KAMEN RIDER WISEMAN IN FAIRY TAIL   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第二十話 妖精の尻尾vs幽鬼の支配者⑦

 ジョゼが上げた手を、ワイズマンは見ていた。掌に集まる魔力が膨らむ。黒紫の光が、その指の間から漏れ出した。

 

「まずは、貴方からにしましょうか」

 

 放たれた波動が、通路を埋めた。奏太は横へ跳ぶ。同時にハーメルケインガンを銃へ切り替え、引き金を引いた。銀色の銃弾が、ジョゼの肩へ向かう。

 

 ジョゼは足を止めたまま、片手を動かした。銃弾が潰れる。その向こうで、男の笑みは変わっていなかった。

 

「……挨拶にしては、控えめですね」

 

「まだ始まったばかりだろ」

 

 奏太が答えた瞬間、床を這っていた黒い影が立ち上がった。横からだ。

 

 銃を戻す余裕はない。左腕で受け、身体を捻る。白い装甲へ衝撃が走り、足元の石が砕けた。

 

「ソウタ!」

 

 エルザの剣が、伸びた影を断ち切る。奏太は片膝をつく前に踏み直した。腕は動く。だが、狙っていた位置から大きく押し出されていた。

 

 正面の波動だけが攻撃ではなかった。避けた先にも、ジョゼの魔法は届いている。

 

「上も見ろ!」

 

 グレイの声と共に、氷の壁がせり上がった。頭上から落ちてきた魔力が、その表面を叩く。ひびが走り、白い欠片が奏太の肩へ降り注いだ。

 

「助かった!」

 

「礼は後だ!」

 

 グレイが手を合わせ直す。

 

「アイスメイク――槍騎兵!」

 

 氷の槍が、ジョゼへ飛ぶ。エルフマンも前へ出た。獣の腕を床へ叩き込み、跳ね上がった石片ごと敵を狙う。

 

 ジョゼの目が、二人へ向いた。

 

「何度やっても同じですよ」

 

 黒紫の魔力が、氷の槍を呑み込んだ。エルフマンの足が止まる。踏み込んだ場所に現れた影が、右腕へ絡み付いていた。

 

「なっ……!」

 

「エルフマン!」

 

 グレイが駆け寄ろうとする。ジョゼは、もう片方の手を開いた。

 

「デッドウェーブ」

 

 床が鳴った。先程よりも広い波動が、二人をまとめて押し流す。

 

 ワイズマンは右手をベルトへ翳した。

 

〖バリア! ナウ!〗

 

 オレンジ色の壁が、グレイ達の前へ現れた。そこへ、黒紫の魔力がぶつかる。

 

「……っ!」

 

 防御壁が軋んだ。奏太は腕を下げず、足を踏ん張る。二人が退くには、もう一瞬必要だった。

 

「下がれ!」

 

 エルザが叫ぶ。グレイがエルフマンの肩を引き、その場を離れた。

 

 次の瞬間、光の壁が砕けた。

 

 残った波動に押され、奏太の身体が床を滑る。背中が柱へぶつかり、息が詰まった。遠くで、崩れた石の下へグレイの片腕が沈むのが見えた。

 

 ジョゼは、ゆっくり手を下ろした。

 

「仲間を庇う。結構な事です」

 

 男の足音が近付く。

 

「そうして一人ずつ動けなくなれば、私の手間も省けますからね」

 

 奏太は銃剣を床へ突き、身体を起こした。まともに受け止めるには、出力が足りない。防ぐ場所を絞っても、ジョゼの方がその上から押し通してくる。

 

 だが、今ので終わりにするつもりはなかった。

 

「……エルザ」

 

「分かっている。二人を頼む」

 

 彼女が、前へ出た。光が身体を包む。白い翼と宙に浮かぶ剣が消え、黒い鎧が姿を現した。

 

「換装――黒羽の鎧!」

 

 赤い髪を束ね、黒い翼を背に広げる。エルザの手には、一振りの剣が握られていた。

 

 ジョゼの魔力が再び膨れる。その前に、彼女は床を蹴った。

 

 正面へ向かうように見えた身体が、波動の縁を掠めて横へ抜ける。翼で姿勢を変えたエルザの剣が、ジョゼの首元へ走った。

 

「黒羽・月閃!」

 

 交差する斬撃。ジョゼは上体を引き、最初の刃をかわした。続く剣が衣服の端を裂く。

 

 エルザが足を着くよりも早く、男の手が伸びた。その手が、彼女の脚を掴む。

 

「速い。ですが――」

 

 エルザの身体が、横へ振られた。

 

「届かなければ、意味がありません」

 

 壁が砕ける。粉塵の中へ飛ばされたエルザは、翼を広げて身体を返した。足が床を擦り、剣の先が石へ細い線を刻む。

 

 止まった。膝はつかない。

 

 ジョゼが、目を細めた。

 

「本当に、ジュピターを受けた方ですか?」

 

 エルザは顔を上げる。

 

「仲間が、ここへ戻してくれた」

 

 背後で、ワイズマンが瓦礫をどかしていた。グレイの腕を引き出し、エルフマンを壁際へ移す。その右手に、指輪が光った。

 

「だから、今度は私が守る」

 

 エルザが剣を構え直した。

 

「貴様の思い通りにはさせん」

 

 ジョゼは、喉の奥で笑った。その笑いを聞きながら、奏太はグレイの腕へ手を当てる。

 

〖ヒール! ナウ!〗

 

 暖かな光が、傷の上へ広がった。血が止まり、裂けた皮膚が塞がる。グレイは眉を寄せたまま、指を曲げた。

 

「……動く」

 

「エルフマン、こっちも」

 

 続けて、獣の腕を解いた彼へ手を向ける。痛みに強張っていた肩が下がり、エルフマンが息を吐いた。

 

「すまねえ」

 

「まだ終わってない。立てるか?」

 

「ああ」

 

 返事と共に、二人が立ち上がる。その向こうで、エルザの剣が黒紫の魔力を受け流した。石が飛び、通路の幅がまた広がる。

 

 奏太は、敵から目を離さなかった。傷は治せる。だが、同じ攻撃を受け続ければ、また倒される。治療して前へ出すだけでは、ジョゼの動きを止められない。

 

「さっきの波動、真正面からは受けないでくれ」

 

 グレイへ声を掛ける。

 

「分かってる。あいつの手が動く前に、横へ回る」

 

「俺はエルザの後ろを守る」

 

 エルフマンが続けた。奏太は頷き、銃剣を握り直す。

 

 それぞれが散る。ジョゼの笑みが、少しだけ深くなった。

 

 ◆◆◆

 

 ガジルの指先が、鉄へ変わった。ルーシィはその刃を見たまま、壁に手をついていた。

 

 立っているだけで、脇腹が痛む。男達が出口を塞いでいる。鍵に手を伸ばしても、ガジルが黙って見ているはずはない。

 

「威勢がいいな。まだ仲間が来ると思ってんのか?」

 

 ガジルが近付く。ルーシィは、顔を上げた。

 

「……来るわ」

 

 声が震えた。けれど、その言葉を取り消したくはなかった。

 

「私も、帰る。あんた達に何を言われても、あそこが私のギルドだから」

 

 鉄の刃が止まる。

 

「そうかよ」

 

 ガジルが、腕を引いた。ルーシィは息を呑む。身体を動かそうとして、足がもつれた。

 

 その時、床の下で何かが鳴った。

 

 ガジルが視線を落とす。石の隙間から、赤い光が漏れた。

 

 轟音。

 

 炎と共に、床が突き上がった。割れた石が宙へ舞う。その中から飛び出したナツの拳が、ガジルを捉えた。

 

 鉄の身体が、奥の壁へ叩き付けられる。

 

「……ナツ?」

 

 ルーシィが、名前を呼んだ。目の前に、桜色の髪があった。炎を纏った背中が、彼女とガジルの間に立っている。

 

「迎えに来たぞ」

 

 ナツが振り返った。ルーシィを見て、その表情が変わる。頬の傷。衣服についた血。身体を支えようとして震える手。

 

「……あいつか」

 

 低い声だった。

 

 ルーシィが答える前に、青い影が側へ降りてきた。

 

「ルーシィ!」

 

「ハッピー……」

 

「もう大丈夫。ナツが来たから」

 

 小さな手が、彼女の腕を支えた。ルーシィは何か言おうとした。助けてくれてありがとうと、言いたかった。

 

 だが、先に息が詰まった。堪えていた涙が、頬を伝う。

 

「……ごめん……私……」

 

「謝るのは後だ」

 

 ナツが言った。

 

「帰ってから、皆で話せばいい」

 

 壁の向こうで、瓦礫が動いた。ガジルが立ち上がる。肩についた石を払い、ナツを睨んだ。

 

「またてめえか。今度こそ潰してやる」

 

 ナツの拳に、炎が灯る。

 

「ハッピー。ルーシィを頼む」

 

「あい!」

 

 翼が広がった。ルーシィが抱え上げられ、壁際から離れる。伸びた鉄の刃が追ったが、その間へナツが飛び込んだ。

 

 炎を纏った腕で、刃を弾く。

 

「お前の相手は、俺だ!」

 

 ガジルが、歯を見せた。その皮膚へ、鉄の鱗が浮かぶ。

 

 ガジルが床を蹴る。鉄の拳と炎の拳が、二人の間でぶつかった。

 

 衝撃に、ルーシィの髪が揺れた。ハッピーが高度を上げ、崩れた壁の陰へ彼女を運ぶ。

 

 ルーシィは、そこでナツを見た。何度殴られても、自分の前では折れなかった背中。その拳が、今は自分を連れ戻すために振るわれている。

 

 泣いてばかりでは、いられなかった。彼女は腰へ手を伸ばし、残っている鍵を確かめた。

 

 ◆◆◆

 

 ハーメルケインガンの刃が、ジョゼの魔力を割った。斬り抜けた隙間へ、エルザが入る。

 

 ジョゼの手が上がった。エルフマンが横から腕を振り下ろし、その進路を塞ぐ。男の足が、半歩だけ動いた。

 

「アイスメイク――床!」

 

 足元に氷が広がる。グレイが作った薄い氷を、ジョゼが踏んだ。

 

 姿勢が変わる。エルザの剣が、今度こそ胴へ届くはずだった。

 

 だが、床から黒い腕が伸びた。刃が、その肩へ食い込む。

 

「シェイド……!」

 

 エルザが歯を食いしばった。魔力で作られた兵が、ジョゼとの間に立っている。

 

 奏太が銃剣を返し、その影を斬り払った。消えた霧の向こうで、ジョゼが掌をこちらへ向ける。

 

 近すぎる。

 

 奏太はエルザの肩を引き、自分も横へ倒れ込んだ。直後、頭があった位置を黒紫の光が通り抜ける。

 

 グレイが氷の盾を作った。エルフマンは、その陰へ身を寄せる。

 

 ジョゼの波動が通路を抉った。

 

 四人は離れたまま、敵を見た。呼吸が、荒くなっている。対して、ジョゼには目立った傷がない。

 

「連携は悪くありません」

 

 男が、衣服の裂けた端へ指を触れた。

 

「ですが、私を囲めば勝てると考えたのなら、少々浅はかでしたね」

 

 グレイが拳を握る。エルフマンの獣の腕から、細かな血が滴っていた。

 

 エルザは剣を下げない。その隣で、奏太が立ち上がった。

 

 敵の手を塞いでも、床の影が動く。氷で姿勢を崩しても、自分と攻撃の間へ兵を作る。こちらが一つ隙を作る間に、ジョゼは二つも三つも手を打っていた。

 

 出力だけではない。魔法を使う速さも、狙う場所も、巧い。

 

 晴人との稽古を思い出す。銃剣の使い方を覚え、いくつもの魔法を扱えるようになった頃、奏太は一度、師匠へ続けざまに攻撃を仕掛けた事があった。

 

 避けた所を狙い、そこから逃げる先へも魔法を置く。それでも、晴人には届かなかった。

 

 どこでこちらが焦るのか。何を守ろうとして、動きを止めるのか。晴人は、それを見ていた。

 

 目の前の男も、こちらを見ている。だが、隙を見付けた後に向けてくるものは、稽古の一撃ではなかった。

 

「ソウタ」

 

 エルザの声で、意識が戻る。

 

「次は、私が前へ出る。貴様は横から狙え」

 

「……少し待ってくれ」

 

 奏太は、ベルトの横へ左手を伸ばした。

 

 右手の指輪を替えて、もう一つ魔法を重ねる。そのやり方では、同じ出力のまま、使う手段が増えるだけだった。

 

 ジョゼの防御を破るには、一撃そのものを強くする必要がある。仲間を守るにも、受けて崩れる壁では足りない。

 

「ここから、使う力を変える」

 

 取り出した指輪には、赤い魔法石が嵌まっていた。奏太はチェンジリングを外し、左手へ新しい指輪を通す。

 

 エルザの目が、その石へ向いた。

 

「まだ、別の魔法があるのか」

 

「ああ。火の力を、もっと強く引き出せる」

 

 炎へ力を寄せる。その力が強まる分、剣を振るう時も、魔力を放つ時も、届く範囲を見極めなければならない。

 

 作った指輪は、稽古でも試した。魔力がどれだけ流れるのか。剣を振った時に、炎がどこまで伸びるのか。分かっているつもりだった。

 

 それでも、ジョゼを相手に使うのは初めてだ。

 

「エルザ。横にいてくれ」

 

 奏太が言う。

 

「俺の一撃だけでは、あいつを止め切れない」

 

 彼女は、赤い石から仮面へ視線を戻した。

 

「分かった。合わせる」

 

 短い答えだった。奏太は頷き、左手をドライバーへ翳す。

 

〖シャバドゥビ・タッチ・ヘンシ〜ン! シャバドゥビ・タッチ・ヘンシ〜ン!〗

 

 待機音が、崩れた通路へ響く。ジョゼの笑みが止まった。

 

「……何を?」

 

 赤い魔法陣が、ワイズマンの足元へ広がった。

 

〖ボルケーノ! ナウ!〗

 

 火柱が、白い姿を包んだ。

 

 グレイが腕で顔を庇う。エルフマンも、一歩退いた。石の床へ赤い光が走り、周囲の砂が熱を受けて乾いていく。

 

 炎が晴れる。

 

 そこに立っていたのは、同じ白い魔法使いだった。だが、仮面の魔法石は赤く輝き、胸と肩に走る装甲の縁も、炎の色へ変わっている。白いローブの裾を、立ち上る熱が揺らしていた。

 

 左手の指輪から、魔力が流れ込む。奏太は銃剣を握り直した。

 

 刃へ、炎が灯る。

 

「ワイズマン――ボルケーノ」

 

 仮面の奥で、息を整える。指先まで満ちた力を、握った武器へ集めた。

 

 ジョゼが片手を上げる。

 

「見た目が変わっただけで、私に勝てると?」

 

「そうかどうかは――」

 

 奏太が踏み込んだ。炎が後ろへ流れる。

 

「受けてから言ってくれ!」

 

 銃剣を振る。伸びた炎の刃が、ジョゼの前へ作られた黒い壁を叩いた。

 

 最初の衝撃で、壁が歪む。奏太はそこで引かなかった。踏み込んだ足へ力を込め、刃を押し抜く。

 

 黒紫の魔力が、左右へ裂けた。

 

 ジョゼが、初めて大きく後退した。炎が衣服の端を掠め、その向こうの柱を焼く。

 

 届いた。

 

 だが、奏太は追撃を急がなかった。ジョゼの手が、床へ向いている。

 

「下だ!」

 

 エルザが声を上げた。奏太の足元へ黒い影が伸びる。彼は銃剣を引き戻し、床へ向けて炎を叩き付けた。

 

 影が焼き払われる。その隙に、エルザが横から走った。

 

 ジョゼは腕を引き、彼女の剣を受けた。黒紫の光と刃が擦れ、鋭い音が響く。

 

 奏太は、今度こそ一人で追わなかった。エルザが作った隙へ銃剣を向け、引き金を引く。

 

 火球が飛んだ。ジョゼがもう一方の手を動かす。その防御へ火球がぶつかり、炎が通路を明るく照らした。

 

 爆風の中から、エルザが退く。奏太も彼女に合わせ、足を止めた。

 

 煙が薄れる。その奥に、ジョゼが立っていた。

 

 片方の袖が焦げている。だが、男の腕は上がったままだった。

 

「……なるほど」

 

 ジョゼが、焦げた布を払う。

 

「先程とは、確かに違う」

 

 黒紫の魔力が、男の周囲へ広がった。床の隙間から、いくつもの影が立ち上がる。

 

 炎で裂いた壁よりも、厚い。奏太は銃剣を握る指へ、力を込めた。

 

 ボルケーノなら、攻撃は届く。それは分かった。

 

 ここから勝ち切れるかは、まだ分からない。新しい力を得た事と、使いこなせる事は同じではなかった。

 

 晴人なら、今の炎の中からもう一手を繋いでいたかもしれない。奏太には、その先が見えていなかった。

 

 だから、隣を見る。エルザが、剣を構えていた。後ろではグレイが手を合わせ、エルフマンが足を踏み直している。

 

 自分が作った隙を、繋いでくれる仲間がいた。

 

「……もう一度、合わせよう」

 

 奏太の言葉に、エルザが頷く。

 

「ああ」

 

 ジョゼが、両手を開いた。

 

「その炎ごと、消して差し上げましょう」

 

 黒い軍勢が、床を蹴る。

 

 ワイズマンの銃剣へ、赤い炎が立ち上がった。




エレメント変換出したかった。

ちょっとAI使ってみたけど、所々変ですね。

ちなみにボルケーノは火力が強くなりますはい。

では、また∠( ゚д゚)
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