ミーシャはかわいいですね。生きて♡
あとアキくんも死なないでね。
物騒な面子もあってか少し静寂と重苦しさのある部屋の中で、テストに向けての説明が始まった。
「これから君には、この二人とチェンソーの力を使って模擬戦を行ってもらう」
「模擬戦……」
「どうかしたのか?」
「イヤ!あの!チェンソーを使うと手加減が難しいんで、どこまでやりゃあいいのか……」
軽く刃が触れただけでも大怪我に繋がりかねない。それを想定しているデンジは、少し能力を出し渋っている様子だった。
それを見越していたケルシーは「問題無い」と一言伝え、そのまま話を続けた。
「模擬戦とは言ったが、今回行うことは防御のテストに近い。彼女達の攻撃に対してどう対処するのか、それを見せてもらうだけだ」
そう言うとケルシーは隣で静かに待っている二人の方を見やる。
「それに、彼女達S.W.E.E.Pは私直属の私兵に近い。その実力は確かなものだ。そう簡単には傷つけられないさ」
「はあ、なるほど?まあ大丈夫ってことなんすね」
それを聞いたデンジは一応納得したのか、テストの準備を始めるべく開始位置へと移動を始めた。それを見届けたケルシーは待機していた二人に合図を出す。
「では、予定通りテストを始めようか。レッド、スカベンジャー、準備は?」
見れば既に体制は万全らしく、レッドの両の手には小さなナイフが握られ、スカベンジャーは大剣を肩に担いで退屈そうにしていた。
「レッド、準備はできてる。いつでも、やれる」
「こちらもできてる。早く始めろ」
その様子を見て問題無いと判断したケルシーは二人から離れて安全な位置へと移動してから、デンジに対し呼びかけた。
「いいだろう。ではデンジ、君の力を見せてもらおうか」
ケルシーの合図を聞いたデンジは両腕の袖を捲り上げてから、その胸にぶら下げたスターターコードの取っ手に指を掛ける。そしてその腕をそのまま勢いよく前方へと伸ばした。
その瞬間、レッド達は姿勢を下げて完全な臨戦態勢へと移った。表情はただの模擬戦で向けるようなものではない、明らかな警戒の色が見える。
そしてケルシー自身もその異様な気配に気づき、一つ感嘆の声を漏らしていた。
「あれ、血の匂いだけじゃない、凄く嫌な匂い、する……!」
そう言い放つレッドの尻尾は大きく逆立ち、今にも射抜き殺さんとする目付きでデンジを睨んでいた。
獣の叫び声のような駆動音が鳴り響くと共に、デンジの身体からは大量の鮮血が飛び散った。その惨状の原因である三枚のチェンソー、そして異形と化した機械的な頭部が姿を現す。
「なるほど、あれがチェンソーマンか。確かに、見るものが恐怖を感じる程に威圧的な姿と言えるな」
それだけでは無い、圧倒的な気配と恐らく無意識なのであろう、その体から醸し出される殺意と死の匂いが他者を寄せ付けまいとしている。それはかの利刃と相対したとき以来に感じた強いプレッシャーだった。
その姿を見たケルシーは、間違いなくあれは手強い。
と、そう評した。
「よっしゃ!いつでも行けんぜェ?ケルシー先生!」
「それでは、始めよう。S.W.E.E.P、攻撃開始」
ケルシーの声で二人は一斉に飛び出す。先に攻撃を仕掛けたのは機動力が高いレッドだ。最高速度で獲物の急所を狙い、その鋭い牙を突き立てんとした。
だがそれは刃が届く直前で、手前にチェンソーを滑り込ませて即座に阻まれてしまう。
「ギャハハ!すげーはえーなァ!!」
「……ッ!まだ!」
間髪入れず、高速で攻撃を何度も叩き込んでいくが、その全てが目の前の悪魔に届くことは無い。
レッドの猛攻は全てチェンソーによって捌かれていく。
「オラァ!」
襲い掛かる攻撃をいなし、隙を狙い体に蹴りを入れてレッドを吹き飛ばした。
しかし、レッドもそれに気を留めることなく一瞬で体勢を戻し、今度は壁を蹴り跳ね、天井さえも足場にして部屋の中を縦横無尽に飛び回りながら攻撃を仕掛けていく。
「なんだそりゃあ〜!?」
赤い残像とアーツの軌道がデンジを囲うように流れていく。
アサシンとしての特殊な移動技術を応用した奇襲は、デンジの予想を超える挙動だった。
しかし、悪魔の反応速度も凄まじい。その動きにすら即効で対応して防御を続けていた。
スピードこそ遠くは及ばないが、その速度と身体能力を活かした戦い方はいつか見た隻眼の殺し屋を彷彿とさせる。
そう考えながら攻撃を躱し観察を続けていたデンジは、ふと、背後から近づく微かな足音に気がついた。
「ぅおっと!」
気配を察知したデンジは一歩横へステップで動くと、胴体の数ミリ手前を巨大な刃が通り過ぎていった。どうやら追いついてきたスカベンジャーの一撃らしい。
避けずにあのまま切られてしまえば、胴体が二つに別れていたことだろう。
彼女は横へ振り抜いた勢いでそのまま上体を捻って回転をかけ、上段から重さと速さを織り交ぜた一撃を振り下ろした。
「はぁッ!!……ッチィ!」
しかしそれも難なく片手で受け止められてしまう。
ギャリギャリと耳を劈く不響和音を奏でながら、チェンソーの回転により発生した火花が絶えず弾けていた。
「ヘッ!こんなんじゃまだ軽ぃな〜ッうおお!?」
受け止めた剣ごと振り払おうとした瞬間に直上から赤黒い衝撃が降り注いだ。
レッドのアーツ攻撃だ、電撃を含む真っ赤な衝撃波がデンジの全身を駆け抜け、短時間身体を麻痺させることで隙を生ませた。
「今!」
レッドの声で動いたスカベンジャーはソレを狙って勢いよく踏み込み、ガラ空きになっている腹に向けて大剣を突き出した。
「させっかア〜!!」
「ッ!?」
ただ痺れるだけの体が、一体なんだというのだ。そうデンジは体に鞭を打って無理矢理に腕を動かし、なんとかそれすらも防いでみせた。そのまま受け止めた反動で二人から距離をとる。
その狂った一連の動きを見たレッドは流石に動揺を隠せなかった。
「ッ、どうして?レッド、分からない……!」
「手足がブットんだりとか、全身がメッチャクチャになることに比べりゃあこんなん、どーってことねェな!!」
レッドの疑問をそう吐き捨てると、次に備えて再度構えた。
「……はっ、気が狂ってるな」
常軌を逸した答えにスカベンジャーは呆れた声でそう返す。
普通に考えて比較する基準が大分おかしいのだが、悲しいことにデンジにとってはそれが普通なのだ。今更、考えるだけ無駄なのだろう。
次は一体どう仕掛けてくるのかと、そうデンジが考えたときだ。
「──終わりだ。そこで攻撃を中止にしろ」
ケルシーから、終了の合図が掛かった。
「んだよ、もう終わりか」
声を聞いたデンジは両手を下ろして刃の回転を止める。楽しくなってきたところだっただけに、少し物足りないと感じているようだ。
同じく不完全燃焼だったらしいのか、浮かない顔でスカベンジャーは武器を下ろすと軽く悪態をつく。
「……邪魔してくれるな、いい所だったんだが」
「ヒートアップしすぎだ、スカベンジャー。途中から完全に殺し合いに発展していたぞ……まあいい、今ので大体の能力は把握出来たからな」
「チッ!」
不満げに舌打ちをする彼女をよそに、変身を解いて身体を伸ばしているデンジの元へ近づいていく。
「今の戦闘は、なかなか良いものだったぞ。レッドのアーツに耐えられる人物はそうはいないだろうな」
「へへ、あざす!こんくらいならドンと来いですよ!」
そう胸を張って調子良く返すデンジ。
エリートオペレーターとの試合では無いとは言えど、二人同時に相手取って間も無い。だがそれでも疲弊が見えてこない辺り、そのスタミナも相当なものだろう。
能力はわかれど、肝心な変身後のスペックの底が見えてこないことにケルシーも少々困惑していたが、いつまでもこうしていても仕方が無いと思考を切り替えた。
「……よし、ではこれで一通りここで行えるテストは終了した」
「え、これで全部じゃないんすか?」
ケルシーの言い方にデンジは疑問を感じて首を傾げる。
「あとは戦術立案能力のテストが残っているんだが、それはこれから君に与える任務などで追って測定させてもらうよ。……済まないが、今は重要な仕事がいくつか立て込んでいてな」
「へー、重要な仕事ってどんなんすか?」
「……今から数日後に、龍門に向かう」
「ロンメン?なんかの飯屋ですか?」
「炎国の都市の名前だ。そこで今後に関わる重要な交渉がある、それは君が巻き込まれたチェルノボーグの暴動とも関係することだ」
表情に大きな変化は感じられないが、デンジから見たその顔には何処か焦りが感じられたような気がした。
「なんか、それはまあ、大変そうっすね」
「ああ、そうだな。それはそうとデンジ、君に伝えておくことがまだある」
「ン?なんすか?」
「君には後日、顔合わせも兼ねて仮配属させる部隊の下に行ってもらう」
「部隊?」
部隊、つまり意味するところで公安のチームと同じようなものだろうか。
「ああ、行動予備隊A6。その部隊の下で、ここでの任務の動きを知ってもらう」
A4の子達が龍門編で出てきてるの見て、お前ら一緒に来てたんかワレェ!!ってなってました。
アニメは新しい気づきがあっておいしいですね。
この小説見に来た人はどれくらいなんや
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アークナイツだけ知ってる
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チェンソーマンだけ知ってる
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両方知ってる
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未来最高!未来最高!
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まだ休んじゃだめですよ。