失踪からはるばる帰ってきました狐さんです
今日は何の日?ってもう12日じゃねぇかと。
間に合ってねぇじゃんかと?
ま、まぁ一日クオリティなので許しつかぁさい…という訳で超短めのお話ですがどうぞごゆっくり。
ここはトレセン内のある一室…
と、言うよりは空き教室だった旧理科室、ここで今日も日夜研究に明け暮れるウマ娘が1人…
彼女の名前はアグネスタキオン
皆からはマッドサイエンティストと呼ばれ、一部のウマ娘からは強引な実験をされたトラウマにより
姿を見るだけで逃げ出す者も居るくらいの研究バカである。
タキオン「うーん…また失敗のようだねぇ…今回は配分を変えてみたのだけれどダメなようだねぇ…やはり根本から見直すべきか…?いやまだ他に方法は…」
ガラガラッ
学校特有の引き戸を開ける音がして、1人のウマ娘が入ってくる。
アグネスタキオンにあまり交友関係は多くない方でありましてやここに来る物好きなど限られているため検討はあらかたついていた
タキオン「ゆっくり開けるその感じ、そしてこの時間…マンハッタンカフェで間違いないかい?」
カフェ「…当たりです、というかどうしてそこまで分かるんですか…」
彼女の名前はマンハッタンカフェ。
この部屋のもう1人の所有者、アグネスタキオンと同室のルームメイトのようなものである。
彼女は他の人に見えないお友達が見えており
高い確率でお友達と喋っている
この部屋の半分は旧理科室という事もあり研究室のようになっているが、もう半分は彼女のスペースとして色々なものが置かれている。
タキオン「何、ここに来る物好きはカフェかモルモットくんくらいだからねぇ!」
自慢げに言うがそれを人は嫌われていると呼ぶ
そんなこともお構い無しに元気なタキオンに対して
カフェ「まぁ半分は私の部屋でもあるんですけどね…」
と呆れた顔で呟くマンハッタンカフェ
いつも通りの午後三時頃である
タキオン「まぁまぁそれはさておき、カフェがここに来たってことはカフェの分の珈琲と私の分の紅茶を入れてきてくれたんだろう?」
ぐるっと振り向いてお盆の上に乗ったいつものティーカップを指さす
カフェ「まぁ…そろそろ休憩するかと思いましたので…」
若干微笑みながらテーブルにお気に入りのマグカップとタキオン用のマグカップを起き、いつも座っているソファーに腰を下ろす。
タキオン「そして今日のお菓子は…。ほほう?ポッキーにプリッツかい?珍しいねぇ、カフェが手軽なお菓子なんて…どうしてだい?」
珍しいチョイスに素直に疑問が浮かび
咄嗟に質問をなげかける。
カフェ「今日は11月11日…ポッキーとプリッツの日ですからね…年中ここに篭ってるタキオンさんには季節感も大事かと思いまして…」
辛辣な一言、普通の人間なら若干落ち込むレベルの一言をなんの躊躇いもなく言い放つ。
タキオン「あっははは!そうかいそうかい!私の為という訳か…!有難く頂くよ」
相変わらずのポジティブ思考200%で全く落ち込むことなく感謝を述べるタキオン
ただ普通に食べるのもつまらない…と
タキオンは1つ、思いついた事を提案した
タキオン「そういえばカフェ、世間にはポッキーゲームなるものがあるらしいじゃないか」
ポッキーゲーム…!
それは恋人が1本のポッキーを使い、折れずに食べ進める事が出来れば最後には自然とキスをする流れに持ち込める吊り橋効果を遺憾無く発揮させる
心理戦である!
本来は男女でやるのが一般的なのだが、最近では女子同士でもやる人が増えたりしている。
タキオンが行っている研究対象の1つに吊り橋効果による感情の増加というものがあり、それを今ここで試してみようと咄嗟に思いついてしまったのだ!
ちなみにモルモットくんに投げる予定でもあるが予行練習がてらカフェとやってみよう、そうすれば研究時間が少なくて済むという効率も考えた末の選択肢なのである。
カフェ「…えーと、お互いが端からポッキーを食べ進めて折れずにどこまで迫れるか…というゲーム…でしたよね…」
タキオン「そうだとも!世の恋人同士がやりたがる理由がわからなくてだねぇ…試してみたいのだよ!」
それっぽい理由つけてやらせればどうにかなんだろと半ばゴリ押しで通そうと浅はかな考えを見せるタキオン
カフェ「……それ私である必要って…」
タキオン「まぁまぁ!いいじゃないか!カフェもあのトレーナーとやってみたいんじゃないのかい?」
カフェ「…それは…そうですけど…」
少し思考が揺らいだカフェ…実はカフェ自身も提案しようか迷っていたのである。
ただ、タキオンから動いたのが珍しく、ブラフと読んで否定したら念押ししてくるので動揺している。
実際はトレーナーじゃなくてタキオンさんとやりたいのが本音ということは隠しつつ…
カフェ「……分かりました、やりましょうか…」
タキオン「そうと決まれば善は急げだ!早速やってみようじゃないか!」
そう言って持ち手を咥えてカフェが咥えるのを待つタキオン、それに対して内心少しドキドキしながらポーカーフェイスを保ちつつゆっくりと先端のチョコ部分を咥えるカフェ
タキオン「いいかい…?」
カフェ「…えぇ…タキオンさんからどうぞ…」
サクッ…
タキオンが1口食べてみるが、割と進まない
タキオン「…やって見てわかる事というのもあるものだねぇ…コレ、案外難しいんじゃないか…?」
カフェ「…次は私の番です…」
サクッ…サクッ…
カフェが2口食べ進めるもやはりタキオンと変わらないくらいしか進んでいない…
カフェ「………これは…意外と難しいですね…!」
タキオン「だろう?だが折れるか折れないか、そしてゆっくりと食べ進めることによるこの胸の高鳴り…確かに恋人同士でやりたがるというのもわかる気がしたよ!」
カフェ「……いや…そこまで具体的に言わなくても……」
恥ずかしげもなく解説をするタキオンに対して少し顔が赤くなってきてポーカーフェイスが崩れつつあるカフェはボソボソと呟く…
タキオン「…なんか言ったかい?」
カフェ「いえ、続けましょう……ほら、次はタキオンさんの番ですよ…」
タキオン「なんだい?いつにも増してノリノリじゃないか…」
カフェ「気のせいです…!」
多少の疑問は持ちつつ、サクッサクッとポッキーを食べ進める…
流石にここまで来るとはお互いに思っておらず互いに意識し始める…
タキオン「(想定より早いペースで来てないかい…!?というかここまで折れないものなんだねぇ…!?つくづくポッキーの強度を侮っていたかもしれないねぇ…というか本当にキスしてしまうのでは…!!?確かに好きではあるが…カフェがどう思ってるか分からないし…このまま行っていいものなのだろうか…?)」
カフェ「(…もう結構近いような気がするのですが…もしかしてこのまま折れなかったりします…?キスまで行ってしまうのでしょうか…?このまま行って引かれたりしたらそれはそれで悲しいですが…そういう人でもなさそうですし…もう後戻りもできませんし…あぁでも緊張しますね…本当にドキドキして食べ進める事が難しく…!)」
互いに顔が赤い状態でカフェが動く…
サクッ…
カフェは一口で行けると思ったのだろう、だが若干届いておらず更に近付いただけ…
カフェは「えっ?届いてないの」というキョトン顔
タキオンは覚悟を決めて最後の距離を詰め…
チュッ…
ゴォォォォォル!
無事に互いの唇にたどり着き、一瞬時間が止まったような感覚に陥る…
互いに初めてのキスを捧げ、タキオンが離れようとしたその瞬間
カフェ「っ…」(タキオンの手を掴む)
タキオン「……っ!?」
タキオンは驚き固まった…、それもそのはずこの手を掴む意思表示はカフェが離さないで欲しいという時にする動きだからである…
内心焦りだすタキオンに対して、キスを存分に満喫するカフェ…30秒ほどこの状態が続き、そっと唇を離した…
タキオン「……」(口がパクパクしている)
カフェ「…もう1回やりませんか?…」
タキオン「い、いやもう充分に…」
カフェ「……私とはもうしたくないんですか…?」
上目遣いで甘えてくるカフェ…可愛いと思ってしまったタキオンは、あのキスの味を忘れられず抗える事も出来ない…理性は爆発寸前…取る選択肢はもう、ひとつしか無かった。
タキオン「……あーもうわかったわかった…!気が済むまでやろうじゃないか。ただその前にカフェの入れてくれた紅茶を楽しもうじゃないか…ポッキーゲームはその後でもいいだろう?」
カフェ「…ふふっ、そうですね…でもいいんですか?今日の研究は出来なくなってしまいますが…」
タキオン「なぁに、薬品作りなんていつだって出来るだろうし、今は実験台が居てくれるこっちを優先することにしようじゃないか!」
カフェ「……本当はどうなんですか?」
タキオン「…ちょっといいかなって思ってしまってだね…何しろこの感情は初めてでね…内心処理の仕方に迷っているところでもう一度試してみたいというのが…はっ…」
カフェ「相変わらず…甘えるのが下手ですねタキオンさんは…」
タキオン「むぅ…そういうところだぞカフェ〜…ずるいじゃないか、私にだって格好をつけさせてくれよ…」
時計は午後3時半を回ったところ、今日の休憩は少し長引きそうだ…そう感じた2人だった。