[完結]わすれじの 1206年   作:高鹿

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26 - 08/22 人探しと失言

1206/08/22(火)

 

一晩経って私の身体も元通りになり、起き抜けはものすごくトワに心配されたけれど後できちんと寝ていた理由の説明もするから、と宥めてブリッジに入り、諸々の確認を終えてから朝のブリーフィングが始まった。

 

操舵席とコンソール席から上がって来たアンやトワと並び、普段は収納されているモニターでチェックした各地の状況をさらっていく。

ラマール州北東部の警戒がある程度解かれ、ゼクス将軍率いる第三機甲師団が巡回を引き上げたということからオスギリアス盆地近くにあるアルスター、そして歓楽都市ラクウェルには近付けるだろうという結論になった。しかし先日の騒動への対策として第三師団は海都に駐留を予定し、街へ入るのは難しいと見て良さそうだ。

各地へ散り散りになっている分校生の一部も海都近郊にいるらしく、無事であることを願おう。

 

「ミルサンテ方面は管轄外らしいからまだ警戒されてて、そっちも行くのは難しいかなぁ。ごめんね、できればリーヴス方面の穴も見つけられればよかったんだけど」

 

申し訳なさそうにトワが報告を終えるので、大体の人が、いやいやいや、と否定した。

トワのよくないところっていうのはこういう、他人を慮りすぎて自分を責める……とまではいかないけれど自己能力がもっとあればと考えてしまうところだろうか。もし誰かと一緒になる日が来るならそういうところをそっと支える人であって欲しいと友人ながらに思う。

 

「十分っていうかそれ以上ですから!」

「昨日の今日でよくぞここまで……」

「正直、情報局顔負けかと」

 

各所から上がる評価に対し、ちょっとびっくりしてからはにかむ表情は大層可愛らしい……が。

 

「さすが私のトワ。惚れ惚れしてしまうね♡ 頑張る君にご褒美のベーゼ────ぐっ」

「ちょ、ちょっとアンちゃん!? セリちゃん!?」

 

公衆の面前で下心を前面に出した行動をするなとアンの首根っこを引っ掴み止める。

そういえば試験運用時にも街でナンパを繰り返すアンをこうして止めまくってたな、と脳裏に記憶がよぎったところでクロウが苦笑し、やれやれ完全に元通りだな、と呟いた。私もそう思う。

 

 

 

 

「で、はい。説明してくれるんだよね?」

 

ブリーフィングが無事に終わりさぁて何をしようかな、と考えていたらトワに腕を掴まれ問答無用でラウンジに座らされ、対面に腰を落ち着けた彼女は有無を言わせない迫力で言った。隣にクロウが座ってきてアンもその対面に座ったけれど助けてくれるつもりはないらしい。

一応珈琲は淹れてくれたみたいなのでそれはありがたくもらっておくとしよう。

 

「話せばちょっと複雑なんだけど」

「いいよ。全部聞くから」

 

これは多分なかなかに怒ってますね、と心の中で頷きながら説明を始めた。釈明ともいう。

 

まず昨日話した黄昏の話のおさらいをし、リィンくん……というよりヴァリマールとオルディーネが相克を戦い、敗れた蒼は吸収される筈だったのを灰が眷属化し、起動者もそれに則った形になったということ。

しかしいくら贄といえど騎神二体と人間一人を稼働させる霊力を個人で回そうものなら良くて気絶・悪くて死亡であり、オルディーネの準起動者且つ元々の体質も相まって私が霊力ポンプになることで解決している。

そうして霊力を回すのに意識を割いたら慣れていないというのもあってか生命維持用の無意識行動以外を全振りしなければならず、昨日トワが到着した時に仮眠室にいたのはそれによる結果だったのだと。

 

「……」

 

話し終えたところでトワは難しい顔をしたけれど、ふう、とため息をついて視線をしっかり合わせてくれた。意志の強い、私のだいすきな眼。

 

「セリちゃんにしか出来ないっていうことも、セリちゃんがそれを為したいと思ってることも理解はしたよ。可能なら、納得もしたいと思ってる」

「うん」

 

机の上に置いていた私の手に小さな両手が被さり、震えと感情が伝わってくる。

 

「でも、昨日二人を怒ったけど、セリちゃんへは特に────あのこともあって、正直自分の命を大事にしてくれるだろうって信頼はなくなってるんだよ」

 

あのこと。私が、空の女神を見限り煉獄へ行くと決めた心のうちのこと。タイミングが合えば己の命を簡単に使ってしまうのではないかと思われている。

自分で言うのも何だけれど、それはきっと間違っていない。私の命は私にとって軽いものだ。言うならばリソースの一部として判断している。……本当に、トワは本質を見通すのが上手い。

 

「その上で、覚悟を決めたセリちゃんに約束を迫るのは酷なんだろうなって」

 

誰に対しても、何に対しても誠実であろうとするトワにそんなことを言わせてしまった。あまりの罪悪感に心臓がぐしゃりと潰されたかのような感覚に陥るけれど、これは自分が招いたことだと真正面で受け止める。

そうして、ふわり、彼女は笑ったのだ。

 

「だから、せめて────私がセリちゃんのことを大好きだってことは覚えててね」

 

片手を制服の懐へ入れ、掴んだ何かを私の手に握らせてくる。退いた指先から軽く促されるように見たそれは、グウィンさんがつくってくれた有角の獅子紋を元にしたストラップ。千切れてしまっているけれど翠と茶の属性色は私のものだというのを表している。

 

……誤解を招きかねない表現かもしれないが、それは、その言葉と行動は、どんな約束よりも重いものだと感じてしまった。

でも、ああ、そうだ。私もクロウに対して過ぎったことがある。リィンくんを助ける時に、自分の命を賭ける時に、私のことを0.1リジュでも思い出してくれただろうかと。別にリィンくんを見捨てて欲しかったとかでは決してないのに、貴方の心の中に自分の存在はあったのかと疑問を。

 

「……知らなかったわけでも、覚えていなかったわけでも、ないんだよ」

 

渡されたストラップをぎゅっと握り込む。

愛されている自覚はある。ないわけがない。トワやクロウだけでなく、アンからも。それにおそらく、たぶん、ジョルジュからだって。向けられる感情に怯えていた私が自分でそう思えるようになったのは叔母叔父含めみんなのおかげだ。

 

「ただ、トワの最大幸福に私の生命も関係するというのは、改めて覚えておこうと思う」

「うん。ありがとね」

 

望んで生きるということの何と難しいことか。

一応話に結論が出たところで、はあ、と隣からため息が聞こえてきた。視線を動かせば頬杖をついたクロウが私とトワを眺めている。

 

「……一生トワに勝てる気しねえなあ、オレ」

「何を言い出すのかと思えば。クロウはそもそも全員に勝てないだろう?」

「は? お前今から表出るか?」

「そこまでいつも通りに戻らなくてもいいんだよアンちゃんクロウ君!」

 

クロウはトワに勝てないと言うけれど、それを発言するなら自分の身も省みて欲しいと思う。クロウの行動と思考に疑問を持った時、あまりの愚かさに思考を消してしまったけれど今ならようやく見つめられる。自分が、たぶんこの世の誰よりも嫉妬しているのはリィンくんなのだと。

だからって別に害したいという感情はないし、ほどほどに仲良くやっていけたらなとは思う。自分のよろしくない感情があると理解するのも鍛錬だし……いや、煉獄へ行くには鍛錬をしない方がいいのか?

 

「……いつも通りといえばバイクなわけですけど」

 

自分の感情を見つめ直していたところで冗談にしてはヤバそうな雰囲気が漂い始めたのでテキトーな話題を口にすると、ん?、と二人がこちらを向いて浮かしかけていた腰をゆっくり落とす。

 

「霊園に置いてきた私たちのあれ、どうなったんだろう」

「ああ、そういえば」

 

霊園入口に停めてからその後直ぐに取っ捕まってしまったので行方知れずだ。かなりチューニングしたし、長い間共にいた相棒だから盗難に遭っていたらさすがに悲しい。

 

「私たちがお墓へ行った時には特にそういったものは見当たらなかったけど……」

「となると、どっかのお節介が完全メンテナンスしてるかもしんねえな」

「フフ、確かに。そうだといいが」

 

あり得る、と私もつられて笑っていたらリィンくんがラウンジへ入ってきた。こちらを見て一瞬ぱっと顔が明るくなったかと思えば、僅かに歩みが鈍くなるのが見える。

私の視線に気が付いてか他の三人もそちらへ目線をやり、ああ、と。

 

「リィン、こっち来いよ」

「何だか邪魔しちゃ悪そうって顔してるけど……気の遣い過ぎだからね?」

「そうそう、そんなところに立ち尽くしていないで君も輪に入りたまえ」

 

言いながらトワとアンが横にズレて椅子を叩くから、はは、と笑いながらリィンくんも座る。

 

「まるで本校時代に戻ったみたいですね。それで、今は何の話を?」

「ああ、ちょうど導力バイクついて話してた所でね」

 

運転試験にはリィンくんに依頼という形で携わってもらっていたし、そういう意味ではVII組の中でもずっと馴染み深い人材だ。

 

「君には何度かテストに付き合わせたが……最後には試作機一号を貰ってくれたね」

「内戦時に物凄くお世話になりました。その後は卒業直前にアリサに頼まれて、RFの開発サンプルにしてもらった感じですね」

「懐かしい、大陸一周中のアンゼリカさんに連絡をとって許可を貰ったのよね」

 

工房へ向かう途中だったアリサさんがひょこっと会話に混ざってくる。

 

「あの頃のアンをとっ捕まえて連絡取るなんてすごいねえ」

「だって待っていられなかったですもん」

 

いろいろありつつも着実に計画が進んで、去年辺りにテスト版を渡されてノルドに行ったのだっけ。いやもう考えるまでもなく本当にお世話になってるな。

 

「そういう何気なく使ってる機材の知られざる開発秘話って面白いですね」

 

トワたちの後ろからユウナさんの声も入ってきて、まぁ広いとはいえ少人数で運用できる形の飛空艇の広さだから会話が聞こえるのも仕方ない。……まぁつまりさっきのやりとりも聴かれていた可能性が高いわけで、気を使わせてしまったかな。

 

「そういう尽力があって実用化に漕ぎ着けたって話を聞くと散々テストに付き合ってきた甲斐もあったってモンだぜ。本当ならジョルジュの野郎とも感慨を分かち合いたかったんだが」

 

本来私たちは五人で一つのチームで、1204年のあの日以降どこかがぽっかりと空いている。最初はクロウ、次はアン、それから私で、続いてトワ、最後にジョルジュ。絶対に五人が集まる状態にならないというのはそれが運命なのかもしれないとも。

 

「ま、いずれにせよあいつにはまだ未来がある。かつての俺がそうだったように、ジョルジュの奴にも本音を曝け出してもらわねえとな」

 

クロウの遺体を入れ替えたこと、私たちを殺害しなかったこと、しかしカレイジャスに手をかけたこと、不確定だけれどバイクのことまで。それらの行動はとてもちぐはぐで、何処に彼の心があるのか分かりようがない。

 

「元より私はそのつもりさ。この拳を届かせてみせる」

「そうだね」

 

ぐっ、とアンが握った拳に軽く私もこつんと当てると、オレも言いたいことあるしな、とクロウの手もやってきて、もちろん私もだよ、とトワの拳も。そうして。

 

「ええ、頑張りましょう」

 

立ち上がりながらリィンくんのそれも合流してきて、改めて私たちは心に誓った。

仲間に戻れるかなんて保証はなくても、その心を問いただすことぐらいは出来ようと。

 

「……そういえば、もしかしてセリ先輩って人探しとか得意だったりしますか?」

「え? ああ、うん。まぁそれなりに力になれるとは思うよ」

 

何を藪から棒にと思ったのも束の間、各地から入ってきている要請の中にそういった類のものがあったなと頷く。

 

「今日の地上探索面子に入れてくれるの?」

「先輩が良ければ、ですけど。ずっと室内にいるのも飽きるでしょうし」

「リィンくんはクロウより気が利くな~」

「それジョークにしちゃ重すぎんだろ」

 

今思えば人間というのはやはり大地と接して生きるのが霊力回復という意味でも生き易いのだと思う。パンタグリュエル乗艦時代は大きい部屋で衣食住に困ることはなかったとはいえ一ヶ月以上監禁されていたのだから、あれで極限状態にならなかったことを褒めて欲しいぐらいだ。

 

「お言葉に甘えて地上に降りさせてもらおうかな」

 

私が立ち上がると次いでクロウも当たり前のように。と思ったらアンまで。

 

「……何でゼリカまで行く気満々なんだよ」

「クロウ、君は大人しく留守番しておくんだな」

「は?」

 

挑発的なアンの言葉にまたぞろ臨戦体勢一歩手前になる。この二人本当にやり合うの好きだな。

 

「考えても見たまえ、クロウの身体を維持しているのはセリなのだろう? なら先日ドンパチしていた君が休んでいる方がセリの為になるとは思わないか」

「いや別にクロウ維持の霊力なんて騎神の戦闘時に比べたら微々たるものだけど」

「というか私だってセリとの時間が欲しい」

「絶対ぇそっちのが比重たけーだろ! 何もっともらしいこと言ってんだ!」

 

喧々諤々と言い合いを始めた二人を無視し、じゃあ他の面子にも声かけて降りちゃおうか、とリィンくんへ声をかけたら、いいんですか?、と首を傾げられる。いいのいいの。放っておけばどうせどっかで意見まとまるから。

 

 

 

 

そんなわけでクロウは折れたのか折られたのか分からないけれど私の体調管理はアンに決まったようで、リィンくんとお目付役の特務科代表アッシュくん、他にはエリオットくんにガイウスくんを呼んだ計六名で地上へラクウェルの東に降りることになった。

 

「遊撃士協会から回ってきた人探しの依頼が最優先……かな?」

「そうですね。出来ればアッシュの家の確認とかもしたいですが」

「そんなんゾロゾロ大人数でやるもんじゃねーだろ」

 

教官のお節介にそう返しながら、しかし満更ではない感情も混ざっているような気のするアッシュくんの言葉を聞きつつ向かってくる魔獣をいなしながらラクウェルへ。

歓楽都市の昼間はつまり夜中といってもいい時間帯で、一般市民の生活はあれどそこまで賑わってはいない。だからこそ中域警戒でしかない私の感知網に変なものが引っかかった。なんだこれ。……勘違いじゃなければ似たものを帝都地下で捕捉した記憶があるけれど。

 

「まずは待ち合わせ場所の宿酒場へ行こう」

 

先導するリィンくんとアッシュくんについていく。私も馴染みがない街ではないけれど、街に慣れている人材がやる気を見せているのならそれについていくというのが省エネルギーのコツなのだと思う。

 

「思ったより賑やかさはないんだな」

「ああ、帝都のガルニエ地区とは雰囲気結構違うよねえ」

「お堅い先輩方には馴染みねえだろうが、ラクウェルは夜が本番なんでね」

 

エリオットくんとガイウスくんの会話に笑いながらアッシュくんが茶々を入れる。

 

「確かに二人が歓楽都市で遊んでる姿は想像し難いなぁ。いや悪いわけじゃないから興味があれば私の言葉なんて気にしないで欲しいんだけど」

「うーん、僕はみんなが飲んでるお酒は気になりますけど、それ以外は特に……」

「オレも女神に仕える者ですから、賭博などはさすがに」

 

まぁギャンブルなんて仲間内のカードゲームぐらいが一般人にはちょうどいいと思う。なんせ賭博といったものは最終的に胴元やカジノ側が儲けると決まっているのだから。そうでなければ事業として成立し得ない。

 

「なんだよ、やっぱシュバルツァーとどっか行くしかねえか」

「いや連れて行かないからな?」

「そこで私の名前が上がらない理由は……?」

「ガチすぎていじり辛えんすわ」

 

街へ入る時にあった妙な気配は今のところ大きく移動する感触はないけれど、関係あるなし問わず一応このまま捕捉はし続けておこう。

 

「そういやローランドはギャンブルとかやんねえのかよ」

 

言外にその能力があれば儲け放題だろ、というのを感じると同時に他の面々もその気配を嘲りだと思ったのかほんの僅かに空気がピリッとする。

 

「仕事でやることはあるけど基本的につまらないんだよね」

「へえ? そいつはどういう意味でだ?」

「運が絶望的でない限り最終的には勝てるから。どきどきしようがないというか」

 

ポーカーも、ブラックジャックも、ルーレットも、スロットでさえ私にとっては運が絡むものではない。人間の表情、体温、精神状態……だけでなく、集中してしまえば眼球に映った相手の手札さえ分かってしまう。親が札を隠しているポーカーやブラックジャックも使うセット数が決まっているから時間をかければある程度把握できてしまうし、どきどきしたいのならまだ魔獣と戦っている方がよっぽどマシだとさえ。

それにお金に困ったこともないから本当にやる意味が薄い。というかたぶん本気を出したらカジノから出禁にされるのでそれ自体は困ってしまう。

 

「それに、アルベリヒからの改造を受けてからは特に顕著かな」

「……セリ、今何と言った?」

「え?」

 

アンの言葉に聞き返すと同時に先程とは比べ物にならないぐらい空気が張り詰めている。

 

「……『アルベリヒからの改造を受けてからは特に顕著かな』。言ってなかった?」

「聞いていませんが」

 

アンとガイウスくんを筆頭に深いため息を全員につかれてしまい、こんな大人数が立ち止まっってたら目立つしさっさと宿酒場に入ろうよ、と促して屋内へ誘導することには成功した。でもこれは本当にまずったかもしれない。

 

「先輩」

「……依頼人をお待たせするのは良くないと思う」

 

がつりと両肩を掴まれ、ノルドの空のように透き通った瞳が私を真正面から捉えて離してくれない。いやでも改造されたことは私の瑕疵ではないじゃん!?ねえ!

 

「パイセン、さすがに往生際が悪すぎんだろ」

 

アッシュくんにまで言われてしまったので、うう、と思いながら店内に人影は少ないので認識阻害を小域展開し、会話の意味が取れないようにだけはした。ガイウスくんはそれにすら気が付いたみたいだけれど私が喋る気になったと判断してくれたようで肩から手が外れる。

 

「ええと、私も上手くは理解していないんだけど、元々《境界侵犯》と呼ばれるごく僅かな、異能とも呼べない体質を持っていたらしいの。でもロゼ殿から手ほどきを受けたりして霊脈から情報を読み取れるようになって……工房に攫われた際、アルベリヒにそれを強化されて人工異能とも呼ぶべき状態にまで引き上げられているんだ」

「……なるほど、だからあそこまで強い他人への強制介入が出来るんですね」

 

盲点だった、と言わんばかりのガイウスくんの表情。

……思い返してみれば確かに、うん、何が起きたのか時系列説明はしたものの、私の体に何が起きたのかという話は一切していなかったかもしれない。いや意識的に隠していたわけじゃなくてもうどうしようもない話だし特に話すことでもないと無意識で判断を下していたんだと思うんだけれど。

 

「セリ」

「……何でしょう」

「私は昨夜エマ君たちから仮面の後遺症について調べてもらっていてね。君も今のことを"包み隠さず"話して調べられるといい。ガイウス君も診たければ参加するといいんじゃないか?」

「わかりました。その時はオレも同席します」

 

私の返答が為される前に確定事項で会話が進んでいくの納得いかない。でもおそらく報告連絡相談を忘れていた自分が悪いということは辛うじて分かるので口を噤むことにした。

すると一先ず終わった終わったと言わんばかりにアッシュくんが指定された部屋の方へ足を向け、アンもガイウスくんも続いていく。

 

「ええと、た、たぶん痛くはないと思いますよ」

「……後で何か演奏しますか?」

「リィンくんとエリオットくんのそのやさしさだけでも嬉しいよ……」

 

二人とも私の身体を慮ってくれているが故の発言と行動だというのはわかるけれどそれでも怖かったものは怖かった!私のやらかしかもしれないけれど私のせいではないし!いろいろぐにゃぐにゃになりながらそれでも私の足は動いてくれたので先へ行った三人を追いかけた。

 

 

 

 

部屋の前で律儀に待っていた三人の間を抜けたリィンくんが扉を叩き返事を受けてから、失礼します、と入っていく。部屋の中にいたのは薄いベージュのジャケットを羽織り、肩辺りまで金の髪を伸ばしている女性だった。

 

「貴女がご友人の捜索依頼を出されていた、カエラさんで間違いありませんね」

「ええ。皆さんはギルドに代わり依頼を請け負ってくれる方たちということでよろしいですね」

 

隙のない立ち姿に、均整の取れた肉体。警戒をしつつもこちらへの敵意・害意は見受けられない。気付かれない程度の精神干渉を仕掛けてもいいけれど、おそらく一般人ではない彼女には侵入出来ないだろう。ま、自分から火種を撒くものでもないか。

アンが珍しく自制しているし。

 

「……休憩ロッジで会った、自称・レミフェリアから来た女か。今回もあくまでその"設定"を貫こうってんだな?」

「設定とは随分ですが……ともあれ、助力を願う以上こちらも一定の誠意は示すつもりよ。これでも灰色の騎士──シュバルツァーさんとその同級生や上級生の皆さんには一目置いていますし。君のような半端者はともかくね」

 

腕を組んだ女性は、あろうことかそのような物言いをするので内心で笑ってしまった。敵国で気が強いにも程がある。

 

「俺の教え子を必要以上に煽るのは止めてもらいたいですがどうやら、こちらのことにも色々お詳しいようですね」

 

相手が誰であるのか。決定的証拠はないにしろ何となくこの場にいる全員うっすら把握しているんだろう。その程度の場数は踏んでいるだろうし。でもそれを口にしないというのも政治だ。

 

「ただこれだけははっきり言っておきますが──本依頼に関しては帝国、ひいては貴方たちに害意はありません。……よければ、皆さんの力をお借りできると幸いです」

 

敵地で潜入作戦をしているともなれば気が張るのも無理からぬ話か、と内心だけで嘆息した。

そうして実際探したい相手────コーディと呼ばれる男性青年の服装・容姿・特徴などを聞いていく。加えて帝国時報に載せた人探し広告によってラクウェル付近での目撃情報が上がってきたので本格的な調査の依頼を上げたということなのだとか。

 

「金髪の外国人、おまけに服装まで分かってるワケか。案外と早めに片が付くかもな」

「とはいえ、ターゲットは警戒している可能性が高い。潜伏先まで突き止めるとなると慎重に事を進める必要がありそうだ」

 

対象を確認したら連絡が欲しいというカエラさんの言葉にリィンくんが連絡先を交換し、一旦私たちは酒場の方へ移動する。カウンターのジュリアさんにお金を支払い、注文なしで席を借りて駅前で情報収集する前に気になることがあると促した。

 

「まずアンに訊きたいんだけど、あの人って東での知り合い?」

「……一応沈黙を回答としておこうか」

 

はっきりと肯定することで自分にも相手にも不利益が降りかかる可能性を感じてか煮え切らない反応が返ってくる。でもまぁいい。それは肯定と同義だ。

 

「じゃあたぶん無関係じゃないと思うから話すんだけど……RAMDAの気配がある」

 

指先で全員の耳を集め声を潜め伝えると全員それが何であるのかわかるようで空気に緊張が走った。共和国製戦術導力器RAMDAはARCUSと異なり軍人以外は持っていない筈のもの。

 

「確度はどんくらいなんだ?」

「前……アダルウォルファの時に帝都地下で八十名ぐらいのサンプルを取ったかな」

 

それで謀られているならもう天晴れだと思うしかないレベルだ。

 

「ただRAMDA展開させているのと探し人が一致しているとも限らないけど……」

「いや、セリが掴んでいる気配とそれは同一人物だろう」

 

今回の依頼人の職業を知っているのだろうアンが言葉を挟んでくる。

 

「だったら弾の補充とかし易い場所……ラクウェルなら質屋のマッケンロー氏に話を訊きにいくのを提案するよ」

「あのジジイのところか、アリだな」

 

たまに流れのブローカーがいたりするけれどラクウェルは帝国の中でも西に位置し、ある程度の情報は掴んでいるだろうとはいえそんなものを頼るよりは実店舗を構えている場所の方が調達しやすい。

方針も無事に決まりそのままバーを後にした。

 

RAMDAを展開させている相手を刺激しないよう何気なく裏路地を通り目的地へ。扉を開くと中にはマッケンロー氏はもちろんのこと、分校の制服を着た男女一組が目に入った。短い黒髪を綺麗に切り揃えた女性と、ところどころ跳ねた茶色の髪の男性。

 

「あっ」

 

入ってきた私たちを見て二人とも反応したので、ああリィンくんとアッシュくんが後ろにいるものな、と思ったのも束の間。男性の方が私の方に向かってきたので思わず────対応を。

 

「……ごめん、ね?」

 

一応顎とかを打ち付けないよう配慮はしたけれど、足払いし腕を背中に回して拘束してしまった。いたいけな子供に対してやることではないと思うけれどそれはそれとして私もちょっと久しぶりのことにパニックになってしまったというか。今日はもうやることなすこと駄目な日だな!

 

「……すみません、先輩。とりあえず解放してやってもらってもいいですか?」

 

リィンくんにお願いされ拘束を解き立ち上がると、しょげた男性生徒も続いて立ち上がる。

気遣いからかアンが私の背中に手を当ててくれたので目線で感謝を告げ、マッケンロー氏にも視線をやって軽い一先ずの謝罪をすると、興味深さを隠さない表情が返ってきた。完全に見せ物を見る表情だ。

 

「それでシドニー、一体どうしたんだ?」

「えーっと、あの、ずっと探してた人だと思って」

 

よごれのついた頬を擦りながら男性生徒改めシドニーくんがそう言う。視線が私に集まる。いや記憶にないけれど。

 

「覚えてないですか? オレ、三年前に夜の山に入って……」

 

三年前。夜の山。該当するシチュエーションは複数あるけれど一番合致が高いのは。

 

「……グレンヴィルで捜索願いを出されてた?」

「うっ」

「ああ、そういえば課外活動で親元まで届けた子に似ているか」

「ぐうっ」

 

アンもうっっっすらと記憶があるのか頷いてくれる。そういえばそんな名前を子供たちが叫んでいたような気がしないでもない。もう随分前だし一回きりだから記憶もかなり薄いけれど。

 

「……そ、そうです。オレ、あん時はもう助かったことと抱きしめられた時の胸の感触とかで放心状態で……後からトールズの人だって聞いて、目指してきました! 受かったの分校でしたけど!」

「そ、そうかぁ。……頑張って勉強したんだね」

 

僅かに迷いはしたけれど、よしよし、とふわふわの髪の頭を撫でる。

分校とはいえそれなりに学力試験と実技試験を突破しなければ入れない名門校ではあるから、その努力は褒めなければなるまい。目指してきたと言われて悪い気はしないし。

 

「それじゃあ改めてお近付きを!」

「うん、それは無理」

 

取られそうになった手を回避し一歩退くと、とすん、とアンの胸に背中が当たった。

 

「シドニー君、老婆心ながら言っておくが、今の……特に胸の下りは他で言わない方がいい」

「ああ、それはそうですね」

 

アンの言葉にリィンくんが頷きを重ね、更に他の面々もうんうんと同意する。

 

「えっ、な、なんでっすか!」

「こわーい先輩が君の記憶を消去しにくるかもしれないからね」

 

あながち間違いじゃない気がしたので否定はしないでおく。私は自分が大概嫉妬深いと自覚しているけれどクロウも結構嫉妬深いな?と思うことがあるので似たもの同士なんだろうと。

 

「うーん、なんかよくわかんねーけどわかりました! 心に仕舞っておきます!」

「仕舞うより忘れた方がいいのでは?」

 

隣にいた女性の言葉に内心頷きながらとりあえず当初の目的を果たそうとマッケンロー氏に店内でバタバタして申し訳ないと深く謝罪し、情報料に色をつけて渡したところ該当しそうな青年の情報が手に入った。

 

外へ出ると例のRAMDAの気配は私たちをぐるっと迂回して街の外へ出ようとしており、分かりやすく警戒されているけれど見失うことはない。その為カエラさんを連れてゆっくり北ラングドック街道へ進む択を取る。

 

「先輩、この先ですか?」

「うん」

 

街道を北上し、ジュライへ向かう曲がり角の突き当たり、立入禁止の看板と金網で覆われた場所に行き着いた。夏ということもあって草は繁茂し放題で誰の手も入っていないように見えるけれど、巧妙に隠された足跡がそれを否定する。

共和国製の戦術オーブメントRAMDAを使用する軍人────特殊部隊ハーキュリーズの名は伊達ではないようだ。

 

認識阻害の領域をそっと展開し、私たちも中へ入り込み様子を窺うことに。ガイウスくんから目線で咎められたけどさすがに任務の成功率を上げられるなら仕方ないじゃないか、と返しておく。

 

「小隊レベルの潜伏……差し詰め帝国へのテロ活動を続けようとしてんのか?」

 

アッシュくんの言葉にカエラさんが難しそうな表情で肯いた。

 

「夏至祭で活動・逮捕された小隊が皇帝暗殺未遂の騒ぎで脱走し、破壊活動を実行しようとしているようです。ただ政府はそれを容認しておらず、私が派遣されました」

 

暫くうっすい霊脈を掌握しようと作業しつつカエラさんの話を聴いているとコーディを迎えにきた戦闘服を着用した面々から赤黒い靄が上がり始める。

 

「皆さんのおかげで彼らの潜伏先も分かったことですし、改めて作戦を……」

 

それに気が付かないのかカエラさんが依頼終了を告げようとした瞬間、コーディの目の前にいる三名の隊員がそれぞれ己の得物を手にし敵対行動を示し始めた。これはマズい、と干渉を仕掛け、たら。

 

「待ちなさい!」

「……姉さん!?」

 

まさかの依頼人が叫びやがったので認識阻害がぶち壊された挙句に靄の力もあってか完全に干渉が弾かれる。ちっくしょ、もっと早くに判断するべきだった!

 

「────っ」

「クソ、総員緊急事態だ! すぐにこの峡谷から脱出するぞ!」

 

さすがに正気を失っていようとも特殊部隊の行動は素早く、光学迷彩で隠されていた飛空艇で以って小隊はこの場から離脱した。

……言いたいことや思うところはあれど、まぁ、依頼人が全てを破壊したので仕方なかったと思おう。次からはこういった事態を引き起こさないようもっと早く判断をするべきだし、その為に依頼人の意向などを細かく聞くのは必須だな、と意識をシフトする。

 

無情にも飛空艇が飛び去った空を見上げながら、依頼人の彼女はぐっと拳を握り私たちに振り向いた。

 

「皆さんには、見苦しい所をお見せしてしまいましたね。せっかく彼らの潜伏先を突き止めてもらったというのに……」

「いえ、身内に危険が迫っているともなれば当然の行動かと。ですがまさか彼が貴女の弟だったとは思いませんでした」

 

まるでかの青年を知っているかのようなリィンくんの言葉に内心首を傾げていたら、夏至祭の時に直接保護したのがオレらなんだよ、とアッシュくんが補足してくれる。

 

「にしても、隊長っぽい奴はどうにも尋常じゃなかったな。やっぱ一度でも暗黒竜の眷族ってのになったことが影響してんのか?」

 

眷族。保護。なるほど。アダルウォルファが処理しないことに決めた後、それはそれでとんでもないことに巻き込まれていたのだなと他国ながら同情する。いくら最新鋭の戦術オーブメントで姿を隠そうとも霊的存在にそんなものは通用しない。あくまであれは人間を敵性対象とした機能であり、魂を視れる存在には関係がないのだから。

 

「だとしたらあまり猶予はなさそうですね……。責任を持って彼らの次の潜伏先は私が炙り出します。皆さんには何とお礼を言ったらいいか」

「そこは持ちつ持たれつでしょう。また何かあれば遠慮なく依頼を出して貰えると」

「ま、アンタも帝国には慣れてねえだろうしな。もう少し下手に出るってんなら、また力を貸してやってもいいぜ」

 

取り逃した失態に対し酷く自責をしているだろう彼女に対し、二人はやさしい言葉をかける。アッシュくんも何だかんだ甘いところあるよなぁ。

 

「貴方たちもお人好しというかなんというか……」

 

それに緊張が少しほぐれたのか、ふっと笑ったのちにピシッと背筋を伸ばす。

 

「それでは私はこれで。直ちに別で動いている仲間に連絡する必要もありますので。今日は本当に有難うございました」

 

計画の練り直しなども必要なんだろうな、とこの場を去るカエラさんを見送り、セリ先輩のこともありますしオレたちも一度メルカバへ戻りましょう、とガイウスくんから有無を言わせない提案がされ過半数により可決されてしまった。いや別にいいんだけどさぁ。

一応私の意見も聞いてくれたらいいのに、と先へ歩いていくみんなの後を追う形で嘆きながら、禁止区域の崖の方へ背中で隠した手で軽い挨拶をしてその場を後にした。

 

VII組に構ってるほどアランドール殿が暇じゃなくて助かった、かな。

 

 

 

 

「おかえり、ちょうど良かった」

 

私たちがメルカバへ戻り今日のラウンジ担当であるエマさんへ話しかけようとしたところで、ブリッジ側から降りてきたトワが顔を覗かせた。

 

「いまサザーラント方面の情報が入ってきたからみんな来てくれる?」

 

情報が入ってきたにしては翳っている表情なのが気になるけれど、とりあえずトワの言う通り全員をブリッジへ促し話を聞くことにする。ぞろぞろと移動する中で、あとで少し時間もらえる?、とエマさんに約束を取り付けたのでえらい。えらいったらえらい。

 

と、そんな冗談はともかくとしてブリッジへ集められたところ収納モニターが降りてきて、各地の状況を図示化したものに加えられるトワの説明を聞いていき、とんでもない情報がもたらされたことが分かった。

 

「……冗談、ですよね?」

 

呆れたような震えるユウナさんの声。彼らも海都での実習の時に散々辛酸を舐めさせられたのだろう。海上要塞の時も捕まっていながらも敵の慈悲と計略で命を繋いでいたというのに、大層な態度で私たちに自分を護衛し要塞を捨てて逃げろなどと命令するような輩だからさもありなんだ。

 

「ようやく決まった旧都の暫定統括者がまさか」

「ヴィルヘルム・バラッド侯爵……前カイエン公の叔父で、私の大叔父様にあたる方ですね」

 

自分が次期カイエン公に選ばれると信じて疑っておらず、己の利益にだけ呆れるほど聡く海上要塞での愚行に次ぐ愚行にて半ば強制的に謹慎させられていたというのに。

まさか、よりにもよってハイアームズ侯爵閣下が治めるあの領地であの男が我が物顔でのさばっていると言うのか。

 

怒りを奥歯で噛み殺し手指を握り込んだら、そっと隣からそれをほぐすように冷たい何かが滑り込んでくる。見やれば大きな手。私が、サザーラントを愛していると分かってくれているからこそ。その優しさで、なんとかもう片方の手からも力を抜くことができた。

 

「裁定は政府……露骨に何かしらの思惑が絡んでいそうだな」

「ラウラちゃんの言う通りで、帝都から他の人たちと一緒に来たみたい。一人はトールズ関係者でもう一人は皇族の方らしい、って」

「それはまるで……この間の海都と似たような状況みたいですね」

 

マキアスくんの言葉に、皇族を散らし隠すことによって皇族同士の結びつきを弱め、また手元に置いておくことで反対勢力に御旗として掲げられないように、という思惑なのだろうか。しかしそれにしては海都のような政府関係者ではなく、操り易いとはいえあくまで貴族を頭に据える必要はない、が……。

 

「先輩、ありがとうございます。この上ない情報を得たからにはサザーラント州・旧都セントアークになんとしても潜入するべきだろう」

 

リィンくんの言葉に、前回留守番だった特務科の三人が手を挙げる。特にクルトくんは幼少時代を過ごした州ということで思い入れもあるらしい。そこにドレックノール要塞に詰めているクレイグ将軍の状況がわかるかもしれないとエリオットくんも立候補する。遊撃士であるフィーさんとサラさんの片方も参戦し、残った方は連絡役として残るのだとか。

 

「なるほど……セリ先輩はどうされますか?」

 

急に水を向けられ、ぐ、と口を横に真っ直ぐ閉じてしまう。

行きたい。可能なら。ハイアームズ侯爵閣下がずうっと治めてくださっていた土地を荒らされるのは許せない────でも。

 

「私は……メルカバに残るよ。何があるかも分からない人材を潜入作戦には使えない」

 

私の体調はいま霊脈にダイレクトに左右される。イストミアの転位石が使えないほどに乱れている現状そんな存在はお荷物に過ぎない。それに、万が一、罷り間違って、独断専行で殺さない自信がないのだ。どれほど憎くたってそれだけはしたくない。クロウとロスヴァイセが守ってくれたこの手を極力守っていたい。

 

「そうね。霊脈が乱れてる現状、セリが出られるのはすぐに戻って来られる状況だけよ」

 

きっと私が行くと言ったなら止めていたのだろうセリーヌさんが補足を入れてくれ、メルカバが着陸出来る場所を見繕う時間で他の要請もこなしていくことになった。

まぁ、私はそれを見送るだけなのだけれど。何も出来ないことが本当に歯痒い。

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