筆が乗ったからすんごい長い。長いんだけど……
結構R-15のギリギリ限界を攻めてしまった感ある。
苦手な人はごめんなさい。運営様に怒られたら隔離して全年齢版にするかも。
あと前回の話を踏まえてタグにハーレムを追加しました。
判断が遅い……申し訳ない……
うだるほどの暑さと、溺れる程の湿度。
暖色系の柔らかな光に満ちた部屋に、男女ひと組。
「んっ…………くっ……」
「どうした?もう限界か?」
「そんなワケ……無いでしょ。寧ろこれから……!」
「ガハハ、言うでは無いか。ならばこれはどうだ?」
「ああぁ"!!」
男の方は人智を超えた偉丈夫、反対に女の方は非常に小柄。
遠方から見れば親子どころか、同じ生き物にはとても見えないだろう。
くらくらする程の室温に、鼓動が昂る。
息が切れ、汗が滴り、正気が失われていく。
そんな密室に、半裸の男と女。
当然、何も起きないハズはなく__
「……貴方達バカなんですか?」
「なんて事を言うのだ。そもそもロウリュ後に扉を開けるのはマナー違反だろう!」
「正直もう限界……ありがとうノレア………」
「おいバカここで倒れたら死ぬぞ!脱衣場まで引っ張ってけ!」
つまり、サウナである。
ここは地球、荒坂重工本社。
その敷地内にある共用浴場の社長専用エリア。
つい先日、神威が嫁にするとのたまってから地球の魔女達は匿われていた。
外部はベネリットグループの警備部隊が闊歩し、荒坂警備部隊と緊張が高まる状況。
そんな中連れてきたのはよりにもよって渦中のテロリスト二人である。
当然だが皆頭を抱えた。
というより、意味がわからなかった。
わからなかったが__咎めたところで改める人物ではない。
社員一同それは理解していた。
理解していたからこそ、何も考えないことにしたのだが。
「……こう、会社の人とすれ違う度に何とも言えない顔をされるのはどうにかならないんですか。」
「そればかりはなぁ、何処からか俺の求婚シーンの盗撮映像が流出したのだ。
残念ながら子会社の子会社末端まで既に広がっている……」
一体誰が……否、やりそうな奴に心当たりしかないのだが。
「私たち、そもそも承諾した覚えも無いんだけどね。」
「こう言うのも何だが、断れる身分か?ウチの庇護下じゃなきゃ一日と持たないぞ、お前達。」
「それはそうかもしれませんが。」
「俺よりマシだ、つい昨日。つまりお前達が意気揚々と〇鉄に興じていた時だが……」
「はい社長、これ幸いと社員やその娘、孫娘から見合いの打診が多数。」
「何なのだこれは!?どうしろと言うのだ!?」
それは書類と呼ぶにはあまりに分厚かった。
重く、大きく、圧倒的だった。
それはまさに山であった。
「信頼出来る情報元からの奴に仕分けてありますからねそれでも。
弾いたの全部入れたら5ケタは優にありますよ。」
「俺の見立てだと1500枚はあるように見えるが……?国語辞典か?。」
「そりゃ超優良株ですし、誰も彼も娘や孫を嫁がせたいでしょう。
義息とか義孫と呼べる権利というだけで何人も尊死しかねないんですから。」
今までも無いわけでは無かったが、何故急に……?
精々が年に数十件くらいだっただろう。
「皆拗らせてますから、自分の娘や孫が敬愛する社長の一番目になるのはあまりに恐れ多いって避けてたんですよ。難儀なモノですね。」
「あんな酷いゼクハラをしといてか!?」
「まぁ、そんな中で一番目が外から決まったならこれ幸いと大挙しますよね。」
「華麗なる一族どころじゃないだろう。かのラムセス二世でも30人前後と聞くが。」
「初手二人娶ったなら変わりませんよ、10人も1000人も。」
「イスカンダルどころでは無い後継者争いになるぞ、地球が滅びる。」
「あ、基本的に認知しなくて良いそうですよ。」
「俺が!気に!!する!!!……それとなんか、全体的に若くないか?」
別に極端な歳上趣味というワケではないのだが、それはそうと若い。
というか幼いとさえ感じるのだが?
「どういう選別をした?」
「上は30で切り、下は10歳で切ってます。」
「それより下も居たのか!?人をなんだと思ってるんだ!」
「あの二人の外見考えて下さい。薄金とか泣いてましたよ、嫁ぎ遅れてもう駄目だって。」
「まだ28だろう……いや、28だともう、しんどいのか?」
「哀れに思うなら貰ってあげてましょうよ。」
「それは構わないのだが……だがなぁ……」
「貴様らに俺の心は永遠に分かるまいッ!」
「分かりませんよ。」
「バッサリ切るな……」
ノリが悪い……娯楽が無かったのだから知らないのも仕方ないか。
明日全巻読ませてやろう。いや、明日と言わず今から……
これでも一応俺なりに考えがあっての行いだったのだがな。
神威の私室へ移動する三人。
MSの設計図や多彩な言語で書かれた書物、そして趣味ともいえるコミックやアニメ、プラモデルなど。
多趣味の弊害が非常に露呈した部屋である。
「なんというか……」
「乱雑。」
「レイアウトが散らかっているだけだ、一応個々は整理整頓されている。
好きに読むなり観るなりしてくれて構わん、確かあの本は……」
記憶を頼りに自らの巨体すら上回る本棚を探る。
この間チュアチェリー達が来た時に派手に崩したからか、レイアウトが違う……
「あ、これじゃない?」
「流石、良い眼をしているな。」
まさか先に見つけられるとは思わなんだ。
時間潰しでもさせている間に俺は業務を片付けるかね。
パソコンを叩きながら並行して書類に目を通し、判子を押す。
いつもはかなり他人に任せているからこそ学業と両立出来ているが……
本来なら凄まじい業務量だ。俺じゃなきゃ丸一日かかるだろう。
俺ならあと三時間有れば余裕をもって終わるがな。
__超弩級飛行空母の建造案?却下。
またコイツらか、次やったら更に三ヶ月トイレ掃除させる様に。
__欧州支部が社員間の口論で被害甚大……いつも通りか。
被害状況、支部の18%が消滅……消滅!?あとで支部長と技師長を本社に呼ぶように。
__紛争地域への人道支援。主に医療品や食料か、承諾。
酷くなりそうなら武力介入も検討だ。滅んでしまっては困る。
__デモ隊の鎮圧の為に化学兵器の使用許可。認可。
一々確認を取らなくても良いのだがな……間違っても同士討ちにならないよう用心する事。
__多民族地域の緊張状態が限界化、多くの陣営から兵器の購入希望か。
うむ、時間をかけて仕込んだからな。素晴らしい事だ、欲しがるだけ売ってやると良い。
__新たな火種を開拓か。そうだな……某国は確か、元々二つの国だったか。
融和によって合併したが、独立強硬派は必ずいるはずだ。探し出して不安を煽れ。
何年かかっても良い。10年、20年先を考えろといつも言っている。
俺たちの子や孫にもしっかりと戦禍の絶えない世界を残してやらねば。
業績としては微増、右肩上がりを継続。良いな。
「あれ、違う本が挟まってる……たまごク「スタァァァァップッ!!!」へ!?」
瞬間、242cm314kgの身体に押し込められた全筋肉が脈動する。
ソフィまでの距離凡そ70m、間に机などを挟む悪路を僅か3秒で踏破。
その手から忌まわしき雑誌を奪い取ると、強化ガラスをぶち破りながら外に投げ捨てたのだった。
「えっと、どうしたの?」
「いや……どうやら俺の知らない本が混ざっていたようだ。危険物の可能性があった。」
「そんな事ある?」
「…………」
この反応、中身は知らないようだ。
それは重畳、それはそれとして……
「ノレア・デュノク、お前はちょっと来い。」
「……引っ張らないで下さい。」
「お前、あの反応を見るにあの本が何だが知っているな?」
「それは……その……」
分かった、みなまで言うな。死にたくなる……
「なんであんな本が?」
「ゼクハラの延長だ………我が社員、揃いも揃って気ぶり過ぎる。」
行く先々、至る所にゼクシィが設置され、焼けども捨てども次々次々と。
一番アレだったのは確か……勝手にニカ・ナナウラのところへ押し掛けた時か。
どうも部下達は俺がいつ死ぬか気が気じゃないという。
確かに俺は向こう見ずな所があるし、最前線で命のやり取りもする。
心配なのも、納得は出来る。出来るのだが……
「いずれ次世代に会社を引き継ぐまで、何があっても死なぬと言っているのだがな。
死なぬというか、それまでは死んでも死にきれんわ。」
アラサカ重工の跡継ぎとして生を受けた日から、この命は社の為にある。
知識を深めること、強き身体を得ること、跡継ぎを作ること。
全ての本質は、社の存続と繁栄。その為だけにあるのだから。
「次世代。」
「まぁ、有り様に言ってしまうとお前達に産んで貰う子供達だな。」
「デリカシーとか本当に無いんですか……!?」
「取り繕ったところで答えが変わるワケでもなし、最も暫し先の話だろうが。
どう考えても母胎として発育が悪いのだお前らは。食の細さはどうにかしろ。」
「人が断れないからって勝手な……」
「別に機械的な目的だけでは無い。一般的な情欲くらいは併せ持っている。
お前なら尻から太ももにかけてのラインが……」
「死ね!」
ソファーを踏み台にした飛び膝蹴りが神威の顔に突き刺さる。
ノレアは勢い余ってそのまま押し倒す形となった。
打撃に加え重力の乗った追撃をも食らった神威の顔はいつかのように陥没。
どう見ても致命傷である。
「前が見えん。」
「なんで生きてるんです!?」
「ガハハ、この俺をそう容易く殺せると思わない事だな。」
丁度良い、茶でも煎れてきてやろう。
「玉露で良いか?」
「あ、私紅茶が良い!種類分からないから美味しいの!」
「それで良いです。」
美味い紅茶……難儀な注文だ。
舌に合うモノがどれほどあるかは人それぞれ。
ましてや家には凄まじい種類の茶葉を用意してある。
適当に見繕ってくれというのが一番難しい
扉が開かないのだが。
ドアノブの故障か?
「おいお前ら、この扉開けられるか?」
「あれ?回るけど開かないや。」
やはりか。
鍵が閉まってるワケでも無し……なのに微動だにしない。
その上この扉は特殊合金だ。俺でも壊すのは骨が折れる。
電話で救助を……圏外だと?
何らかの妨害電波に引っかかっているな。
……扉から僅かだが熱を感じる。隙間から一切の光が見えない。
溶接されているのか?まさか。
こうも的確、周到に俺を隔離するとは。
スペーシアン部隊の襲撃か?魔女二人を匿っているのがバレたのか?
否、それにしては銃声も何も聞こえぬ。
ここは我が本社。かような不届き者が現れれば数秒の後に悲鳴をあげ血溜まりに変ずる筈。
それが無いという事は一体……
「あれ、何か扉の上が光ってますよ。」
「特に光源は無かったと記憶しているが……?」
『S〇Xしないと出られない部屋』
「………………」
「………当て身。」
「うっ……」
「なんて事するのだ!頭を打つぞ。」
その文字を目にしたと同時にソフィの背後にノレアが忍び寄る。
恐ろしい程の精度と速度で手刀を一閃。
その意識を刈り取り、崩れ落ちる身体を神威が慌てて支えた。
「呼吸と心拍に異常は無し。取り敢えず俺の布団に寝かせておくとして……」
「どの口が!どの口が!」ガンッ!ガンッ!
「やめとけ、俺でもその扉は壊せん。というか何だその掛け声。」
「煩いですね……何だか力が入るんです。」
前世か何かの記憶か?ともかく。
「真面目に脱出手段を考えるか。」
「はい。」
「1、普通に致す。」
「却下。」
「同意だ。どう考えてもお前達が死ぬ。」
「死ぬって……」
「俺が殺す、確信があると言っても過言ではない。お前達の体重は35kg〜45kgだろう?
そして俺は300kg超え。身長差も1m弱……どう考えても死に至る。
青ざめている場合か……当面は先の話故、今から考えても仕方ないだろう。」
「2、あの窓から脱出する。」
「随分高くありませんか。」
「仕方ないだろう、俺の私室は本社のほぼ最上階に位置するのだ。
パラシュートはあるし、俺も何度か経験がある。一番現実的だろう。」
そう言った瞬間、窓のシャッターが降りる。
まるでこの話を聞いて急いで逃げ道を封じたかのようだ。
こういう事をするのは……心当たりしかないから分からんな。
「とまぁ、今駄目になった。収穫は盗聴されてる事は確実って事だな。」
「3は……お前、何か楽器は弾けるか?」
「出来るわけないでしょう。」
「それもそうか……」
そう言うと神威は収納から何かを引っ張り出す。
真鍮の美しい輝きに溢れたそれは、素人目にも入念な手入れを感じさせる程。
何度が音を試した後に、神威はそれを吹き鳴らす。
それは所謂ジャズと言われる音楽に分類される。
豪快な見た目から想像も付かないほど繊細な音の調べ。
美しくも切なさを感じる響きに誰もが心を引かれていく。
そして音楽の熱が最高潮に達したところで__
「……駄目か。」
「サックスでどうにかなると本気で思ってたんですか?」
「正式名称はサクソホーンだからか?無念だ。」
それから数十分。
あらゆる方法を試してみたものの__どれも十分な効果が得られなかった。
トイレやシャワーは備え付けの上、小型冷蔵庫に菓子などもそれなりにはある。
一晩ほど籠城してみる……というのも手だ。
問題は俺の摂取カロリーが不足してしまう為意識を保てなくなる可能性があることだが。
「……暑い。」
「そうか?しかし室温は変わらず18℃程だし、エアコンも稼働している。」
「さっきからずっと、熱くて、熱くて頭が、こう、ぼーっと……」
俺は何も感じないし……ソフィの方は未だに目覚めないしな。
というか効きすぎだろう。生きてるだろうな?
胸に耳を当てると、一応拍動は確認出来る。呼吸もしてはいるな。
「何をしてるんです……!」
「うおっ……随分とキレが悪くなったな。」
先程の飛び膝蹴りに比べて明らかに動きが鈍い。
余裕を持って回避したところ、空振った勢いのまま背中から転倒した。
地面に叩きつけられる寸前で助けが間に合ったものの、不調は明らかだ。
近くでよく見ると、確かに嫌に汗ばんでいるし、呼吸も荒い。
目の焦点さえ合っていない。これで蹴りを出すのは無茶だろう。
「ハァ…ハァ……」
「熱もあるのか?ひとまず上着、脱がせるぞ。」
酷く衰弱している。よりにもよって閉じ込められた今か……!
上着をはだけると、インナー越しにじっとりと湿度と熱気を感じる。
相当水分を失っているな。確か冷蔵庫にスポーツドリンクが……
瞬間、組み伏せられて押し倒される。
尤も当の本人は押し倒された自覚など無い。
「おい……本当に大丈夫なのか?」
よろめいた拍子に自分を巻き込んで転倒したのだと。
なにせそれほどまでに圧倒的な体格差である。
近しいのは人と熊。彼の言葉を借りるなら、獅子と犬の差。
元より傲慢さと慢心が形を成した様な彼。
それでも人生で最も油断していた瞬間だったと後に語る隙。
その隙を見逃さず、犬が食らいついた。
「なっ……!?おい……痛ッ!!!」
「フシュ……フシャァ……」
無理やりに引き離すのは容易い。
実に容易いが、それは間違いなく彼女を傷付けてしまう。
例え全力でなくとも、壊してしまうだろう事を理解していたから出来ず。
そうこうしている間にどんどん深く歯が突き刺さっていく。
僅かずつであるが皮膚が裂け、出血すらしていた。
「ぐぉ……!!!おい!正気に戻れ!」
何度呼び掛けても返答はない。
寧ろ食らいつきが強くなってる気がする。
肩口に近いところである為、頸動脈からは遠く、致命傷にはなり得ない。
なり得ないが、流石の神威も、じゅるりと音を鳴らして血を飲まれれば焦る。
焦れど、何も出来ぬ。八方塞がりであった。
ある程度吸って満足したのか、ようやく傷口から口を離す。
べっとりと血と唾液の混合物が糸を引いて艶やかな唇から滴っていた。
超人的な治癒能力により血は瞬く間に止まる。唾液にある程度殺菌作用があったのも幸いか。
「……流石に落ち着いたか?一体急にどうして……」
多少は理性が戻った事に期待して再度声を掛ける。
軽く揺さぶりながら覗き込んだ目はしかし、未だ狂気を宿して惚けていた。
「……!!!」
「んぐ……!?ん!!!」
間髪入れずに唇を奪われる。
当然ながら自らの血の濃厚な鉄の味が口内に。
完全に不意を付かれ、面食らって硬直したのが良くなかった。
彼は生まれながらの頂点捕食者、圧倒的支配者。
故にこうも自分が貪られる側に立つなどは想定の範囲外。
当然、彼が硬直しようが相手は止まらない。
血の味が漸く落ち着いて来た頃、僅かに力が緩めば唇をこじ開けて舌が侵入してくる。
異常な力で歯の開閉すら封じられ、なすがまま口内を蹂躙。
ざらりとした舌で舐め取られていくような錯覚。
呼吸すら許されず、一方的に嬲られていた。
この凌辱が始まってから既に数十分。
とうに鉄の味は消え、やけに甘ったるい唾液が常に流し込まれて頭がクラクラした。
どうにか残った理性で打開策を練る。
突如豹変したノレアを見るに、恐らく何らかの薬物か?
菓子や飲料に盛られていた……否、俺も口にしている。
しかし、この身の薬物/毒物への耐性は尋常ではない。
故にこの推察は恐らく正しい__正しいが。
だからといってこの状況を好転させるモノではない。
その時、むくりとソフィが起き上がった。
随分長い間昏倒していたが、好都合である。
硬直した盤面を動かすのはいつだって外部からの介入だ。
丁度息継ぎの為に口が解放されたタイミングであったのも大きい。
酸欠気味の身体から絞り出すように叫ぶ。
「ソフィ!!!ソフィ・プロネッ!!!お前の相方を何とかしてくれ……!」
声が出た時点で何とかなった。そう確信した。
寝惚け眼が蕩けていることに気が付くまでは。
「……ずるい」
「な!?ん……!!!」
突如目を見開き、然と覚醒したソフィに再度唇を奪われた。
先程と違い、血の味混じりの甘さでは無く。
比較的爽やかな、柑橘類を彷彿とさせる嫌な心地良さを伴っている。
ノレアのものより小ぶりで滑らかな舌が口内の細部までねぶり尽くしていく。
思考能力さえ奪うそれを破ったのは意外な事にノレアであった。
手持ち無沙汰になった彼女は再度先程の傷に歯を添わせる。
既に止血どころか傷口の再生すら完了する異様な再生力。
それにより治った箇所を再び食い破られる。
「ッ……!」
苦痛に顔を歪めるが、どうする事も出来ない。
されるがまま再度数分貪られる。
再び酸欠で息苦しくなったところ、ふと解放される。
肺いっぱい空気を吸う一拍後に再びノレアに貪られた。を感じ
二度目となる甘い血の味を感じつつ、見えないが反対の首筋に違和感。
「なっ……うぐッ……!」
先程口内に感じた滑らかな舌で数回舐められた後、噛みつかれる。
やや小ぶりな歯はその分鋭利に切り裂くことが可能だった。
否が応でも先程まで食らい付かれていたノレアと比較してしまう。
力は弱いが、躊躇いが無い。
より深く、より鋭く。傷を付けようという意思を感じる。
先と同じく傷口から血を啜られているが、その勢いは寧ろ強い。
再度数分の後に交代。
幾度となくこれを繰り返し続けていた。
最早時間の感覚すら薄れていき、神威さえ呆然と『このままで良いか』と思う程に。
果てなき生命力故に、例えこのまま一晩貪られたとして。彼女らの胃が我が血肉で満ちようとも。
決して自分が死ぬ事は無いだろうという確信があった。
この凌辱がそれだけで終わるだろうと楽観視していたのだろう。
寧ろ必死なのは彼女らの方とも言える。
とある理由から理性が消え、本能のみが身体を突き動かしている。
頭ではあくまで、かつて自分らを苦しめた戦争ビジネスの首領ではある。
あるのだが、少なくとも彼は雄として最上級でもある。
母から受け継いだ超人体質。筋繊維密度、骨の強固さ、血液の機能に至るまで、常人の十数倍。
身を切り裂かれても数分の間に傷が癒え、呼吸一つで血を再生成。
そもそも、240cmを超える異常な巨体とそれに限界まで搭載された筋肉も。
生物的にはその全てが雄としての魅力といえる。
地球一と自称する程の大企業を束ねるリーダーシップと経済力。
経営を自ら行い、あらゆる分野に携われる知力。
傲慢だが、人好きのする愛嬌に満ちた人柄など。
そういう見方ではどれも非の打ち所がない。
一方の自分達は多少なりMSを動かせる程度。
学も無ければ生まれも悪く、何一つとして誇れるモノは持ち合わせない。
故にこそ、身体はこの千載一遇の機会を逃さんと必死だ。
噛み付き、傷を付けてでも自分達の所有権を主張しなければならない。
自らの存在を、この雄に刻み付けんと。
だが結局のところ。
雄に自らの存在を刻み付けるのに最良の方法は一つ。
それは理解出来ていた。
男が半ば諦めたように脱力したのを確認。
期せずして復讐が成就したとも言える。
その満足感とこの後を想像した多幸感。
精神的高揚が最高潮に達した二人の魔女は邪魔な衣を脱ぎ捨てた。
『決まったァァァァァ!!!!!』
『ヨシッ』
『本当に良かったのかしら……』
ここは神威の私室外部。
それこそ神威らが入室してからずっとこの場所で待機していた三機である。
『トハイエ、溶接シタノニオレガ抑エル必要アッタノカ?』
『あの人の馬力は知ってるでしょう。偶然やらなかったけどその気になれば無理やりぶち抜いて来ますよ。』
4mを超える異形のサイボーグが道を封鎖し、扉を封印していた。
彼は楯無。荒坂重工警備部隊、その特務近衛兵の一人である。
サイボーグ化の際に自らのボディをプチMSに換装したのを機に人型に拘らぬ機兵となった男。
今回は一番のお気に入りである味方の楯となり、敵をパワーで蹂躙する義体を持ち出してきた。
『だから私も呼ばれたのね……こういうの嫌いじゃないけど……』
『まあ結局杞憂に終わりましたがね。流石の社長もコレクション諸共壁を壊したりはしなかった様ですし。』
もう一機。此方はかなり人型に近いが、その背から四本の触腕が生えていた。
八龍と呼ばれたサイボーグはその身体の90%が液体金属で構成されている。
今まさに彼女と話す影武者の
普段は流体を利用した戦闘や、触腕を使って多様な銃火器を併用するなどを行うが、今回の任務は私室から廊下側に抜ける壁面全体を液体金属で補強する、というもの。
予備の分まで全て使ってわざわざ補強はしたが、不要だったようだ、
『ニシテモ、アノ二人急二豹変シタナ。ナニカシタダロ。』
『……研究場から譲って貰った催淫ガスをちょびっと。まぁ社長には効いてなかったんですが。』
『身体が丈夫過ぎるのも考えものねぇ……』
神威は心当たりがありすぎる、そう言ったが。
答えは全てである。
ありとあらゆる彼の側近達によって嵌められたのだ。
『途中シャッターを閉め忘れたり、まぁ色々ありましたがまぁ成功という事で。』
『モシバレテモオ前ノ指示ダッタッテ言ウカラナ。』
『まぁ確かに実行犯はカモイちゃんだけだし?それが筋よね。』
『そんな!絶対に人型を維持出来ないくらい折檻されるんですよ!?
道連れに一緒に死んで下さいよ!ねぇ!』
一応彼らなりに敬愛する社長を想っての行いなのだが。
後日たっぷりと絞られたのは言うまでもない。
神威……被害者。生まれて初めて被食者の立場に回る。
色々なモノを喪って人は大人になるのだ。
地球の魔女s……被害者かつ加害者。都合の良い催淫ガスで正気を失う。
絆され過ぎだろ!となるがそれぞれ『復讐よりもソフィ/ノレアと生きたい』と願った末のifの姿である為、本編よりかなり穏やか。
事実として神威を自分らに縛り付けないとならない事は理解していた。
三馬鹿トリオ……加害者。人の心が無い。
この後楯無と八龍の自白でカモイだけがしこたま怒られた。
研究所……予算をカットされた、残当。
生存ルートを確立させる為にパワープレイをした。
作者の癖が滲み出てた事は許して欲しい。