約半月もお待たせして申し訳ありません。どうも、熊です。
上手く筆が乗らなかったのと試験の時期が重なったのとが相まって、ここまで投稿が遅れてしまいました。
それにしても先日発売したゼルダの伝説………。あれ……ヤバくないですか?
少しだけしようと思ったら、気づかぬうちに日が暮れてましたし……あとちょっとと思いやっていたら夜が明けるって………マジでヤバ過ぎるでしょ、あの作品(誉め言葉)
よっし、大体編集も終わったし、ちょっとだけゼルダの伝説を………って、あっ(気づけば丸1日経過。なお、これは熊の事実談)
………皆様、ゲームのやり過ぎには、くれぐれもご注意を。
12月も半ばに入り、一面の景色は雪で真っ白。
湖は凍り、動物達は巣で眠りにつき、季節はあと1日もしないうちにクリスマスを迎える。
年中静かな図書館の窓から響く外の吹雪く音に耳を傾け、あちこちに散らばった本を棚に片付けつつ、私は机で大量の本と悪戦苦闘しているハリーとロンを眺めていた。
「……駄目だ。これにはニコラス・フラメルのニの字すら乗ってないし、そっちはそっちで魔法使いの魔の字すら載ってない。というか……そもそも内容が難し過ぎて意味わからないし……一つ一つが厚い上に、この本の量だ。こうも成果がないと、流石にまいっちゃうよ」
「だから言ったじゃないですか。そんな有名でもない魔法使いをピン当てで見つけるなんて無茶だって。ここ数日同じ事が続いているんですし、そろそろその辺で諦めた方が───」
「いいや、諦めるつもりはない。スネイプが何かを盗もうってわかってる以上……もうあまり時間がないかもしれない。………それに、調べ物をしてるだけなら何も面倒事には関わってないし、危険だって何もないだろ?」
「それで私も止める理由がないって……一体どんな屁理屈ですか?そんな屁理屈考える暇あったら少しでも勉強して、寮の得点稼ごうとか……もっと別の事考えて下さいよ……全く………」
私はそう言って思わず溜息をつき、その反応を見たハリーとロンはしめたものとばかりに、他の本を漁り始める。
ハグリットがうっかりフラメルの名前を漏らして以来、私を除く3人は本気でフラメルの正体を調べ続けていた。
勿論、ハグリットは関わるなと何度も言ったし、私も私で遠回しにやめるようにと何度も言った。
しかし、ハリーとロンはスネイプ先生が犯人だと確信しているそうだし、ハーマイオニーはハーマイオニーで、犯人がスネイプ先生、クィレル先生どちらだとしても黙って見て置けないとのことの事。
そんなこんなで3人は止まらず、本来私と同じ止める役割のがハーマイオニーまでもがあちら側に加わってしまった事で、一時期は力ずくでも3人を止めなければと本当に肝を冷やしたのだが………私にとっては幸運、3人にとっては不幸。
誰もがフラメルの正体をわかっているだろうと思っていたハーマイオニーが、前に本で名前を少し見た事があるというだけで、ニコラス・フラメルの事について名前以外は何にも知らなかったのだ。
どうも、フラメルはかなりマイナーな魔法使いらしく、『21世紀の偉大な魔法使い』には勿論、『現代の著名な魔法使い』、『近代魔法界の主要な発見』。そして、『魔法界における最近の進歩に関する研究』という、大抵の魔法使いなら載っているどの本の記述にも彼らしき魔法使いの記録は見当たらず、私か何かをするまでもなく、ハリー達の調査は結果として難航。
あの箒事件からあっという間に時間が過ぎ、遂には明日からはクリスマス休暇が始まろうとしている。
ハーマイオニーは休暇中家に帰るそうだし、ハリーとロンの2人だけで膨大な量の本を理解し、更にその上で一人の魔法使いを探し当てるだなんてことできるわけがない。
このまま不毛な時間のみが過ぎ、何事もなく、平穏な学校での日々が続くと良いのだか………。
「それはそうと、ハリーはホグワーツに残るとして、ロンは休暇の間どうするつもり?私は家で家族とクリスマスを祝うつもりだけど」
奥の本棚で本を漁っていたハーマイオニーが私の隣の椅子に座り、ロンにそうこれからの予定を尋ねた。
目当ての事がわかったとなれば、梃子を使っても動かないハーマイオニーの性格からして、どうも奥の本棚で目当ての本が見つかる事はなかったらしい。
「いいや、身支度はまだしてないよ。というより、予定が変わった。パパとママがルーマニアでドラゴンの研究をしてるチャーリー兄さんに会いに行くからって、家をしばらく空けるらしいんだ。だから兄弟揃って、ホグワーツに残ることにしたよ」
「あら。ならきっと、休暇中も談話室は賑やかね」
「そういや、セラスはどうするんだよ?確か、君も休暇中は家に帰るんだっけ?」
「はい、そうですね。といっても……正直帰りたくありません………。この時期は魔法生物も闇の魔法使いもあまり動きを見せない代わりに……年末の決算に向けての一斉書類作りが始まるんです。私が担当する書類の量が他より少ないとはいえ、書類作りを手伝わなきゃいけないですし………」
「あぁ……それは……大変そうだね」
「あっ、セラス。そろそろ時間。あと1時間ぐらいで列車が来るわ」
そう、ハーマイオニーに言われて図書館の振り子時計を確認すると、確かに時刻は5時を少し過ぎた程度。
身支度が済んでいるとはいえ、荷物の運び出しが残っているし、そろそろ部屋に戻って列車に乗る準備をしなくてはいけないだろう。
「じゃあ、2人共私達はそろそろ行くわ。2人は引き続き、図書館でニコラス・フラメルについて調べて。それとまだ調べてない本があるとすれば、きっと場所は閲覧禁止の棚よ。もしかしたら、そこにニコラス・フラメルについての本があるかも」
「ちょっと!ハーマイオニー!!」
「わかった、色々と調べてみるよ。じゃあ、2人共。良いクリスマスを」
「ええ、勿論。メリークリスマス」
小声で企みを囁いたハーマイオニーは直様部屋へ行ってしまい、ロンとハリーはニヤニヤ何も言わずに、こっちを見つめるだけ。
思わずムッとなって、私は軽く2人を睨み、図書館を出て部屋に向かうハーマイオニーを追いかける。
「ハーマイオニー。2人にあまり、余計な事言わないで貰えます?あんな言い方されたら、絶対2人何かしらの隙を見て、何が何でも棚の本を見るじゃないですか」
「あら?私は一度も閲覧禁止の棚の本を見ろとなんて言ってないわ。ただ、そこにあるかもって、2人に言っただけ。それで2人が本を見るかは私にだってわからないし、こればっかりは2人の考えだからどうしようもないわ」
「うぅ……またしても2人みたく屁理屈を………。……前だったら絶対、規則、規則ってしつこいぐらい言ってたのに……ハリー達と友達になってから……ほぼ間違いなくハーマイオニー、ワルになりましたよね?」
「ふふっ、確かにそれはそうかもね。悪い気はしないわ。とりあえず、それは誉め言葉として受け取っておくわね」
そう言って、ハーマイオニーは絵本に出てくる魔女の様な笑顔を二ッと浮かべ、明るくなったのはよかったのだが……ワルになるのも考えものなどと考えつつ、私はまたしても溜息をついた。
◆◆◆◆
「おぉ、帰ったかセラス。予定通り、時刻ぴったりの帰宅だな」
「久しぶりですインテグラさん。そっちは元気でしたか?ホグワーツは色々と凄い事だらけでして、授業とか料理とか、とにかくドワーッ────」
「擬音で感想を表すな、擬音で。久しぶりだというのに何も進歩していないな、お前は。まぁ、その様子からして、ホグワーツで十分充実した毎日を過ごしている事だけは、どうやら確かなようだが」
ウォルターさんが用意した紅茶を嗜みつつ、インテグラさんは苦笑交じりにそう言った。
キングス・クロス駅でハーマイオニーと別れ、駅の入口で待機していたウォルターさんと私は合流。
そのままウォルターさんの姿くらましでHELLSING本部に向かい、書類仕事が一段落したというインテグラさんと久しぶりに顔を合わせていた。
曰く、
立て続けの事件で頭を痛め続けている私とは違い、こっちでは何一つ頭を痛めることなどはなかったらしい。
「それでセラス。ホグワーツでの生活において先日報告が上がったトロールと箒の件は勿論、他に何かしらそちらでの問題はあるか?騒がしい貴様がどうせやる事だ。長続きしているかはともかく、何かしら不本意ながらも一問題を引き起こし、本来避けねばならない注目を浴びることになっているのではと思ってな」
椅子に座って紅茶を啜り、スコーンを楽しんでいたその最中、インテグラさんは口に葉巻を咥えつつ、何気ない話題とばかりにそう尋ねてきた。
1ヶ月に一度は手紙を送り、こちらの状況について伝えてはいるのだが、やはり手紙と実際の言葉で聞くのとでは違うだろうと思ったらしい。
まぁ、そうは言っても例の2つの事件以外については特段話題にもならない普通の学校生活。
最近はハーマイニー達以外のグリフィンドール生とも積極的に関わっているし、特段注目を集めるような事など………
「………。…………、………………」
「どうした?突然黙りだして。……まさか、私の言葉が図星とでも言うのではあるまいな?」
「いえいえ。何でもないです、何でも。特に注目を集める事はしてないですよ………多分」
そう言って私は言葉を濁し、何を隠しているのだと、インテグラさんはジト目でこちらを見つめる。
………ここ最近の調子で忘れていたが、ドラコを殴った事で私はほんの少し、ほんの数ヶ月の間だけではあるものの注目を集め、”決して、面倒事には関わらない”という、インテグラさんとの約束を破った。
それに加え、せっかく注目が逸れつつあったタイミングでのトロール事件で更に約束を破り、戦闘中の不可抗力ではあったものの、”決して、他者に怪しまれない”という、約束までも破る事となった。
幸いハリーとロンが勘違いをし、ダンブルドアが誤魔化してくれたおかげで”決して、自身が吸血鬼だとバレてはいけない”という約束は守り続けてはいるものの、残り2つは何度破ったか数が知れないし、どれほど破ったかなど数えたくもない。
「そう虐めてやるな、インテグラ。
そう言葉が後ろからすると共に、背後の扉が開き、廊下から
手にはつい先ほどまで吸っていたのだろう、医療用輸血液のパックが幾つか握られており、それらは「猛獣」に漁られたかの様にボロボロ。
私の様な未熟者の吸血鬼とは違う、本物の
「ただ今帰還した、我が
「任務ご苦労、我が
「久しぶりです、
「アーカードには例の奇妙な魔力反応の温床である、アルバニアの森の調査を任せていた。以前、魔法省から調査の結果について送られてはいたが………何せ奴等もとい、現魔法省大臣のファッジは何かにつけて事の対処が甘い。何か起こってからでは遅すぎるからな。それで?調査の結果は」
「本来そこにいるはずの
「以前、魔法省が発表した内容と結果は同じ。………
「ああ、そうだ。
そう何処か笑みを浮かべて発せられた言葉に、大広間の温度は体感10度は低下。
誰もが知る、例のあの人の名前を前に、大広間の空気は一度静まり返る。
「………それは本当か?アーカード。嘘偽りなく、真実だと、断言できるのか?」
凍り付いた空気の中、インテグラさんは懐の葉巻を咥え火をつけ、そう尋ねる。
「ああ、真実だ。
「ほう。それは何故だ?」
「何故?お前が何故と?インテグラ・ヘルシング。「
師匠はそう言い切って一度話を区切り、大広間は再度静まり返る。
インテグラさんは紫煙を燻らせ、灰を皿に落とし、私の背筋からは大粒の冷汗が滴り落ちる。
「………父の生前、お前とダンブルドアが言っていた事がここに来て現れるとは。………それの考えが正しいにしろ、杞憂にしろ、我々の役目は英国の敵となる
「了解致しました、お嬢様。しかし、これらの考察はあくまでアーカード様の勘で行われたもの。確固たる証拠がない以上、人間界のみを調べるのならいざ知らず、相互不干渉協定がある魔法界までも調べるとなると難しいと思われます。魔法省に対しての連絡は?」
「必要ない。しても無駄だ。あの手の者は尻に火が付くまでは決して動こうとしない。証拠がないのならば尚更の事だ」
「となりますと、一先ずは人間界を集中的に調査すると?」
「ああ、そうだ。魔法界の事は一先ずダンブルドアに一任しよう。手始めに、例のあの人についての調査の範囲は───」
インテグラさんとウォルターさんはそのまま仕事モードになって話し込んでしまい一人、取り残されたような形で冷めてしまった紅茶を啜る。
………今回、もしかすると動いているかもしれない例のあの人。
そして、そのタイミングを待っていたかの様に、ホグワーツへと移された何かと、それを狙っているかもしれない人物。
これらはあまりに出来すぎたタイミングで両方とも動いており、それはまるで狙って動かされたかのよう。
「………この2つが関係しているなんて事。………まさか、そんな訳ないですよね」
最近移ってしまったかもしれないハリーの陰謀論癖を振り切って、誰にも聞こえない声でそう吐き出し、私はそれ以上思考を巡らすのをやめた。
しかし、その聞こえない声というのはあくまで人間の聴力における範疇であり、吸血鬼に対しては丸聞こえも同然。
◆◆◆◆
「見つけたぞ!フラメルの名前を見つけた!!」
クリスマス休暇が終わってホグワーツに戻り、運んできた荷物の荷解きが終わって談話室で寛ごうとしていた頃。
ハリーの小声の囁きによって、私の平穏な学校での日々という、目論見は完全に破綻した。
どうも、ネビルに貰った「有名魔法使いカード」にその事が書かれていたらしく、カエルチョコだけが目当てであり、中のカードを毎回箱ごと捨てている私にとって、その答えの辿り着き方は完全に想定外だった。
「どっかで名前を見た事があるって言ったよね。ホグワーツに乗る汽車の中で見たんだ。
『ダンブルドア教授は特に1945年、闇の魔法使いグリンデルバルドを破った事、ドラゴンの血液の12種類の利用法の発見。パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名』
だって」
「そうよ!そうだわ!私も前にこの事を本で読んだの!ちょっと待ってて!」
ハーマイオニは興奮気味で図書館から出ていき、寮から巨大な古い本を抱え、矢の様に戻って来る。
「この本で探してみようなんて考え付きつきもしなかったわ。ちょっと軽い読書をしようと思って、随分前に図書館から借りだしていたの」
「軽い?」
ロンが思わず首を傾げてそう言うが、ハーマイオニーはそんなこと無視してページをめくる。
「これだわ!これよ!ニコラス・フラメルは我々の知る限り、賢者の石の創造に成功した唯一の者!」
「「何、それ?」」
「全く、もう。2人共本を読まないの?
『賢者の石は恐るべき力を秘めた伝説の物体で、如何なる金属をも黄金に変え、『命の水』を生み出す。これを飲めば不老不死となる。現在存在する唯一の石はニコラス・フラメルが所有している。彼は有名な錬金術師で、昨年665歳の誕生日を迎えた』
フラッフィーが守っているのはこれよ。仕掛け扉の先には、賢者の石があるのよ」
「金を作る石、決して死なないようにする石!スネイプが狙うのも無理ないよ。誰だって欲しいもの」
「『魔法界における最近の進歩に関する研究』に載ってないわけだよ。だって、665歳じゃ、厳密には最近とは言えないもんな」
そんなロンの言葉に2人は頷き、3人の雰囲気からは興奮が隠せない。
確かに、そんな昔の人では特定するのが難しいはずであるし、本来生徒が辿り着けないのも納得できる。
しかし、そんな中ハリー達はその答えに辿り着き、隠されている物の正体までもほぼ明らかにした。
これはとても素晴らしい事であり、尚且つ、これはとても残念な事でもある。
「3人共。隠されている物の正体が賢者の石であるとわかった以上、これ以上この件に関わるのはやめるべきです。犯人についてこれ以上調べるのも、あの部屋の先について調べようとするのも、今後絶対に駄目で、やってはいけません」
そう念入り釘を刺した上で、3人に冷水を掛け、この夢見心地の雰囲気を現実に戻した。
私の言葉に、ハリーとロンは明らかに納得していない様子で不満気。
一方、ハーマイオニーは対照的にハッと何かに気がづいた様子で、少し考え込む。
「何でさ?ここまでせっかく辿り着いたっていうのに、ここでそんなやめるなんて!納得できないよ!今まで君も調べるのを黙認してたじゃないか!」
「ここまで辿り着くとは思っていなかったからです。まさか、隠されている物が賢者の石だなんていう……使い方によっては魔法界をゆるがしかねない、とんでもない代物だという事も含めて」
「なら、尚更───」
「だからこそです。賢者の石は如何なる金属をも黄金に変え、『命の水』を生み出す代物。ですが、その石を使うには高度な魔法と錬金術の知識、技術両方が必要であり、その2つを持たない魔法使いが石を使おうものなら、たちまちのうちに使用者は死んでしまうんです」
「へー、そっか。まぁ、そりゃあ、簡単に大金持ちになれる訳ないもんな」
「石が危険って事はわかったけど、それが何?君が止める理由と全く関係ないじゃないか」
何を関係ない話をとでも言いたげな様子の2人の理解力の低さに、私は思わず椅子からずり落ちそうになる。
どうも、ニコラス・フラメルについて探し当てる運は持っていても、やはり頭の回転という面ではまだまだ少し足りないところがあるらしい。
「……セラスが心配してるのは、これ以上この事に関わると、石を扱えるくらい凄い魔法使いと私達とが戦う事になるかもしれないって事よ。石に狙いをつけているっていう事は、もしかするとあの2人のどちらかは歴史に名を残す魔法使い、もしくはそれくらい凄い魔法使いと手を組んでいるかもしれないし、そもそも1年生の私達 対 大人との勝負だなんて勝ち目はゼロ。逃げようとしても多分逃げられないだろうし、ハリーの時の箒みたく、事故に見せかけて私達を殺そうとするかも」
私が理解力の低い2人に呆れていると、その事実に早くから気づいてくれていたのか、ハーマイオニーが2人に分かりやすく説明してくれた。
説明下手な私ではこれ以上の事は上手く説明出来なかっただろうし、やはりこの様な理解力や頭の回転速度の様な面で、ハーマイオニーは私達より頭が一つ抜けているらしい。
「スネイプかクィレルのどちらかが腕の立つ魔法使いだなんて、イメージ付かないけど………確かに、スネイプなら事故に見せかけて僕を殺そうとしたっておかしくない。あいつ、何かにつけて僕を目の敵にしてるもの」
「君に何かをこれ以上するとしたら、きっとタイミングは次のクィディッチの試合だ。フレッドとジョージから聞いたんだ。あいつ、いつものなら嫌がる癖に、今回に至っては率先してクィディッチの審判に立候補したんだって」
話を理解したハリーとロンがそう話したのを聞き、私は眉を潜める。
確かに、ロンの言う通り、スネイプ先生が審判を引き受けるタイミングが偶然にしては出来すぎているし、何より率先したというのが怪し過ぎる。
審判を行う事で前の様な事件を防ごうとしてるとも考えられるが、いつものハリーに対する接し方からして、まずそれはありえない。
寧ろスネイプ先生が、ハリーを守るどころか、ハリーが傷つくのを喜んで見るタイプの様な気もしないでもない。
どちらも怪しい事に変わりはないが、現状圧倒的に犯人だと考えられるのは間違いなくスネイプ先生だろう。
「賢者の石について今から関わるのを止めたとしても、もう既に私達が何かしらに感づいたと考え、犯人が私達に何かする可能性は十分あります。あの2人に警戒をしつつ、出来るだけ普通の学校生活を送るのがベストでしょうね」
「ダンブルドアがこのホグワーツにいる限りは守りは万全だし、これ以上私達1年生がやれる事だなんてたかが知れてるわ。勿論、スネイプ先生は警戒しなくちゃいけないけど、特にハリーはクィディッチの試合が近いんだし、しばらくはそっちに集中しなくちゃね」
「仮に大金持ちか不老不死になったとして、それにしてもスネイプは一体何をするつもりなんだろうな。どうせ、陰険なあいつの事だ。碌な事しなさそうなのは確かだけど」
「………そんな碌な事をする前に、誰かがスネイプを止めなくちゃいけない。ホグワーツはダンブルドアがいる限りは安全かもしれないけど……もし、仮に、そのダンブルドアがいなくなったとしたら………」
「ハリー!!」
「わかってる。これ以上は自分からは関わったりしない。でも、もし本当に誰も、スネイプを止める事が出来なくなったとして……その時は……僕が………」
表面上は丸く収まったと見えて、アルバニアの森の事件も、トロール事件も、箒事件も、………ハリーの犯人を捕まえるという意思も、何もかも根本からは解決していない。
しかも、それ等は一見繋がっていない様に見えて全て繋がっているかのようであり、今回の事件の何もかもを裏で
私以外に聞こえない声で発せられた言葉と中で黒い炎が燃え滾る様な目を前に、私は一端の不安を感じざるを得なかった。