脳内ゴドフリー   作:ブロx

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第一層 その1

 

 

 

 眼を開けるとそこには剣と魔法の世界があった。・・・なんて、夢幻(ゆめまぼろし)の如くなり。

 

「全然過ぎ去ってないんだよなあ」

 

 なので辺りを見渡すと、草原と空。そしてその上には天井が見える。あ、これが有名な知らない天井だってやつなんすねえ。

 は?え?え?ここはどこ?

 

「これはHPバー」

 

俺は誰?

 

「これはゴドフリー」

 

プレイヤーネーム・ゴドフリーだって。

 

「Oh,my!まるでクソゲーの中みたいだあ」

 

 現実逃避を始める俺の脳内にその時急速に流れだす存在しない記憶。・・・都合よすぎてとてもツッコミきれないよ。

 

『アインクラッド?行く行く!!買う買う!!』

 

『ソードアート・オンライン?最高のVRMMORPGでしょ!』

 

『来た来た来た大当たり~!!!!夜は(ゲームの中で)焼肉っしょー!!!アッハハハハハハ!!!』

 

『リンクスタートオオオ!!!!』

 

・・・・・。

 

「―――で。何がどうしてこうなった?」

 

俺の名前は佐藤(さふじ)太郎。しがないゲーマー。でもそれはこの身体の身分。

 

「俺はゴトー・自由。・・・『えるでのわ』というゲームを100周耐久プレイを成し遂げた一般人の筈」

 

 俺には二つの記憶がある。佐藤太郎としての記憶とゴトー・自由としての記憶。しかしそして、ここはソードアート・オンライン(SAO)というゲームの中だ。

 

「いやいやSAOって。それってたしか結構昔に流行った小説だか映画だかアニメだったような?」

 

 ゴトー・自由としての記憶が想起する。

デスゲーム、脳みそレンチン、死者四千人、サチ、閃光、二刀流、キリトさん、その他もろもろ。

 

「え?なに?俺って今から死にますよお、皆さあんみたいなヤベーゲームの中にいるの?」

 

 何故?どうして?千古不易な疑問が脳内を行き来する。ってあれ?でもここって脳内に投射されてる映像でありゲームなんだから疑問が行き来っておかしくない?

 

「クソ!じれってーな!こうなったら脳内会議を始めるッ!!」

 

「おい、あいつ何叫んでんだ?」

 

「ゲームの中でくらいソッとしておいてやろうぜ・・・」

 

 意外と多い外野の野次(気配り)を強制シャットダウンさせ、俺は脳内に会議場を作っていた。

 

 

 

 

『これは遥か昔から行われている伝統的な問題解決法である。何か異議のある者は忌憚なく述べよ』

 

『ありません』モーゴット

『ありません』モーグ

『ありません』ゴッドウィン

『ありません』マレニア

『ありません』ミケラ

『ありません』ライカード

『ありません』ラニ

『ありません』ラダーン

『ありません』ゴドリック

『ありません』マリカ

 

『・・・人数多くない?』

 

『会議であります故』

『そうです父上』

『もんじゅのちえー』

 

『三人くらいでいいような気がするけども。まあいい早速議題だ!俺はこれからどうすればいい?』

 

『王になられたらどうだ?義父上』

『もう一度だ我が王よ』

 

『なるほどなるほど?もっともっと具体的に』

 

『この世界はHPがゼロになれば本当に死ぬ。それは佐藤太郎とゴトー・自由両名が死ぬという事だろう』

『つまり運命の死。・・・ってコト!?』

『クソクソのクソ』

『ならばレベル上げをしましょう義父上』

『モンスターを狩りましょう、今の内に。時間的にあと数刻で広場に強制転移されまする父上』

 

『異議なし。では次は武器の選択だ。何が良い?』

 

『特大剣』

『大曲剣』

『ミケラぁ』

『アイアムマレニアブレイドオブミケラ』

『いもうといがいきもーい』

『やはりここは・・・片手直剣?』

『大剣』

『斧以外ありえないwww父祖を御照覧あれい!』

『打撃といこうぞ、あなた。我が王よ』

 

『うーむ?よし、打撃でいこう。で、次はステ振りだがどうしよう?筋力か敏捷か』

 

『このゲームでは飛び道具も魔法もない。ならば近接における継戦能力という面を鑑み防御力の高い大盾や防具を一刻も早く装備すべきと考える。筋力一択だろう』

『継戦能力は素早い攻撃速度と頻度も考慮しなくてはならない。最初は敏捷に振り、攻撃回数を上げていってレベルを上げやすくし、追々筋力を上げていくべきです父上』

『そのレベル上げの過程で死んでは元も子も無い。筋力を最初に上げていくべきだ義父上』

『半々上げていって最終的に上質なステータスでいいのでは?』

『だれかにくっついてってぎょふのりー』

『アイアムマレニアブレイドオブミケラ』

『ミケラぁ』

 

『よし!最初は筋力を上げていこう!追々敏捷も上げていきワイルドで上質な感じにする。ではこれにて第一回会議は解散!皆ありがとう!』

 

『ここはあなたの脳内。もう一つの狭間の地。そしてあなたが往くは剣の世界。どこであれ王となられよ、我が王よ』

 

(脳内)会議場に集った者共は皆一斉に頷くのだった。

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!」

 

「何だアイツ?」

 

「モンスターぶん殴って叫んでら。気持ちは分かるけども」

 

「このゲームハンパなく楽しいからな」

 

群衆どもを後にして、俺はレベル上げに勤しんでいた。

 

「このクソボケ共が!!何の罪でこんなクソゲーやらなきゃならねぇんだ!!こんなんだったら『えるでのわ』もう一回100周した方がまだマシだ!!!」

 

 打撃武器と決めたが、メイスとか棍棒とかはあまり好きじゃない。

マリカの槌みたいな武器があったら話は別だが、ここはまだ一層。んなもんない。ない物はない。

 

「ならこの拳だボケえええ!!!!」

 

 馬鹿だろう。

もしもこんなプレイングをしてる奴を眼にしたら俺だってそう思う。しかしこれには理由がある。

 

「この世界はゲームだ!自由度を謳っているが根本は製作者(茅場晶彦)が造ったルールで成り立ってる。至極当然だが、デスゲームはそれじゃあ生き残れねえ!!!分かるかモンスター、これは喧嘩なんだよ!!喧嘩はなあ、全部同じだ!!押し付けられたルールで勝てるか!ルールは自分で創るんだよ!!」

 

 いずれ誰もが武器やら防具やらレベルをも手に入れ上げていく。

それがこのゲームの醍醐味(ルール)。なので俺はこの拳(打撃)で生き抜くと決めた。

 

「カヤバーンのクソ野郎出てこいよオラア!大量殺人者のテメエのルールの中に俺のルールを創り上げてく様をとくと御照覧あれいコラア!!」

 

―――体術スキル・閃打を獲得しました。

 

「ほらみろ!!最終的に一服盛られて麻痺って殺されるこの俺(ゴドフリー)!運命に逆らえ!!!」

 

運命に逆らえ。

 

 

 

 

 

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