獣が統べる!<作成中>   作:國靜 繋

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次元方陣とワイルドハント

ワイルドハント――

 

ナイトレイドとの戦闘で、大幅に戦力を失ったイェーガーズの穴を埋めるべく結成された秘密警察。

建前としては中々面白いものではあるが、実態はオネスト大臣の私設部隊だ。

ムソウ率いる秘密警察(ゲシュタポ)は、ムソウの名と絶大なる力により絶対的な統率を敷かれている。

そんなムソウ率いる秘密警察には大臣でさえ、おいそれとは手出しできるものではない。

そんな存在に対して、大臣の名を借る小物(役人)小物たちにとっては面白くない存在どころか、ただただ目障りでしかない。

そこに現れたワイルドハントを自由に自身の思惑通り利用できるとは回らない頭でも分かっている。

自分たちの派閥長であるオネストの息子であるシュラが率いているのだ。

下手なことを言おうものなら、オネストに知られるどころかシュラに殺されること十二分にあり得る。

その様な未来を誰も望んでいないので、せいぜいムソウや秘密警察(ゲシュタポ)の邪魔をしてくれれば良い程度にしか思っていなかった。

そんな思惑が絡み合っている秘密警察(ゲシュタポ)は、わざと監視していることをシュラ達に意識させるように監視の任を全うしていた。

 

「しっかし、自由にヤリタイ放題できるとおもったんだがな」

 

シュラは頭を掻きながら肩で風を切るように歩いていた。

その横には、シュラにとって役に立ちなおかつ数少ない友人と言える、白衣姿のスタイリッシュの姿があった。

シュラとスタイリッシュの一歩後ろを歩くように、ワイルドハントのメンバーたちも後を追う。

 

「あら、別にいいじゃない。不自由な中に自由を求めるのも一つのいいじゃない」

 

「だがな、ああも監視されてたら自由も不自由もクソもねぇだろスタイリッシュ」

 

「それに関しては同意するわ。ほんと、無粋でスタイリッシュじゃないわよね」

 

頬に手を当てながらスタイリッシュはため息を吐いた。

 

「シュラ殿」

 

「ああ、分かっていんよイゾウ。お前を引き込む際の話をなかったことにはしねーよ」

 

愛刀江雪の柄に手を置いているイゾウに対し、シュラは振り向くことなく手を振るだけで返事を返した。

そもそも、各個人を仲間に引き込む際シュラは各々に仲間になるだけのメリットを提示している。

それが履行されない恐れがあるだけで、一部の者にとっては裏切るとまでは行かずとも、シュラの命令に従うだけの理由がなくなる。

 

「だったら俺らを見張ってるやつらを皆殺しにしちまえばいいだろ」

 

「やれるなら早々にヤってるっての」

 

エンシンに対して、それが出来ないから困ってるんだと言わんばかりに、シュラは頭を左右に振った。

 

「ああ?あんな奴らすぐヤレるだろ」

 

「愛しの江雪も血を求めているでござるよ」

 

「エンシンもイゾウも今は待てよ。それにあいつ等程度消すこと自体は簡単だが、その後が面倒なんだよ。あいつ等の上にいる奴を今的に回すのは得策じゃねぇんだよ」

 

「上でござるか?」

 

「なら、そいつもまとめて殺そうじゃねぇか」

 

ムソウの存在をよく理解していないイゾウとエンシンにとっては、自分達こそが絶対強者であると疑っていない。

しかしシュラは違う。

帝国生まれ、帝都育ち、オネスト大臣の息子。

これだけの条件がそろえば嫌でも、ムソウに関しての情報を耳にする。

 

「でもまあ、このままだと面白くねぇよな」

 

「あら、何か考えでもあるの?相手はあの長官よ」

 

「ああ、いくつか考えてある。でもそれにはお前とドロテアお前たちの力を借りることになるがな?」

 

「なんじゃ?」

 

「何、二人である物を作ってもらうだけだ」

 

シュラは狂気を孕んだ邪悪な笑みを浮かべながら振り返り、答えた。

 

「妾は元々スタイリッシュの技術に興味があって来たのじゃ。そのスタイリッシュとの合作と言う事であれば、断る理由はないんじゃが」

 

チラリとスタイリッシュのほうへドロテアは目配せし、それにスタイリッシュも気が付いた。

 

「あら、私もドロテアの錬金術には興味があったから、願ったりかなったりね。私の技術とドロテアの錬金術の合作なんてまさにスタイリッシュじゃない」

 

「なら詳しい話は宮殿に戻ってからだな。こんなさびれた街中で話せばあいつ等にも聞かれるからな。その点、宮殿であればあいつらと言えど好き勝手に諜報行為はできないからな」

 

監視している秘密警察(ゲシュタポ)に意識を向けつつ言った。

 

 

side END---

 

「一部の城主や地方の太守が反乱軍と内通し無血開城の内通している証拠と、一部が帝国軍内部が武装親衛隊を陥れるため異民族と手を結び背後から強襲する用に手配を行って報告となります」

 

シュラの監視を開始してすぐに情報が入るようになった。

それ自体は問題ではない。

ムソウが気にしているのは、思想的には反乱軍寄りであるが帝国の民を憂い帝国内部に残った真に国を思う者たちが、よりにもよってシュラと密会しているのだ。

大臣の息子である、シュラに近づくと言う事はその情報が大臣に筒抜けであるのは明白だ。

そんなことを考えられない人間は帝国の官僚や役人にはいない。

であるとすれば、大臣と組んででもムソウを陥れたいと考えるほうが、筋が通る

 

「ご苦労」

 

ムソウはただ一言そう言うと提出された書類を速読するかの用に一読した。

そして、内容は核心をついておりムソウが秘密警察(ゲシュタポ)や武装親衛隊を動かすには十分の情報がそろっている。

ただ腑に落ちない、敵の敵も味方の考えは今の帝国には通用しない。

敵の敵も敵であり、大臣の敵であるムソウも味方とは言えないのが、事実大臣と敵対している派閥の考え方にここに来て至っている者たちがいる。

なんせ、ムソウに情報を多く持たれているのに対し、役人や官僚たちはムソウに関して何一つまともに情報を持っていないのだ。

秘密警察(ゲシュタポ)や武装親衛隊による防諜や監視があるのも理由であるが。

 

「無血開城を画策している地方に対してアインザッツグルッペンの出動命令を出す、命令書を出す直ちに出動させろ。帝国軍に関しては、秘密警察(ゲシュタポ)を敢えて秘密警察(ゲシュタポ)であると分かる監督隊として派遣させろ。動きがあれば即座に部隊の将軍格の処刑を許可する」

 

ここに居たり、ムソウは今まで以上に苛烈な手段を取り始めた。

 

「よろしいのですか。大規模に動けば大臣が難癖をつけてくる恐れが・・・」

 

「それこそ今更だ。計画を進めるうえでいずれは起きえたことだ。ならば計画を進める事こそがメリットになる」

 

当初は計画の邪魔になるシュラとその連れを如何にして消すかを考えていたムソウであるが、腹案として敢えて帝都を離れることでシュラを自由にすることで証拠を掴む案もある。

既にシュラが帝都に引き込んだうちの一人は、秘密警察(ゲシュタポ)が追っていたシリアルキラーのチャンプであることが割れている。

だがシュラをつるし上げるには、弱い。

オネストが背後にいる以上、幾らでも皇帝からの支援が見込めるからだ。

ならばリスクを背負う覚悟で、動くのがムソウ(ラインハルト)である。

 

 

 

side END

 

 

「シュラ、あなたもなかなか面白いことを考え付きますねぇ」

 

「考え付いても、実際に出来たのはあいつ等のおかげだ。スタイリッシュの技術とドロテアの錬金術あいつらの技が加わればこの程度簡単なことだぜ」

 

「それはそれは、心強い」

 

「それにこのまま行けば、いずれはあの獣も帝都を離れざる負えないからな」

 

「東に宗教、南に反乱軍、西に異民族。はぁ~害虫が湧きすぎてチーズ1ピースの食欲が失せてしまいますよ」

 

「そのための、秘密警察に武装親衛隊なんだろ。それにあいつが離れれば俺たちも動きやすくなるからな」

 

「そうですか。では今後も好きに動きなさい。ただし決して付け入るスキを与えて、私を失望させないで下さいよシュラ」

 

「ああ、分かってるぜ親父」

 

シュラは、扉を勢いよく開けオネストの部屋から出て行った。

 

「しかし、面白いものですね。まさか人を意のままに操る装置を作るとは。これなら、至高の帝具に手を加える際に使ってみますかね」

 

肉に齧り付きながら大臣は考えた。




久々の更新となります。
最終更新日が2015年10月25日(日)とか、ほぼ2年7ケ月ぶりの更新になりますので、矛盾点とかが指摘あれば教えてください。
内容自体変更するので、見直しが足りなかった自分が悪いんですが。

因みにTwitterで更新するする詐欺してましたが、更新したので許してください。

PS 次の更新は応援と評価によるモチベーション次第です。
ENDは一応考えてました・・・3年前の自分が次も頑張って更新します
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