透き通る世界にTSして旅しよう!   作:緑茶オルタ

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意識なんかねえよ
うるせえよ
黙れよ
意識なんかねえよ
勝利こそが正義
意識なんかねえよ
正しいのは僕



初戦闘を終えて

 

砂煙の中、彼女は敵へ向かって突貫していく。

銃をまるで自分の手足のように使い、敵を撃ち抜いていく。

 

『何なんだよあいつ!』

 

『わかんねえよ! とりあえずあいつを止めろ!』

 

ダダダダダダダダッ!

 

彼女は倒したヘルメット団すら盾に使い、前進を続ける。

 

『〘被弾最小限。 戦果を優先〙』

 

タタッ! タタン!

 

『ぐえっ!』

 

『ごえっ!』

 

敵を撃ち抜いたあとも彼女は立ち止まらない。

 

『〘機関銃手、戦闘不能確認。〙』

 

そのまま彼女は次の敵の方へ———

 

"「またその動画見てるの?」"

 

「どうわあああああああ!!」

 

"(トウが席から転げ落ちそうになった。)"

 

「先生! 今さっきセリカちゃんからキチンと座れって言われたばっかりですよね!」

 

"「でもトウは隣の席に誘ってくれたよね?」"

 

「注意されたんですから、席直しましょうよ…」

 

「…先生。 こっちに来てもいいよ。」

 

「こっちもまだ空いてますよ〜☆」

 

「…じゃあ直さなくていいです。」

 

「ひゅーひゅー! 若い子たちはお盛んだね〜」

 

「茶化さないでください!」

 

「というか勝手にアヤネさんからもらった端末覗かないでください!」

 

"素直に謝る。"

 

"「でもトウ、その動画は教材には向いてないよ。」"

 

"「その戦い方は、機械の戦い方だ。」"

 

「…わかってますよ。」

 

まだ慣れない頭の上のイヤホンを抜き取り、動いていた彼女(トウ)を画面から追い出す。

 

「特製味噌ラーメン、おまちどうさま〜!」

 

—あの戦闘の後、アヤネちゃんから監視カメラの映像を見せてもらい、愕然とした。

そこに映っていたのはヘルメット団を蹴散らしていく僕の姿。

射撃技術、戦闘判断、そして何よりも俊敏さ。 どれをとっても無駄が無い、敵を倒すために最適化された動きだった。

…でも、もちろん代償もあった。 まず体を無理に動かしていたせいで、あの戦闘の後はほとんど寝転がることしか出来なかった。

さらに、銃は作るのに、神秘?を多く使用するのか、だいぶ気持ち悪い状態が続いた。

 

「はい、これトウの分!」

 

…どちらも1日寝ただけで治ったのだが。

今回の戦闘で再確認したが、やっぱり僕の体はどうなっているかわからない。

そもそも僕はキヴォトスという世界に存在していなかった異物。

むしろ普通じゃないと考えた方が無難か。

 

それはそれとして、問題は今回の原作ストーリー改変だ。

僕が対策委員会のみんなに助けを求めたことで、本来襲われることのないアヤネちゃんが襲われた。

僕がストーリーに介入していけば行くほど、原作の話はねじ曲がっていく。

では次は?

僕がみんなに関わることで、次はどんな悪いことが———

 

「トウ? 聞いてる?」

 

「は、はい!」

 

「これアンタの分だから、あのダメ大人に奢ってもらいなさい!」

 

"「ダメ大人って…」"

 

「あはは…」

 

…でも、自分が災いしかもたらさないとしても。

 

「さあ〜! みんな頂いちゃお〜!」

 

「いただきます!」

 

「…ん。 いただきます。」

 

「いただきま〜す☆」

 

"「いただきます」”

 

先生やみんなの負担が大きくなるとしても。

 

「…えへへ、いただきます」

 

もう少しだけなら、ここにいても良いだろうか———

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

ー柴関ラーメン店 周辺ー

 

「はあ……やっと終わった。 目まぐるしい一日だったわ。」

 

「皆で来るなんて、騒がしいったらありゃしない。」

 

「人が働いてるっていうのに、先生先生って、チヤホヤしちゃって。 ホント迷惑、何なのアレ。」

 

「…私達だけで学校の借金返済はどうにかしてきたのに、今更大人が首を突っ込んでくるなんて。 私は絶対認めないわ!」

 

「あんなダメ大人を連れてきたりしたって、私は折れないわよ…!」

 

 

 

 

「…アイツだよな?」

 

「ああ、対策委員会のメンバーだ。」

 

「準備はいいか? 次ブロックで捕獲するぞ。」

 

 

 

 

「…うへ〜。 トウちゃんの言う通りになっちゃったねえ。 路地裏で待ってたかいがあったよ〜。」

 

「トウちゃん、すごいです…!」

 

「そうだね。 …でもトウ。なんでヘルメット団がセリカをさらいに来るって分かったの?」

 

「…今回が初めてなんですけど、頭の中で映像が流れたんです。 セリカちゃんがヘルメットの奴らにやられてしまう、そんな映像が。」

 

「その光景があまりにも鮮明で、しかも今日食べた柴関ラーメンのお店が近くにあったので…」

 

「こんな眉唾ものの話に、協力ありがとうございます。」

 

「…ぜ〜んぜんいいよ〜。 むしろ指示を飛ばしてくれた先生に感謝しなきゃ。」

 

"「気にしないで」"

 

"「むしろ話してくれて、ありがとう。」"

 

「…ッ!」

 

あっぶない…! 先生まじで簡単に感謝しないでほしい。

尻尾が動いちゃうから! ついでに耳も動いちゃうから!

 

…ラーメンを食べながらずっと、これから起こるであろう、「セリカ誘拐事件」について考えていた。

原作ではさらわれたセリカちゃんを先生が助けに行くはずだ。

でももう全部が原作通りに行くとは限らない。

ならばどうするか?

 

…最初から話を捻じ曲げ、対処しやすい形に変えてしまえばいい。

これは賭けだ。 もしかしたら原作よりさらに悪い展開になる可能性だってある。

でもそれ以上に、これが成功すればセリカちゃんはさらわれることもなく、対策委員会のみんなが危険にさらされる心配もない。

この突如付け足した特殊能力を信じてもらえるかだけが心配だったが、先生が第一に信じてくれた。

その後、みんなへの説得まで手伝ってくれたのだから、やはり先生はすごい。

ありがとう、先生。

対策委員会にふりかかる不幸の内、防げる不幸は防がなきゃね。

 

「さあ、私のかわいい後輩に手を出そうとしてること。 後悔させなきゃね?」

 

「支援はお任せください!」

 

「ぼ、僕も支援します!」

 

「いきますよぉ〜!」

 

「戦闘開始だ。 先生、指示を!」

 

"行こう!"

 

…さあ、原作ぶち壊し、スタートだ!





自分もトウの恐怖が移ったのか
小説上げるの怖くなって来た
世の中の小説家さんメンタル強すぎ

…それはそれとして毎日投稿4回目なんですよね。
不定期更新とは…(FXで金を溶かした人の顔)
でも多分毎日投稿はこれで終わりです。
ちょっとリアルの方で予定が出来たので、次の話を書けるのは多分2週間以上先です。

補足
監視カメラ
先生と対策委員会が設置してると思われるやつ。
多分あるという甘い考えで書いております

トウの服
ホシノから借りてるとお思いください
最初は乗り気じゃないけどそれしか合う服がなくて仕方なく服を着ているトウちゃん
一週間の内に思ったよりもスムーズに着替えられるようになってきて、自分が女子になったことを改めて実感するんですよね(早口)

ちゃん呼びとさん呼び、多分時と場合で変えたりします。
対策委員会のみんなとは、ちゃん呼びで良いと言われたのでちゃん呼びにしてるって感じで。

トウのメス堕ち、クソ長くなりそうなんですけど…
もう半分ぐらい堕ちてる気がするけど、あと半分をどうやって堕とすか…
迷うねェ〜

追記
トウがなんで原作ぶち壊そうとしたのか、動機がよくわからなかったので細部を書き直しました。

トウちゃんに求めるものは?

  • かわいさ
  • 可哀想さ
  • メス堕ち
  • 強さ

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