とある開拓村に商人がやってきた。
その護衛として雇われていたハンターは、どうやらこの村に用がある様子だが……?
自身が護衛してきた行商人とのやりとりを終え、ジエンはこの村唯一のハンターズギルド集会所へ向かった。
なにせたった今この村へ来たばかりなのだから、諸々の手続きは早急に済ませておかねばならない。ジエンはそういったことに対して真摯だった。
道行く村人に挨拶がてら道を尋ね、辿り着いたのは少し大きめの民家と言ってよいほどの質素な建物だった。
ここは開拓村。いくら天下のハンターズギルドとはいえ、利用者であるハンターの数が多くもない場所で、華美な事務所を構えることはないとの判断だろう。名を取るよりも実を取る姿勢はジエンとしても好ましく思うものである。
ギィィと音を立てる少しだけ立て付けの悪い扉を開くと、閑散としていてこじんまりしたロビーが広がる。そして視線の先には、見知った制服を着た受付嬢がたたずむカウンターが。このあたりの造りはどこの集会所でも同じだ。ジエンは迷うことなく彼女の前に向かい、自身のギルドカードを差し出す。
「いらっしゃいませ、ハンターの方ですね」
「ええ」
「身分確認はさせていただきました。それでは失礼ですが、こちらにいらした目的をお聞かせいただけても?」
「……」
【村に来た目的】(1D6:6 後進育成のため)
1.村付きハンターとして就職希望
2.街のギルドからの斡旋
3.流れのソロハンターなので目的なし
4.因縁の相手を追ってきた
5.この地で手に入る素材に興味がある
6.後進育成のため
「これを」
「手紙……ですか?」
ベテランハンターであり実力はG級であるジエンが、こう言ってはなんだが辺鄙な場所である開拓村までやってきた理由。それは駆け出しハンターの育成をしようと思い立ったからだった。
ジエンが以前に居た街はそれなりの規模であり、ハンターの育成制度も充実していた。しかしそれは人口の多さからくる生活の余裕が基盤になっており、衣食住が脅かされるほどの地域ではそのような教育体制を見込めない。
ジエンは長いハンター生活で色々な街に行き、色々なハンターと関わってきた。だからこそ体験として知っていることがある。
『新人ハンターの生存率は低い』
ハンターは大自然と向き合い、時に立ち向かう過酷な職業。誰もが自身のことで手一杯なのだ。他人の教育に労力を避けるほどの者など、彼が知る中では両手の指に収まるほどしかいない。
故に新人は、時に避けられる危険に突っ込み、時に過信から来る無謀にその身を投じ、いとも簡単に死んでいく。
だからこそジエンは思い立った。己の知識、経験を誰かの役に立たせることが、老いたこの身に与えられた最後にして最大の使命なのではないか、と。生活にまだまだ余裕が持てない最前線でこそ、自身は社会のために活躍できるのではないか、と。
そういう経緯があり、なじみの街のハンターズギルドから紹介状をしたためてもらったジエンはここまでやってきたのだ。
「確認させていただきました。このような田舎で後進育成をしていただけるなんて……ありがとうございます」
「いえいえ」
「この開拓村の経済状況では、G級ハンターを雇うほどの賃金を用意することができないのですが……教官を引き受けていただく件、本当によろしいのですか?」
「構いませんよ。教官と言っても相手の狩りに同行して二言三言口出しするだけのつもりですし。ハンター活動のついで程度、半ば趣味でやることだと思っていただければ」
「そうですか、それは本当にありがたいです。頭が上がりませんね……」
「ハッハッハ、お嬢さん、そんなに恐縮されなくても。経験のあるおせっかい焼きなジジイがやってきた、くらいに思っていてもらえればいいですよ」
「希少なG級ハンターにそのような雑な扱いはできませんよ。なにせこの村にはハンターがほとんどいないので、ハンター活動していただける方がひとり増えるだけでも万々歳なんですから。なにせ……」
【現在の開拓村所属のハンター数】(1D3:3 3人)
【そのうち駆け出しの人数は】(1D3:2 2人)
「この村付きのハンターは現在、上位1名と下位2名の計3名しかいないんですから……」
「……こう言っては何ですが、よくそれで最前線の村が護りきれますね」
「村への襲撃がありそうなときは、近隣の街から増援をお願いしていますので」
「なるほど」
どうやらジエンが思っていた以上に、この開拓村は危険な状況にあったらしい。
人類の生存圏における最前線にしては、というか一般的な平和な村落からしても、ハンター3名、うち2名は駆け出しというのは戦力的に不安が過ぎる。
ジエンは紹介状を書いてくれた受付嬢の『ジエン様が最も必要とされる村を紹介しますね』と言っていたのを思い出した。そりゃあこの現状ではG級ハンターどころかアイルーの手も借りたいだろう。
ともあれ、自身が必要とされる状況にあるのは間違いない。
その3名の村付きハンター次第ではあるが、教官とは言わずとも経験豊かな先輩として振舞うことはできるだろう。彼らの生命がそれにより護られるなら、わざわざこんな辺境の開拓村までやってきた甲斐があるというものだ。
「この度はこの村にお移りいただき、本当にありがとうございました。ジエン様ほどのベテランに細かい規約説明は不要でしょうから、分からないことがある時や御用がある時にお声かけ下さい」
「いや、こちらこそ受け入れてくれてありがとう」
受付嬢から軽く情報収集をしたジエンは、集会所を離れることにした。
本日は村付きハンターは全員出払っていることで、顔見せは後日ということになったこと、宿はこの村に1件ある宿屋をギルド名義で借り入れてくれるということ、税金はクエスト報酬から天引きとなるので不意の支払いは心配しなくてよいこと、村長に話を通しておくので陽が沈んだ頃に挨拶に行ってほしいこと、などなど。
急に出現したG級ハンターという棚からぼた餅に気を良くしたのか、受付嬢は懇切丁寧に嫌な顔ひとつ見せず説明してくれた。ほとんど来客がないギルドなので、結構な暇を持て余しているのかもしれないな、とはジエンの予想である。
さて、話し込んではしまったが、スムーズにやりとりしたおかげでまだ陽は高いところにある。
一度も来たことがない村なので、知りたいことはいくらでもある。とりあえずジエンは……
【今日は何をしようか?】(1D6:3 挨拶回り)
1.村の設備を見たい。施設巡り
2.狩場の情報収集は必須。資料室で勉強
3.第一印象は大事。挨拶回り
4.経験に勝る学びなし。クエスト受注
5.酒は人間関係の潤滑油。酒場で交友
6.長旅の疲れが残っている。宿に直行
※基本的に朝、昼、夕の3フェーズで1日とカウントします。今回はジエンが村に到着したのが昼頃として、残り夕の1フェーズとなります。
「まずは挨拶回りだな」
ジエンはまず自分がこの村に居つくということを触れまわることにした。こういう小さな集落では、新入りが先手を打って挨拶するということは思っている以上に大切だったりする。
しかし触れまわるとはいっても、陽が沈むまでにそこまで時間が残っているわけではない。村長には夜になってから顔見せするのでいいとして、自身がハンターとして活動する上でお世話になる店舗、一か所しか回れないだろうがそちらに足を運ぼうと考える。
【どこに行こうか】(1D6:6 料理屋)
1.道具屋
2.鍛冶屋
3.武器屋
4.農場
5.訓練場
6.料理屋
いきなりだがジエンは大食いだ。というかハンターは往々にして大食いだ。過酷なハンター生活、食いだめのひとつもできないといざという時にチカラが出せない。
だからこそ一般的なハンターは、クエスト出発前にドカ食いする。クエストで大自然に出てしまえば、暫くマトモな食事にはありつけなくなるから当然だ。もちろんジエンもその例に漏れない。
そういう理由から、ハンターが最も利用する施設のひとつは料理屋である。ジエンがまず料理屋に顔を出そうと考えるのは、至極当然の思考だった。
「こんにちはー」
「はいはい何かニャ。まだやってないからもうちょい待つニャ……って見ない顔、誰かニャ?」
「初めまして。今日からこの村でお世話になることになったジエンと言います。ハンターやってますのでこれからお世話になるだろうと思いまして。挨拶をと」
「はー、ついにこの村に新しいハンターが来たんかニャ! ご丁寧にどうもニャ」
「お役に立てるように努力しますよ。美味しいご飯、期待してます」
「ニャハハ! ハンターらしくない真面目具合だニャ! アイツらに爪の垢煎じて飲ませてやってくれないかニャ? ああ、アイツらってのはこの村付きの3人いるハンターだニャ」
「固い性格だってのはよく言われます」
「まーまーこっちとしては乱暴者じゃないだけ助かるワケだニャ。これからよろしく、ハンターさん!」
「よろしくお願いしますね」
店主である鉢巻を巻いたアイルーと固い握手を交わすジエン。どうやら掴みはバッチリのようだ。
店内に漂うおいしそうな香りから察するに、料理の方も期待できそうだ。この村で生活していくにあたってポジティブな情報に、ホクホク顔で料理屋を後にするジエンなのだった。
【料理屋】との友好度が1上がった!
【村長】との友好度が1上がった!
。。。
・主人公ステータス
【性別】男
【名前】ジエン
【年齢】40代~
【身長】高い
【体重】軽い
【外見】良い
【性格】規範
【得能】
判定+10%→敏捷力、知力
【武器】
メイン:判定+20%→操虫棍
サブ:判定+10%→狩猟笛
【技能】
Lv.3:判定+20%→読解力
Lv.2:判定+15%→自然知識
Lv.1:判定+10%→地理学
顔画像
【友好度】
1→料理屋、村長