[完結]わすれじの 1206年   作:高鹿

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15 - 06/08 体験小要塞

1206/06/08(木)

 

「セドリック殿下が第二分校へ喧嘩売りに機甲兵で乗り込んで返り討ちにあったって本当ですか?」

 

クロスベルから逃げるようにしつつも帝国東端からのんびりバイクで各所を周り魔獣退治をしたり薬草採集をしてきたり荷物を運んだり、いろいろいろいろやりながらトリスタに戻ってきてミヒュトさんのところへ顔を出した次の瞬間にそう発したら、とりあえずドア閉めろといつもの表情で嗜められた。

言われた通り扉を閉めてカウンターに近付いていくとため息を吐かれながらも新聞が畳まれるので、どうやら会話を続けてくれる気はあるようだ。

 

「お前いつか皇族不敬罪でしょっ引かれても文句言えねえぞ。事実でも成立すんだからなアレ」

「まぁその時はその時ですよ」

 

殿下がリィンくんにご執心という話は仕入れていたけれど、まさか分校に乗り込んで直接勧誘するどころか、授業中に乗り込むだなんて。分校の生徒たちをやりこめて『こんな風に負ける生徒は貴方が教えるに相応しくない』をしたかったのかもしれないけれどそれすらも失敗に終わるというのは、何というか、正直…………本当に申し訳ないけれどちょっと面白すぎる。

少年の青い失敗を笑う悪い大人になってしまったのはよくないかもしれない。いやしかし青い失敗と言うには巻き込まれた人間が多すぎるのではとも思う。

 

分校生徒全員はもちろん分校教官もそうだし、殿下が搭乗するとなれば緊急メンテナンスをした技術者もいて然るべきだし(申請なく勝手に乗ったのであればそれはそれで技術者がお咎めを受けるものだし)、搬送用の列車を動かす人員、トリスタ・リーヴス間という短くも帝都を通過する線路に列車を割り込ませるダイヤの再構築、そして殿下の暴走を止められなかった本校教官も政府から何らかいくだろう。

たとえ殿下が下る罰を止めたとしてもそうしなければならない。殿下の行動はほんの些細な(これに関して言えば些細でもなんでもないがしかしおそらく殿下にとっては小さな)ことでも大勢の人間を巻き込んだ責任というのをまざまざと感じるいい教材とされるだろう。減給その他をされる方はたまったものではないが。

 

そもそもリィンくんの性格を考えてみれば関わった以上、皇族の寵愛を受けたとしても途中で投げ出すことなんてしないとわかるだろうに。そういうある意味で世渡り不慣れな不器用なところまでひっくるめて彼の良さで、そんな彼をどうにかしたいというのならそここそ尊重しなければならない。だからつまり分校着任が許可される前に根回しすべきだったのだ。……本校着任が許可されるかは別として。

 

「そんで、久々に顔出したってことは何か聞きたいことでもあんだろ?」

 

殿下のやらかしが本当に訊きたいことじゃないんだろう、と看破され嬉しくなる。さすが私の師匠。いや一回だけ師匠って呼んだら物凄い顔されたから今後呼ぶことはもうないだろうけれど心の中では許して欲しい。あんまり呼んでると普通に見抜かれそうだけど。

 

「領邦会議が今月海都で開かれますしちょっと情報交換しておきたいなって」

 

領邦会議。毎年四大名門直轄地で行われる帝国貴族による大規模な会議であり、そこに出席が出来るのは伯爵位以上のみで出席自体が貴族として名誉なことでもあると同時に重責も伴う大切な場だ。

去年は内戦の後処理で表立って動ける四大名門がハイアームズ侯爵閣下一人だったというのに(あるいはだったからこそかもしれないが)、領邦会議の主催にまでなってしまっていて本当に気の毒だった。だからこそあの御二方の手腕を以ってしてもティルフィルの件にまで手が回っていなかったというのも大いに納得出来るというもので。

 

「領邦会議なぁ。去年は話すことがある程度わかり切ったもんだったのもあってそこまでだったが、今年は荒れるだろ」

「ですよねえ」

 

先の内戦でカイエン公とアルバレア公という四大名門の中でも爵位の高い二人が逮捕され、ログナー侯も自主謹慎をしたままであり、現在ですらまともに動ける領主を据えているのはサザーラント州だけというのはいやはやなんともだ。

そしてアルバレア公爵家はクロスベル総督に就いたルーファス殿を除いたとしてもユーシスくんがいるし、ログナー侯爵家も後継者と任命されず国外放浪をしているとはいえ嫡女のアンがいて、ハイアームズ侯爵家も仮に閣下が出席出来なくとも高官として活躍するご子息たちがいらっしゃる。だが、カイエン公爵家だけは直子がいないのだ。あの手の早さを考えると大変意外なことだが(認知していないだけで婚外子自体は存在している可能性もあるにはあるが、生憎そういった話もない)。

 

「クロワール・ド・カイエンがしたことを考えれば公爵家の取り潰しもあり得たでしょうが、それに対する貴族の反発、領地運営に割く人員などを考えると政府が取りつぶしを行わないという恩を売る方向に舵を切ったのも理解し易いものです」

「その政府が売った恩の反映が次の領邦会議ってなわけだな」

「今のところ次期公爵に近しいとされているのは現ラマール州暫定統括者のバラッド侯ですが……いかんせん器が足りな過ぎますね」

 

そもそも領邦会議は例年五月に開催されるものであるのが六月までずれ込んでいるという此度がいかに異常かという話で、つまり水面下で揉めている証左になる。会議とはいうがその場だけで決まる物事など殆どないのはとうにわかり切った話だ。

前々カイエン公爵の忘れ形見がいるという話もあるが、これまで表舞台に出てきていない以上あまり興味はないのかもしれない。事故と見せかけた貴族間の抗争でご両親が亡くなられたことを知っていたらそんな世界に身を置きたくないと退くのも理解出来る。それによしんば出てきたとしてもどれだけ現貴族の信任を得られるのか。根回しなどの手際が神がかってよければ、あるいは。つまり期待していいものじゃない。

 

「あぁ、あとこれはあくまで噂だが、各州が税収を集めることすら廃止されるかもしれん」

「なんと。貴族制度が崩壊しつつある今だからこそ中央集権に出来るといった狙いでしょうか」

「かもな」

 

税制の改革といえば先日あったクロスベルの州会議のことが思い出される。

中継や開示された議事録によれば使節団の一員として随行していた帝都知事のレーグニッツ閣下は八大都市構想について演説し、それによって大きなメスが入るのは税率についてだと仰っていた。

そも、帝国では領邦ごとに税制が異なるケースが多い。通常それはあまり比較されることはなかったのだがネットワークの発達もあってか税制の違いを領民が知るところになった。そういう背景もあって税制もよく気候も温暖で何より領主が信頼できるサザーラント州へのプチ移住ラッシュが起こりかけている現実がある。

故郷のティルフィルも大幅に人口が増えたという報せをもらったりして、つくづくハイアームズ侯爵閣下に協力を仰いで元締めという任が解かれたのはよかったと思う。

 

しかし国内でも大規模な移住は多くの混乱と犯罪を招く。だからこその『八大都市構想』だ。

この制度は導入されると八都市──すなわち海都、公都、鋼都、旧都に加え経済特区ジュライ、新州ノーザンブリアそして国際経済都市クロスベルのすべてに帝都とおなじ基準が適用されるのだとか。元々クロスベルは併合以来税金が高めだったということもあって、市民からは歓迎の声が上がっているらしい。下げてから持ち上げるという手腕は見事だ。

そしてゆくゆくはリベールと同じように帝国全土を八都市と同じにし、貧困に喘ぐ帝国民を減らしたいというのが閣下のお考えであるのだとか。

 

「貴族に関わるすべてを廃止して中央政府預かりは現実的ではありませんし、運営はあくまで各地に任せつつ税を集めるのは政府の役割とするのなら……領邦自治は事実上の崩壊ですね」

 

それだけでも領地の税収を基盤とする貴族にとっては大事だったというのに。税収の廃止ともなれば大きな騒ぎともなろう。

だが資金を集められるということは先の内戦然り、クロスベルの独立騒動然り、そういった事態を引き起こす下地となり得る。もちろんすべてが納得してアルテリア法国を宗主といだき独立した土地も存在はするが基本としては、独立されたくない、というのが統治側の意見だろう。

貴族派の力を根底から削ぐ、という政府の意志が明確に伝わってくる噂だ。

 

「だからこそ今年の領邦会議が持つ意味ってのはデカいだろうよ」

「次期公爵の選定と襲爵、それによる今後の貴族派の立ち回りについての決定ですもんね」

 

貴族派も一枚岩ではないが、今は政府を完全なる敵だと見做している場合ではないことぐらいわかるだろう。貴族が立ち上がるということはその領民が振り回されることに他ならない。

木端な情報屋ではそれに対して何かアクションを起こせるわけでもないがそれでも、どうか、と祈らずにはいられなかった。

 

「うん、ありがとうございます。大体クリアになりました。代金は後でいつも通りに」

 

ミヒュトさんに思考の整理を手伝わせるというのはなかなかに贅沢な話だけれど、まぁ向こうも私の掴んでくるネタを頼りにしてくれている……と思うので許されている関係だ。

 

「そうそう、向こうの方に伝言あれば承りますよ。夏至祭に合わせてバイクで行くつもりなので速度は出ないですが」

「幾らだ?」

「あー……」

 

特に料金をもらうつもりはなかったので問われて言葉が濁った瞬間、あっ、と思ったけれど抵抗もせずに頭への衝撃を受け入れた。ミヒュトさんは私が頓珍漢なことを言ったりやったりした際にいつも丸めた新聞で頭を叩いてくるのだ。

 

「世話んなったヤツだからって金貰うの渋るくらいなら情報屋なんざ辞めちまえ。政府の犬んなって走り回ってるほうがよっぽどお似合いだ」

 

対価を請求出来ないソロは野垂れ死ぬ。でなければただ搾取される存在に成り果てるのみ。

ミヒュトさんはそれなりに強い言葉を使うけれど、その実心配が籠められているのは何を考えなくても伝わってくる。指摘なぞしようものなら追い出されるかお酒を奢らされるかだけれど。

 

「……」

 

機材費用、帝国中央から西端までにおける危険、該当人物へ会いに行くまでのルート追加、拘束時間、エトセトラエトセトラ。それらいろいろな要素をきちんと考えて算出した値を告げたら、及第点だな、と笑われた。

 

「明日までには渡すもん揃えとく」

「……はいっ」

 

嬉しくて思わず力強く返事をしてしまい、また笑われてしまった。恥ずかしい。しかし言い方としては揶揄ではあったけれど犬という表現はもしかしたら正しいのかもしれないな、なんて。

 

 

 

 

1206/06/10(土) 夜

 

ミヒュトさんから二通ほど手紙を預かり、久しぶりにアランドール少佐と直接やりとりをし、運よくクレアさんと顔を合わせることも出来、中央でやること諸々を済ませてリーヴスの宿酒場前にバイクを停めたところで懐かしい気配が卓についているのに気がついた。

 

「あれ、セリ先輩」

 

私がバーニーズの扉を開けると真っ先にリィンくんが声をかけてくる。それに合わせてトワ、ジョルジュ、エリゼさんに加えセリーヌさんがこちらへ視線を。

 

「何だか珍しい組み合わせだね?」

 

近付いていくと店員さんが椅子を持ってきてくれたので、いいのかな?、と視線で問うたら全員に座って座ってとジェスチャーされてお言葉に甘えることにした。

 

「というかジョルジュ帰ってきてたなら連絡ちょうだいよ」

 

一年以上ぶりに見るジョルジュはなんだかすこし痩せていて、かなりの長距離にわたる技術系行脚をしていたらしいからその過酷さがひっそりと伺えた。常識人ぶっていても興味のあるものには一直線だし、頼られたら断らない性格を知っているからもっと自分の体を案じて欲しいものだ。

 

「はは、ごめんごめん。こっちに戻ってきてからも結構忙しくて」

「シュミット博士関連?」

「ご明察」

 

こちらに戻ってきて忙しく、且つ博士が顧問をされている分校があるリーヴスにいるとなったらもうその結論になるのはおかしくない。事実そうだったわけだし。

 

「体は壊さないでね?」

「気をつけるよ」

 

ほんとかなぁ、と内心で嘆きながらエリゼさんと目があってお互いにこりと笑う。今日は寄り道で兄を訪ねてきたのかドレス姿ではなく聖アストライア女学院の制服だ。

 

「エリゼさんも久しぶり。ユミル旅行以来だから一年半ぶりぐらいかな?」

「はい。本当に久しぶりで……お元気そうで何よりです」

「ふふ、エリゼさんの活躍も聞いてるよ」

 

例のクロスベル視察団でアルフィン殿下のお付きとして随行していたのを新聞で読んだけれど、妹さん大好きなリィンくんにしてみたら気が気でなかったろうと思う。エリゼさんも17歳ともなれば貴族としては結婚適齢期に差し掛かるし、男爵家とはいえ皇族の覚えもめでたい家ということもあり求婚は引っ切りなしだろう。心中察してあまりある。

 

「それにしてもセリちゃんに会えて嬉しいや。旧都でもクロスベルでもニアミスだったから、顔が見られてよかった」

「私もだよ、トワ。お互い無事にこうしてまた会えて嬉しいのは」

 

捨て石として運用されることが前提の分校での教官という立場は死地にとても近しい。下手したらソロで動いている私よりもずっとずっと。もちろん生存報告はし合っているけれど直接言葉が交わせる安心は格別というもので。

 

「そうだ。先輩が残してくれてた伝言、すごく助かりました。ありがとうございます」

「うん? あぁ、ジロンドさんに預けてたやつ拾ってくれたんだ。こちらこそありがとう」

「エマに伝えるにしたってさりげなすぎるでしょうに、全く……」

 

無駄にならずに済んでよかった。

とはいえある意味自ら進んでタダで情報を引き渡すという行為はそれこそやめろと言われるかもしれないけれど、私が情報屋としてやっていけるかどうか以上にトワの安否が最優先というのがまずある。彼女が生存してくれるのなら私は助力を惜しまないし、もし惜しむことがあればそれは既に私の心は死を迎えているのと同義だ。

同じようにアンやジョルジュに対して何か出来ることがあれば、その時だって躊躇などしない。したくない。それで大切なひとを失わずに済むのなら。

 

「……ところで先輩は、星見の塔で何か見たりはしたんですか?」

「劫炎殿と会った以上のことは何も。ただつまり何かはあるんだろうなって」

 

本当のことだ。塔内部で蒼い影を見かけたりもしたけれどそれは随分前のことだし、曖昧な情報を口に出すわけにはいかない。霊脈にアクセス出来るというのも今のところ伏せておきたいから言えることなど何もなかった。

 

「そうですか」

 

ホッとしたような全員の表情。私の返答に対してエリゼさん含めてそのように安堵するのは何かおかしい。ということは意図的に隠されている情報があるのだろうけれど……彼らが私に隠し事をすると決めたならそれは私を想ってのことだと受け入れられる。暴こうとも思わない。

必要になればきっと明かしてくれるという信頼ならとっくにあるのだから。

 

 

 

 

そうして他愛のない会話を続けて晩御飯も終わりに差し掛かる。

今更だけれどセリーヌさんが当たり前のように話しているけれど町の人は気にした風情を見せていない。……リィンくんが心配でエマさんが置いていったといったのをトワが取り成した、といったところだろうか。いやそれにしたって猫が喋るなんて。まぁ誰に話しても信じてくれない与太話か。

 

「おっと、連絡が」

 

通信音に反応してジョルジュがARCUSIIを弄り始め、そういえば、と思い出す。

 

「ジョルジュやリィンくんとはARCUSIIで連絡先の交換はしてなかったよね。どう?」

 

ARCUSIIについては前々から触っていたけれど、ジョルジュはともかくリィンくんが持ったのはここ最近なわけで。連絡がつくとこちらとしても都合がいいのだけれど。

 

「もちろん、こちらからお願いしたいくらいだよ」

「先輩がよければ是非」

 

断られるとは思っていなかったけれど歓迎の言葉に頷きながら端末を取り出し操作を────。

 

「……んん?」

 

方向キーを何回か押しても上手く連絡帳に辿り着けない。一応自分の通信番号とメールアドレスは覚えているからメモ書きで渡せばいいのだけれど、それはそれとして戦術器の調子が悪いというのは死活問題に繋がるというもので。

 

「どうしたんだい?」

「妙に反応が悪くて……上手く操作出来ない」

「ああ、それじゃあ僕の方で診ておこうか。明日の午後までには渡せると思うし」

 

手を差し出されて、いやいや、と首を振る。

 

「ジョルジュも忙しいんでしょ? さすがに悪いよ」

 

明日にはルーレへ発つ予定だというのに、今日は博士に付き合って徹夜の可能性があるとまで聞いている。そんな人に任せるというのは本人からの申し出とはいえあまりにも人道にもとるのではないかと。

 

「息抜きに別のものを触らせてくれるとありがたいんだけどな」

「……そんな言われ方をされると断りづらい」

「ふふ、セリちゃん観念した方がいいよ。ジョルジュ君が管轄内の機械の不調見過ごすわけないもん」

「そうそう。それにセリの戦術導力器なら僕が一番よくわかると思うけど?」

 

ぐうの音も出ないほどの正論。私が戦術導力器を持ち始めてから誇張なく一番見てきてくれた人物がジョルジュというのはもうまず間違いない。私とオーブメントの接続の特徴から、そもそも日常生活における取り扱いのクセまでわかられているといっても過言ではないと思う。

 

「……じゃあ、お願いするね。何かあればARCUSで連絡ちょうだい」

「承りましたっと」

 

差し出した端末を丁寧に受け取ってくれるやさしい指が、ああ本当に好きだな、と友人としての想いを補強してくれた。

それからみんなを見送りバーニーズの二階へ。バイクでのんびり旅とはいえ連日は疲れたし、ノート端末で仕事をまとめてからさっさと眠りに落ちるとしよう。

 

 

 

 

「────っ」

 

破裂しそうなほど動悸の激しい心臓を押さえ飛び起きる。ぐしゃりと掴んだ布が清潔なシーツに包まれた布団であることに気が付き、ああいつもの夢だと詰めた息を吐く。

腕からこぼれ落ち膝を濡らす生温かい液体。支える力が完全に無くなり腕にかかる重さが増すあの瞬間。命を灯す生物の近くにいたら必ず聞こえる生体音の断絶。それらと向き合わなければならなかったあの紅の晦日。

共に生きようと言ってくれた人が息絶えるその時を、私の脳は逃げるなと言わんばかりに不意に再生する。あの温度を、重さを、悲しさを、悔しさを、ずぅっと忘れてはいけないと。ただの一欠片もこぼしてはいけないのだと。そう、まるで自分を呪うように。

 

記憶は思い出すことが少なくなればいずれ風化する。けれど何度も何度も思い出せばそれは定着し、仮に思い出すことが少なくなっても何かきっかけがあれば強く鮮明に思い出せる。そういう形に作り替えられていく。今もその最中なのだと思う。

それでもエマさんが伝えてくれた事実はこの悪夢とも呼ぶべき記憶のリフレインに別の意味を与えてくれた。

 

すなわち────まだ覚えている、という安堵。

内戦時のクロウを語る上で蒼の騎神オルディーネのことは欠かせない。それでも騎神の記憶が人々から、歴史から消え去っていくというのは事実で抗いようのない現象なのだと思う。たった250年前のことだというのに何をどう調べても騎神という目を引く存在が確認出来ないからだ。

だからせめて私は一日でも一時間でも一分でも多く、彼らのことを正しく覚えていたい。

暴走し魔王と成り果てた緋の騎神に挑み、灰の起動者のために命を使った蒼の起動者のことを。帝国を破壊しようとした末に結果的には世界の為に命を賭した貴方のことを。

きっと忘れてしまったこと・改変されたことすらわからなくなってしまうのだろうけれど、だからこそ。

 

「夢で後悔を再現しやすい体質も、悪くは、ないって思えるよ」

 

悪夢を慰めにするなんて非常に馬鹿馬鹿しいと分かっているのに。

 

 

 

 

1206/06/11(日)

 

これから仕事へ向かう人々に混ざり朝食を食べ終え、部屋に戻る。

本来ならさっさと海都に向かっているところだけれど、ARCUSIIの修理が終わるまでそういうわけにもいかず、すこし時間を持て余すことになってしまった。

以前であれば教会へ顔を出して祈ったりもしていたけれど、女神さまに反旗を翻す生き方……もとい終わり方を決めてしまったからすこし顔を出しづらくなってしまったというのもあって選択肢としてはナシだ。いや女神さまが一人一人をつぶさに見守ってくださっているなんてことはないのだろうので、これは私の感情の問題でしかないのだが。

……見守っていないと、思っていた方が幾分か楽になるというだけの話でも、あるけれど。

 

そこまで考えて────この思考変遷は駄目なやつだな、とかぶりを振って意識を立て直し、目的も何も決まっていないけれど最低限の装備だけ身につけバーニーズを出る。当て所などなくとも陽の光を浴びて歩いているだけで気が紛れることもあるだろう。何なら近くの街道まで出て凶暴な魔獣を討伐したって構わない。

とにかく動いていた方がいい気がする。なんか、今日は、おかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

教会にいるロジーヌからの依頼でエリゼと特別授業を行い、寮に戻るというエリゼを送るついでに少しミハイル少佐と話したいことがあって戻り、つづがなく用事を終わらせて寮から出たところで街道から入ってくるセリ先輩の姿が見える。

 

「先輩、街道に出てたんですか?」

「うん、野暮用でね」

 

軽く濁されたけれど、街道の向こうに今朝まであった気配が消えているのに気が付いた。あんまり無闇に手を入れるべきじゃないがそろそろ人的被害が出かねないか、とランディを誘って討伐に行こうと思っていたのにも関わらず。

 

「もしかして討伐に出てましたか?」

「あ、そうか。リィンくんならわかるよね。そうそう、ちょっと人里に近過ぎたから」

 

こともなげに告げられた言葉に、あれ、と首を傾げてしまう。

 

「……先輩っていま戦術器預けてますよね?」

 

ARCUSを持っているとはいえARCUSIIとの接続を完全に切って渡したわけじゃないはずで、その状態で別のARCUS端末と接続を果たすと妙に感覚が遠くなるというか、奇妙な体調不良に見舞われる筈だったと記憶しているけれど。だから並行使用が出来ないのだとかそういう説明を最初に貰ったのはいまだ記憶に新しい。

 

「あんまり頼ってると鈍るからねえ」

 

つまり使わないで戦うことも稀じゃないということだ。鍛錬に余念がないというところは非常にらしいというか。

……けれどそれにしては何だか気が立っているような気配がちりちりと感じられて、そういう意味でもどうしたのだろうと内心で疑問が湧いてくる。穏やか……という言葉とは少し違うかもしれないけれど常に冷静沈着であろうとしている姿しか見たことないせいか、どうしてもその普段との差異が気になってしまった。

 

「先輩はこれから何を?」

「西が終わったから東街道に出かけるかな。どうして?」

「ええと」

 

まさか機嫌が悪いですよね、なんて真正面から言えるような間柄ではないし、そもそも失礼だろう。特に怒鳴ったり当たり散らされたわけでもない。気が立っているように感じられるというのも正直たぶん、俺だから感じ取れるレベルのものだ。戦闘職でないならもちろん、戦術科の生徒だって気付きはしない。

それでも俺に先輩を引き止められるような手札があっただろうか、と脳内を必死に検索してはたと思い当たる。

 

「先輩、小要塞に興味はないですか?」

 

その時の瞳の煌めきを真正面で受け止めてしまい、あぁきっとクロウが好きになった先輩ってこういう表情も含んでいたんだろうな、と思わせるほどのもので、つまり、だいぶ興味の対象だったようだ。

 

 

 

 

「これがアインヘル小要塞? 一辺50アージュ……博士主導とはいえ思い切った建造物だねえ」

 

一応オーレリア分校長には連絡を入れ、構わん構わんむしろ宣伝しておいてくれその気になるかもしれん、と豪気な言葉を頂いたので部外者とはいえ問題は無くなった。

というより返答からして元々教官としてスカウトされていたのかもしれない。先輩と分校長の接点なんて……とそこまで思考を巡らせて、あぁと一人で勝手に頷いてしまった。分校長は貴族であり、そして先輩は貴族連合軍のとても近しいところにいた経歴がある。おそらくその関係なのではないかと。

俺が一人で考えているとスタタッと小要塞に近付いた先輩は入ろうとはせずそのまま壁に手を当て、まるで何かを探るかのように黙りこくる。そうして数瞬、ぞわりと足元を何かが這いずり回ったような気配を覚えるも何があるワケでもなく、幾許かして先輩が俺の方を向いた。

 

「随分と面白そうな建物だね。案内してくれる?」

 

何事もなかったかのように言われ、請われるままに扉を開く。

高い天井の通路を通り、最初はコントロール室の方へ。先輩は戦術器がないので俺も合わせてオフにした状態での稼働がいいだろう。そういうデータを取得させるのも悪くはないと思う。普段から鍛錬に使って操作盤や設定を弄り慣れていて本当によかった。

 

「コンソールやUIもかなり洗練されててさすがというか」

「はは、博士の設計ですからね。非効率さは殆どないですよ」

 

自分が実際に使ってみると本当にその素晴らしさがわかる。常日頃あの言動を浴びてはいるけれど、それでも博士が類まれな頭脳を持つ人だというのは疑いようもないほどだ。

うん、難易度調整も終わったしこれでいこう。設定を見直してからエンターを押して少し、腕を組んだ先輩がちょっと落ち着かないような表情になる。

 

「工場でもないのに足元で大掛かりに機械が動く気配っていうのは不思議な感覚だねえ」

「わかるんですか?」

「ああ、ま、前衛とはいえ斥候を生業にしてる人間だし」

 

にこりと笑いながら当たり前のように言われたけれど、数十アージュ以上離れている場所のことを(しかも何となくではなくおそらくつぶさに)感じ取れるというのは個人が持ちうる感覚としてはあまりに広すぎる。

俺たちの先輩というのはつくづく誰も彼も非常に卓越した能力を持っているというのに決してそれをひけらかさず、だけど持て余すこともせずに自分に出来ることを理解し邁進している。

────クロウがもしその中にいたならどうしていたんだろう、なんて、詮のない考えがよぎり、断ち切るようにして先輩を呼び小要塞のエレベーターで降りていった。

 

 

 

 

「到着したみたいですね」

 

到着音とともに扉が開いてうきうきが抑えられていない先輩が真っ先に飛び出し、軽く柔軟体操をしてから武器を抜く。長さも握りも異なるふたつ、両刃の片手剣と防御用のダガー。クルトとはまた違ったスタイルの双剣士。

……そういえば先輩が戦う姿というのを俺はあまり見たことがないかもしれない。エリゼを追って旧校舎に入った際は結局支援に回ってくれたし、夏至祭の騒動だと地上でずっと戦い続けてくれていたとは聞いたけれどその姿を見ることはなかったし、煌魔城の時だって紅き終焉の魔王を相手取って見る余裕なんてないに等しかった。

先輩の精神状態が心配で思わず誘ってしまったけど、いろんな意味で今日は勉強になるかもしれないな、と自分も楽しむことに決める。それがいい。

 

「リィンくんも最後までついてくるの?」

 

……?一瞬理解文章ではあるものの聞き捨てならない発言がされた気がして先輩の方を見ると、OKを出したら今にも駆け出していきそうな風情に輝いているのが見えた。

 

「あの、一応、俺と二人踏破のつもりで」

「………………そう、だよね。可能な限りリィンくんの戦闘データ取りたいもんね」

 

堪えきれなかったんだろう『残念』という感情があからさまで、事前に説明していなかった俺が悪かったなと少し胸を押さえる。もしかして先輩って俺が思ってるよりずっと戦闘好きなのかもしれない。VII組にはそういうタイプはいなかったから新鮮だ。

 

「……後で戦闘参加データは修正しておきますから、一人で挑戦されますか? もちろん俺が後ろからついていく形にはなりますが」

「いいの!?」

 

ありがとう、と先ほどとは打って変わった表情で本当に嬉しそうに笑う先輩の耳元でピアスが見え隠れし、それと同時に頭の後ろで青の紐がひょこひょこ揺れ動く。

それでここ最近誰も連絡がつかない友人のことを思い出し、俺じゃあ力不足かもしれないけど後輩として何とか見守らせてもらうよ、と心の中で"二人"に誓った。

 

 

 

 

とは思ったものの、危なげなんてまるでなく淡々と先輩は進んでいく。

索敵はもうとうに済んでいるのか、それとも会話中にそれとなくこなしているのか、死角や梯子上にいるのでもお構いなく斬り伏せる姿は見事の一言だ。奇襲されるなんてこともない。

 

「構造が可変ということは、もっと複雑な立体構造にも出来るんだよね?」

「はい。ギミックに加え地下もいまだに拡張中らしいので、最終的にどれくらいの規模になるのか俺も知りません」

「……いいなぁ。例の旧校舎みたいなとんちきダンジョンがなくても練度に合わせて構築出来るっていうのは士官学院にとって革命だよ」

 

とんちき。……まぁ確かに、まるで俺たちを鍛えるためだけに存在していたかのような都合のいい場所だったことには違いないし、旧校舎の調査は今の強さの礎になっていると言っても過言じゃない。

そしてその旧校舎は起動者である俺を相応しくするためだったのか、今はダンジョンとしての機能は停止しているのは確認済みだ。あった筈のエレベーターは消え失せ、初めて入った時のように静まり返っている。

 

「ところで、先輩も分校長に呼ばれていたんですか?」

「うん。でも前途有望な若者たちに何か教えられるような誠実な人間じゃないから丁重にお断りしたよ」

 

その考えがもう既に誠実な気がするけれど、きっとそういうことじゃないんだろうな、と心の中に留めた。

 

「ルグィン閣下には恩返しがしたいけど、さすがに他の人を巻き込むのはね」

「それは……やはりパンタグリュエルで?」

 

うん、と頷かれてから僅かな沈黙。

 

「あの、本当にリィンくんが気にすることではないんだけど……あそこにいた時に暗殺者を差し向けられて、撃退したはいいけど最終的な処理が出来ずに困っていたのを助けてくれたのが閣下だったんだ」

 

セリ先輩が、貴族連合軍旗艦で、暗殺未遂に遭った。

クロウは蒼の騎士として重宝されていたし、貴族側にその恋人をわざわざ害するメリットはない────つまりそれが誰の差金かといえば決まりきったようなもので。だけど俺がその結論に至るとわかっていて、なお疑問解消の方を優先し、気にすることではないと最初に伝えてくれている。何を言われるのかと思ったけれどなるほどとしか言いようがない。

 

「閣下と言葉を交わした回数は少ないけど、私すっかり好きになっちゃってて、そういう意味でも心苦しくはあったよ」

「もし先輩がこちらに来られていたら、とても頼もしかったでしょうけどね」

「そう言ってもらえるのは先輩冥利に尽きるなぁ」

 

くすくす笑われるものだから、本心ですよ、と念を押してしまって更に笑いがこぼされた。

 

「さて、そろそろ最奥みたいだけれど何が出るのかな」

 

角を曲がったところで上級回復装置を発見し、起動するか悩んでそのままにした先輩が奥へ進んでいく。魔獣が気が付く前にほぼほぼ奇襲で先手取り撃破し切っていたので、被撃することもなかったから当然といえば当然かもしれない。それに実戦でこうも都合良く置いていないことも考慮するなら使わない選択肢もアリだろう。

先輩が中央へ構えながら進み、それに反応して虚空から先月見たシュミット博士作の人形兵器が現れた。俺からは先輩の背中しか見えないけれど、楽しそうにしていることだけは伝わってくる。

 

そうして地面を蹴っ飛ばし先輩が人形兵器の背後に回るけれど、しかし相手も上部のみを回転させることで反転させる時間を短縮させ四本腕に取り付けた刃を振りかぶった。それを膂力勝負に持ち込ませずきれいに打ち流し、地面にめり込んだものを一本破壊する。

それは────俺もたまに素材の弱いところを見極め金属を断ち切ることはあるけれど、全く別の技術にも見えた。斬れる線が見えているのではなく、破壊に繋がる点を正確に突き穿っている。それだけといえばそれだけ……とは言え、どれだけそれを成せる人間がいるのかと。

最近参加した戦闘だとかなり大規模な破壊力を目の当たりにしていたこともあって、ここまで精密で無駄のない動きというのは驚きしかない。道中の魔獣が相手になっていなかった理由も明白だ。

余裕を見せたまま綺麗に全ての武器を破壊し、腕の叩きつけに攻撃手段を移行させたところで胴体の結合部から最短で核を貫き戦闘を終わらせた。きっともっと速く戦闘を畳むことも出来ただろうけれど、何かを確認したかったのか先輩はそうしなかった。

────もし、俺が先輩と戦うなら。

 

「ねぇ、リィンくん」

「はい。お疲れさまで……」

 

声をかけられ労いながら近付こうとしたところで先輩の臨戦態勢が鎮まっていないことを理解し足を止める。足元の人形兵器は鉄屑となりもう稼働していないというのに。

 

「ずっと戦闘見てて退屈してない?」

「いえ、勉強になりました」

「それはよかった。でもその中で、自分が戦うならって考えたりしなかった?」

 

穏やかな言葉とは裏腹に激しい闘気がぶつけられる。殺気でも敵意でもないけれど、ただひたすらに戦うための意志。不思議と心地よささえ覚えるそれ。

 

「試してみようよ。八葉一刀流の観の眼というのがどれぐらい披けるのか知りたいな」

 

俺の返答を聞かずとしても考えなかったという選択肢なんてあるわけがないとわかっている。

ギラつく瞳はまるで心臓を突き刺してくるかのようで、ゆっくり腰に佩いた刀に手をかけた。

 

「……胸を、お借りします」

「あは、こちらこそ」

 

お互いARCUSIIは未接続だから純粋な腕力や体力勝負なら俺に分があるとはいえ、そんな単純な試合になるわけがない。それに余力を残し続けたものだったとはいえ俺の前で何度も何度も戦闘を展開させた上でこの誘いだ。自分が不利だと理解していないはずもなく。

だけど確かに、この機を逃したらもう一生先輩と戦れることはないような気がした。

 

「いざ、尋常に」

「勝負!」

 

 

 

 

そうして決着はつかず……というかお互い相手を下そうという気持ちより打ち合いが楽しくなりすぎて長引き、終わりを迎えた理由は途中でスピーカーから聴こえたジョルジュ先輩の声で場が冷えたというのが一番の理由だった。

取り敢えず一階のロビーまで戻ってきたら仁王立ちのジョルジュ先輩とティータがいたのはいつもに近い情景だったのに、迎える相手が変わるだけでこうも変化するのかと。

 

「君の方が年上なんだから止め際を見極めるのは君の役目だよね?」

「……はい、そうです」

「リィン君だって教官になって忙しいんだからフリーの君に長々と付き合わせたのは?」

「よくないことです」

「よろしい」

 

その力関係を見ていて、あぁ先輩たちのグループってたぶんトワ会長とジョルジュ先輩がストッパーだったんだろうな、と理解した。すこし笑ってしまった音に反応してか、そろりと叱られた子犬みたいな先輩が俺の方を見る。

 

「ご、ごめんねリィンくん。こんなずっとやるつもりじゃなくて適当なところで切り上げる予定ではあったんだけど……楽しくて」

「気にしないでください。俺も楽しかったですし」

「リィン君、あんまり甘やかさないでいいんだよ」

 

諭すようなジョルジュ先輩の声に、本音ですよ、と笑う。

 

「それにしてもこの回収したやつ……本当にセリが一人で?」

「うん。後先考えずに破壊したけどよくよく考えたらそれもよくなかったですね……」

 

思わず敬体になってる先輩を見るのはちょっと面白いかもしれない。

 

「いや逆にここまで見事に破壊されるのは次の課題になるよ」

「はいっ、使う金属の配合とか変えてもっと強くしたいです!」

「あ、配合より単純に成形精度の問題だと思います。力のかかりやすさが分散出来ていなかったイメージが一番近いかと」

 

懸命にメモを取るティータの姿は、見てると本当にものづくりが好きなんだなと胸がじんわりあたたかくなる。留学で来た彼女の実りにすこしでも協力出来たらいい。

 

「そうそう、はい」

「あっ、修理ありがとう! ……うん、問題なくなってる」

「オーバーホールしておいたから、当分は保つ筈だよ」

「うわ、時間ないだろうに本当にありがとう……!」

 

ARCUSIIを両手に頭を下げるセリ先輩の頭を、ジョルジュ先輩がくしゃくしゃと軽く撫でる。

 

「いいんだ。力になりたいって思ってるのはセリだけじゃないってことを分かってくれたら」

「……お見通しだねえ」

 

困ったような、満更でもないような表情でARCUSIIを仕舞い髪を整えた先輩は、それじゃ、と出口の方へ走っていく。

 

「先輩! ありがとうございました!」

「こちらこそー! もしかしたらまたあっちでもよろしくね!」

 

太陽の下へ消えていく最中に告げられた挨拶はどうも意味の取れないものだった。

その意味が判明するまで、あと四時間。

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