トニカクカワイイ+レッドサンブラッククロス(RSBC) 作:宇宙とまと
こんばんわ。読者の皆さんありがとうございます。北陸三県昨日仲良く初雪となりました。でも去年よりは一週間ほど遅いそうです。そしてなぜか佐賀県が初雪速い。よもやよもやですね。
今週の「鎌倉殿の13人」もナレ死健在です。そして北条義時3人目の奥さん(菊池さん)がもう義時を殺す目をしていました。
たった一つの死は悲劇だが、100万の死は統計に過ぎない。
ヨシフ・スターリン
「司ちゃんは、昔どのルートでアメリカにワープしたの?」
「津軽海峡→蝦夷地→千島列島を島伝いに→カムチャッカ半島→チュメニ半島→ベーリング海峡→アラスカ(幕末まではロシア領)→アメリカだよ」
「だいぶ遠回りだね」
「対馬海峡は200キロあるから無理。対馬への船便も幕府の監視が厳しくて。ヨーロッパへ向かう時は、カムチャッカから西へ向かい、今のシベリア鉄道のルートで欧州に」
「冬は寒そうだね」
「冬は移動しないよ。今に比べると3度くらいは寒かったし」
昔は冬は陸移動をしないと言う事は多かったと、銀英伝の作者さんが書いた、ハンザ同盟の小説にあった。
「近代でも、アメリカにはワープを?」
「それが1908年6月に、隕石がシベリアに落ちてそれからあの近辺では、ワープできなくなったんだよ」
「ツングースカ大爆発だね」
この隕石爆発事件、犠牲者はいないとされているが僻地なので絶対にいないとも断言できないそうだ。
ベーリング海峡も使えなくなったけど、その頃にはシベリア鉄道や、太平洋横断航路が有ったからもう使う事は無かったから」
と、書き忘れた後付けの設定w (司ちゃんにドイツ本国へ潜入とか出来ないようにする為w)
ちなみに大正時代は、東京→敦賀→国際航路→ソ連→シベリア鉄道→ベルリンやパリまで通しの切符が購入できたとか。
羊として100年を生きるより、ライオンとして1日を生きたい。
ベニート・ムッソリーニ イタリア首相 独裁者
かっこいいけど、お前が言っちゃだめだろうw
ちなみに当初ヒトラー総統は、シアトルも反応弾頭ミサイルの攻撃目標にしていたが、アメリカ合衆国や、カナダが無条件降伏した場合残る敵は大日本帝国だけになる。がその場合、西海岸の港湾や工廠をすべて破壊してしまうと、大ドイツ帝国海軍の軍艦や、潜水艦の補給や整備が困難になるという事で、『カールスルーエ』がキールを出港した日に、シアトルへの攻撃は中止となった。
巡洋艦と共に、核弾頭3発が大西洋の底に沈み、核弾頭の在庫は0個になった。再び揃うまで半年はかかる。そして、12月の下旬……
「大日本帝国も何処かの島で、核実験に成功した様だ」
との情報を大ドイツ諜報網がキャッチした。
何処かの島=南鳥島(現在日本最東端。無人島だけど自衛隊が駐留中)
となると、次に反応弾を使うとドイツも報復される危険があり、当面自重する事になった。
12月17日午後3時17分
司はサクラメントの司令部で、事務作業をしていた。その日は朝は晴れていたが、昼前には曇りになり空は灰色の雲で覆われていた。司が昼休憩を終えた午後1時ごろから雨になり、30分後には本降りになった。
司によると2回(30分ほどの間隔で)、雨雲越しに閃光が見えたとの事。雨で雷も鳴っていたので、最初は司を含め全員が落雷かなと思った。急報が入ったのは午後4時を10分ほど経過した後だ。
詳細な情報が入って来たのは翌日早朝だ。先発調査隊は市街地の5キロ手前までしか接近できなかった。
「私の怒りも限界点に達し、私はアメリカ軍に協力する事に決めたの」
「司ちゃん……」
「強制されたとかじゃないから安心してね。まあ協力するようにうまく誘導されたのかもしれないけどね。ロスやサンフランシスコには、何人か友人もいたの。でもその事を知った直後私を見た、アメリカ人の若い兵士とか何人も、走って逃げてったの。失礼な話ね」
「それは失礼な人達だね」(多分ブチ切れた司ちゃんを見て逃げたのだろう。僕がアメリカ人でも、そこに居たら全力で逃げそう)
「どうしたのだんな様? あっ私がハニートラップ任務とかに関わったか心配してるのね」
「そそそ、そん、そんな事は無いよ」
「だんな様顔に出てるw まあ私以外に、ハニトラ要員の女性はいたと思うけどねえ」
「司ちゃんは、他の工作員に有った事は無いの?」
「スパイに横の繋がりは、持たせない方が良いからね」
「司ちゃんはアジア系だからハニトラとかは、警戒される可能性があるからね。従事していたのは欧州系の工作員だと思う。それに……」
「それに?」
「司ちゃんは宇宙一の美女だと思います。凄い美人って、却って目立ち過ぎて危険なんじゃないかなあ?」
「うーん確かにそうかも。ベクトルは違うけどゴル〇13とか、町ですれ違ったら情報部員とか、刑事で無い普通の人でもこいつやばいんじゃないって、気付きそうだし」
ナサには、他にある可能性が脳裏に浮かんでいたのだが……
世の中で、最もよい組み合わせは力と慈悲、最も悪い組み合わせは弱さと争いである。
チャーチル首相
「そういえば、司ちゃんは無線って使えるの?」
「昔やっていた事が。何せ自宅に引きこもりながら、他の人と交流できる素晴らしい文明の利器よ。(注この司ちゃん個人の考えですw)大正時代に免許を取得したわ」
(昔から引きこもり気味だったのかな?)
「もう40年以上やって無いから、今はうまく使えないかも」
「あの山の中では、無線は厳しいよね」
今住んでいる家は狭いので無理。
司は独軍占領地もしくは、傀儡地区(アメリカ政府を見捨てて勝手に離脱した10以上の州)に滞在し(中国系移民2世辺りを装う)
合法的に入手できる、新聞や雑誌や大ドイツ帝国が発行する新聞や広報誌から、使える情報を抜き出し連絡したり、ひそかにどこかに隠しそれを別の工作員が拾い、無線で連絡する事も有った。
「無論その同業者がどんな人かは一切知らないわ。性別や年齢も」
「その人が捕まったり、裏切ったりしても、何も知らない事は言う事が出来ないからね」他に街の住人の生活がどうなのか? ドイツの統治に対しどう考えているのか等を調べる……その際、何か有用な情報もついでに得られるかもしれない。司がドイツ兵も多く利用する飲食店で働いていたのはそういう理由だ。えっ、地味すぎるって? 映画やドラマの見過ぎですよw スパイの仕事って地味らしいよ。って池〇さんが言っていた様な気がする?w
「司ちゃんって、兵器の種類とかって見分けられるの?」
「だんな様、私が不老不死になる前の職業は何でしょう?」
「えっと、薬師だっけ」
「家族の事とか、ぼんやりしてしまったんだけど、身につけた特技はそうでもないみたい。
遠くから、薬草を見つけたり危険を察知したりすることは得意よ」
イメージ
「おっ、あっちの岩陰に薬草が。でも、近くの岩から狼の耳が見えるから、暫くしてから取りに行こう」
「司ちゃんの視力っていくつなの」
「4.0あるわ。不老不死になってから変動しなくなったの」
ちなみに、ギネス記録は6.9らしい。
「やっぱり山育ちで、遠くのものをよく見てるからかな? それとも司ちゃんの故郷の人は、目に良い山菜
でも食べていたとか?」
「どうだったかな?」
そんな訳で、司は遠くから兵器の数や種類を見分ける能力があった。
「ちんまい薬草より、戦車や航空機の方が大きいから簡単」
との事w
イメージ
司と千歳が戦争映画を見ている。モスクワが陥落し、ソ連が崩壊する映画だw
「あの戦車が『4号戦車D型』で、あっちのが『E型』よ」
千歳の周囲には大量の?マークが浮かんでいるw
「ドイツ軍の兵器の中には、ぶっ飛んでるデザインの兵器も多かったわね」
「確かに、左右非対称の偵察機とか」
フォークナー博士が設計した、『BV-143』という偵察機だが、何と左右が非対称だw
「これが無事飛んだと言う事実に、司ちゃんはビックリです」
実はライバル会社の機体より優秀だったんだが……メーカーの政治力の差で不採用に。(エンジンの油圧に問題があったとも)
「この機体、コナンの森谷帝二教授が見たら気絶しそうだね」
「それは無いわ」
「確かに大げさかな」
「逆よ。雛見沢症候群の末期症状……L5になったK1や、富竹みたいになって憤死する気がする」
そこまで行くなあの人ならw
「その偵察機は不採用にされたから、実物を見た事は無いけど、『DO-335』なら何度も見たわ」
『DO-335』は、操縦席の前後にエンジンがある奇抜なデザインだ。史実でも計画され、戦略ゲームに
登場した事もある。重戦闘機なのに、加速や旋回能力が異常に高かった。
「トピーカの空軍基地に、エンジンをジエットエンジンに換装したのが配備されていたわ。
戦闘だけじゃ無く、爆撃も出来たから爆弾詰んで離陸して行くのを目撃して、通報した事も何回か」
1947年7月に初飛行した、『DO-435」は最高速度850キロ、30ミリ機関砲2門に、爆弾を500キロまで搭載出来たので、爆撃機としても使用された。
「ドイツ軍は、極めて優秀な無線傍受装置や、装甲兵員輸送車を改造した対スパイ・レジスタンス用無線傍受車両を1000台以上投入して、
怪しい無線を傍受して、少なくない数の工作員が逮捕されていたみたいだけど」
装甲兵員輸送車とは、車両の後部キャビンに6から10名ほどの歩兵を搭載できる車両の総称だ。ドイツ製の装甲車や、兵員輸送車の他にも、占領地の仏英米で接収したり、現地の工場で生産させたアメリカ製の装甲車等も利用していた。
後部ギャビンを改造し、高性能無線傍受装置を搭載した車両を多数用意し、不審な電波を傍受していた。
が、
「一度も危なかった事は無かったわ」
「だよねー」
300キロ圏内の何処かにワープして、暗号無線送信して10分後に、家に帰るか別の場所に再ワープすればよいのだ。
ドイツ軍の防諜体制が優秀でも、怪しげな無線を傍受して、位置を推測し治安部隊や、SS部隊に逮捕に向かわせたとしても、最低でも30分はかかる。
「目標地点、誰もいません」
「故障もしくは、空電(ノイズというやつ)だな。任務に戻ってくれ」
「無能者め、反応が遅い」フッw By その頃既に別の場所に再ワープした司ちゃん 某常勝の英雄の様なセリフを呟いてます。(ただし重度のシスコンw)(銀英伝のラインハルト・フォン・ローエングラム シスコン度合いではシャア某より上 w)
「ウォルフガング・ミッターマイヤーに二言があると思うなよ。帝国軍の栄誉に傷をつけた奴には、相応の報いをくれてやる。肝に銘じておけ」
銀河帝国軍がフェザーン自治領を占領した直後の厳命。民間人女性の指輪を奪ったバカ4名は、きっちり公開銃殺刑にされた。
数か月のスパイ教育の後に、最初に向かったのはルイジアナ州ニューオーリンズだ。同州はアメリカ政府を見捨てて離脱した州の一つで、ドイツ陸軍や、空軍の基地があった。
司は、華僑(中国系移民)マレーシアから移住した人が経営している、雑貨屋で働いていた。
「雑貨屋さん?」
「食べ物にお酒、雑貨……まあ色々売っているお店で、ドイツ人もかなり利用していたわ」
1949年10月 大日本帝国陸軍はテキサス州への補給線を断つために、ルイジアナ州南西部への上陸作戦を計画した。(剣作戦)
ルイジアナ州のドイツ軍は手薄だと判断していた。
「実はそれは誤りで、偶然罠があると知ってしまったのね」
ドイツ軍は一旦上陸を成功させ、油断した所を伏兵の2個師団と、SS装甲師団で逆襲し壊滅させる計画だった。
司及び、何人かの潜入工作員が偶然それに気付き、緊急連絡をしたので(互いに存在は全く知らない)
上陸軍は、少なくない被害を受けたが壊滅的被害を免れ、海上に撤収する事が出来た。この時、工作員の一部はドイツ兵に発見され射殺されたが、司はワープして逃げたのでドイツ側は気付かなかった。
「司ちゃんも何処かに移動したの?」
「少し考えたけど、ドイツがに気付かれた様子も無いのに、直ぐに姿を消すのも警戒されるからね。雑貨屋さんの御主人に危険が及ぶからね」
「最悪逮捕される危険もあるね」
「まあ年末まではニューオーリンズで、情報を集めるつもりだったんだけどね。半月後のお昼過ぎ……」
「って、何かあったの? まさかゲシュタポが来たとか?」
顔色が悪くなってるナサ。
「一瞬そう思ったのは事実なのね」
「一瞬?」
「隣の空き倉庫に、ドイツのジェット戦闘機が墜落して延焼して、……エンジンに鳥が詰まったらしいわ」
「……ああ、バードストライクか」
バードストライクは度々航空機事故の原因となっている。あの『ハドソン川の奇跡』もバードストライクが原因だ。
死傷者は出なかったんだが、店も燃えてしまった。が、ドイツ軍からかなりの見舞金が出たので、従業員は全員退職金を貰う事が出来た。
「結果的に、司ちゃん他の町へ行っても全く不自然では無く、安全に離脱出来たんだね」
「皮肉にも大ドイツ帝国軍のお蔭でって所が、少々気に入らなかったけどね」
「司ちゃん以外の人って、一般人?」
「うーん、同業者ぽい感じの人はいなかったわ」
司を入れて7人の内、2人は市内で他の働き口を探し、一人は他の町に行くと言い、もう一人は市内の実家に帰るとの事。残りは3人で、一人は隣の州の実家に帰り、司ともう一人は、他の州で仕事を探すと言った。
司ともう一人は、ある時店主に呼び出され、
「今までありがとう。君たち二人は中国系移民の2世だから、他の……もう少し人種差別が少ない州に行った方が良いかもしれない」
南部は伝統的に、人種差別が激しい。大ドイツ帝国に占領された後もそれは変わらなかった。
流石に『奴隷制度を復活』という案も、ドイツ本国で出たが流石にヒトラー総統が却下して廃案になった。
「アジア系も時々事件に巻き込まれたっていうのは、本に書いてあったけど」
と以前読んだ、図書館で借りた歴史本を思い出したナサ。「アジア人の労働者は、低賃金で働いたから、時々嫌がらせを受けた人もいたわね」
今までは、『ドイツ兵御用達の店の従業員』だったので、過激な連中も手だししてこなかったが、店が無くなってしまったので、危険だと感じ二人にはなるべく、ルイジアナ州を離れる事を勧めたのだろう。
「まあ気分的に南部にはあまり居たくなくなっていたから……」
「何か有ったの?」
「司ちゃん的にドイツ軍相手に商売したり、接収されたアメリカの航空機がドイツ軍機として使用されているのは、まあ止むを得ないかと」
「従業員や、家族を路頭に迷わせるわけにはいかないからね。それに協力を拒否するのも危険だし」
米国の『M4シャーマン戦車』等の車体に、ドイツ製『88ミリ砲高射砲』が搭載されていたり、『ドイツ製37ミリ機関砲』を搭載して対空戦車に改造されていたり、対地ロケット砲『ネーヴェルヴェルファー』や、ソ連戦線で大量に鹵獲した『カューシャロケット』や、ソ連製76ミリ砲が搭載されて、日英米軍との戦闘に使用されているのもまあ負けたんだから止むを得ない。
「SS義勇師団の勧誘に応じて、侵略戦争に加担しようとする若者が結構多くいたの」
SS義勇師団というのは、某水柱とは何の関係も無いw (鬼滅の前はSS義勇までで検索できたけど、現在は師団まで入れないと検索できないw)
ナチ親衛隊は、国防軍とは別に巨大な軍事組織を持っていて、戦闘部隊も所持している。一般の郡より良い装備品が供与されている事も多く、更に命令系統の違いで国防軍と対立する事も有った。更には、民間人や捕虜虐殺などの罪で、戦後処刑された者も少なくない。
武装親衛隊は、純然たるアーリア人(純粋なドイツ人)で編成された部隊の他に、イタリアやハンガリーの様な募集した同盟国民の部隊の他に、オランダやベルギーの様な占領地でも、募集を掛けている。
レッドサンブラッククロスでは、欧州全域のみならず米国の大半を占領したので、英国やフランス人の他に、人種差別が激しいアメリカ南部を中心に募集をしていた。
「ナチの尻馬に乗って、昨日までの同じ国民と戦おうとか正気の沙汰では無いわ。禰〇子キックならぬ、司ちゃんキックを喰らわしてやりたくなったわ」
まあスパイが、そんな目立つことをするわけにはいかないので断念した。
ルイジアナ州を出た司は、隣のテキサス州で鉄道を下車し、ワープを繰り返し一度サクラメントの総司令部に戻った。
その後、しばらくは特定の場所に潜入せず事務仕事をしたり、西海岸で内通者を捕まえたり、ワープ能力を生かし独軍占領下のいくつかの州に短期間滞在し、現地住民の生活状況などを調べたりした。レジスタント接触し情報交換をした事もある。(顔出しNGw)
「大言壮語を聞くのに飽きただけだ。貴官は自己の才能を示すのに、弁舌ではなく実績をもってすべきだろう」「他人に命令するようなことが自分にできるかどうか、やってみせたらどうだ」
アレクサンデル・ビュコック(銀英伝)これを言われたアムロ・レイもといフォーク准将は泡を吹いて倒れたw
「一度ニューヨークにも行ったんだ」
「それはやはり任務で?」
「うん、ニューヨーク市内の市民生活がどうなっているのかを調べに。他にも同業者が、市内の治安(犯罪発生頻度)等を調査していたと後で聞いたのね」
「メイリンとは別の偽名だね多分」
「まあそりゃそうよ。ニューヨーク市で親が戦争に巻き込まれ死亡し、一人で生活している中華系移民2世っていう設定」
無論身分証は、情報部が作成した精巧な偽造だ。
「あれは50年の3月の中頃ね。日本じゃ桜が咲き始めるころかな」
「ニューヨーク市内は、戦争の被害はほとんど受けなかったみたいだね」
「独軍が郊外に迫った段階で、無防備都市宣言を出して、ドイツ軍総司令官マンシュタイン元帥と交渉して、無血占領という事になったの」
司によると、ニューヨーク近郊の陸軍や航空隊の基地が攻撃受けた時の、流れ弾による被害以外は、ほぼ無かった様だ。
「そんな訳で、ニューヨークでは劇場や百貨店も、普通に営業していたわ。もちろん飲食店とかも」
「確かにそうみたいだね」
ナサは素早くスマホを検索し、いくつかの独軍占領下のニューヨーク市内の写真を司に見せた。
「写真にも映っている、ドイツ兵とハーケンクロイツが無ければもっと良かったんだけどね」
無論ドイツやヒトラー総統を批判する様な、新聞や本や絵画などは全て厳禁で、事前に検閲済みの物だけが公開できた。
3週間後
司の調査期間も終わりに近づいていた。明日の朝滞在していた下宿を引き払う予定で、その日は暇潰しに午前中は、「特別展示鹵獲兵器展覧会」に行った。そこには独軍の戦車や航空機などの展示のほかに、欧州やソ連で鹵獲した英国やソ連の戦車や、大砲とか軍用機が展示されていた。
美術館で、第三帝国を称賛する様なゴミ芸術品を見るよりは、未だ戦車でも見ていた方が良かったし、任務上、可能なら実物の兵器を多く見た方が良いよと、ニューヨークに来る前に、アイゼンハワーの参謀長ペデル・スミスにも言われていた。
ソ連製の鹵獲兵器も、優秀な奴は一部アメリカで使用されていたし、ソ連軍が末期に開発していたらしい重戦車をナチスが生産し、アメリカで使用するという噂もあるので、実益も兼ねて司は兵器博物館を見学した。
その後、司は下宿近くの住宅街を散歩していた。
「ここの邸宅、売却交渉は失敗したんだな」
そこは、中程度の邸宅で立地はいいんだが、建物が老朽化していて建て替えが必要なのか、売れていなかった。数日前に交渉が行われたみたいだけど、ダメだったみたいだ。そこは開戦前はユダヤ系財閥社長の持ち家だったらしい。
レッドサンブラッククロスでは、史実の様な悪名高いアウシュビッツの様な絶滅収容所は建設されておらず、比較すると『穏健な』対応が取られている。史実では計画だけはされた、パレスチナへの移住計画や、仏領マダガスカルに移住させる計画が、英本土陥落後に実行され林業や鉱山業の労働をさせていた。
(史実ではどちらも大英帝国が存在したので、不可能になり最終的な大量虐殺へと繋がる)
流石に、合衆国に居住していたユダヤ人は欧州より遥かに多い(1930年代までに、移住した人も含む)ので排除してしまうと、占領地の経済が回らなくなるので、大富豪や財閥等は財産を没収されて、ドイツ本国に『招待』されて古城や、山の上のホテルなどに人質として軟禁されている。が、それ以外は、監視は厳しいが居住や商売等は許可されていた。
接収された、ユダヤ人の邸宅等は駐留軍や、占領地の行政や治安部門や、SS幹部の邸宅として利用されていた。が、立地が悪すぎたりとか、古過ぎたり狭すぎる物件は売りに出されていた。
(ここに住んで居た一家は、どんな人達だったんだろう)
と司が感傷に浸っていると、遠くで雷の音が聞こえた。司が西の方を見ると積乱雲と雨雲が見えた。
(お昼までは快晴だったんだけどな。早く帰ろう)
司が、歩き出そうとした時道路の東側から、ドイツ軍と装甲兵員輸送車と、機関砲を搭載した装甲車が走って来るのが見えた。その後方から大型乗用車が2台ほど続いて来る。(幹部の移動か何かかな?)
司は、車列が近付いて来たので取りあえず門の陰に隠れた。が、直後交差点でも無いのに突然大型車が停車した。(故障かな?)
と司が思っていると、車の窓が一部開いて……
「彼(ハイドリヒ)は人を間違いなく嗅ぎ分ける鼻を持っており、敵味方を見分けるあきれるばかりの透視力を持っていた。だから彼の同僚は彼の前で嘘をつくことはおよそ不可能だった」
ハイドリヒに対する上官、ハインリヒ・ヒムラーによる人物評。
「そこの屏の陰に隠れた人、出て来て欲しい。実は私は第六感が優れていてね、まああまり公表はしていない事なんだが……そこに隠れている君はただ物ではあるまい」
(なっ、こいつ……超能力者か何かか? まさか他に不老不死の人がいるとも思えないが……)
「一瞬長い桃色の髪が見えた。とすると君は女性かな? 別にどうこうしようと言う事では無い、話がしてみたい」その直後、小声で『ハイドリヒ閣下』という誰かの音声が聞こえて来た。
(げっ! こいつあのラインハルト・ハイドリヒか? あのカナダケベック州のクーデター計画を立案したのは奴らしい)
ケベック州がカナダより分離したので、カナダの防衛軍は分断されてしまい著しく不利になった。
(本国から占領地の視察にでも来ていたのか?)
司は即刻ワープで逃げたかったが……
実は10分前……正確には9分10秒前に司の目の前に突然、大型のカエルが現れた。司は生きているカエルが大の苦手だ。(公式設定)
「ぬいぐるみとか、おもちゃとか、模型とか後は中華料理のカエル料理とかは平気よw」
生きているカエルじゃ無ければ問題ないが、その時カエルから逃げる為にワープしてしまった。
(あと30秒……あのカエル野郎(メスかも知れないがw)のせいで司ちゃん大ピンチ)
その数十秒後……
反応が無いので、ハイドリヒの秘書が兵士に見て来るように命じた。マシンガンや拳銃を持った数名の兵士が、屏の陰に走るが……
「誰もいません!」
「本当か? 隠れる場所は」
「全くありません」
「桃色の髪を確かに見たのだが、私だけじゃ無く秘書もだ」
「実はこれが落ちていました」
護衛は、ハイドリヒに桃色の髪のカツラを差し出した。
「何でこんなものが転がっているんだ」
ハイドリヒが首を傾げた瞬間、装甲乗用車(プラハの件で、オープンカーの使用は流石に止めた)のそばを、女性用のカツラが転がって行った。直後、風で飛んで来た男性用の金髪カツラを兵士が拾って、簡易型異物探知機を使用した。
「爆発物や、毒物無し。ただのカツラですねこれ」
5分後
「原因がわかりました。あっちの店ですがカツラなどの衣料品を扱っていたようです。あとは映画の小道具とかも。経営が破たんして、店主は夜逃げしてしまって、債権者たちが怒って集まり……」
「怒って、ショーウィンドーを破壊して、中のカツラが外に飛ばされ、この強風でこちらまで飛んで来たのだろう」
「まあ、隠れる場所も有りませんし。透明人間かもしくはモグラ人間でもない限り逃げられません」
「もしくは瞬間移動でもしない限りはな」
「まあそんなものを合衆国の残党や、日本帝国が持っているとも思えませんし」
「そのような超能力者が居たら、既に帝都ゲルマニアが攻撃され総統官……国防軍総司令部辺りが爆破され、ラカイテルが死んでいるだろう」
それを聞いた一同は爆笑してしまった。
国防軍最高総司令部総長は、国防軍の最上位で長らくウィルヘルム・カイテル元帥がその任にあるが、この人物非常に凡庸でヒトラー総統のイエスマンなので、陰で、ドイツ語で『茶坊主』を意味するラカイテルと揶揄されている。(史実ではニュルンベルク軍事裁判で絞首刑)
「ふむ、やはり暴風雨になりそうだ。視察は中止して宿舎に帰るぞ」
雷の音はさらに大きくなっていた。
同時刻 数百メートル離れた場所の屋上
「あれが大ドイツ帝国幹部のハイドリヒ・ラインハルトか。ただ物じゃないな」
それは、ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ司との長い戦いの始まりだった……
『BV-143』
ドイツを代表する珍兵器。ライバル機よりは性能で勝っていたが、審査で落ちて不採用。レッドサンブラッククロスでもやっぱり不採用w
『DO-435』
『DO-335』のエンジンをジエットエンジンに換装した新型戦闘爆撃機。ぶっ飛んだデザインだが、性能は極めて良好だったが、史実では活躍の前に敗戦した。
艦これに出ないかなあ? ずん吉「多分出てもランカーご褒美か、イベント最終面の甲難易度報酬だろうぜw」
『DO-435』は史実でも計画されていた様だ。
『ネーヴェルヴェルファー』
ドイツ軍の多連装地対地ロケット(誘導機能は無い)
『カチューシャロケット』(無誘導)
ソ連軍が大量に生産した対地ロケット。急増トラックの荷台から大量に発射し、独ソ戦で活躍した。これの子孫と言えるロケット兵器は、ウクライナ侵攻でも使用されていてニュース番組で映る事も。
『M4シャーマン戦車』
米国を代表する中戦車。4両以下でドイツ軍の重戦車とは戦うなと言われていたw 戦後魔改造されたのをイスラエル軍が使用している。レッドサンブラッククロス世界では、接収されたアメリカ東部で生産された、車体に独軍の火器を装備して、日米軍との戦闘に使用されている。
『88ミリ高射砲』ドイツの誇る高性能高射砲。後に『タイガー戦車』の主砲にも使用された。
ソ連製『76ミリ砲』とても優秀なソ連の野砲。史実でも鹵獲したのをドイツ軍が使用している。
無線傍受車両
兵員輸送車を改造。乗員は7名程度(運転手2名・無線傍受作業員3~4・火器操作員1名)違法無線を傍受し、少なくないスパイを摘発したが、司ちゃんには通用しなかった。司ちゃんのせいで、時々誤作動すると勘違いされている被害車両w
自衛の為、20ミリ機関砲を搭載。
原作小説には登場してないけど、占領地の治安にはこういう車両は絶対に必要と思い創作。
ウォルター・ベデル・スミス 1895ー1961 インディアナ州出身
アイゼンハワー大将の参謀長で、司ちゃんの上官の一人。 史実でもアイゼンハワーの参謀長。
史実では1950年から3年間CIA長官を務める。1961年に病死しているので、司と時子が渡米した頃にはすでに病死している可能性大。
ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ 1904年3月7日 ザクセン州ハレ出身 ヒトラーの3倍やべえ奴
ナチス親衛隊大将および警察大将。ゲシュタポ長官および親衛隊諜報部(SD)長官。海軍や空軍に所属していた事も。親衛隊では、ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ実力者。様々な暗殺事件やテロ事件に関与している。RSBCではヒムラーは、病気で療養しているので、ハイドリヒが実質的指導者。
1941年9月に、旧チェコスロバキアのベーメン・メーレン保護領副総督に任命された。ストライキやパルチザンは容赦なく処刑したが、従順な市民には、給料を増やして雇用保険を創設し、リゾートホテルを保養所として開放するなど『アメと鞭』を巧みに使い統治を行う。英国軍は暗殺計画『エンスポライド』作戦を計画。暗殺部隊を41年12月に、『ハリファックス』重爆撃機(終末のイゼッタに登場)から、
パラシュート降下させる。
42年5月27日に、プラハをオープンカーで巡回していたハイドリヒに、手投げ弾を投げつけ致命傷を負わせる。(8日後に死亡)しかし、この世界では爆弾は不発で爆発せず、暗殺部隊はハイドリヒが自らモーゼル拳銃で射殺。
ニコニコ架空戦記では、ヒトラー死後に総統に就任し狂気の独裁者として最終戦争を 仕掛ける事も。視察中に偶然司ちゃんと遭遇。素早く隠れたにも拘らず、存在を感知されたり、凡人でない事を感じたりと、やはりただ物では無かった。転スラの魔力探知みたいなスキルが付いていたりしてw
エーリッヒ・フォン・マンシュタイン 1887-1971 ベルリン出身
大ドイツ帝国軍北米総軍総司令官で、階級は元帥。
史実でも大いに活躍している。
カリフォルニア州
西海岸の経済の中心地。1845年まではメキシコ領だったが、アメリカが併合した直後に黄金が発見され、ゴールドラッシュで発展した。現在は農業よりも石油産業の方が中心に。
レッドサンブラッククロスでは、独軍の核攻撃で壊滅的被害を受ける。
ルイジアナ州
アメリカ南部の州 アメリカ併合前はフランス領。主要産業は石油産業で、他は農業や漁業が盛んで、世界の食用ザリガニの90%を産出。レッドサンブラッククロスでは、アメリカ政府から離脱して独軍に降伏。
ニューオーリンズ
ルイジアナ州の大都市。ジャズ発祥の町だが、黒人差別が酷いレッドサンブラッククロスでは、誕生する事は無さそう。 司ちゃんが最初に長期潜入した。
ニューヨーク
アメリカを代表する大都市。ドイツ軍の侵攻時に『無防備都市宣言』を行い、戦争の直接の被害は少ない。
大ドイツ帝国の出先機関が大量にいて、厳しい監視や制限はあるが、日常生活が営まれている。司ちゃんが3週間ほど任務で潜入。
読者の皆さんありがとうございます。
司ちゃんのがやべえ奴に感知されました。
ラインハルト・ハイドリヒは、1904年生まれなのでちょうど46歳ですね。
史実では、1942年6月4日にプラハで暗殺されてます(38歳)
オープンカーでプラハを巡回している際に、暗殺部隊手りゅう弾を投げつけられ、8日後に死亡。
レッドサンブラッククロスでは、手りゅう弾が不発で暗殺部隊は返り討ちに。流石に反省してオープンカーから防弾仕様の車に変更した。