位高ければ徳高きを要す   作:CATARINA

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本筋から離れまくってるけどそろそろミオグエと合流するはず。
多分最後の閑話回、次話で本編と合流すると思う。多分。




凶星が煌めくなら

「本当にこの設計で合ってるんですかね?」

「俺の設計に文句があるか?見ての通りで構わん。」

「しかし……機体重量が今までの4……いや、5倍近くというのは……」

「問題無いから安心しろ。全備重量だから重く感じるだけよ。

武装を除けばだいたいの350%程の重量だぞ?」

「とてつもなく重いんですがね、それ……」

「まぁ良い、とにかく俺を信じよ。この機体は荒坂の魂そのものだ。

堅牢な装甲と、大火力の武装。それさえ揃えばなんの問題もない。」

 

旋回力も、純粋な機動力は破滅的に悪化するだろう。

だがそれは想定内だ。

そんなモノは不要。

 

俺は間違っていた。

敵を正面に捉えて引き金を引き、討ち滅ぼす。

それで良い。それで十分。

 

「正面に捉え続けられるなら良いのですが……この旋回性だとあっという間に回り込まれてしまいます。というか、周囲を飛び回られたら捉えるのはかなり厳しい戦いになると思われますが。」

「だろうな。だが、その為に彼女らが居る。」

「……奥方を伴って出撃すると?」

「本音を言うなら、今もまだ戦わせたくはないが仕方あるまい。

何せアレだけ叱られてしまったからな。全く、男というのは辛い。」

「ハハハ、ようこそこちら側へ。家族のいる身分はどうも不自由なモノでしょう?

妻というのは家庭に於いて時に社長さえ凌駕する暴君足り得るのですから。きっとこれから味わいます。」

「考えたくもないな……」

 

想像して、身震いする。

なるほど確かに、どう思考を巡らせても勝てそうにない。

 

「社長だろうが、ヒラの社員だろうが、私で言うなら欧州支部長。そんな肩書きは所詮社会のモノ。家庭という別世界での旦那の人権というのは大抵、保証されないのですな。」

「なんと恐ろしい事を言うのだ。」

「……素質ありそうですからなぁ、お二方とも。」

 

幼少期から圧倒的な暴の化身たる母を見ている身としては気が気でないのだが。

我が父は偉大な男であるが、どうやっても母には頭が上がらない。

惚れた弱みだと、そう言っていた。確かにそれは嘘ではなく、真実なのだろうが……

単純に母の持つ武力が全てを凌駕していたところも、あるとは思う。

 

「不吉な事を言うのは止めるのだ。」

「ウチの妻の若い頃とどことなく似て……」

「やめるのだ!」

 

言霊という言葉があるくらいである。

言葉にしたら事実になってしまうだろう!

 

「まぁ、そこでなんですが。ウチの娘は大変心優しく育ちましてね……」

「お前もか……お前で今日5回目だぞもう。」

「急ピッチの作業で急ぎとはいえ、各支部の支部長、技師長クラスを招集したらそうなりますよ。

その甲斐あって何とかあと一週間、三交代制のノンストップ作業で仕上がりそうですが。」

「それに関しては無理を言っている自覚はある。だが、お前たちは一応懲罰なのだからな?

支部を吹き飛ばしたアレを不問にすることと引き換えだと理解しているか?」

「本当に申し訳なく。ですが、それとこれとは別の話!」

「往生際が悪い!」

「親とはそういうものです。娘の幸せの為ならなりふり構ってられません。」

「エゴだろそれは!」

 

別に俺自身としてはまぁ……多少なら……

種だけ寄越せ!みたいなので無ければ許容範囲だが……

流石に無責任なのは受け入れ難い。

 

「別にお前の娘とは知らぬ仲でもないし……それ自体は構わぬのだが。」

「幼い頃から隙をみてわざわざ本社に通い詰めた甲斐がありましたな。」

「その努力をもっと前向きに利用出来なかったのか?」

 

マジで努力の方向性を間違えてはいまいか。

我が社員はどうして揃いも揃ってズレているのだろう。

優秀ではあるのだが、変人奇人揃いにも程がある。

 

「取り敢えず19にもなって語尾に『っす』って付けるのは止めた方が良くないか。」

「それについては本当に私もそう思ってまして……」

「OTAKU文化とはかくも恐ろしいな。」

「尚更相手を探しにくく……どうか貰って頂けませんか。親としての純粋な願いです。」

「それ自体は構わないと言っただろ?だが、問題はだな……」

 

「………ウワキ?」

「…………」

 

間が悪いにも程がある。

 

「……振り向きたくないな。俺の直感が『花嫁修業と銘打ってその実、義母からの虐待……というか拷問に等しいレベルのブートキャンプを敢行され、息も絶え絶えに夫に八つ当たりしに来たところ、目の前で浮気の話をしている男を見て殺意の波動に目覚めた我が妻』を予見している。こういう時の予感は必ず当たるものだ。」

「諦めましょう社長。我らは既に『間合い』だ……」

「しかしだな、シュレディンガーの法則に則れば観測するまで事実とはならないのだから。」

「……カムイ?」

「……ちょっと来てください。」

 

色々と抵抗していたが、後ろから抱きつかれたところで諦めたようだ。

引き摺られるように__体格的に不可能なので恐らく自発的に移動しているのだろうが、連行された。

恐ろしい雰囲気を醸し出すあの二人は……誰よりも社長とは相性が良い。

日本式に言うなら、『割れ鍋に綴じ蓋』だっただろうか。

彼女らの境遇について詳しいことは誰も知らされていない。

それでもアレだけ良い関係なら、心配はいらないだろう。

 

「パ パ?」

「また何か社長さんに迷惑かけてるのかしら?」

「ふぅ、随分と早いお迎えだ……」

 

後ろから愛しい妻子の声が聞こえる。

どころか、肩を掴まれている。

逃げ場は無い。

 

「そうだね、じゃあ私達も行きましょうか、ねぇ?」

地獄でまた逢いましょう、社長。

 

 


 

「連れてこられたは良いものの!別に俺!悪くないのではないか!?」

「どの口がッ!」

「理不尽!」

 

本当に理不尽である。

相変わらずすぐに手は出るしマナーもなってないし……

母上はそういう所を直すべきだと思うのだが。

単純な武力というなら俺が守れば良いだけなのだし。

 

「俺はお前たちと違って何か一つだけをやってるワケにはいかないのだ!」

「正座。」

「はい。」

 

どうも調子が狂う……何故か逆らえない。

男の性というか、悲哀を感じて涙が出る。

 

「私たちね、凄く頑張ったんだよ……」

「どう考えても殺そうとしてますよね、あの義母様。」

 

いや、母上にはそれが普通なのだ……事実この俺も何度か臨死体験をしている。

身体能力の悉くが常人の百倍を超える人型生命体のシゴきは全て致死なのだ。

 

「それで、今日命からがら生き延びたし……旦那様に慰めて貰おうと思ったんだよ?」

「そしたらまさか目の前で浮気の相談とは……」

「結局俺、巻き込み事故ではないか?俺が頼まれたら断れないのは知っているだろう。

書類上はともかく、ある程度ならそういう関係を増やすのは俺としては別に吝かでも無いが……」

 

「「そういう問題じゃない!!!」」

 

……女心は分からぬ。

 

現実逃避をしつつ、俺は詰め寄る二人に白旗を上げるしかなかった。

 

 


 

「それで埋め合わせとして街へと連れて行けとの事だが……」

確かに此処に来てから一度も会社の敷地内から出ていないな。

そういう意味では我が社がどういう役割を担っているかを話す良い機会だろう。

 

「まぁお前たちは余所行きの服など無いからいつも通りの格好になるが。」

「別に困ってないしね。」

「俺が気にする……どうにか興味を持ってくれ。ゆくゆくは俺の妻として公の場に出る事もあるだろうに、のようなラフな格好では俺の正気を疑われる。」

「そういう事は普通に言えるんですね、相変わらず。」

「なんの事だ?」

 

何かおかしな事を言っただろうか。

よく分からないがともかく、街へと降りていく。

 

「とはいえ俺も久しぶりだ……丁度一年ぶりといったところか。」

「結構定期的に帰って来てるって聞いたのに?」

「俺が下手に出るとな……その、すぐ騒ぎになって囲まれてしまうのだ。

だからこうやってサングラスをして変装しているわけよ。」

「まず身長2.4mの化け物がどれだけ世界に居るか考えたらどうです?」

 

 

 

荒坂重工本社地区。

文字通りアラサカのお膝元であり、遠景では城のように見える本社と相まって正に城下町である。

本社を取り囲むように四つの区画に分けられており、現在は商業地区。

ビルや大型店舗が建ち並ぶ大都会といった風情の区画であった。

 

「凄い人!それに建物が沢山!」

「我が社の直轄地……即ち、地球で最も安全かつ栄える地であるのは当然の事だろう。

あとは住宅の建ち並ぶ居住区。搬入、交通の要所たる輸送区、そして技術区だな。

まぁ区画といってもこの商業地区で1/3を占めているのだが。」

 

実際、俺が立ち寄ることはあまりない。

学生の身分ということもあるが……わざわざ此処で買うものも中々無い。

強いていうならスーツやワイシャツの類いだろうか。

 

「そういや、お前たちの元締めに撃たれた時にシャツが駄目になったのだった。

サイズも一つ更新したいところだったし、作り直すか……?」

「まだ伸びてるんですか。」

「年に2,3cm程度だが、恐らく250cmまでには止まるだろう。

別に着いてきても良いが……別に楽しいモノでもない。」

 

そう言って神威は黒いカードを手渡す。

それは見る者が見れば驚愕する富の象徴であるが、当然彼女らはそんな事は知らない。

突然何を出すかと思えばプラスチック製のカードだった事に拍子抜けしたほどだ。

 

「会計はこれを出せば大抵どうにかなるだろう。是非とも好きに見て行ってくれ。

荒坂(俺たち)が作ったこの街を、俺が守りたかったモノをな。」

 

 


 

 

時刻は二時間後。

都会の人波にわちゃわちゃと揉まれながら色々と見回ったが、あまりの喧騒と活気に二人は逃げるように比較的郊外と呼べるエリアへと移動したのだった。

 

商業区と技術区の境界に位置するこのエリアは高い建物が急激に減少。

良くて二階建て程度の、何処か懐かしい建築物が建ち並ぶ街並みとなっている。

 

「人も凄かったし、活気もあった。アーシアンだから苦しんでるんじゃない。

アーシアン同士でもこんなに格差がある、生きる場所が違えばこんなに。」

「僅かな食料や水を求めて奪い合う事もない、皆が皆より良い生活の為に生きている。」

 

勿論、その土台にあるのは弱者から搾取した金銭や命があるのは間違いない。

だがしかし、その上で生きる彼らもまた必死に今日を生きているのだ。

憎悪に突き動かされていた頃ならこんな冷静な判断は出来なかっただろうが。

確実に二人は成長していた。

 

 

 

 

 

 

 

「でも三人で回りたかった!本当に空気が読めない!」

「ソフィ、確かに人気は少ないけどそんな大声じゃ……」

「でもノレアもそう思うよね!?この際言っちゃいなよ!!!」

「……ちょっとは乙女心を理解しろー!ばかー!」

 

やや寂れた公園でブランコを揺らしながら叫ぶ。

彼女らも勿論、ローティーンの少女である。

人並みの恋愛観や憧れなどもあるにはあったというのに、如何せん男の方の配慮が乏しかった。

破滅的な語彙力から可愛らしい罵詈雑言を叫ぶ二人。

 

「おやおや、若いねぇ。」

 

当然悪目立ちしてしまう。

二人が振り返ると、公園外の店から にこやかな表情を浮かべる中年の女性。

 

「邪魔してすまないね、私らくらいになると若い子の青臭い感情が眩しくて眩しくて……」

「あ……いえ……」

「まぁまぁ、お詫びと言っちゃなんだがウチは肉屋なんでね。

揚げ物は世界一と自負してるのさ、どうだい?」

 

ブランコから降り、店の前まで移動する。

時刻を考えたらなるほど、絶妙に空腹を覚える時間だ。

 

「えっと……カードって使えますか?」

「まさか!お代を取るわけないだろう!盗み聞きしたお詫びと言ったろう?」

「でも……」

「あーもう!子供が遠慮するモンじゃないよ!さぁ食べた食べた!」

 

半ば強引に揚げたてと思しきコロッケを渡される。

ソフィとノレアは少しの間お互いの顔とコロッケを見比べていたが、やがて意を決したようにかぶりついた。

 

「「熱い!!!」」

「揚げたてだから当たり前だろう!?面白い子たちだねぇ……」

「でもとっても美味しい!」

「そうだろうそうだろう!なんせこの店はあの荒坂重工の社長のお墨付きだからねぇ。

最近は遠くの学校に行ってるみたいで暫く来てはないけどさ……」

 

そういって店先の古ぼけた写真を指さす。

そこに映るのは今より若干若い女将と、幼い少年。

快活そうな雰囲気を伴いつつも内々に秘めた知性を感じさせる風貌。

恐らくは誰もが可愛らしい、と評する美少年である。

 

「……誰?」

「言っただろうに、あの社長さんだよ……顔くらい知ってるだろ?」

 

顔どころじゃないくらい知っています__とは流石に言えない二人。

しかしどうやってもあの男とこの少年が結びつかない。

一体何があった。本当にどうしてああなった。

 

「………………」

「ノレア?……ノレア!?」

ノレアは激怒した。

必ず、かの邪知暴虐の王をシバかなければならぬと決意した。

ノレアには成長期がわからぬ。

ノレアは地球の魔女である。

スペーシアンをテロで虐殺し、奪う事で生きてきた。

けれども歳下に対しては、人一倍に敏感であった。

ソフィが相棒となった時、密かに嬉しく思った程だった。

 

「わざわざこんなところまで来てるとは……」

「チェンジ!!!」

「ぐぉおおおッッッ!?」

哀しみを背負った拳が神威の顔面に突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

「やはりあの店の揚げ物は美味い。宇宙一だと俺が保証する!」

 

高笑いしながら購入したてのコロッケを口にする神威。

 

あの後、騒がせた詫びを兼ねて陳列していた全ての揚げ物を購入し帰る一行。

途中、関係性を問われた際に神威が躊躇うことなく「妻だ」と言った事で女将が手を滑らせ、揚げたてのチキンカツが宙を舞うなどの悲劇こそあれ、無事に帰路に付いた。(尚、肝心のチキンカツは神威の顔面に着弾した為無事。神威は転げ回った。)

 

「昔からあの女将には世話になっていてな……よく母上の訓練から逃げ出して散策したモノよ。」

 

最寄りである技術区画出入口へと向かう道中。

神威はこの区画について語る。

 

「寂れている……そう感じただろう?」

 

それは二人が共に感じた感想。

自分たちが育った地獄の戦場とは比べるまでもないとはいえ。

高層ビルのような高い建物はない、精々二階建て。

まだ日が暮れだした頃だというのに既に静まり返る街並み。

確かに寂れている、というのが正しいだろう。

 

「戦火が広がれば当然、生活は失われる。命に限らず人の痕跡の殆どがな。

技術区画はそんな戦争で住処と職を失った中小企業の保護が主目的だ。

ここには喪われちゃならない技術がごまんとある。」

「最新技術などの方が好みだと思っていたんですがね。」

「それはそれ、これはこれ、だ。実際お前と切りあった太刀はこの区画の工房の製作だ。

ここもそうだし、あらゆるものがそうだが……俺が背負うモノは多少理解出来たか?」

 

荒坂重工と関連グループ、社員と家族一千万。

しかしその他、その周りで生活をする多くの人々。

社長である神威はその全てを背負っているのだ。

言葉にするよりも確実に理解出来るだろうと街に投げ込んだのもあった。

彼にとって身分、立場は捨てられるモノではないのだ。

どんなに重かろうとその責を負う義務と権利。

それが荒坂重工の社長という事である。

 

「……それでも、一緒に回りたかったなぁ。」

「すまんな、幾つか今のうちにこなしておかなければならない用事があった故な。」

「今度、また今度は一緒に行きましょう。それでチャラにしますから。」

「ああ、この俺の名にかけて誓おう!ガハハハハ!」

 

 

 


 

「それで、完成したそうですが。」

「うむ、俺のも、お前たちのもな。問題は明日には本出撃がある事だが……

今日中に調整や細かい動作のクセを掴んでもらう。無理を言うことになるが。」

 

二人を伴い、格納庫の前へ歩いていく。

 

「あ、社長……なんとか……なんとか、完成したっすよ……」

 

そう言って倒れる本社の技師長を抱き抱える神威。

無理もない、3交代制でも変え難いポジションのモノは仕事を続行……

彼女は二徹してのデスマーチを完遂したのだ。

そして自らの成果を報告した安心感からぷつりと糸が切れ、意識を手放した。

優秀な社員だが心配である。

 

「ひとまず仮眠室に寝かしてくるか……少し待ってろ。」

「…………」

「もー…………」

 

何も言えなかった。

先日の話を踏まえたらライバルである。

だがそれはそれとして自分達の機体の為身を砕いてくれた事も事実。

何とも言えない感情だった。

 

 

 

「よし、開けろ!」

『第一格納庫解放 危険なので開閉部から離れてください』

 

重低音を響かせながら分厚い金属の扉が開く。

そこにあったのは三機のMS……否、二機のMSと巨大な何か。

異形。

二足歩行の人型機動兵器、ではある。

ではあるが、それはあまりに大きく、分厚く、重い。

 

だがそれ以上に目につくのは三機の頭部。

最高級のツインアイカメラを使用し、

それぞれ特徴的なV字アンテナ。

それぞれ灰がかった黒、焼き付いた緑、澱んだ茶。

 

GUNDフォーマットが組み込まれていなくともその姿は記憶に刻み付いている。

 

 

 

 

「ガンダム……」

「……魔女は、ガンダムに乗るものだろう?そしてそれを統べるこの俺も。

言わば『魔王』といったところか?ガンダムを狩るには相応しい装いだ。」

 

この言葉に硬直する二人。

彼がそんな事をしないと分かっていても、恐ろしい。

ガンダムに乗った時の苦しみが幻覚となって襲ってくる。

 

「GUNDフォーマットも、そもそもパーメットすら使用していない。」

彼女らを安心させるために、スペーシアンへの皮肉と怒りをぶつける為に。

 

「純度100%地球技術のMSだ……俺を信用してくれ、頼む。」

 

彼が他人に命令するのではなく、懇願する事などこの先何度あるか。

それほどまでに二人の存在は神威にとって重いモノとなっていたのだが。

 

跪いて二人の手を取る。

見た目からは分からないが、触れたら分かる。

震えていた。

だから言葉で、行動で示す。

どれだけ本気なのか。どれだけの想いなのか。

 

「今の俺は、俺の機体は単体ではマトモに動けやしない。前のイザナギの方が強いかもな。」

 

跪いて尚、目線はほぼ同等だが寧ろ然と目を見て言える。

……指のサイズは寝てる間に測ったから合ってる筈なのだが。

嵌め方など知らない、普通に取り出して普通に左の薬指に通す。

 

「必ず俺が守る、必ず俺が助ける。だから俺を守ってくれ、俺を助けてくれ。

お前たちを、社員皆を、手の届く限り全てを護ってみせる。

病める時も健やかなる時も、この命に代えてもだ。 」

 

一応、一世一代の……というべきなのだろうか。

言葉は特に考えていなかったから思いつくがままになったが。

おかしなところは無かっただろうか。

ガラでも無く不安になる。

 

「………ここまで来て私たちだけ逃げるわけには行かないし?」

「その信頼に応えてみせますよ……別に乗ることは構わないですし。」

 

そうか。

なら、良かった。

それなら……そうだな……

 

「悪いな、何か言うべきなのだろうが……頭が真っ白になっている。」

「変なところで締まらない……」

「やかましい、俺とて全知全能ではない。言葉に困ることもままある。」

「それでもちゃんと言葉にして欲しいのですが。」

 

それは分かってる。

 

 

 

 

「だから、俺と結婚してくれ。ソフィ、ノレア。」

 

 




社長……そういやちゃんとプロポーズしてないな……
ということで指輪などもしっかり用意してやってみる派。
ベタ惚れ。どうしてこうなった。
彼の守りたいもの。アラサカと周辺の民の暮らし。
入れ込んでしまうとかなり重い。

ソフィ……ガンダムに乗ることよりも神威やノレアが死ぬ方が嫌になった。
歳下だが既に将来尻に敷く風格が出ている。ベタ惚れ。

ノレア……ガンダムに乗ることよりも神威やソフィが死ぬ方が嫌になった。
キャラ崩壊の被害者。歳下趣味を添付された可哀想な子。ベタ惚れ。

欧州支部長のムスメ……っす口調の女の子。何気にかなり前から出ている。
開発/整備力に関しては神威以上、本社技師長を務める若き天才。社長とは一応幼馴染。




荒坂周辺とそれ以外の貧富の格差を描く為の回、ホントはもっと前にやるべきだった。

ガンダムって言ってもガワだけなんだけどね。
水星世界的にはGUND技術が使われてるかがガンダムの基準なんだけど……
水ガンとかヘイズル的なガンダムって認識でお願いしたい。

ガンダムの前で結婚するのは様式美って聞いた。
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