脳内ゴドフリー   作:ブロx

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第一層→第二層

 

 

 

楽しい。

 

「ウラアアアア!!!!!」

 

娯しい。

 

「オイオイオイオイここまだ一層だろう? 退屈しねえなあッ!!!!!」

 

愉しい。

 

「あと何発ぶん殴れるんだ?あと何発ぶん殴ってもいいんだ?クソデカモンスターがよおおお!!!!?!」

 

瞳が光る。爛々と、煌々と。だから嬉しい。

 

「ゥオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

―――体術スキル・ウォークライを獲得しました。

 

「ディアベル今だ!!!!止めを刺せえ!!!!!!!」

 

「了解!うおおおお!!!」

 

「ボスのゲージが・・・!?」

 

「消えた!?」

 

瞬間。固唾を呑む、幻聴が聞こえた気がした。

 

「―――やったあああ!!!撃破だああ!!!!」

 

「よっしゃあああ!!!!」

 

「皆。 やったぞーー!!!!!!」

 

 ライトエフェクトと共に消え去るコボルドロードを歓声が覆い尽くす時。最期に、俺をその眼に宿す。

 そこには無念と書いてあり、何だお前と。疑問が確かに。だからそれをしっかりと見詰めて、俺は答える。

 

――これが王の故だ。知り得たか非力者よ。

 

「さあ次だ。第二層に行こうぜ!」

 

――ディアベル。と、俺がそう言うと。

 

「何でや!!!!」

 

歓喜に湧いた集団は一斉に俺を見ては閉口した。

 

 

◇

 

 

「なんでや!!!!」

 

「?キバオウさん」

 

「何で・・・!何で、オマエは素手でここまで出来るんや・・・!!!」

 

「??」

 

俺は心底わけの分からない顔をして、

 

「オカシイやないか!!!このデスゲームは、そんな貧弱な武装で生き抜いてしかも勝てるほど簡単なモノやない!ありえへんやん!!」

 

「そうだよ」

 

プレイヤー達の声がボス部屋に木霊するのを黙って聞いていた。

 

「た、たしかに・・・?」

 

「オマエ。まさか開発者側の人間なんじゃないのか?!」

 

「なんでそんな元気なんだよ。なんでそんなに・・・・嬉しそうに戦えるんだよ。自分が死なないって思ってなきゃ無理だろう、それ!」

 

「・・・・はあ?」

 

 もしやコイツらは俺が絶対に死なないって信仰でも始められたのかな? まあ信仰とはつまり肯定だが。

 

俺が死なないわけないだろうに。でもいい傾向だ。

 

「脳に瞳でも湧いてらっしゃる方々はさておき、全て否定する。

俺が生き残っているのは俺がさっきのモンスターよりも力強いからであり、何より色んな事を知っているからだ」

 

「信じられるか!!」

 

「チーターがこの野郎ッ!!」

 

「何とでも言え。そして何度でも言うが俺の目的はこのゲームをクリアする事だ。だからここに居る。

 しかしどうやら勝利の美酒を呑むのに俺は邪魔らしい。だからもう行くぜ」

 

「・・・・ゴドフリー」

 

 正に死闘その直後。肩で息をするディアベルはんの視線が俺を捉える。だが俺はそれを真っ直ぐ見る前に、次の層への入り口へと顔を向けた。

 

「こうなるだろう事は分かっていた。これまでだな、ディアベル」

 

「・・・・」

 

 走る。振り向かずに、次のステージへ。光が俺を出迎える。さあ次のモンスターは何処だ。敵は何処だ。

 

「テメエモンスターかコラアアアア!!!!」

 

たのしみは、どこだ?

 

 

 

 

◆  第二層

    

 

 

 

 浮遊城アインクラッド第二層。ここではたしか原作では鍛冶スキル?の事件やら何やらが起きたんだっけか。オイオイ大丈夫?鍛冶って古くは巨人の技で神事だよ?まあ俺まだ拳だから要らないけど。

 

「いい風呂だった。店主、気に入ったよ」

 

「いってらっしゃいませ。ゴドフリー様」

 

一週間ほど滞在していた宿屋を後にし、俺は今日も今日とてレベリングだ。

 

「そろそろ攻略組がボス部屋を見つける筈。しかし何はともあれ、もっともっとレベルが要るな。とりあえずはレベリングフルコースでも一通りするかな、と。・・・ん?」

 

「はあ!っはあ・・・!」

 

 深夜。レベリングをしようと良い狩場を探索中、そこには一人の若者、いや戦士が。ほうほう?よい戦いだウォーリアー。

 

「あ・・・!」

 

 おや?でも足がすくんでる。

おかしいな?さっきまで普通に戦えてたけども。

 

「あぶねえなオイ。戦いに怖気てちゃ勝てるもんも勝てねえぞ?」

 

「っえ?だ、誰ですか・・・?」

 

男性。女にモテそうな感じ。所謂イケメンってやつだ。

 

「気付いてねえのか?足、動いてねえぞ」

 

「――え?」

 

どうやら無意識の症状らしい。・・・ってあれ?この人なんだか見覚えが。

 

「俺はゴドフリー。あんたは?」

 

「ノーチラス、です。助けて頂いて、感謝します」

 

フルダイブ不適合症状。あ!この人エイジ(エーくん)だ!

 

 

◆

 

 

『まさかここで悲劇の主人公ともいえるエーくんが。もっと先の層で会うかもとは思っていたが。さてどうしよう?別に俺が何しようがしまいがFNCは変わらんとは思うけども。はい皆!会議会議!!何かいい案がある人!!』

 

 

『とりあえず無視でいいのでは?父上』ゴッドウィン

『戦い方を教えてもいいのでは?父上』モーゴット

『どうもせんでよろしいでしょう義父上』ラニ

 

『ほう?しかし俺ユナとエーくんのファンなんだよね・・・。全部好きだもん』

 

『ミケラぁ』モーグ

『あいのために、ちをながすおとこ!!』ミケラ

『す、――アイアムマレニアブレイドオブミケラ』

 

『なるほど』

 

『あなた。この世界における武器戦闘を、より一層間近で見るのも一興でしょう?

 あなたは王となる御方。足元にひれ伏す木っ端がどんな戦いをするのか?どう斬り抜けるのか?学びは多いに越したことはありません』マリカ

 

『む?確かにそういえばディアベルはん達との共闘は勉強になるものが多かった。狭間の地とここでは違う点が多い。では少し揉んでやるとしようか。よし!第三回会議は解散!皆ありがとう!』

 

 

◆

 

 

 

「どうだい?俺と組まねえか?」

 

「・・・君と?」

 

「ああ。アンタの戦い方はちょいと危なっかしくて見ていられねえ。同じモンスター相手にレベリングするのも飽きてきた所だし、一緒にレベリングすれば互いに経験値が手に入るし、独りじゃ厳しい敵だって殺せる。

 俺は楽しみとレベルが増えて、アンタはより一層レベルが上がる。勿論このデスゲームを生き残る為に。つまりはWIN-WINさ。どうだ?いい取引だろ?」

 

「・・・・」

 

 考えてる。多分幼馴染の彼女の事考えてるんだろうなあ。あんな好い子絶対ほっとけないもん。俺もさ、もしもここにメリナがいたらほっとかねえもん。

 

「分かった。まだまだ安全なレベルじゃないし、しばらくの間、よろしく頼む」

 

「取引成立、だな」

 

 

◇

 

 

「っておいちょっと待てゴドフリー。なんだそのデタラメな戦闘スタイルは!・・・拳って、君!あたまオカシイんじゃないのか!?!」

 

「あ?どうおかしいんだ?」

 

「だってモンスターとの間合が近すぎるし!!それに防具は?」

 

「好いのが無い」

 

「だからほらそういうトコだそういうトコ!!いや、そういう問題か!!!?」

 

 共にレベリングの最中、どうして俺と組む奴はこうやかましいのかな。ディアベルはん達もそうだったし。

 

「いいか?ノーチラスよく憶えとけ。敵との戦闘で重要なのはアンタの言う通り間合だ。敵はどんな戦法なのか?得物は何か?スタイルは?強靭と耐久は?こっちの攻撃で敵は怯むのか怯まないのか?奥の手は?

 俺はそれを今近接で試しているだけにすぎない」

 

「・・・ってことはあれか? この敵は拳で怯むし倒せるから、だから今君はそのプレイスタイルだと?」

 

「あったり前だろ何言ってんださっきから。遊びじゃねえんだよこのゲームは」

 

「その理屈はおかしい!」

 

「とにかく行くぞオラ!」

 

「どこに!?」

 

「モンスターぶっ殺すんだよ!それ以外かつ平和的にレベルが上がって生存力も上がる方法があったら是非教えろ下――さい!!

 キッタ来た来た大当たり~~!!!言った傍から経験値おいしいレアモンスターだ行くぞオラァ!!!!」

 

「クッソこんな変態と一緒でもボクは君と絶対生きて帰ってやるぞオオオ!!!ユゥナアア!!」

 

「おい!レベリングさっさとノーチラスお前も来おい!!!!!」

 

ユナが出てきたらどうしよう。俺サインお願いしちゃうかもしれない。

 

 

 

 

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