『第11回脳内会議開催ー!』
『はい』モーゴット
『はい』モーグ
『はい』ゴッドウィン
『はい』マレニア
『はい』ミケラ
『はい』ライカード
『はい』ラニ
『はい』ラダーン
『はい』ゴドリック
『はい』マリカ
『また森エルフとドンパチやらかすわけだが。俺勝てるかな?』
『負けるわけがありますまい!父祖よ!!』
『かれす・おーとかいてかれしあんー』
『アイアムマレニアブレイドオブミケラ』
『ミケラぁ』
『しかしながら流石にこの層からは敵も強くなってくることでしょうな。父上』
『手数だけでは心もとないのも事実。義父上、ここは攻撃のタイミングを狙うべきかと』
『会心(クリティカル)ってことか?』
『左様で』
『うまく当てる技術。義父上、私もそれを養うことが肝要かと存じます』
『あなた。この剣の世界でも狭間の地でも、戦いとはタイミング。狙う力を養うべきだ』
『その通りだあ!よし!もっとレベルを上げつつ、会心の一撃を狙っていき、攻撃のスキルアップだ!これにて第11回会議は解散!皆ありがとう!』
◆
「流石にこの辺のモンスターはかたいな。流石は第八層か」
「きゅい(戦い甲斐があるね)」
むむむ。もっとレベルがいるなあ。そうと決まれば、
「オラア!」
出てくるモンスターを殴る。動きを見ながら、いわゆるタイミングよく。すると自然にレベルが上げる。得物を存分にふるえる。
「会心をもっとあげたいなあ。一発一発の威力をもっと上げたいところだ!!人型だろうがなんだろうがなあ!」
つきすすむ。この力強さこそ王の故よ。
「む?」
「?・・・なんだきさまは。いや待て、その拳ッ」
片手剣と盾、金髪。とがった耳。森エルフさんがそこにいた。
「ドーモ、森エルフさん。俺はただの一般通過人族です。よしなに」
「・・・」
「・・・。なにか?」
・・・・・何故かジロジロみてくる森エルフ。はて?
「いや、なに。・・・第三層におりた私の同僚が未帰還でな。最後にあいつは、『人族』とだけ伝えていたのを思い出した」
「へ~」
「そしてさらに言えば、およそ武器とはいえないものを武器として振るうとも言っていた。お前の武器は何だ?人族。答えてみろ」
「拳ですが?」
「嘘だな。エルフに偽りがきくとおもったか」
「嘘じゃないですよ、オレは人畜無害ない人族ですよお?この拳が俺の武器です」
「・・・・」
「それより~?この雪と凍土。何とかしたいと思わないんで?森エルフさん的には」
「・・・これは魔女の呪いだ。どうしようもない」
「魔女!暗月でもあるのかなあ、まさかなあ?」
「知ったことか。伝説によれば、この凍土をつくった魔女は聖大樹の枝を飲み込んだ大罪人とのことだがな」
「へ~」
・・・枝を。つまりこの階層のボス、騎士ランゴヴァルドのお嬢様は聖遺物を自らに取り込んだのか。やべえ、強そう。
――そんな思考の外で。森エルフは唐突に剣を抜いていた。
「?・・・っておいおいおいおい、脈絡もなく何の真似ですかあ?何もしてませんよ俺は?」
「肌が教えてくれている。貴様だな?人族。あやつをやったのは」
「なんのことですか~?も~」
とぼける俺。しかし森エルフの騎士は澄んだ目で言った。
「ならば戦士として問う。第三層で貴様と戦い敗れた私の友は、騎士長は強かったか。それだけは教えろ」
「・・・・」
・・・・・。
「――もちろん強かったぜ。良い戦いができたからな!」
その言葉を聞き、満を持して森エルフは構えた。
それは剣を持った両手を右肩上に、剣先は俺に向けて。えるでの戦技、構えに酷似。
俺はストレージからつるはしを抜いた。
エルフの直剣と俺のつるはしがガチンと火花を散らす。
「ではここからは言葉は不要だな。人族!!!!」
「うおおおおおア!!!」
森エルフと俺の雄叫び。まさか第三層で戦った森エルフ(白大樹の騎士長)の知り合いだったとは。面白い偶然だが、だからこそ楽しい!
突進してくるエルフの騎士。直剣の切っ先が更なる殺意となって俺へと突き進むんでくる。凄まじい威圧感。だがしかし、
「横によけちまえばなア!!」
「させるか!!」
剣を横に薙いでくる。その瞬間、タイミングをみはからって、俺は体術スキル・ストームストンプを発動した。
「!・・・嵐!?」
嵐の中で輝くエルフの切っ先。それに向かって俺はつるはしを振り下ろし、さらに切り返して胴体を抉り抜いた。
「―――。見事・・・だ」
散り際の一言が俺達の戦場に残り、勝者のみに伝わる。もし彼がジャンプしてたらやばかったかもな。間一髪だ。
そんなこんなで、レベリングは順調であった。そして2日がたった。
「うーん。いいレベリングだったな今日も。意外と森エルフ相手でもやれたし」
「キュキュ(人型は戦い甲斐があるね)」
「まあな。さて、そろそろ時間だから行くか。ランゴヴァルド殿はいるかな?」
「おお!ゴドフリー殿。やっと来たか」
「どうもー」
「ではこれからカレシアンどもの領土をつっきり、天中の塔へと参るぞ!」
「おおおお!!!」
やる気十分。だって敵陣突破は誉である。突っ込むのは大好き。更にトレント(愛馬)に乗れれば尚いいです。それが俺達えるでの王。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「む!?」
「なんだ?!!」
「どけえええええええ!!!」
「敵襲!敵襲!!!」
「敵は誰だ!?!黒エルフか!!」
「いえ!違います!あれは鳥と、・・・人族です!」
「人族だと?!」
「ゥオオラオアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
スキル・闘士の咆哮発動。
「押し通る!!!!」
「通らせるか!!!」
眼光が鋭い。こいつらは森エルフの中でも手練れ、おそらく国境警備の守兵だろう。なんて威圧だ。まるで惰弱なき赤獅子の戦士達みてえだ。
「・・・!」
「む!??」
二人の森エルフが同時に踏み込み、背を向けた。
俺は咄嗟に地面スレスレまでしゃがみ込み、斬り上げ斬撃を避けることに成功。つるはしを横に思いっきり振った。
「ぐあ!」
「・・・機敏だな。人族にしてはやる!」
「ランゴヴァルド!!はやくいけえ!!」
「いいのか!?」
「俺とディーネでこの楽しい、じゃなかった苦境(ピンチ)を抑える!アンタはお嬢様のところへ!先にいけえ!」
「かたじけない!!」
老騎士が去る。だってこんな楽しい戦い、俺に独り占めさせてくれよってんだ。久々だぜ、こんな多人数戦はよ!
―――体術スキル・回転蹴りを獲得しました。
「おらあああ!!」
さっそく使用。すると俺は体を低く沈ませ、その場で片足を軸に回転。伸ばしたもう片方の脚が、群がる敵の脚部を刈りとった。
「ぐあああ!」
「こやつ!!」
「来いやあ!!ディーネ、そっちはどうだ!?」
「キュオオオ!(最ッ高だねえ!)」
ディーネが息継ぎするように鬨の声を上げている。戦場がもっと戦場らしくなるように。つまりバフもりもり。
「あと少しだディーネ!もうすぐここらの敵はいなくなる!そしたら塔にいくぞ!そっちもきっと楽しい!!」
相棒が爪でエルフの剣を折る。それが返事だった。
「人族ごときが!!!・・・貴様ら、まさかフォールンの手の者か!!それとも黒エルフか!」
「何言ってんだよ。そのどちらでもねえよお!!!!」
システム的には今の俺はフォールン側なんだろうけど。そんなの知ったことではない。楽しい戦いがしたいだけだから。
そして楽しい戦いの第一幕は、最後の敵めがけてぶん投げられる俺のつるはしの一撃で終わった。
「終了!オッケイ!行くぞディーネ!」
「キュイ!(次だ次~!)」
塔の迷宮区へと向かう。すると、そこには。
「やあ、ネウシアン(同胞)。また逢ったな。楽しそうで何よりだ」
フォールンエルフの将・ノルツァーがニコニコしながら待っていた。