!!」
「サリー、落とすなよ?いや、落ちてもノーダメか...」
「いや落とさないから!言ってるそばからモンスター来てるよー、カイー」
「おけ」
メイプル一行は街を出て、地底湖のある洞窟の方へ向かっていた。
サリーがメイプルを背負いながら、と言う普通ならなかなかない状況だが。
しかし、サリーが思いついたこの体制。なかなか理にかなっているのも事実であった。サリーがメイプルを背負い、カイが道中のモンスターを流れるように倒す。
地底湖についたときにはメイプルは、以前7分の1でついたと言っていた。
「おおおお!すっごい速かった!」
メイプルは目を輝かせながらカイとサリーの方を見る。
「まあ、流石にAGI0に比べたらな」
「ふふふ...崇めたまえ〜!」
「サリー様〜、カイ様〜」
「俺もかw」
そんな茶番を見たカイは改めて二人の仲の良さを認識する。
その後3人はそれぞれ地底湖の周りに腰を下ろし、釣りを始める。もちろんカイとサリーの分の釣り竿は街で購入していた。
一時間後。
「や、やっと3匹目!」
「お、またかかった!」
「っと、えーっと何匹目だっけこれ」
メイプルは3匹、サリーは12匹、そしてカイは27匹という釣果である。
自身の数倍ひょいひょい釣っていく二人にメイプルは「むむむ」と顔をしかめていた。
「まあまあ、釣りにはやっぱDEXが関わってくるわけだし」
「そうそう、ていうかレベル1でここ来たから魚刺すだけでもう6まで来たよ。あ、【釣り】スキルゲット」
そんなふうに会話をしながら進めていく。
更に1時間後、【釣り】を手に入れたカイとサリーの二人によって鱗の枚数は計60まで登っていた。
「どう?これで足りそう?」
「うーん...もう一時間だけ...いい?」
「いいよ!カイも大丈夫でしょ?」
「ああ、ちょっと楽しくなってきてるからまだ全然いけるぞ」
「ふたりとも本当にありがとう!」
「そのかわり、ちょっと方法変えてきていいかな?」
「?」
二人に(主にメイプルに)説明したサリーは、地底湖に飛び込んだ。カイも【水泳Ⅵ】と【潜水Ⅵ】を持っているので水中探索はできるのだが、本人は不覚にも釣りにハマってしまっていた。
サリーが飛び込んでから丁度1時間後、水面に彼女が戻ってきた。
「【水泳Ⅰ】と【潜水Ⅰ】が手に入ってからは簡単になったかなー」
「俺も【釣り】のおかげでだいぶ手に入ったぞ」
サリーからは80枚。カイからは50枚。それぞれ白い鱗が出される。
「こ、これ貰っていいの?」
そうわかりやすく動揺するようにメイプルは言う。サリーもカイもいつか手伝ってもらうことを引き換えにすべて彼女に渡していた。
「あ、あとちょっとふたりとも見てくれる?」
サリーはそう言うとインベントリからきれいな青味がかった透明の輪っかを取り出した。
「これ湖底で見つけたんだけどなんか装備できなくて。それどころか性能の詳細も見れないんだよね」
「へ〜。初めてみたよそんな装備品。腕輪?」
メイプルはのんきにそう返すが、カイはデジャブを感じていた。
(ん?性能が見れない?んんん??)
「サイズ的にアンクレットとかかも?でもメイプルもわかんないかー...。じゃあカイ、これ預けておくから上で釣りしてるならその間に調べておいてくれない?」
「おお。わ、わかった」
少し狼狽えながらカイはそう返す。
そしてそんなカイを横目にサリーはまた話しだした。
要約すると、地底湖の底にダンジョンらしき横穴を発見したらしい。
それを話すとメイプルは自分はダンジョンには入れないことを察し、少ししゅんとする。
「だから、慎重に攻略しようと思ってる。カイやメイプルと同じユニークシリーズが手に入るかもしれないし......だから」
「ああ、ここまで来るのは当然手伝うよ」
「もっちろん!借りは即返すってね!!」
二人から快諾を得て、サリーは満面の笑みを浮かべる。「素直にしてれば可愛いのにな」とカイが思ったのはサリーは知る由もない。
帰りはログアウトをすればいいので、サリーは再び【潜水】と【水泳】のレベル上げに勤しむ。
その間カイとメイプルの二人は例の装備品を見ていた。
改めて詳細を見ると、確かに補正されるステータス等の情報は見られない。その代わり、気になる一文が記されていた。
「「【水瓶の力を持つ者のみ、身につけることが許される】」」
「うーん、水瓶ってなんのことだろう?スキルとかかな...」
メイプルが頭を捻らせている横で、カイはこう思っていた。
(これ、確定だろ........)と。
そして二人には見えてなかったのであろう【装備する】と言うボタンをクリックする。輪っかは足に付くものだったらしく、黒のブーツの上からゆったりとかかっていた。
「あれっ??さっきのは?」
カイはメイプルに「ここ」、と足を指すと同時に自分のスキルのことも含めた説明をし始めた。
「そんなユニークシリーズもあるんだぁ」
「いや、正直これはまだ俺の分しか情報は入ってないから本当に少数なんだと思う」
「そっかあ。あ!じゃあ装備できたし詳細見れるようになったんじゃない?」
メイプルの言葉でカイもそれを思い出す。ステータス欄より見れたそれはこう記されていた。
水巫女のアンクレット
装備条件:【泡沫の水盤】所持者
【水面の舞台】
10分間水上を移動可能。30分後再使用可。
カイはメイプルの方をちらりと見る。彼の予想通り、そこには目をキラキラさせたメイプルがいた。
「カイ水の上歩けるの!?凄い!!かっこいい!!」
カイはその目にまんまと負けた。
「じゃ、じゃあメイプル一緒にやってみる......?」
数十分後、テンションの高いメイプルを姫抱きしながら地底湖の水面を歩くカイを目撃したサリーに、彼はメイプルのときと同じように一から説明することになった。
作者が、水の上を歩かせたかっただけなんですっっっ.......
おかげで主人公に星座のシリーズの装飾品を集めさせる事になってしまったのには目をつむってください......。