作者の気分によって更新される完全不定期です。
女主人公のときも普通にあります。
話ごとの関連はないので1話完結という形でお楽しみください。
駄文ですが、他の素晴らしいアークナイツ小説の更新を待つ、つなぎとしてどうぞ!
「チェンはさー、その頑固で一辺倒なところ直さないとみんな近づいてきてくれないよ? ほんと、ただでさえ嫌われてるんだから。私とバグパイプぐらいしかまともな友達いないんだし。そんなんじゃ将来、部下に嫌われる上司になっちゃうぞー。」
学園の中を3人の生徒は話しながら移動している。その3人の表情は三者三様だ。その中のひとり、白い髪を持つループスは呆れたような顔を。そしてもうひとり、ヴィーヴルの少女は心配そうに、そしてその二人に挟まれている龍の少女は全くの無表情。
「そうだべ、チェンちゃん。このままだとチェンちゃんもっとみんなに嫌われちゃうべ。私もフルートもチェンちゃんがすごいいい子だって知ってるから、みんなに嫌われてほしくないんだべさ。さっきも不正をしようとしてたあの子が悪いのはわかるけど、もっと言い方とかやり方を変えないと、さっきもせっかくいい事してるのにチェンちゃんが悪者みたいになっちゃったべさ。」
その言葉の後、別に好きなわけじゃないけどなー、なんて言葉がループスの彼女の口から漏れる。
「そんなこと言ってもフルートちゃん、あの後みんなになんでチェンちゃんがあの子に対してなんであんなに怒ってたのか説明してたこと、誤解を解いてたこと、うち知っとるべさ。ほんと、フルートちゃんはチェンちゃんのことが好きだべ〜。」
「気のせいじゃないかな〜。あの子達とは普通に違う話をしてただけだし。チェンのことなんて全く話してないし。ほんと、ぜんぜん違うから。・・・バグ、何その顔。「・・・っていう照れ隠しだべな。」違うって!」
・・・ふふ。
「チェンちゃんが笑ったべ! それだべ! それをもっと色んな所で出せたら、みんな話しやすくなるべさ。そのしかめっ面から直していくべきだべ。」
チェンはふと昔から今までの彼女たちとの生活を振り返る。彼女たちがいてくれたから助かったことが何度もあった。傷の手当もそうだが、誰かと食事をとるのがあんなにも暖かいものだと思い出させてくれたのは彼女たちだったなぁと。だからこそだろう、彼女の口から無意識にその言葉が出たのは。
「別に、お前たち以外の友人などいなくてもいい。お前たちだけで私は十分だ。」
・・・ほえ?
言葉の意味を理解してか、フルートは髪をくるくるといじり始め、バグパイプは頬をかいていた。
「いきなり黙り込んで。急にどうした、お前たち? 体調が急に悪くなったか?」
「・・・ほんとその無自覚なところ。チェンの直したほうがいいところだと思う。」
フルートはそうぼそっと呟いた。
あの3人組は学園の中では、いい意味でも悪い意味でも有名だ。3人全員が全てにおいて成績優秀者であることももちろんのことだが、人付き合いがよく、友達の多い、フルートとバグパイプという二人組があの堅物の嫌われものであるチェンと一緒にいるということが、他の者達には特異なものとして写っていた。
そして、その3人はといえばちょうどお昼時、食堂で食事をとっていた。
テーブルの上に広げられるのはかなりの量が入っていると思われる弁当だ。この弁当はチェンのあまりの食生活の酷さに呆れた2人がチェンのために弁当を作って持ってきてあげたところからスタートしたものだ。
1日毎に交代でバグパイプとフルートが作っているが3人分ともなるとやはり量が多く一人で作るのはつらい。お互いに毎日手伝いに向かっていることを考えるに、ルール上は1日毎に交代ではあるが、実際は2人で毎日作っているという方が正しいだろう。
チェンは作っていないのか? 掃除も洗濯もまともにできない家事レベル壊滅級の彼女にそんな料理などという難易度カタストロフなことができるわけ無いだろう。これで、外では完璧主義を貫き通しているので、周りからは何でもできるスーパーウーマンだと思われているが、部屋の惨状を見れば誰もがその意見をくるりと180度入れ替えるだろう。
そんな3人の食事の席でいつも多く上がる話はやはりチェンのことだ。
「やっぱり親しみやすさが重要だと思うんだよね。あだ名とかさ。つけるとかはどう? いや、我ながらこれ、すごいいい案では?」
そんなフルートの案をぶった切るものがいた。
「馬鹿か。そんなもので寄ってくるのならとっくのうちに寄られている。というか、もう真面目に考えてないだろう。そんな程度の案しか出ないのならやめてしまえ。」
「ま、まぁ、考えて見るだけでもいいんじゃない? 意味ないかどうかは、やってみないとわかんないべ。」
「バグパイプ、やらなくてもわかることはたしかにこの世に存在するぞ。そして、それがまさにこれだ。こいつはまた馬鹿なことを考えてそれを吐き出すだけだ。」
そんな、会話は完全に無視だ。これは、伝統みたいなものなのだ。やらなければいけない行事と言っても差し支えない。
「そうだなぁ〜。気軽に呼びやすいのがいいよね。あと面白いともっといい。それを考えると、ん〜・・・はっ! いいのできちゃった!」
「どうせくだらんものだろうが聞くだけ聞いてやる。」
「フルートちゃん、あんま面白くなくてもいいと思うべ?」
二人の呆れているような視線をしっかりと受けながらそれでも、彼女は堂々と発表をする。
「私がいいなって思ったあだ名は! その名も、おチェンチェン! です。」
堂々と発表する必要のない、馬鹿すぎるあだ名が発表された。なんというか、あだ名というより仇名だ。チェンの顔にはピキピキと青筋が浮かび始めている。
「ふざけた由来があるんだろう? ん? なんだ、言ってみろ。」
「なんかね。聞いたところによると、極東のほうでは男の人のあそこのことをその、お○ん○んっていうんだって。やっぱ、学生には下ネタが一番刺さると思うんだよね。だからなかなかいい線いって・・ピギィ!」
当然フルートの頭にアイアンクロー。ヴィクトリアスラングを吐きながらの鞘打ちを受けた彼女は一言だけ残し、意識を失った。「頭が・・・潰れちゃう。」
「お昼食べよっか! もう結構時間も立っちゃってるべ。」
流石に、授業に遅れるのはまずい。急いで食べなければ。机に突っ伏してるやつはどうするのかって? 本人が勝手にどうにかするだろう。
「毎度のことながら悪いな、バグパイプ。こんなふざけた茶番に突き合わせて。」
「いつも楽しいからぜんぜん大丈夫だべ。フルートちゃん、少食だけど食べないとまずいからちょっとは残しておいてあげてほしいんだべ。」
わかっている。そう口にした後、チェンは弁当の中身をフルートのも含め腹の中に収め、ゆうゆうと教室の方へ向かった。
・・・あれ? 私のご飯は?
・・・仕方ないべ。今回はチェンちゃんも結構ご立腹だったべ。諦めるんだべ。
そんなぁ! バグパイプのぶんをちょっとだけ、ね?
うちのはもう全部食べちゃったべ。
その後の戦闘訓練では、いつもとはかけ離れた死んだような顔をしたループスの少女がいたとかいなかったとか。
そして月日は過ぎ、この学舎から去る時期になる。
ここに入ったばかりのチェンにとって、このヴィクトリアにある学び舎は、自らに能力を身に着け、向上させる場でしかなかった。だが、いつからだろうか。他にこんな大切なものができたのは。
バグパイプとの出会いは早かった。その頃、チェンは少しでも強くなるため、戦いの経験を欲していた。だからこそさまざまな者たちに模擬戦を申し込み、ボロボロになるまで戦いに明け暮れていた。
そんな中、戦った相手の一人が彼女だった。大きな槍を自由自在に操る彼女はそれまで戦ってきた相手の中でも最上位のクラスで強いと言っても過言ではなかった。戦いの連続で疲れが抜けていない体で戦ったのがだめだったのか。彼女に完全に打ち負かされ、気がつけば彼女に傷の手当をしてもらっていた。それが彼女との出会いだ。
後々聞いたところによると、彼女は戦う以前から私のことを知っていたらしい。一日に何個もの模擬戦を入れ戦いまくっているやつがいるという情報を聞いて、心配をしていたそうだ。そして、戦ってみたら案の定、本調子には見えない。前の模擬戦でついたであろう怪我も処置されてないまま見える。そんなこんなで私を気絶させ、傷の手当をしてくれていたということだった。
そこから、模擬戦が終わるたびにやってきて、傷の手当をしてくれたり、食生活の酷さから料理を作って持ってきてくれるようになったりとどんどんと距離が近づいていった。
おせっかいだと思うところもあるが、やはり今もたくさん助けられているなと思う。彼女がいなかったら私の学園生活はよりひどいものとなっていただろう。
フルートとの出会いはやはりこちらも模擬戦だ。とはいっても、バグパイプに小言を傷を手当してもらうたびに言われ続け、万全の状態でしかやらないと約束をされてからのときだった。
この頃の私はすでに、敵なしという状態にまで至っていた。戦う相手がいない、そんなときに現れたのがフルートだった。万全の状態で戦い、私はフルートに負けた。あのときは、かなり惜しいところまでいったと思う。交流が始まったのはそこからだ。その後、新たな勝ちたい目標ができた私は何度も彼女に模擬戦を申し込みに行った。だが、彼女が最初の一回以降受けてくれることはなかった。だが、何回も行ったのが功を奏したのか条件付きで許可をもらった。そこからが、彼女と私の奇妙な交流の始まりだった。
彼女は模擬戦をする条件に一緒に遊ぶことを入れてきた。街で服を買う。美味しいものを食べる。祭りに行く。少し経つとバグパイプもその遊びの中に加わりより様々なことをするようになった。
模擬戦のためだったお出かけは、いつしか条件だったということを忘れ普通に遊びに行くきっかけになった。彼女が私に戦闘以外のここでの楽しいことや面白いことを教えてくれたのだろう。
なぜそんなことをしたのかも未だに教えてくれないのだが。あの、ふざけたことを言うのも私のためだということをよくわかっている。ピリッとしてしまう私の雰囲気をいつもあいつが緩めてくれる。彼女がいなかったら私は他の楽しみを見つけることができず、私の学園生活はよりつまらないものになっていただろう。
まぁ恥ずかしいが、やはり彼女たちとのことを思い出してしまうのは今日が特別な日、卒業の日だからだろう。もしかしたら彼女たちとはもう会わなくなってしまうかもしれない。私はもう龍門近衛局への入居が決まっている。そう思いたくはないがこれが最後の別れの可能性もある。だからこそ、この内に秘める思いだけは伝えなければ。
決意を胸に彼女はもう二度と帰ることはない部屋を出た。
「卒業式はつつがなく終了。卒業生代表はもちろんチェン。あの事件での活躍をきっかけに校内での人気も高まり皆に祝福され、卒業を惜しまれながらこの学校を去る。いい終わりじゃないか。本当に。」
学校の屋上、扉は施錠されており、本来は誰も入れない場所から、ループスの少女はクラスの仲間から囲まれもみくちゃにされながら、祝福を一身に受けている龍の少女を眺めていた。
そんな彼女一人だけの空間に、新たな人影が増えた。
「あれ? 誰も来れないと思ってここに来たんだけどなぁ。」
「フルートちゃんが一人になりたいときはいつもここだべ。それに、ここに来る方法を教えてくれたのもフルートちゃんだべ。」
「そうだね。バグにだけは教えたんだった。・・・それで、何しに来たの?」
「どうせ、このままチェンちゃんに会わずに帰るつもりだったでしょ? だから呼びに来たの。」
その言葉を聞いたフルートは驚いた顔をして、よくわかったねと呟いた。
「親友だべ? そんなのわかるに決まってるべ。それにフルートちゃんは考えてることわかりやすいんだから、すぐに分かっちゃうんだべ。」
そんなに出てたかなぁ? 彼女は笑いながらバグパイプに向き直った。ほら、行くべ。そう言って彼女の手を掴み連れて行こうとしたバグパイプだったが彼女の腕はフルートによって振り払われた。
「行かないよ。もし会っちゃったら言いたくなっちゃうでしょ? せっかくの卒業式なんだから、ハッピーで終わらせないと。」
「それは、言っちゃいけないことなんかじゃないよ、フルートちゃん。チェンちゃんがフルートちゃんの思いに応えてくれないって決まったわけじゃないでしょ?」
「バグ、女の子が女の子を好きになるって普通じゃないんだよ。マイノリティなの。」
「人が人のことを好きになるのって全然おかしくないよ。それがおんなじ性別だって好きになったら好きなんだもん。それに、あーだこーだは無いよ。」
バグパイプは彼女がチェンに恋心を持っていることを知っていた。どれだけ思っているのかも無理矢理ではあったが聞き出した。その思いを聞いているバグパイプだからこそ、チェンに思いを伝えてほしいと思ったのだ。
長年秘めていた恋心だ。きっと伝えなければ後で必ず後悔する。その確信がバグパイプにはあった。そんな思いを親友にはしてほしくないのだ。これがおせっかいだとわかっていても。
「でも、もうだめなんだよ。私には資格がないの。」
「好きを伝えるのに、資格なんていらないよ。その好きって気持ちは今伝えないと絶対後悔する。次はいつ会えるかなんてわかんないんだよ?」
「彼女の相手はきっと彼女の隣で歩ける人じゃないといけないの。彼女くらい意思が強くて、横に立って支えてあげられる人。でも私は違う。そんな力はないの。彼女に手を引っ張ってもらうことになる。もし受けれてくれたとしても、彼女の重荷になるのは耐えきれない。それだけなの。」
顔には一面に悲しみの色が広がっていた。今この空に広がる青空と同じ色なのに全く真逆の様相を見せていた。
「そんなことない! フルートちゃんはダメなんかじゃ・・」
ダメなんだよ!!
バグパイプの言葉に被せるように、彼女の言葉を言わせまいと叫ぶように彼女は言った。
「こんなところで悩んで言いに行ってない時点でその程度なの。私の気持ちなんて、その程度なんだよ。それに、言わないほうが誰も傷つかない、そうでしょ? だからもういいの。チェンには今のままでいてほしいの。」
傷ついてるよ。フルートちゃんはずっとその気持ちを抑えて苦しんでた。フルートちゃんの気持ちはそんな軽いものじゃない。その程度なんか言っちゃダメ。色んな言葉が浮かんでいた。何を言ったら、どんなことを伝えたら。そんな考えは彼女の表情を見て、吹き飛んでしまった。
フルートはチェンを見て笑っていた。笑いながら泣いていた。その瞳から水色のしずくを落とすたびに一つずつ、一つずつ大切だった思い出を体から洗い落としていくように。
「・・・だめだよ。そんなことしちゃだめ。」
フルートのことを抱きしめる。バグパイプは反射的にそうしなければいけないと思った。早くその涙を止めなければ。でも、言葉は浮かんでは消えを繰り返し、肝心の言葉が出てこない。
そして、そんなことを繰り返すうちに全ては終わっていた。優しく抱きしめていた腕が剥がされる。狼のようなキリッとした琥珀色の瞳はすべてを決めた目をしていた。
「この思いは伝えない。最初から決めてたことだから。でも、聞いてくれてありがとうね、バグ。チェンにはおめでとう、向こうでも頑張ってって言ってたって伝えておいて。」
それを言い残すと彼女は屋上から消えていった。もう引き止めることはできなかった。
「チェンちゃんはフルートちゃんのこと好きだったと思うよ。絶対好きだった。・・・絶対。」
その言葉は雲ひとつない晴天に吸い込まれ、誰の耳にも届くことなく消えていった。
あのときからいくつ年が経っただろうか。フルートと呼ばれていたループスは今は名前を変え、ある組織に属していた。
「ラメント、あんた、会議のとき心ここにあらずって感じだったけど、どうかしたの?」
組織の中では比較的中の良くなった赤い角を持ったサルカズの傭兵が不思議そうに聞いてきた。いつもは真面目に聞いていたからか、真面目なイメージなんて作らなければよかったと今更後悔する。
「いえ、ただ考え事をしていただけですよ。」
そう言って彼女の方に顔を向ければ心底驚いたような顔。そんな顔をされる覚えはないと思うのだが。
「あんたって、いっつも機械的に言われたことこなして、ほんとに人間? って感じだったから。ほんとは全身機械で出来てるんじゃないかって思ってたわ。」
人間とすら思われていなかったのは悲しいことだ。だが、機械か。機械の体だったらあんな思いしなくてもすんだのかもしれないと思うと、いや、やはり人間として生きては行きたい。
「それで、どんな事考えてたの? あんたみたいなのが考えてること、ちょっと気になるわ。」
「そんな、すごいことじゃありませんよ。ただ、このレユニオンという組織について考えていたまでです。」
ふ〜ん、で? これは続きを催促されていつのだろう。考えをまとめながら、ポツポツと話し始める。
「私は、このレユニオンという組織を倒してくれる組織を探しているんです。本当は救ってくれる組織を探していましたがそれはもう無理そうですし。」
レユニオンの幹部とは思えないようなセリフね。あの白服のチビに言ってたら殺しに来てたわよ。
それはそうだ。ちょっとメフィストくんは忠誠心が高すぎる。
「この組織は虐げられてきた感染者が集まり、団結し、自らの未来を切り開いていくための組織だと思っていました。もしかしたら、最初はそうであったのかもしれません、ですが、タルラ。彼女はあまりに眩しすぎた。そして、我らが同胞たちは人から獣へと落ちてしまった。」
ここで、Wから抽象的すぎるわという抗議の声が入った。
「そうですか、組織の指導者というものは光です。暗闇で進む道すら見えず立ち止まる私達に、光を照らしてくれます。そこからは私達次第です。自らの決めた道を私達は進むでしょう。
ですが、彼女の炎はあまりにも眩しすぎる。道も暗闇も、全てを消し去ってその炎しか見えなくさせてしまう。そうなれば、後は飛んで火に入る夏の虫と同じです。
彼女という炎に自らの意思を焼かれ、彼女の復讐の火をさらに大きくする薪となるだけ。そこに自らの意思はなく彼女の願いに答えるだけの獣となる。
そして、獣はその身が燃え尽きるまで止まることはできない。だからこそ、止めてほしいのですよ。
その点で言えばロドスには期待をしています。彼らは私達と同じでありながら人で有り続けることを選んだ組織でしょうから。」
ロドス〜? あのクソ猫と裏切り者がいるところが?
そんなことを言われても私にはなんのことかちんぷんかんぷんだ。
「本当は私が救えたらと思いますが、私にはそんな力はないのです。だからこそ、人であるフロストノヴァさんたちやパトリオットさんたちにはマドロックさんたちのようにここから離れてほしいという気持ちはあるんですよ。あの人達のような優しい人達がこのようなことをするべきではない。
もちろんWさんもですよ。あなたはとても優しいですから。バレてないと思ってるようですが。そっけないように見えて仲間のことを考えている。そんなところが私は好きですよ。」
「はぁ〜? なにそれ、もしかして口説いてる? 残念だけど趣味じゃないの。ごめんなさいね。」
「残念ながら私が恋をしていた相手は昔から今まででたった一人だけです。」
「それについても気になるけど、もう作戦の開始時刻までもうすぐね。ま、お互い死なないように頑張りましょ? あ、これが終わったらさっきの話、聞かせなさいよ?」
それを聞いてラメントは笑ってこう言った。
「そういう事を言うから、優しいってバレちゃうんですよ。」
龍門か。もう二度と会うことはないと思っていましたが、こんなところで可能性が出てくるなんて、運命は残酷だ。
仮面をつけ、フードをかぶる、腰についているベルトに2本の刀をさす。
運命よ、どうか交わることなく
作戦開始だ。
最後のレユニオン編は作者の完全な趣味です。ある一言を言わせたいがためだけにこれを付け足しました。
まぁ、こんな最後で終わるのも悲しい感じがするのでもしかしたらの未来というところで少しここに書いておきます。読み飛ばしていただいても構いません。
「今日はあの施設の資料をまとめて、あと、訓練の依頼か他にもあったが。」
時計を見るともう8時そろそろいい時間帯だろう。寝ぼすけのうちの狼を起こしてやらなければ。
「フルート、もう時間だぞ、起きろ。早くしないと遅刻するぞ。今日は加工所で早くから仕事があっただろう?」
そう言ってもなんの反応も返さない。彼女は本当に朝が弱いのだ。それに昨日の夜はかなり疲れさせてしまったこともある。まぁ、フルートから尻尾を絡ませて誘ってきたのだ。私は悪くない。
布団をはぎ、肩をゆすり、耳をフニフニしていると、ようやく彼女は目を開いた。
「むぅ〜、チェン、あはよ〜。」
ふわぁ〜、なんて言いながら大きなあくびをしている。のんきなものだ。
「ねぇ、・・・その、・・おはようのあれしてよ。」
昔はこんなに甘えてくることはなかったはずだったが、いつからこんなふうになってしまったのだろう。だが、こんな甘々な姿を見せてくれるのは私とふたりきりのときだけだ。私の独占欲はこれで満たされていると言ってもいいかもしれない。
彼女が特別であるからこそ、やはり意地悪をしたくなってしまうというものだ。
「ん? あれとはなんのことだ?」
「その、だから・・・」
顔を真赤にしている姿も愛らしい。このままずっと愛でたくなってしまう。
「おはようの、ちゅ〜、のこと、なんだけど。」
うちの嫁が可愛すぎる。恥ずかしがりながらもキスを求めてくるところに愛されているということをひしひしと感じる。
それに手をこちらに広げて抱っこしてのポーズを取っているのがあまりにも周りがいるときとのギャップを感じて萌えてしまう。
そんな可愛い奥さんの要望に応え、抱き上げながらキスをする。
「ん、完全起床!」
「それは良かった。朝のコーヒーを準備してこよう。」
そして、キッチンへと向かおうとしたその時、体を後ろから抱きしめられた。そして、
「いつもありがとう。大好きだよ、チェン。」
と耳元で囁いた。
理性がどんどんと溶けていく。今すぐ後ろのベットに押し倒してしまいたい。が、私をこんな気持ちにさせた本人は、早く着替えなきゃとかなんとか言って、服のしまってあるクローゼットへと向かっていった。
仕事が終わったら、だな。
「はぁ、ほんとあれが無自覚ところ。フルートが直したほうがいいところだな。」
ということで拙い文章だったと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
皆様に良きアークナイツライフがあらんことを!