皆さんNTRを知っているだろうか。寝取り、寝取られを指しており、AV、エロマンガなどにおいて一部のファンを持っている。奪われ、堕ちていく彼女、または人の女を奪う様に背徳感と喪失感を味わわされ、それが単なるエロスではない独特の興奮を掻き立てるのである。かくいう私もNTRが好きである。それがなきゃ生きていけないとも言える。ここで一部のNTRのよさの分からない愚か者は思うかもしれない、何故そんな屈折しているのかと。それについて私は否定するつもりはない、人としての道を外れていると言われても頷くしかない。だが、私にはそれしかないのである。だから私はあることをすることにした。
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幼稚園の頃、私はよくも悪くも特徴の無い子供だったが、同じ組のかわいい女子をなんとなく意識してしまうくらいには今と比べ純粋だった。ちょうどその頃、組であることが流行っていた。男子が新聞紙で作られたを囲み、二人の男子が中に入って行き、先生が開始の合図をしたとたん瞬く間に片方が押し出され歓声があがる。相撲である。幼稚園児の男子の大好物である。私も熱中した。そしてある日気付いた、いつも勝てない相手が居ることに。運動ができ、顔がいい、正直言って当時の私からしても格好いい男子だった。勿論、駆けっこも彼が一番だった。女子の視線も彼に向かいがちだった。子供心に彼に劣等感と尊敬のまじった気持ちを僅かに抱いていた。いつの間にか好きだった筈の女の子がそいつといるのが幸せなんじゃないかとそこまではっきりじゃないがなんとなく考えもするようになっていた。その女子とも、男子とも幼稚園を卒業してから会っていない。
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小学校に入り、今までと違う環境に右往左往している内に一年過ぎ、気付いたら二年生になっていた。一年生の頃は先生に怒られたり、怒られたりとなにもなかった。二年生になると私の知的好奇心が目覚めたのか本を読むのが好きになっていた。本は私を豊かに賢くしたが友だちは増えなかった。公○式を始めて、勉強が出来るようになり、学校が段々楽しくなったが外で遊ぶのを至高とするクラスのウェイ系達のノリは性に合わず、親友と呼べる様な存在はできなかった。三年生になると後に私の親友となる男子が転校してきた、彼は大人しい人間だが、気配りもでき、決して暗くもなかった。そして彼も聡明であり、私が彼に関心を持つのに時間は要らなかった。多くの時間を彼と遊んだり、話したりして過ごした。帰りもいつも一緒だった。何でも彼に話したし、何でも話してくれた。三年生ともなると特に女子は精神的に成長してくるものだ。バレンタインの意味を誰もが知るくらいには。バレンタインが来た。先生のくれたお楽しみ会の時間をクラスの皆で楽しくガヤガヤ過ごし、お楽しみ係の折り紙好きな女子の作品が配られ解散となった。その折り紙好きな女子は可愛い子であり、私も好ましく思ってもいた。いつも通り帰ろうとしたら親友がいないのに気付いた。校舎裏から何か声が聞こえ覗くと、親友とその女子だった。その後何事もなかったかのように親友と帰った。親友曰く、ただチョコクッキーをもらっただけらしいが、私もバレンタインのチョコの意味を知らないほどの馬鹿ではなかった。幸か不幸かとその女子の仲は進展することはなかった。安堵と落胆のまじった複雑な気持ちを抱いのを今でもはっきりと覚えている。四年生になって私は中学受験に向けて塾に通うようになった。また学校でも今まで知り合いですらなかった男子と遊ぶようになった。また好きな人ができた。顔がいい訳じゃないが、明るく、包容力のある人だった。その頃には学校でもかなり頭のいい部類であり、奪われることはないと思っていた。しかし、気付いたら野球とゲームしかしないような奴がくっついていた。まぁ私は何のアクションも起こさなかったため当たり前だが。そのときもやはり安堵と喪失感と何かぐちゃぐちゃなそれでいて私を興奮させるナニカを感じた。
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中学受験は無事に終わり。男子校に入ることになった。学生生活は充実したが、女子がいないことに寂しさもあった。その時私の運命を変える小説と会った。普通に言っても面白くないだろうから変態的に言おう。
フウウウウウウ〜〜〜
わたしは…子供のころ 志賀直哉の「雨蛙」ってありますよね……
あの小説…短編集で見た時ですね
あの「主人公の妻」が講演会の後のところで組んでいる(意味深)「小説家」…
あれ……初めて見た時……
なんていうか……その…下品なんですが…フフ……勃起……しちゃいましてね………
というわけだ。志賀直哉の雨蛙はまぁ読んでない方には是非読んで貰いたい。その日から私はこの妻が、大切な人が奪われるというのに喪失感、絶望感、嫉妬、羨望、安堵色々な感情の入り交じった物を抱くようになった。そして、思春期や性の目覚めはまもなくやって来る。そして、見つけてしまったのだ、NTRを。彼らは私を大いに興奮させた。いつの間にかNTRでしか抜けなくなっていた。そして私は決意したのだ寝取られようと。しかし、その時私には好きがもうよく分からなくなってしまっていた。なので片想いしてる人が奪われるというシチュは作れそうになかった。なので彼女を作ることを決意した。しかし、私のコミュ力はお世辞にも高くない、なので大学に焦点を絞ることにした。待ってろ俺のキャンパスライフー。そして、NTRは女性の人生を大きく左右するため、悪い男に寝取らせる訳にはいかない。なのでいい男♂を探すことにした。いい男は寝取らない?まぁそこは私が極悪非道な事をしておいて救わせるみたいな感じでいきましょう。流石男子校、いい男はたくさんいた。そこでまぁ同じ大学がいいので目を付けていた二人と勉強した。また、その頃の私の体型は、控えめに言ってもデブであり…ダイエットに励んだ。
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高三になった。目を付けていた二人とも素晴らしい正義感を持った聡明な男になっていた。ん?二人の名前が無いと分かりにくい?わかったよ。一人の名は田中だった。彼は文学が得意だった。彼の体はガチムチであり、学年での旅行の時に見たが、アレも大きく見事な形をしていた。暑苦しい男で曲がった事を許せないといった性格だった。もう一人は佐藤だ。幾何の佐藤という異名を持っていた。暑苦しい正義ではないが、悪を決して見逃さず、自らの計略で追い詰める策士である。実際に詐欺グループを壊滅させたりしていた。こいつには田中を助けて貰いたい。私?何かギャルゲの主人公みたいな平凡前髪隠れマンである。正直言って何事も上澄みに入れるレベルにはこなせている。
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合格発表が無事に過ぎ、三人とも同じ大学に通うことになった。え?受験の話?いやここでは大切じゃないでしょ。そして大学に入った私は一人の女性に目を付けた。何か芋っぽくて意志が弱そうで、磨けば光りそうな子だった。その頃には田中にもいい女と付き合ってほしいと思うようになっていた。
「隣の席いいですか?」六年、女子と会っていなかったからか少し緊張する。
「ぁ,ぃぃですよ」小さい声だがなんとか聞き取れた。
「ありがとうございます」そういいつつ席に着く。
そして次の日も繰り返す、何回も続けある日。
「鈴木さんちょっといい?」
「何ですか?伊藤さん」
「俺と前紹介した田中と佐藤と今度カラオケ行こうと思うんだけど、一緒に行かない?友達連れてきてもいいからさ」
「すこし怖いけど、伊藤さん悪い人じゃないし、…行きます!友達の佳世ちゃん連れて」
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鈴木さんを迎えに行こうと思ったら、鈴木さんが話していたので咄嗟に物陰に隠れ観察する。
「ともちゃん本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ、佳世ちゃん」
「ともちゃん純粋すぎるよ、男は狼だよ。分かる?」
「けど、伊藤さんなら…」
「なんでそんなに伊藤さんへの信頼が厚いのよ!」
「伊藤さんいつも声かけてくれるし、笑顔が優しいし」
「ともちゃんチョロすぎだよ。もう鈴木チョロ美だよ…」
「そんな心配なら、一緒に来て何かあったら守って」
「仕方ないなぁ」
問題なさそ…ガタッ…
「えっ!誰?怖い佳世ちゃん助けて」
「仕方ないわね、あんたねともちゃんを怖がらせたのは」
「うっ」腹にきれいな回し蹴りが入る
「う゛え゛」思わずはきそうになるのを堪える
「これに懲りたらもうともちゃんに付きまとうな」剣幕がやばい
「佳世ちゃんこの人伊藤さん、たぶん待ってただけ」
「えっ!いや、本当にすまんな、大丈夫か?」
「いやぁ、ピンピンっすよ」一時期ヤクザと絡んでそのままボコボコにされる末路も想像していて良かった。
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「これが同じ高校だった田中と佐藤」
「こんにちは!俺が田中一郎だ!よろしく!」
「俺は佐藤太郎だ、よろしく」
「で、こちらが同じ学部の鈴木さんとその友達の加藤さんだ」
「鈴木知美です。今日は呼んで下さりありがとうございます。」
「知美の友達の加藤佳世です」
カラオケは大いに盛り上がった。楽しい時間はすぐ過ぎるものである。今日はなんともなく解散する予定だったが、
「いとうしゃん…」鈴木さんが完全に酔ってしまった。
「わしゃしがおくひましゅよ」加藤さんも酔っていた。
「俺は鈴木さん送っとくから、田中と佐藤は加藤さん頼む」
「おう!任せろ!」
「お前鈴木さん好きなんだろ、分かりやすいなお前」佐藤がうざいが無視する。
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朝起きたら家だった。あれ?昨日はカラオケにいって、あ!そうだ、佐藤さんが持ち込んだウイスキーボンボン食べて…どう帰ったっけ?ベッドに置き手紙?なんだろう、えっ!私、酔って伊藤さんに送って貰ってたの?恥ずかしい。けどちょっと嬉しいな、昨日の夜って何もなかったのかな?親切なのはいいけどそれも少し落ち込むな。もうちょっとしっかりお洒落しようかな?眼鏡もコンタクトに替えて…
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あれから数ヶ月、いつの間にか鈴木さんと付き合っていた。鈴木さんはかなり明るくなっていた。それだけなら今までの計画通りやればいいだけだが出来る筈もない。周りからの圧が…凄い。田中、佐藤、加藤さん、全員鈴木さんを泣かせたら殺すみたいなオーラを出してる。後、鈴木さんを送った時に親御さんと弟さんはやっと春が来たのかみたいな感じ出してて泣かせたら絶対殺されるだろう。それに、最近鈴木さんの笑顔を見ると心がポカポカして…NTRなんて出来るわけないだろ!
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伊藤君との仲も順調に縮まり、とうとう伊藤君の家に行くことにした。彼に精力強壮剤入りのクッキーを差し出し、彼がおいしそうに食べてくれた。彼が席を立ったタイミングで部屋を漁る。エロ本から彼の好みを割り出そうと…なに…これ…NTR?…ダメだよそんな…悪い伊藤君には私がワカラセてあげなきゃ
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待ちに待ったおうちデートの日が来た!鈴木さんにムフフ…彼女の作ったクッキーを食べれるなんてぼかぁ幸せだなぁ。なんか凄いムラムラして落ち着くために部屋を出て戻ったら、鈴木さんの目が怖いえ?なに?NTRしないよ、そんなことしない、本当だよ、捨てないって
結論:食われた
いや鈴木さんもじもじしてるけどさっき凄かったじゃんえ?二回戦待ってNTRなんてしないから、NTRなんて出来るわけないだろ!