仮面ライダーエネシス   作:テンカイザー

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初のオリライです。

今回は一先ず軽く世界観を描きました。
あくまでもほんの触れ込みですので内容は薄いです。
どうか暖かい目で見てくだされば幸いです。


Episode.0 Calm before the Storm

 ––––––『地球』

 全ての生命にとって楽園と言える筈だったその場所は、突如として地獄へと変えられた。

 

 なんの前触れもなく宇宙の彼方から降って来た四つの巨大隕石------通称『ニビル彗星』は、高濃度の毒素により地球の大気汚染を急激に加速化。

 さらに人類を襲う異形の怪物––––––『ダストート』をも生み出した。

 

 後に人類史に深く刻まれることとなったこの事件により、人々の多くは死に絶えた。

 僅かに生き残った者たちは、懸命に未来を求めて地獄に抗い続けた。

 

 そして、長い時を経て人類は新たな希望を掴んだ。

 

 何十年にも及ぶニビル彗星の研究の末、人類は人体に無害な次世代型エネルギー『グレース』の開発に成功。

 そこから新たな技術を会得し、人類は瞬く間に新たな文明を構築していた。

 

 更に数年後、ニビル彗星を保持する四つの各企業を中心にコミュニティを形成。グレースのテクノロジーによって出来た巨大バリアに覆われた都市にて、人類は新たなる繁栄を遂げた。

 

 

 

 

 

 

 

 ………その裏で、自分たちが新たな危機に直面していると知らずに。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

 彼の生き方を言い現すのであれば、それはまさに「風」。

 何者も寄せ付けない、阻む者を全て吹き飛ばし、己の道をただ突き進むだけ。

 

 今日も彼は、愛用のオートバイに跨り町を駆け抜けていた。

 視界に映る全てを通り過ぎて行き、何も考えずにただ前だけを見て走り続ける。

 彼にとって、自分が風になっていると感じられる至福の時間であった。

 

––––––prr prr

 

 

 そんな彼を苛立たせる耳障りな音が突然鳴り響く。

 苛立ちを含んだ乱暴な手付きで、彼は雑音を鳴り止ませるべくハンドルの間に設置されたモニターに触れた。

 

「何度やれば気が済む?今ので気が害されたぞ」

『相変わらず手に負えない暴風だな君は。だがここは素直に謝っておくよ、すまなかったね』

 

 彼の無愛想な物言いに、通信の相手はどこか紳士的な態度で応じる。

 実際このようなやりとりは初めてではない、これまで何度も連絡を取る度に彼はこのような無愛想な態度ばかりを取っていた。手に負えないと言うのも俯けるほどだ。

 

「さっさと要件を済ませろ、これ以上俺を荒れさせるな」

『あぁ、そうさせてもらおう。急で悪いとは思うが、()()()()()()()

 

 その言葉を聞いた途端、彼はまた更に苛立ちを募らせながらも、どこか決意を抱いたような顔となった。

 

「急に風向きを変えやがったんだ、しっかり準備を済ませておけ。でなきゃもっと荒れるぞ」

 

 そう言って、彼は本来想定していた道筋から外れどこかへと向かい始めた。

 

『あぁ、しっかりしておくとも。君は暴風であると同時にこの町に希望を運ぶそよ風なんだ、君が万全の状態で戦地へ赴けるようこちらもベストを––––––』

 

 相手の物言いが気に入らなかったのか、彼は最後まで聞くことなく通信を切った。

 彼と言う風は突如として風向きを変え、己の行くべき場所へと向かいはじめる。

 

 

 

 

 

 

 

 今日も彼––––––『風陣和斗(ふうじんかずと)』は、戦場に風を吹かす。

 

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

 

 かつて生命が溢れていた場所であったそこは、今となっては荒れ果てた大地と化していた。

 

 辺り一面にかつての文明の残骸が広がる風景。

 大気汚染により、空気さえもが赤く染まり全てが霞んで見える視界。

 

 生命を何一つ感じさせない場所。

 だが、そんな場所にも動く複数の影があった。

 

 それは、正に見る者全てを恐怖させる異形の存在だ。

 まるでスクラップを人型にしたような身体からは、大量の結晶が生えており異様な光を放っている。

 その異形の姿からは生命を一切感じさせずも、怪しく辺りを彷徨くそれはまるで動く亡骸のようでもあった。

 

 異形の怪物––––––『スクラップ・ダストート』が大量に蔓延り、汚れた空気が全てを霞む世界。

 まさに生命の存在を許さないような地獄とも形容すべき場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––そんな場所に、足音が鳴り響く

 

 音に反応したダストートたちは、一斉に音の発信源の方を向く。

 

 そこには、一つの影があった。

 霞んだ空気によりはっきりと視認出来ないが、それは徐々にダストートの方へと向かっていた。

 

 やがて姿が視認出来るほどまでそれは近づいて来る。

 その姿は、正に()()()()()であった。

 

 黒のアンダースーツの上に、工場のダクトを模したかのような装甲。

 その胸の真ん中には、赤い風車が付いている。

 腰には扇風機のような形をしたベルトを巻き、その右横には乾電池のような物が刺さっていた。

 顔には仮面の戦士と形容する通り、深緑色の仮面を被っている。

 まるで虫を思わせるようなクラッシャー、赤く光を放つ複眼、さらに真ん中には風力発電機を崩しまるで触覚のように見せた意匠。

 

 その機械的な姿は、明らかにダストートとも異なる別の存在であることは一目瞭然だ。

 

 すると、その者の1番近くにいたダストートが彼の方へ進み出した。

 自分たち以外の存在を許さないがためか、ただ単に本能による物なのか、それは知る由もない。

 

 一方で、仮面の戦士は近づくダストートを見据え、そして––––––

 

「––––––!」

 

 ダストートを殴り飛ばした。

 殴られたダストートは後方へ大きく吹き飛ばされ、まるで崩れ落ちるかのようにその姿を消した。

 そこには、ダストートの身体から生えていた結晶のみが残っている。

 

「……不用意に暴風に近づくものじゃねぇ、吹き飛ばされたら終わりだぞ」

 

 そこで仮面の戦士は、初めて声を発した。

 同時に、他のダストートたちは一斉に仮面の戦士へと向き直る。

 感情が読み取れないその顔には、明らかな敵意が宿っていた。

 

「さあ、吹き荒れるぜ」

 

 その言葉を皮切りに、仮面の戦士は自らダストートの群れへと向かった。

 真っ先に近くにいたダストートをまたしても殴り、時折り別の方向へ蹴りを入れながらダストートたちを蹴散らしていく。

 

 その姿はまさしく、自身を中心に全ての者を吹き飛ばす風の如く。

 

 そして仮面の戦士は瞬く間にダストートを倒し、気づけば残りは一体となっていた。

 

「––––––はっ」

 

 すると仮面の戦士は高く跳躍し、空中で右足を前に突き出す。

 

「––––––おらぁっ!」

 

 飛び蹴りを喰らったダストートは今までの中で一段と派手に吹き飛び、爆発四散した。

 

 全ての敵を倒した仮面の戦士は地面へと降り立つ。

 その周りには、先程倒した怪物であった結晶が怪しく光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––『仮面ライダーエネシス』

 その風の向かう先は、果たして……




次回からはよりキャラや世界観の掘り下げを描く予定です。
どうか気長にお待ちを。
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