トニカクカワイイ+レッドサンブラッククロス(RSBC)   作:宇宙とまと

5 / 10
死の商人

1 兵器類を生産煤、軍需産業
2 兵器類を多数友好国に輸出している国家(米英ロシア等)
3 転スラのミョルマイルみたいに暗躍する商人。(ドラクエ4の、トルネコも死の商人だと言う人もいる)


第5話 「第5話「司ちゃんと死の商人(ただし性格は善人)」

 

 政治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治である。

中華人民共和国初代国家元首 毛沢東

 

「等と言った、旦那様が喜びそうな展開は無いから安心してね。ハイドリヒともそれ以来会った事は無いわ」

「いやそんな恐ろしい展開期待してないよ(要ちゃんとか、綾さんとかは喜びそうだけど)」

 

 

 

 その後再び短期の任務をこなしていた司だが、7月の初めに再び長期任務として、カンザス州に潜入した。ちなみにカンザス州の多くの町は、無防備都市宣言を州知事が出したので、戦争の被害は少なかったのだが、東部ミズーリ州との境界線に近い、カンザスシティは市街戦になり、町は甚大な被害を受けていたとの事。

 

その後半月ほどして、求人広告が出ていた陳さんの店で(結婚とか、病気で何人か欠員が出た)見事採用されて働きだした。

 

 

12月20日 午後5時

 

 

 陳さんの店は大きい店なので、従業員は一日おきのシフトがある。急にお客さんが増えた日などは臨時で入る事も有ったが……その日は司は非番だったので、夕食の為に買い物に向かおうとしていた。

(なんか最近私目当てのお客さんも、増えてきた気がする)

 

無論デートなどのお誘いは、上手く断っている。

 

 

その時、道陰から大柄なドイツ兵が現れた。

「えーっと、この近くにビールが飲めるお店有りますか?」

「それなら、そこの道を……」

「ダンケシェーン」

大柄なドイツ兵は、司に手を振ると去って行った。図体と反対に穏やかな性格の様だ。

(一瞬クマかと思ったよ。そういえば今、隣のコロラド州ではなんか人食い熊が出ている。陳さんの親戚がデンバー市に住んで居るんだっけ。大丈夫かな……)

 

 コロラド州は、カンザス州の左隣の州で、デンバーが州都だ。デンバーより西側はロッキー山脈で急激に標高が高くなる。戦争前には、雄大なロッキー山脈を訪れる観光客で賑わっていたが、今やその山岳地帯は日米英枢軸軍と、大ドイツ帝国軍の最前線になっている。

 

産業は東部平原地帯は農業と畜産業だが、標高の高い西部は鉱業が盛んで、銀やモリブデンなどを産出している。が、一番重要なのは西部にある大規模なウラン鉱床だろう。大ドイツ帝国としては、ぜひとも確保したいところだろうが、日米英軍はユタ州との州境に、強固な防衛陣地を築いて一進一退の攻防が続いている。

 

12月19日

 

 

「コロラド州でまた人食い熊が出たらしいよ」

「犠牲者は20人を超えたらしい。行方不明になっている人も10人はいるから、犠牲者はもっと増えるだろう」

先月の終わりから、コロラド州南部で人食い熊が現れ、ドイツ人やアメリカ人など多数の犠牲者が出ていた。

「確かカンザス州のユタ州に近い町、シラキューズでも熊の被害が……」

司は、ラジオのニュースを思い出して言った。

「メイリンちゃん、あれは普通の熊で今日射殺されたらしいわ。襲われた二人も命に別条はないそうよ」

女将さんの話によると、その熊事件は別のリアルクマモンによる事件だった様だ。

 

「噂の熊は、熊自体の目撃情報が全く無いんだ。足跡とか、フ〇とかは見つかったらしいけど」

レストランでフ〇の話をするなと思った司w

(だが相当頭が良い熊なのは確かだ)

「メイリンちゃん、俺はバイエルン州南部の山育ちだけど、熊は一日に40キロは移動するから、気を付けろよ」

「メイリン怖いですー」(超棒読みw)

「脅かすなよ。トピーカから1000キロは離れているんだ。ここまで来る事は無いだろう」

一応カンザス州西部の町では、新聞やラジオで警戒が呼びかけられ、英語とドイツ語で、

「熊に遭遇した時の正しい対処法」

が書かれたチラシが配布されたらしい。

 

 

「親衛隊に故郷の有人が居て、偶然カンザス州に配属されているんだけど、ああそいつから聞いたんだ。上官の一部の中には、レジスタンスやパルチザンの連中が、熊をけしかけてドイツ兵を襲撃させているんじゃないかと、考えているみたいらしい」

「サーカスにいた熊とかかな?」

(サーカスにいた熊って、子供のころから人を襲わないように訓練されている筈だから、性格的に難しんじゃないかなあ)

と司はそれは無理じゃないかと思った。凶悪な野生の熊が人間の言いなりになるとも思えない。

「しかし、レジスタンスの奴らも2、3名やられたらしいぜ」

「そうなんだよなあ」

 

 

 その時、午後7時の時報と共にラジオのニュースが始まった。最初の数分間は、大ドイツ帝国の宣伝放送の様なニュースだったので、司以外の店内にいた全員は、聞き流していて食事の手を止めた人はいなかった。

 

 

「午後4時頃カンザス州東部州境で、3個の竜巻が発生しましたが、幸いにも何れも人家への被害はありませんでした」

流石にこのニュースには、何人かの客は食事の手を止めた。

 

「さっき見えたのはやはり竜巻だったのか?」

「おれも見たぞ」

(50キロも離れていたのに、見えたのかなあ)

と司は呆れてしまった。

 

「新しいニュースです。コロラド州南部の鉱山町クリード付近で、新たな殺人熊の犠牲者が出ました。当局によりますと犠牲者の身元は、ジョナス・ パリーと判明しました」

 

 このニュースを聞いた、店内のドイツ人は全員顔色を変えた。皿がテーブルにぶつかるガチャンという音が、何か所かで聞こえた。その男は、カンザス西部からコロラド州で活躍(暗躍かな?)していたレジスタンスの大物だ。

 

 司も驚いてしまったが、幸い誰もいない壁の方を向いていたので、誰にも見られずに済んだ。

(新選組で言えば土方の様な大物だ。これはかなりレジスタンスに悪影響が出そうだな)

司は、この組織にも仕事で連絡をした事はある。ジョナス氏とは会った事は無かったが、組織にとって不可欠の人物だとは事前に知っていた。ちなみに、実は驚いた表情を見られても問題は無かっただろう。店内のほぼ全ての人が驚いたからだ。理由はドイツ当局が逮捕に繋がる情報に、多額の懸賞金を掛けていたからだ。

 

「メイリンちゃん、懸賞金は誰ももらえない事になりそうだね」

と、中華系2世の男性客が話しかけた。

「まあ熊に払う訳にもいかないですから。会計係は喜んでいるんじゃないでしょうか?」

「そうだろうねえ」

 

(大ドイツ帝国は大喜びだろうな。全く手を汚さずにレジスタンスの大物が死んでしまったのだから。下手をすると太閤秀吉死後の豊臣家臣団みたいに、分裂し、下手すれば内ゲバで自滅……もしくは、弱体化してドイツ軍にやられるか、止む無く活動停止って事になるかも)

 

司は、帝都ゲルマニアで報告書を読んだハイドリヒの野郎が、にやにやと笑っているのを想像してとても不快な気分になった。

 

 その後ドイツ兵たちの話は、熊から最近のアメリカ合衆国海軍事情(ほぼ海の藻屑)に移って行った。

 

「最近西のアメリカ海軍の駆逐艦が増えているらしい」

「ヤンキーどもの、海軍工廠はもうほとんど残って無いのでは?」

これは事実だ。サンディエゴ・ロサンゼルス・サンフランシスコの3か所は破壊されてしまい、ようやく復旧工事が始まったばかりだ。

(ちなみに、大型艦を建造できるドックはほとんど東海岸)

残っているのは、シアトルのピュージェット・サウンド工廠位だ。後はオアフ島のパールハーバー軍港だけど、ここは応急修理が限界だろう。

 

 軍艦の新造どころか、応急修理も困難になっている様だ。応急修理の工作船も優秀なのが有ったんだが、それも多くが空爆等で失われた。今は大日本帝国海軍が、「好意で貸与した」『明石型工作艦』内の1隻を使用している体たらくだ。

(海軍艦艇も50隻前後+αしか残っていない)

 

サンディエゴなどへの反応弾頭攻撃で、正規空母『サラトガ』『レンジャー』は爆沈してしまった。幸い旧式戦艦はパールハーバーに居たので無事だった。真珠湾とシアトルにいた軍艦の残存と、大西洋艦隊の残存戦力……それも駆逐艦から戦艦や空母まで合わせて50隻前後。レイテ海戦に参加した聯合艦隊よりも少ない。

 

プラスαと言っても、

 

アリューシャン諸島 ダッチハーバー 1920年代初めに完成した『オマハ』級軽巡と、駆逐艦10ほど

米領西サモア             重巡1、旧式水上機母艦2、護衛空母2乃至3、駆逐艦12ほど

フィリピン(アジア艦隊)      重巡『ヒューストン』軽巡『ホノルル』(『ブルックリン級』)・『マーブルヘッド』(『オマハ級』)駆逐艦20・潜水艦20

と旧式の老朽艦ばかりだ。

 

「何か、日本製の駆逐艦を大量に無償供与されているらしいぞ」

「旧式艦とかか?」

「いや新型の戦時急増型らしい。速度は30ノット以下らしいが、妙に被弾に強く小型爆弾の1発ではなかなか沈まんらしい」(1)

「一世紀前に、武力を背景に脅して開国や通商条約を締結させた相手のお情けで海軍再建か。ペリー提督も泣いているんじゃないか」

(ワシントンも、アダムズもリンカーンも泣いているさ。お前たちのせいで)

 

司は勤務終了後、道に生えていた大きな雑草を足でぐりぐりしてストレスを発散した。

 

始めたときは、それがどれほど善意から発したことであったとしても、時が経てば、そうではなくなる。

ユリウス・カエサル

 

で、回想(昨日の話だがw)終わり

 

 

 司が歩き出した直後、子供が泣くような声が聞こえた。

(迷子か何かかな)

近付いてみると、5歳くらいの子供が泣いていた。

(中華系では無いなあ。白人みたいだ)

その子供は「ムッター」と何度か呼んでいた。ドイツ語で母親の事だ。

「君ドイツ人の子?」

「うん、先月お父さんのお仕事の関係で、ドイツから来たの」

(どうやら、ドイツから派遣された商業関係者の子供かな)

子供は、大まかな住所は覚えていたので司が連れて行くことにした。

 

 潜入工作員が人命救助などの目立つことをするのは良くないが、まあ迷子を送り届けることくらいは問題ないだろう。

 

家に近付くと、どうやら家族と使用人たちが近所を探していた様で、こちらに向け走って来た。  

 

それに気付いた司は、一瞬躊躇してしまった。

 

 

 以前ニューオーリンズに潜入して、大型雑貨店で働きだした直後に、同じく親の仕事でドイツから引っ越してきた子供を、家まで送った事があった。その時、子供は素直に「お姉ちゃんありがとう」と言ってくれたのだが……

 

「ふん、中国人め」

と不快そうな表情で呟き、直ぐに扉を閉めてしまった。母親は流石に、感謝の言葉を述べたのだが。

 

 

「お姉ちゃん、気分でも悪いの?」

「あ、なんでもないよ」

 

「息子を助けて頂きありがとうございます」

「偶然通りかかっただけです」

司は帰ろうと思ったが、

「息子を助けていただいたお方を、おもてなしもせずに帰したとなれば、マイスナー家の恥です。どうか我が家にお越しください」

「そうですとも、もしかしてこれから夜のお仕事でもおありですか?」

「ちょっと、失礼ですよ」

夫人が夫を叱る。確かにドイツ兵相手の、『夜のお仕事』をしているアメリカ人などが居るのも確かだ。

 

「いや私はそういう意味で言ったんじゃないよ」

「私は近くの中華レストランの従業員で、今日は非番です」

 

 折しも、ちょうどトピーカに駐留している国防軍に部隊にいる参謀が、マイスナー氏の古くからの友人で、今日訪問して来るはずだったのだが、1時間前に急な出張で来れなくなったとの電話があった。

 

 

 断るのもあれなので、司は好意を受ける事にした。マイスナー氏は大ドイツ帝国で、大軍需産業として知られる大会社の役員だった。その会社は、第一次世界大戦では長距離砲『パリ砲』を開発し実際にパリに対する砲撃で使用された。その後再軍備宣言の後、戦車など多数の軍事兵器製造を行っている。

 

邸宅の中に入ると、ドイツ人の画家の油絵の他に中国の水墨画もあった。

 

 

「パパは、中国の南京って町で生まれたんだよ」

 マイスナー氏の父親は、ドイツ帝国(ヒトラーの大ドイツ帝国では無く、WW1前のドイツ帝国)の外交官で、在中華民国大使館の一等書記官で、6歳まで南京で過ごした。ちなみに、北京が中国の首都となるのは、史実でも1949年に中華人民共和国が建国された後の事。それが原因で、すっかり中国文化に嵌った様だ。

 

「おかげで水滸伝や、三国志にすっかり詳しくなってしまいましたの」

 

 その後、マイスナー氏はテーブルの上の書類入れを急いで片付けようとした。その時手が滑って、一枚の書類が床に落ちた。司は急いでそれを拾い、マイスナー氏に渡した。無論何も興味が無さそうな感じで手渡す。

「どうもありがとう」

 

(この書類、クルップ社の新規戦車工場をトピーカ北の郊外で建設するという内容だ。完成は半年後か)

場所は確か、ユダヤ財閥が所有していたトウモロコシ畑だ。潰して工場を建てるのだろう。この工場建設の情報は、カンザスに来る前にペデル・スミスから機会があれば探ってほしいと言われていた。

 

 

 

 食事が始まり、楽しく会話しながら食べていたら、途中マイスナー氏に電話があった。

 

中座したマイスナーは、別の部屋にあるらしい電話室に入ったのだろう。本来なら完全な防音の筈が、ごく僅かに声が漏れる様だ。いや、常人ならそれでも「何か声が聞こえる」程度でしか無かっただろう。

 

だが、司は現代の騒音や生活音がある世界では無く、静寂に近い山深い村で生まれ育っていたので、音に対してもかなり敏感で、その能力は某アニメの紋逸……では無く善逸級だった。

(不老不死になった後に、自分を狙う者の会話を聞き取る為に、能力が更に開花した)

 

断片的に『ボナパルト作戦』『アメリカ北部』『マッカーサー将軍』『補給完了』とかいう単語が確認できた。

 

(補給とは、作戦前の準備だとしたら作戦開始日が一か月も先という事は無いだろう。今月末辺りかな)

 

 

(総司令部は、大ドイツ帝国軍が予備兵力を大量投入して、北米戦線で大攻勢を計画している可能性が高いと考えている。西部山岳地帯の防備は固いから、合衆国北部に予備兵力を集中投入して、太平洋岸を目指す。

 

ドイツ軍は、遅延しながらも50年10月までにサウスダコタと、ノースダコタの両州の占領を完了した。

 

 

 その予兆は10月下旬ごろからあった。司は、カンザス州などの後方に居たドイツ軍の装甲師団や、SS戦闘部隊や自動車化歩兵師団等が、北に向かって移動するのを何度も確認して報告していた。歩兵や戦車を満載した軍用列車が北に向かって走行しているのも、何度も目撃している。

 

 

 

「実はこの頃、11月の後半からチャイナレストランの客層にも、変化が起きたんだ。何が起きたのか旦那様に判るかな?」

「ドイツ人の割合が減って、イタリア人とか、ハンガリー人、ルーマニア人等の割合が増えたんじゃないかな」

「うーん、さすがね旦那様」

 

 カンザス州に居た大ドイツ陸軍部隊を、大攻勢開始の為に北部に送ってしまったので、その穴埋めをする必要があるけど、戦力が不足していたので、大ドイツ帝国軍は同盟国軍、つまりイタリア、フランス、ハンガリー、ルーマニア、フィンランド軍や、ドイツ国内で新規に編成した歩兵師団等を送り込んだ。

 

 史実では、1942年11月半ばにはスターリングラードドイツ軍の猛攻を受けて陥落寸前になったが、戦線の側面や後方は、戦力不足の為に同盟国のルーマニア軍とイタリア軍が配備されていた。

が、装備は著しく劣っていた。11月19日にソ連軍は『ウラヌス作戦』を開始し、ルーマニア軍とイタリア軍は短時間で瓦解し、スターリングラードを攻撃していた、ドイツ第6軍は逆包囲されおよそ2か月後に降伏に追い込まれた。

 

が、今回は後方がイタリア軍やハンガリー軍でも、攻撃できる敵精鋭は存在しないので何の問題も無い。

 

「装備も練度もかなり劣るけど、まあ治安維持位なら問題なくやれるからね」

 

時を同じくして、司の同業者の潜入工作員も、アイオワ州やイリノイ州などの複数の州で同じ光景を目撃して、報告していた。

 

 

「防衛ラインを突破して、モンタナ州やアイダホ州北部を制圧して、最終目標はシアトルかな」

 

シアトルは、大日本帝国から物資が運ばれるほぼ唯一のルートなので、ここが陥落すると言う事態になったら……

「アメリカ合衆国も、大英帝国(INカナダ)も完全に終わりね。そうなったら司ちゃん大ピンチ」

残った大日本帝国は、極めて不利な条件で停戦する事になり、世界はナチスの物になってしまう。

 

202X

 

「司ちゃんにとって、大ドイツ帝国と協力して月を目指すっていう選択肢は、皆無だったんだね」

「まあ一瞬考えた事もあるわ。でもあいつらと協力する位だったら、もう千年旅を続け、アニメやドラマを見続ける日々を選択するわ」

(かっこいい事を言ってるけど、最後でかなり台無しだ)

 

「まあ万一に備えて、アメリカが完全にドイツの軍門に下った時の事も考えてはいたわ。南米はかなりドイツ移民が多かったので、親ドイツ国が多くパス気味で」

「メキシコかな?」

「あそこは、割と親日・反独なのでメキシコに潜伏するか、中国への船でいったん中国に向かい、別の偽造旅券でも作り日本へ帰国する事を考えたわ」

「もしそうなっていたら……」

「時子とも、旦那様と会う事もまず無かったわ」

 

 

 

「今日はお招きに預かり、ありがとうございました」

「貴女が働いているレストランは、かなり評判が良いそうだから、今度家族で食事に行きますよ」

「ありがとうございます」

店は、一階は一般の客が多く、2階は上客(富裕層)向けの個室となっている。

「お姉ちゃんまたねー」

 

 

(一度家に戻ってから、ワープして連絡するかな?)

司は、一度家に戻るべくマイスナー邸を出て、道路に出た。

 

 

 

 指導者に対する悪口を、公然と言えないような社会は開かれた社会とは言えない」

ユリアン・ミンツ(銀河英雄伝説)

 

 

 司が2歩ほど歩き出した瞬間、東側から走って来た軍用ジープがクラクションを鳴らし、司の横に停車して若いドイツ軍人が降りて来た。運転手は30代の下士官の様だ。

 

 

「すみませんが、お聞きしたい事があります。小官はこの近辺の警備隊に所属する、クリストフ・ミンツ中尉です」(流暢な英語)

『は、はい何でしょうか?」

(若いな……、まだ20代前半だろう。いや15歳くらいと言っても通用する。ははーん、士官学校卒業したばかりだな。まだ最前線に行った事も、敵を撃った事も無いのかもしれないな……ってどこかで見た顔だと思ったら、この子確か初陣でニューメキシコ州の、最前線に配属され『戦車兵・主砲担当』(某大洗のあんこうチームなら華さん)アメリカ戦車3両と、偶然遭遇したアメリカ軍の戦車部隊の連隊長(大佐)が搭乗していた、戦車を撃破して戦死させたっていう、恐ろしい奴だぞ。

 

 こんな美青年というよりは、美少年って感じなのに……大ドイツ軍怖いな。パットンは、『一生分の幸運を纏めて、使い果たしただけじゃないのか? この事で戦場を甘く見る様になったら、むしろそいつの為にならないんじゃないのか』って、言ってたけどミンツ中尉はお前の、息子か何かか? 何で敵を心配してるんだよ。それで勲章を授与されて、中尉に昇進したんだけど、戦闘中に重傷を負って後送されてトピーカの軍病院に入院したらしい。

 

 そうしたら、ドイツ本国から励ましのお手紙や、ファンレターが山ほど来たらしい。いや、ドイツ本国や同盟国は判るけど、占領下の英国や、カナダに東部アメリカからもファンレターがきてるんだそうだ。おい、ミンツ中尉が撃破した戦車に乗っていた敵兵は、お前達の同胞だぞ。お前たちの友人知人や、親類縁者がその戦車に乗っていたのかもしれないんだぞ。ミンツ中尉が、年齢より若く見える美少年だからと言って節操が無さすぎる。まあ、直感では戦争犯罪に加担するような奴には見えないけどさ、後方部隊に配置換えされたのは、多分負傷の後遺症で、前線勤務が出来なくなったんだろう。走れないとか、銃や大砲を撃てなくなったとか。せっかく拾った命なんだから、除隊して故郷に帰れよ)

 

この間0.5秒 さすがの人生経験のなせる業か?w←「違うんじゃね?」BYずん吉

 

 

「いや、今マイスナー氏の邸宅から出て来られましたが、どのようなご用件でしょうか?」

(やはりマイスナー氏は大物だな。軍が気を使う必要があるほどの。まあ軍需産業が兵器を生産しないと、戦えないのだから当然か)

 

アジア系の司が、しかも若い少女がマイスナー氏邸宅の正面玄関から出て来たのが気になったのだろう。

「今日買い物に出たら、マイスナー氏のお子さんが迷子になっていて、家まで送りました。そうしたら非常に感謝されまして、夕食に招待されました。ちょうど偶然来客が来れなくなって、夕食が一人分余っていたみたいです」

 

「あ貴女でしたか、お子さんを家に連れて来てくれた親切な人は! まあ嘘じゃないと思いますし」

(まあ嘘は一切無いよ。今お前に話したことに関しては)

「一応お名前と、身分証を」

「私はチャイナレストラン・チョーウンで働いています。名前はメ……」

 

 名前を名乗り(偽名)、身分証(極めて精巧な偽造)を出そうとした。ドイツ人も含めて10歳以上の全ての民間人は、身分証の携帯が義務付けられている。ミンツ少尉が、身分証を受け取ろうとした瞬間、のんびりと空を見ていた下士官が、無線の受信機を操作する。会話を始めて直ぐに表情が緊迫した。

 

「中尉大変です!」

「どうした? なにがあった?」

「〇地区でドイツ兵が殺されました。犯人は金髪の女性との目撃情報が、現在市内西部に向け、アメリカ人の車を盗み逃走中!」

 

(殺人事件だと、物騒だなあ)

二人はドイツ語で話しているが、当然司は理解できるので、聞こえて無いフリをしている。

少尉が慌てて司の元に走って来た。

 

「御嬢さんの自宅はこの近くですか?」

「そう遠くありませんが、何があったんですか?」

「ドイツ兵が、金髪の女性に殺されたそうです」

「本当ですか? 怖いですね。もしかして私の勤務先での事件ですか?」(演技w)

「いいえ、他の酒場みたいです。ここから遠くないのなら、お一人で帰られても大丈夫かな」

ミンツ少尉は、親切心から現場に向かうついでに、司を家まで送ろうかと思ったみたいだ。だが直ぐに来る様に指示されたのだろう。

「とにかくすぐに自宅にお帰りになり、直ぐに扉に鍵を掛けて下さい」

「ありがとうございます。そうします」

 

 少尉を載せたジープは直ぐに、町の中心部へ向け走り去った。司も急いで帰宅し、念の為に家の中に誰もいないか確認してから、屋内に入った。

 

「どこのアホだ、殺人事件なんか起こして司ちゃんの邪魔をする奴は」

 迷惑な話だ。事件が長引けば町が封鎖される事もあり得る。東部戦線、つまりソ連などではドイツ兵が一人殺されたら、周囲の村が丸ごと焼かれ住民は殲滅される……場合もあるが、流石にアメリカでそんな暴挙をするわけにはいかない。ドイツ軍は占領地区全体で330万人いるが、(戦闘部隊から後方の治安部隊まで全部合計して、同盟国軍も含む)アメリカ人は1億人以上いる。高齢者と子供を除いても6000万人が叛乱を起こしたら、大変な事になる。そんな訳で、アメリカではレジスタンスへの報復も限定的で、逮捕されたとしても、範囲はレジスタンスの本人と家族だけだ。

 

 司はとりあえず牛乳を飲んで落ち着いてから、情報の連絡をどうするか考えた。機密情報の連絡は、

 

1 自分で無線などで連絡する

2 仲間に情報を渡し連絡させる 有名なスパイゾルゲは、電気店を経営していたクラウゼン夫妻に連絡させていた。

のどちらがだけど、チートが使える司はワープを繰り返して、サクラメントの総司令部に赴き報告する方法もあるが……

(時間がかかり過ぎるなあ)

 

チートを用いても最短で往復2時間以上、報告の時間も入れれば3時間はかかる。通常ならそれも考えたが

(事件を起こしたのが、私の知人か近所の人の場合、私も事情聴取されるなあ)

 

情報収集の為に、トピーカに来てから何人か友人を作った。その中に犯人が居た場合……

「何か思い悩んでいる様子は無かったか?」とか、「不審な人物と話していたり、不審な人物が訪ねて来た事は無いか?」

等を聞かれるかも知れない。ドイツ側の治安部隊や、ゲシュタポの動きは速いので仮に知り合いが犯人の場合、事情聴取は今日中に始まるだろう。

 

 知人が犯人で無くても、例えばカーチェイスの結果犯人が司の下宿先の近くに潜入したり、民家に押し入り住人を人質に籠城という事もあり得る。そうなったら近所の住民は、避難を指示されたり、少なくとも安否確認はあるだろう。その時に司が不在なのは拙い。

 

上の様な事態にならなくても、例えば善人ぽいミンツ中尉が急に、心配になり司が無事帰宅できたか確認に来るかもしれない。(ああいう善人は、時としてお節介な人間である事も多いからなあ)

 

 司は、30分以内に戻れる方法で暗号通信を送る事に決め、取りあえず東に隣接するミズーリ州にワープした。丁度手ごろな空き家があり、鍵はもう壊れていた。作業を開始しようとしたが、一瞬手が止まった。

(マイスナーさん、良い人だったな。家族仲も良さそうだったし、多分会社でも部下に理不尽な叱責や嫌がらせをするような人間では無く、公正な人なんだろう。

 

でも、お前達の会社は『死の商人』だ。製造された戦車や野砲の攻撃で、多くのアメリカ人が戦死し、未亡人や戦災孤児を生み出しているんだ。だから、悪く思うな……まあ一番悪いのは、アドルフ・ヒトラー総統なんだけど。彼を議会に送り込んだのはお前達ドイツ人だからな)

 

 誤解している人もいるかもしれないが、ヒトラーは簒奪やクーデターで、政権を奪った訳では無い。いや一度ミュンヘン事件で失敗し、その後一応は選挙でナチス党の勢力を拡大している。

(ああ、もし選挙の時に左派政党にでも投票していたら、少し謝っておくよ)

 

 その時風が吹き込み、廃屋の壁がガタガタと揺れ、埃が舞った。

(クシャン……雪は降らなかったが、かなり寒くはなるな。今日はアメリカ東岸沖を低気圧が北上し、大西洋岸はかなりの降雪があったらしい)

司は作業を止め、東側の窓に近付き外を見るが、既に夜9時で近くの町まで10キロ以上離れている、田舎なので見えるのは畑と上空の雲だけだ。司は、足元のゴミを蹴とばすとまた通信作業を再開した。

 

勝因のない勝利はあっても、敗因のない敗北はない。敗れるべくしてケンプは敗れたのだ。同情の余地はない。

 

 

オスカー・フォン・ロイエンタール(銀河英雄伝説)

 

天候の急変や(桶狭間)、敵の油断や自滅(鎌倉殿の13人でもあった、富士川の戦い)で予想外の勝利はあっても、敗因の無い負け戦は無いと言う事。

 

同日午後10時(アメリカ東部標準時)

 

旧バージニア州ノーフォーク軍港

 

 

 司が多少の罪悪感と良心の疼きを感じながらも、暗号通信を送ろうとしていた頃……

 

 彼女の予想通りその日東部大西洋岸は、かなりの大雪となり道路や住宅街では、除雪作業が行われていた。雪と共に、不運にも雪の重さで倒れたクリスマスツリーも片付けられていく。

 

 ノーフォークは、1948年5月13日午前11時に反応弾頭ミサイルの攻撃を受けた。しかし、幸か不幸かミサイルは、予定されていた上空600メートルでは無く海中に突入してから爆発した。その為に衝撃波で、多くの軍艦が大破して合衆国大西洋艦隊は、戦わずして無力化されてしまった。

しかし、西海岸3都市と違い、市街地への被害は僅少だった。確かに衝撃波と放射能汚染された津波により、軍港や港湾施設はかなりの被害を受けたが、市街地までは到達しなかったので、復旧はかなり早く終了した。

 

 

 昨日数日前の暴風被害の調査で、核攻撃でも耐えた荷揚げクレーンの一つが、直ぐにも倒壊の危険がある事が判明し、急遽撤去作業が行われる事になった。

 

が、大西洋岸を通過した低気圧の影響で大西洋岸は未明から猛吹雪になり、まずは港湾の除雪から始めなければならなくなった。

 

 

「あんた、この辺りの生まれかい? この辺りはこんな大雪が毎年あるのか? ああ、名前を聞いていなかったな」

ドイツ側作業員テーオドリヒ・ケーラーが配給された、熱いコーヒーを飲みながら話しかけて来た。

「おれは、アルヴァ・ダグラス代々ノーフォーク生れだ。ニューヨークやカナダとの国境に近い地方は、大雪も多いが、ノーフォークがこんな大雪になったのは生まれて初めてだぞ」

「そうなのかい」

 

午前中からお昼に掛けて、どんどん雪が降り積もり除雪しても全く追いつかないほどだった。

アメリカ側民間作業員50名と、同数のドイツ側作業員に加え、監視が任務の筈のドイツ軍治安部隊20名も、器具を持って除雪作業に参加したほどだ。

 

 しかし、午後1時頃に急激に雪の降る量が少なくなり、午後3時頃には雲の切れ間から太陽も姿を現した。

 

共同作業で妙な連帯感が生まれたのか、休憩時間にはまるで古くからの友人の様に、ドイツ人作業員と親しげに会話をしている、アメリカ人作業員が居たり、体調不良を起こした、アメリカ人作業員にドイツ人作業員が介抱してやっている。

 

 

 ダグラスは軽くため息をつき、隣の軍港に視線を移した。吹雪が激しかった数時間前は、近距離にも関わらずぼんやりと、艦の輪郭しか見えなかった、

ノルト・アメリカ・フロッテ>ドイツ北米艦隊の主力戦艦群が見える。

 

彼らの方が、ダグラス達よりやや早く除雪作業が一段落付いたのか、午後3時過ぎには港にある軍用トラックに乗って、多くの水兵が町の方へ向かって行った。

 

恐らく交代で、一晩ずつ上陸許可が出たのだろう。

 

(早く遊びに行きたいので、頑張って除雪したのかな?)

とダグラスは妙な親近感を感じた。ダグラス達は、まだ完全に除雪が終わっている訳では無いので、午後4時から作業を再開する事になっていた。

(それにしてもバランスの悪い編成だ)

 

 戦艦は、大小合計して5隻(一隻修理中)も保有しているのに、航空母艦は2万トン級の客船を改造した、『イェーデ』一隻しかない。この中型空母速力は28ノットと、合格点だが、飛行甲板が短くジェット戦闘機が運用できない。傑作戦闘機『FW-190』A4型を空母用に改造した、艦上戦闘機30機と

対潜哨戒ヘリ12機を搭載している。『FW-190』戦闘機は、第二次世界大戦の頃は欧州や、北アフリカで大活躍したが、最高速力は650キロほどしか出ず、大日本帝国海軍が実戦配備している、空母艦上戦闘機(無論ジエットエンジン搭載)に対抗する事は不可能だろう。未だ新型の対潜哨戒ヘリの方が未だしも役に立つに違いない。

(昼間の対潜哨戒ヘリ母艦……って所か)

 

1年半ほど前は、60機搭載可能な『まともな大型空母』が2隻と、ヒトラー総統の気まぐれで設計された、航空戦艦モドキwが3隻ほどあったのだが、1年間に及んだカリブ海の戦いで全て喪失してしまった。(航空戦艦モドキwは、全く使い物にならなかった)

 

 

 ヒトラー総統は、大日本帝国海軍の大戦艦部隊に対抗する為、戦艦ばかり建造してしまった。逆に大日本帝国海軍は昭和20年ごろに、方針を大転換して戦艦の建造をほぼ中止し、航空機や航空母艦の大量建造に大転換した。それが両海軍の決定的な差となり、大ドイツ海軍はカリブ海や大西洋での制海権を喪失する大きな原因となってしまった。

 

そんな事を考えながら休憩していると、先ほど町へ乗員達を送り届けたトラックなどが、埠頭に戻ってきていた。

 

すると、何人かの兵士が運転席に駆け寄り何事か運転手に伝えているのが見えた。すると軍用トラックが再び、反転して一斉に市街地の方向に向け、走り出したのが見えた。

 

 

(?)

 

 何人かの作業員が、再び走り出した軍用トラックを目撃して首を傾げていたが、程なく午後4時になり作業再開の指示が出た。

 

冬至まで後2日、午後4時過ぎには日没となってしまう。夕闇が急速に広がり出した午後4時45分頃から、先ほどノーフォーク市街へとんぼ返りして行った軍用トラックが、続々と戻って来た。ただ今度はどのトラックにも大勢の水兵が乗っており、埠頭に止まったトラックから下車した水兵は、そのまま港に停泊していた、内貨艇に乗船して行く。定員を搭載した艇は停泊中の軍艦へ向け航行して行く。

 

 

 内貨艇とは、軍艦と埠頭の行き来に使用される小型ボートで、他には艦隊旗艦で作戦会議などがある時に、各艦の艦長などが行き来に利用する。

 

 

「おい、さっき出て行ったばかりだぞ」

「おそらく全員だ。忘れ物を取りに戻ったとかでは無いな」

「よそ見をするな、作業を続けろ」

 

騒ぎ出した作業員に、監視兵が注意をしている。

(これは恐らく急な出撃命令が出たんだろう)

ダグラスは緊急命令で、乗員への上陸許可が取り消されたと考えた。それを裏付ける様に戦艦群では、クレーンで食料でも入っているのか大形の木箱が続々と積み込まれている。

 

 

 

 午後5時ごろから再び雪が降り始めた。幸いな事に昼前の様な猛烈な吹雪では無い。ダグラス達は除雪作業と共に、明日朝から行われるクレーンの解体工事の準備作業を進めていく。

 

 

作業が完了に近付いた午後8時頃……

 

 

 ボオオオ――――という音が、埠頭全域に響き、作業中のほぼ全員が埠頭の方を見る。

「船の汽笛だ。出撃だ」

と作業員の誰かが叫ぶ。中にはびっくりして、足元の雪で滑って転んだり尻もちをついた、運の悪い作業員も何人かいたが……

 

まず、艦隊の前路の対潜哨戒を行う警戒部隊の艦が動き出す。8千トン級の新型軽巡と6隻の駆逐艦が作業員達の近くを航行して行く。ドイツ人の作業員と、監視兵達は同胞達に、手を振ったり声援を送っている。

 

 

「ふうん、本当にドイツ戦艦にそっくりの外観だなあ。遠くから見たらまず見分けるのは無理だな」

と、最近内陸部ケンタッキー州から出稼ぎにきたアメリカ人作業員だ。生でドイツ軍艦を見るのは今回が初めてらしい。次に動き出したのは、1939年に完成した、『アドミラル・ヒッパー級』重巡洋艦3番艦、『プリンツ・オイゲン』だ。

 

 排水量14000トン、全長202メートルの船体に、20.3センチ連装砲塔を、前後に2基ずつ計8門搭載している。ケンタッキー州から来た作業員の言う通り、主砲や艦橋などの艦上構造物の外観が、ドイツ軍が東米占領後に宣伝用にばらまいた、

ドイツ海軍の主力戦艦群と、かなり酷似している。近距離ならともかく、遠距離や夜間では識別は難しい。

 

無論偶然では無く、意図的なもので「敵に戦艦と重巡を誤認させる」為だ。要するに戦艦への攻撃を吸収する、盾の役目も持たされている。

 

 

史実でも、英海軍は1941年5月の『戦艦ビスマルクの初陣』(悲しいかな史実では、初陣=最後の出撃)で、見事トリックにかかり『ビスマルク』と勘違いして、『オイゲン』に数分間砲撃をしている)

 

 

 

 

 

 

『プリンツ・オイゲン』が作業員達の至近距離を、通過し終えるとドイツ人達の歓声が一際大きくなった。次はいよいよ主力の戦艦群のお出ました。

 

 

 まずは、『バルバロッサ級』巡洋戦艦O級巡洋戦艦1番艦『バルバロッサ』だ。全長230メートルの船体に、『ビスマルク』と同級の38センチ連装砲塔を6門搭載している。英海軍の高速だが、装甲が薄い巡洋戦艦と違い、日本との戦闘を考慮してかなりの重防御となっている。

開戦序盤の『ファンディ湾海戦』では、ドイツ側司令官ハンスマイヤー中将のミスで、危うく米海軍に敗北しそうになった時、『バルバロッサ』の勇戦で、持ちこたえ最終的な大勝利に繋がった。この船もドイツ宣伝省が盛んに宣伝放送に利用しているので、ドイツ人や親ナチのアメリカ人(軍艦マニア含むw)の人気が高い。

 

 続くのは、開戦の翌月つまり1948年6月にインド洋で、大日本帝国海軍との戦闘で喪失し、「第三次世界大戦における、独海軍戦艦喪失第一号となった『フリードリヒ・デァ・グローセ』の姉妹艦『ロスバッハ』だ。排水量7万トン全長280メートル、最大速力33.5ノットの高速戦艦で、主砲は42センチ連装砲を8門搭載している。排水量と全長は帝国海軍の戦艦『大和』に匹敵している。主砲の口径ではやや劣るが、速力は『ロスバッハ』がやや勝っている。

 

 

(さて、最後は北米艦隊で2番目に巨大な戦艦『フォン・モルトケ』(全長308.8メートル、基準排水量8万3千トン、速力32ノット、主砲49口径53センチ連装4基8門で、終了か……)

 

 

 その時、既に午後10時近くになっている事に気付いた。もう交代の時間を過ぎている。軍艦を見ている内に、現場監督らが時間を過ぎている事に気付いていないのだろう。

「監督さん、もう交代……」

ダグラスは、アメリカ人の現場監督に、交代時間を過ぎている事を伝えようとした時……

 

 

 

「『フォン・ヒンデンブルク』も出撃するみたいだぞ!」

 誰かは判らなかったが、ドイツ語の叫び声が聞こえた。それを聞いた途端会話や、戦艦に向け歓声を上げていたドイツ人達が、全員一斉に黙り込んだ。

 

 

ダグラスが急いで確認すると、確かに北米艦隊旗艦で、最大の……いや、大ドイツ帝国海軍最大最強の超大型戦艦『フォン・ヒンデンブルク』が微速で、ダグラス達が作業をしている埠頭に近付いて来る。

 

 

(今までは、せいぜい近場への訓練航海へ出るだけだったのだが)

 

『フォン・ヒンデンブルク』は、昨年つまり1949年12月に完成し、今年4月に北米艦隊に配備された。が、その後も北米艦隊が作戦の為に出動しても、『ヒンデンブルク』

は、せいぜい陸上基地の航空隊の援護が受けられる、近海へ訓練航海に出るだけで、戦闘に参加する事は無かった。

 

 

これは噂でしかないのだが、どうやらヒトラー総統が、

「大ドイツ帝国の象徴たる巨大戦艦が、万一戦闘で喪失した場合に国民の指揮が著しく低下する」(それと自分の名声に傷が付く)事を恐れていたかららしい。

 

(せっかく最強の戦艦の戦艦を建造して、最前線近くに配備しながら喪失を恐れて戦闘に参加させない。全くばかばかしい話だ。まあこれが独裁国家というやつの弱みだろう)

 

 

 とはいえ、史実の聯合艦隊もせっかく『大和』『武蔵』を建造しながら、1944年まで前線には出さなかった。(今艦これでアニメやってる。1944年10月設定なのでそれ以前に沈んだ船は出ない。

つまり、以前の主人公綾さん……もとい『吹雪』は出ない)(2)

 

42年のガダルカナルとかに投入する機会は何度かあったけど、安全なトラック島にずっといるだけで、(冷暖房完備なので、『大和ホテル』『武蔵御殿』と揶揄された)

 

 突如登場の5歳児と代打のカラスw

ずん吉

「チコちゃん、やっぱり帝国海軍もレッドサンブラッククロスのヒトラー総統みたいに、ブルッていたのかな?」

チコ

「まあ確かに、最強戦艦の喪失を恐れていたでしょうよ。(ちなみに国民は、『大和型』の存在は一切知らない)でもねえ、ソロモン海は島がたくさんあって、海峡が狭いから夜間に万一至近距離で乱戦とかになったら、魚雷艇や駆逐艦の魚雷が大量に命中して、あっさり沈んでしまった恐れもあるという意見もあるので、海軍上層部の判断は止むを得なかったのかも」

 

 

 

5歳児終わりw

 

 

 10分後、『フォン・ヒンデンブルク』がゆっくりと至近距離を通り過ぎて行く。全長350メートル、基準排水量14万8000トンの巨体(速力は28ノット)は、さながら『海上の大要塞』とでも言うべきだろうか。

 

(これと、『ファンディ湾』海戦で沈んだ『コロラド級戦艦』が並んで航海していたら、それを目撃した日本人の潜水艦は、『戦艦1、巡洋艦1発見』と誤って報告するかもしれない)

 

 主砲は、49口径53センチ連装砲塔という前代未聞の巨砲を、8門搭載している。他にも多数の15センチ砲や対空砲を装備している。

 

『ビスマルク級戦艦』以来引き継がれて来た……正確には第一次世界大戦後半に、帝政ドイツ海軍が建造した『バイエルン級戦艦』から受け継がれている、重厚な船体が間近を航行した時、ドイツ人のみならずほとんどのアメリカ人作業員が、

「おお」

とか感嘆の声を上げた。中には自分がアメリカ人である事を忘れたのか、子供のように目を輝かせている奴すらいる。

 

ダグラス自身も、無意識に感嘆の声を出してしまいしばし不快な気分になった。

 

『ヒンデンブルク』が通過した数分後、ようやくドイツ人側の作業監督(こちらが当然立場は上)が、交代時間を大きく超過している事に気付き、作業員を追い立てる様に、移動用のバスに乗る様に指示を出した。ダグラスは急かされながらも、しっかりと軍港の方を確認し、『フォン・モルトケ』及び、中型空母『イェーデ』と空母護衛の駆逐艦4隻も、『ヒンデンブルク』に続き動き出したのを確認しながら、バスに乗った。

 

 バスは事務所の前に停車し、作業員は全員日当を受け取り、州内の遠方に自宅がある作業員や、他の州から出稼ぎに来ている作業員は、作業員用の宿舎に向かい、市内や、近くの町に家がある作業員は帰宅する。

 

ダグラスも、郊外行きバス停に急ぐ同僚を見送り、徒歩15分ほどの自宅に向かう。

 

 自宅に到着したのは、午後10時40分頃だ。直ぐにメモ用紙を取り出し文字を書いた。終わると隠されていた、パチンコの発射機を取り出す。子供向けの玩具では無く、大人用の大きい奴だ。パチンコの玉にメモ用紙を急ぎ張り付け、道路に面した2階の窓に近付き素早く、歩行者や車が居ない事を確認した。

 

 

 時計で午後11時10分前を確認し、部屋の電気を5秒ほど点灯し、窓を少し開けた。その後窓を閉め、消灯し正確に60秒後に再度繰り返す。すると、道路を挟んだマンションの部屋の一つが、5秒ほど点灯し窓が少し空いて、数秒後に閉められた。

 

ダグラスは冷蔵庫から、牛乳とソーセージを取り出し食べる。午後11時10秒前に、再度窓を開けてパチンコを向ける。程なく再び道路向かい側の窓が少し開き、直後ダグラスはパチンコを発射した。

 

球は正確に、その空いている窓に吸い込まれた。それを見届けたダグラスは、腹が減っているので本格的な夜食の準備にかかった。

 

 

 

 道路の向かい側のマンションに住む住人エルウィン・スミスは(無論偽名である)、直ぐにパチンコ玉に張り付けられたメモ用紙を確認し、直ぐに判別不能なレベルまで粉々に破り、トイレの下水に流してしまった。その後自室を出てこっそりとマンションの敷地内に出た、エルウィンは近くのマンホールを簡単に外して、下水道の中に入る。10分ほど下水道を移動し地上に出て、近くの無人のビルに入った。

 

そのビルは1948年秋ごろの完成の予定で、建設されていた5階建てのオフィスビルになる予定だった。しかし、開戦により経営者が巻き込まれ死亡してしまい、会社も倒産した。ビルは周囲に住宅地も無く倒壊しても、犠牲者は出ないと判断され放置されていた。

 

程なく屋上に出たエルウィンは、周囲を確認すると携帯型小型ラジオを取り出した。

寒いので、エルウィンは両手をこすり合わせてマッサージをする。白い息を吐くと、ラジオを手に取った。

無論それはラジオに見えるのは巧妙な偽装で、高性能無線機だ。彼は素早く暗号化し、キーを押し始めた。

 

 

「1220 PM2200 ノルト・アメリカ・フロッテ(ドイツ北米艦隊)ノーフォーク港ヨリ出撃セリ。編成ハ以下ノ通リ戦艦4、重巡1、中型空母1、軽巡1、駆逐艦10 戦艦ハ旗艦『フォン・ヒンデンブルク』ヲ含ム」

 

 

 暗号通信は直ちに、サクラメントの合衆国軍総司令部で解読され、シアトルや、カナダ西部のバンクーバーの日英軍司令部や、ハワイオアフ島の、真珠湾(パールハーバー)に進出した聯合艦隊総司令部などに転電された。

 

 同時にエルウィンの暗号無線は、キューバのグアンタナモでも傍受され、直ちに解読された。帝国海軍カリブ方面総司令部は、直ちにウィンドワード海峡を抜け、イスパニョーラ島北岸を通り大西洋に抜けようとしていた、輸送船団や護衛部隊に転電した。

 

 

12月21日 午前0時 イスパニョーラ島(ハイチとドミニカがある)北岸沖

帝国海軍第一戦隊 旗艦 秘匿名称『七号艦』艦橋

 

 が、その心配は杞憂だった。エルウィンの無電はしっかりと傍受されていた。戦艦は、駆逐艦や巡洋艦より遥かに高い位置に艦橋や無線のアンテナがあるので、他の艦より通信能力が遥かに高かった。史実でも戦いは完全に戦艦から航空機に移ってはいたが、アメリカ海軍も空母機動艦隊の総旗艦は、戦艦に置く事が多かった。

 

 

「畑少佐入ります!」

通信参謀の畑少佐が、艦橋に入って来る。手には通信文の綴り(つづり)を持っている。

「おぅ、残地諜報員からの通信か?」

『七号艦』艦長寺内正道少将が、ちらりと畑少佐の方を見る。

「恐らく港湾作業員として、潜り込んでいるのでしょう」

少佐は、寺内艦長に通信文を手渡した。

「私は通信室に戻ります。追加の情報が入るかもしれませんので」

 

朝までには、アメリカ東岸沖に配備された新型の蓄電池を大量に搭載した、新型『海中高速型』潜水艦や、海中で25ノットの高速走行が可能な、帝国海軍いや世界初の『核分裂動力潜水艦』(原子力潜水艦)からの詳細な情報が入る可能性は高い。

 

一礼すると畑少佐は退室した。それを見ていた第一戦隊臨時司令角田覚治(かくた・かくじ)大将が無言で頷き、寺内艦長は通信文を角田大将に手渡した。

 

 

「ついに奴がお出ましか」

角田大将はにやりと笑い、通信文を艦長に再び渡した。大将は空母戦闘や、航空機の知識も豊富だが元々は砲術が専門……つまり戦艦屋だ。2年半前の48年夏には、インド洋で戦艦の数では優勢だったイタリア海軍と、艦隊決戦を行い大勝利を挙げていた。

「直ちに、乗員に知らせますか?」

「そうだな、いや朝一番に通達しよう。それまでには詳細な続報が入るかもしれない」

「了解しました」

 

その頃司ちゃんは既に熟睡中。幸い警察やゲシュタポが事情聴取に来ることも無く、ミンツ中尉が「いらぬお節介」をしに来ることも無かった。

 

 

 

 司ちゃんが熟睡している最中、大西洋では大日本帝国海軍と、大ドイツ帝国海軍の『最大・最強戦艦』を決める戦いの機運が俄かに高まりつつあった。その戦いが、戦争をより激化させる方向に向かうのか、真逆に戦争を終わらせる方向に向かう契機になるのか、その結果を完全かつ正確に予想しえるものは、少なくとも生者の中には皆無だった。

 

 

ドシーン

「……ん……」←寝相が悪すぎてベットから落ちる司w

 

 

 

 

 

そしてそれは1300年以上の永きを生きる、司にも判らなかった。

 

 

クリストフ・ミンツ中尉

 

モデルはノイエ版銀英伝のユリアン・ミンツ(ノイエ版の声優は、巨人を駆逐してやると言っている人)

初陣での活躍も同じw(宇宙戦闘機3機撃墜+巡洋艦1隻撃沈)

 

パットンの発言も、ユリアンの大戦果を聞いた、とある人物のやや大人げない台詞からw

 

司ちゃん曰く「戦争犯罪に加担してはいない」

凄い美少年なので、ドイツやイタリアのみならず、旧敵国の英国人やアメリカ人からもラブレターが来る。

 

『アドミラル・ヒッパー』級重巡

 

ドイツ海軍の重巡洋艦。史実では重巡は『ヒッパー級』しか無い。意図的に独戦艦に酷似した外見になっている。

『プリンツ・オイゲン』は史実では、大戦を生き残り『長門』や、『酒匂』同様に46年夏のビキニ環礁での核実験で沈んだ。

艦これでは変な日本語「オイゲン語」を海外艦に広めているw(セッツブーン等 節分の事)

 

 

 

『フリードリヒ・デア・グロッセ級戦艦』

ドイツ海軍の高速戦艦。主砲は42センチ砲8門。史実でも計画は有った。(H型戦艦というやつ)

 

『モルトケ級戦艦』

帝国海軍の『超大和級戦艦』に対抗して建造された戦艦。主砲は50.8センチ砲8門。これも一応史実でも計画はされていた。

 

『フォン・ヒンデンブルク級戦艦』

 

北米艦隊旗艦で、大ドイツ帝国海軍最強の戦艦。『ビスマルク』の3倍の排水量。主砲は53センチ砲8門で、これは完全な架空の戦艦。

姉妹艦『デア・フリート・ランデル』は戦争の影響で工事が遅れていて、未だ未完成。

 

 

『イェーデ』

2万トン級の高速商船を改造した中型空母。ジエット戦闘機を運用できないので価値は低い。

 

航空戦艦モドキw

 

司ちゃんもあきれるほど役に立たなかったw 結局普通の空母に再改造するも、カリブ海で帝国海軍との戦闘で3隻とも喪失した。

ニコニコ動画では有志が作成した、CG動画を見れます。(外見だけならカッコイイ)

 

 

航空戦艦が役に立つのは艦これくらいw。後は艦船を自分で設計できる、コーエーの『鋼鉄の咆哮』位か(それでも、空母と戦艦は別に設計した方が良いw)

 

『FW-190』前期型

 

第二次世界大戦では大活躍した戦闘機。しかし、大日本帝国海軍の新型ジェット艦上戦闘機には到底対抗不能w

艦これには、これを空母着艦可能にしたのが登場。

 

『オマハ級軽巡』

 

米海軍が、1920年代初頭に建造した7千トン級軽巡。1950年代では完全に老朽化しているが、レッドサンブラッククロスでは使い続けられている。(新型軽巡は計画中止もしくは、漁礁なので)

史実では、日本海軍との戦闘はほとんど無い。艦これには未登場ですね。(こんな老朽艦を出されても困るw)

 

『ブルックリン級軽巡』

 

『最上型軽巡』に対抗して建造した。15センチ砲15門と強力な砲撃力を持つ。史実では終盤は、更に新型の軽巡が空母艦隊に配備され、輸送船団の護衛などの裏方任務に回された。

艦これには2隻が登場している。

 

空母『サラトガ』

『レキシントン』の姉妹艦、既に喪失した。

空母『レンジャー』

75機ほど搭載できる中型空母。しかし、今までは知名度は皆無に等しく、架空戦記での活躍もほぼ無かったが、2022年の艦これイベントで登場し、やや有名になった。

 

『明石型工作艦』

とても優秀な工作船(応急修理)。史実では、アメリカ軍の「最重要攻撃リスト」に入っていた。

 

最近艦これでは、イベント戦闘で艦隊に入れるとルートが短くなる事も。

 

『七号艦』

大日本帝国艦隊の秘匿戦艦。「戦艦大和を遥かに凌駕する戦艦」

 

旧コロラド州

 

カンザスの西にある州。東側は平原で畜産や農業が盛ん。西側はロッキー山脈があり標高が高く、観光業や鉱業が盛ん。ドイツ軍の占領下にある。

 

ミズーリ州

 

カンザスの東に位置する州。アメリカ合衆国から離脱を表明した州の一つで、時々司ちゃんがワープして暗号無電を打電する際に利用してる。

 

デンバー

 

旧コロラド州の州都 陳さんの親戚が居る。

 

シラキュース

カンザス州西部の町。人口は2千人に満たない。影響されたわけではないが別の熊の被害が出ている。

 

 

カンザスシティー

 

カンザス州東部の町。市街戦になり町は大きく破壊された。

 

 

クリード

 

コロラド州南部の鉱山町。人食い熊の被害が出ている。

 

アダムズ=合衆国第2代大統領 ジョン・アダムズ。初代国務長官でもある。

 

ジョナス・バリー

 

レジスタンスの大物だが、熊の犠牲になった。

 

エルウィン・スミス

 

アメリカ人の潜入諜報員。モデルは進撃の巨人のエルウィンから。

ほら、潜入スパイとかさせたら絵になりそうでしょw

 

情報投げ渡しは、昔読んだ架空戦記コミックのシーンを……

 

 

角田覚治 1890-1944

 

某角田課長の親戚では無いw

史実では、テニアン島(マリアナ諸島)で玉砕し戦死している。元々は戦艦屋だが、航空戦の知識も有りどちらでも活躍しているので、架空戦記では史実以上に大活躍してるw

 

レッドサンブラッククロスでは、イタリア東洋艦隊に大勝利を収めたりと大活躍。帝国海軍最強の第一艦隊第一戦隊の司令官

 

 

寺内艦長

 

『七号艦』艦長。史実では『雪風』艦長として有名。

 

畑少佐

 

通信担当士官、出身地は福岡県……の可能性もある?

 

 

 

 

 

1 史実で言うところの『松型駆逐艦』

2 1942年10月の「サボ島沖海戦」で喪失

 

 

メリークリスマス。本年の投稿はもしかすると最後になるかも。良いお年を

 

次回はいよいよクライマックスです。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。