ハリー・ポッターと王立国教騎士団   作:熊田ラナムカ27

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 先日までハイラルを救っていました。どうも、熊です。
 
 ゼルダの伝説……やはりあれは恐ろしいゲームだった。
 
 ストーリーの作り込みから始まり、前作の何倍もパワーアップしたオープンワールド。
 
 白熱したボス戦に、圧倒的兵器での敵Mobの虐殺。
 
 何から何まで……最高のゲームでした。
 
 ………ただし、冗談抜きで昼夜逆転する上、辞め時が分からない為遊ぶのが止まりません。
 
 約1ヶ月の次話作成放棄などもあり得ますので……皆様、適切な容量をくれぐれもお守り下さい。
 
 さて………次は縛りプレイを…………(冗談抜きで遊ぶのが止まりません。皆様本当に注意を)
 
 
 
 


14 I don't want anything to do with dragons

 

 

 隠されている物の正体が賢者の石だと判明してから数日。

 

 石に関わるのを止めたからなのか、それとも犯人が別の事を企んでいるからなのかはわからないが、一先ず私達は何事もなくこの数日間を過ごし、スネイプ先生が審判をするというクィディッチの試合当日を迎えたのだが……私を含め全員の顔つきが固く、ハリーに至ってはウッドの激励が耳に届かぬほど過剰なまでに緊張していた。

 

 無理もない。

 

 今回試合が行われるスタジアムが人目の多い場所とはいえ、賢者の石を狙うほどの魔法使いならその程度の問題簡単に解決する可能性は十分あったし、今回の審判は現在犯人候補としては最有力のスネイプ先生。

 

 ハリーを異様なまでに嫌う先生ならば、事故を装ってハリーを殺そうとする可能性は十分あるし、これまでの行動からして彼自身石を狙う犯人だという可能性も十分ある。

 

 斯くして、ハリーは試合前杖を置いていく事の不安に苛まれながら試合に行き、観戦する私達3人はいつでも杖を抜ける準備を整え、密かに練習していた「足縛りの呪文」を放てる用意をしていたのだが………その心配は杞憂だったらしい。

 

「こりゃ驚いた……ダンブルドアが試合を見に来るなんて」

 

「前の試合で色々あったから………というのが理由なんでしょうけど、まさかダンブルドアが直接動くなんて………予想外もいいところです」

 

「けど、ダンブルドアがここにいるのならスネイプは………!」

 

「えぇ、絶対に手出し何て出来ません。やったところで一瞬で捕まるのがオチです。多少、試合での嫌がらせ等々はしてくるかもしれませんが、少なくともハリーの命が危ないという事は絶対にありえません」

 

 そう、確信した私達3人はほっと息を吐いて腰に杖をしまい、ハリーもホッとして笑うのを堪えているよう。

 

 そして、そこからのクィディッチの試合は本当に早かった。

 

 ハリーが安心した反動か、なんと試合開始から5分もせずにスニッチを発見。

 

 直様急降下してスニッチをキャッチし、過去類を見ないほどの早さで試合が決着した。 

 

 この試合が終わる早さが故、当初心配していたスネイプ先生も嫌がらせなどする暇がなかったらしく、終始苦々しくハリーを見つめるだけ。

 

 全ての心配事が杞憂で終わり、私達は意気揚々とハリーを迎えに行く。

 

「今回の試合、ハリー本当に凄かったな!スニッチをたった5分でキャッチだなんて、あれならスネイプも文句の付けようがない」

 

「今回の試合の得点でグリフィンドールは一気に首位にうなぎ登り!この調子で得点を積み上げていけば、本当に今年は寮対抗戦の優勝だってありえますよ!」

 

「そうだっていうのに、当の本人のハリーは返ってくるのが遅いわね。せっかくの今日の主役だっていうのに、一体何処で油売っているのかしら」

 

「大方、ジョージ達と騒いでいる様な気もしないでもないですけどね。けど、確かにハーマイオニーの言う通り帰って来るのが少し遅いような……って、いた。ハリー、あんなところでボーっと立ってますよ」

 

 スタジアムを出て直ぐの横道で、ハリーは一人佇んでいた。

 

 ジョージやフレッド達と一緒にいないのは少し気にはなるが、きっとあの騒がしさについていけず、1人休みたくなっただけだろうと頭の中で結論付ける。

 

「ハリーったら、一体どこに行ってたのよ!」

 

「僕等が勝った!君の勝ちだ!僕等の勝ちだよ!」

 

「今回の試合、本当に凄かったです!これでグリフィンドールの順位もうなぎ登りですし、もしかすると優勝ありえるかもしれませんよ?」

 

 そう言って私達はハリーを祝福するが、ハリーは曖昧に頷くだけで何も返さない。

 

 何処か、試合前より固い表情で、何かを考えているかのよう。

 

「それどころじゃない。何処か、誰もいない部屋に行こう。大変な話があるんだ………」

 

 ハリーは固い表情のままそう言い、脇目も言わず空き教室に私達を引っ張ていった。

 

 本当に誰もいないかを確認するハリーの表情は神妙そのものであり、その姿から何となく、嫌な予感が漂ってくる。

 

「僕等は正しかった。『賢者の石』だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプがクィレルを脅してた。フラッフィーを出し抜く方法を知りたかったらしい。それと……クィレルの『怪しげなまやかし』の事も何か話してた。……フラッフィー以外にも何か特別なものが石を守っているんだ。きっと、人を惑わすような魔法がいっぱい掛けてあるんだよ。クィレルが闇の魔術に対抗する呪文をかけて、スネイプがそれを破ろうとしているんだと思う」

 

 立て板に水を体現したかの様に、ハリーは頭が痛くなる様な情報を一気に吐き出した。

 

 どうも、一人帰ろうとしたところ偶々、スネイプ先生とクィレル先生の密談に出くわしてしまったらしく、そこでスネイプ先生がクィレル先生を脅している現場を見てしまったらしい。

 

 そもそも、これ以上関わるなと言っているのにも関わらず、何故密談などというものに首を突っ込んだと言いたいところではあるが………今回の問題が問題。今それを言う余力はない。

 

「つまり、賢者の石が安全なのは、クィレル先生がスネイプ先生に抵抗している間だけ、というわけね?」

 

 ハーマイオニーがそう真っ青な表情で言い、ハリーは無言で頷く。

 

「それじゃあ、3日も保たないじゃないか。セラスが倒れそうになった時に自分まで卒倒仕掛けた奴だぜ?石なんか直ぐになくなっちまうよ」

 

 それは違う、と言おうとしたが、いつもの立ち振る舞いからして、実際クィレル先生が容易に屈する姿は難くない。

  

 ダンブルドアと他先生方の守りを破れるかどうかは別として、彼がいつまで抵抗を続けるか否かによって、更にひと騒動起きるか否かが決まる事も間違いないのだ。

 

 その日の夜中、私はインテグラさんへ事の詳細を手紙に書き、いつでもそれを送り行動できるよう、最悪の事態に備え準備をした。

 

 これを一度送れば私の大切な日常は完全に瓦解し、これまで通りの学校生活を送る事は難しくなる。

  

 何せ、これを送るという事はHELLSING 局員としての“命令“を果たすという意思表示そのものであり、戦闘が起きればその最前線へ真っ先に戦いに行き、例え吸血鬼という事がハリー達にバレたとしても、私はHELLSING 局員として、役目を果たさなければならないのだから。

 

「………嫌だな。もう、こんなにも早く、終わっちゃうかもだなんて。………嫌だな。みんなから、こんなにも早く、嫌われちゃうかもしれないなんて。………出来れば少し、もう少し……ほんの少しだけ………みんなと一緒にいれればいいのに」

  

 ここでの生活はとても楽しくて、とても愛おしい。

 

 だが、それは薄氷の上の幸せであり、いつだってそれは崩れる危険がある。

 

 ………どうして、こんなにも幸せは直ぐ無くなりそうになるのか?

 

 どうして、こんなにも直ぐに愛しいものが失われそうになるのか?

 

 どうして………私は吸血鬼としてではなく、人として、生きる事が出来なかったのだろう。

 

 そんな考えても仕方のない事ばかりが、その日の夜は頭をよぎるばかり。

 

 どんなに考えても答えを見出すことが出来ず、その日の私は眠りにつく事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ◆◆◆◆                                      

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 あれから更に数週間。

 

 私達全員の予想とは反し、クィレル先生は驚くべき粘りを見せていた。

 

 クィレル先生は日が経つほどに顔色がどんどん悪く、やつれてはいるが、口を割った様子はない。

 

 四階の廊下からの唸り声と、スネイプ先生の不機嫌そうな様子からして、きっと石はまだ無事なのだろう。

 

 頭に何度もよぎる不安が消え、無事平穏な生活が続いているというのはいいものではあるのだが………季節は巡り、時期としては既に今は春半ば。

 

 期末試験までの時間は三か月を切り、この先の試験について心配をしなければいけなくなっていた。

 

「セラス、ハーマイオニー。試験はまだ10週先だよ?何も今から勉強しなくてもいいんじゃないか?」

 

 ハリーは呆れながらそう言うが、前提として根が真面目であるハーマイオニーは逆に鋭い視線を向ける。

 

「何言ってるのよ。寧ろ10週しかないのよ!10週しか!トップ10入りしなきゃいけないセラスほどじゃないしろ、あなた達2人もある程度は勉強しないと駄目に決まってるじゃない!進級する為の重要の試験だっていうのに……私とした事が、もう1月前から勉強するべきだったって私も反省してるんだから!」 

 

「いや、それは過剰過ぎるし、今からでも十分過剰過ぎるよ。石だってまだ気になるし」

 

「ニコラス・フラメルみたく600歳も歳も取ってないし、そこまで僕等忘れっぽくないんだけど」

 

 そう2人は肩を竦めてそれらしい反論はしているものの、日頃2人は対して勉強をしてないし、課題も課題でその殆どが私とハーマイオニーに頼りっきり。

 

 ハーマイオニーの厳しい言葉を前に、目が完全に泳いでいる。

 

「私みたくテストの結果で、2人はただ働きの有無なんて考えなくていいかもしれません。けど、テストの結果で恥をかくかどうかは自分次第ですし、石を気にして点数が上がるなら誰だって苦労はしません。ここは試験の準備ができるうちに沢山して、ある程度の点数は取れるようにした方がいいと思います。尤も、下手な点数取ろうものなら多分ドラコは煽ってきますし、多分次の長期休暇入るまでそれがずっと続くとは思いますが」

 

 私がそう言うと2人はウッと苦い表情をし、何処か駆け足気味で棚の本を借りに行った。

 

 どうも、あの2人を動かすにはドラコの話題を一摘みするのが調度良いらしい。

 

 それからというもの、私達は授業の時間以外の殆どを図書館で一緒に過ごし、勉強の復習に精を出した。

 

 2人は当初こそ勉強に難を示していたが、毎日どの教科も山の様な宿題が毎日出る関係上勉強をしない訳にもいかず、ドラコに煽られまいという対抗心も相まって観念したようだ。

 

 私も2人に負けぬよう、相も変わらず覚えきれない魔法史の内容を何度も書き込んで頭に叩き込んでいき、わからないところがあれば直ぐにハーマイオニー先生に質問をして勉強を進めていく。

 

「あー、やっぱり駄目だ。こんなの、どうやったってとてもじゃないけど覚えきれないよ」

 

 そう言ってロンは羽ペンを投げ出し、図書館の窓から恨めし気に外を覗いた。

 

 勉強を始めて2時間近く経っている事ではあるし、まだ終わっていないとはいえ、皆ある程度の区切り事態はついている。

 

 ここからで一度休憩を取り、少し時間をおくべきなのかもしれない。

 

「あれ?ハグリット!どうして図書館に?君がここに来るだなんて珍しいね」

 

 私が休憩するべきかと思案していると、ロンが勉強から離れる為か、近くの棚でコソコソしていたハグリットに話し掛けた。

 

 ハグリットはいつもなら着ていない、場違いのモールスキーンのオーバーを羽織っており、本人がバツが悪く何かをかくしているのも相まって、その風体は知らない人が見たら不審者その者だろう。

 

「いや、チーッと見ているだけだ。大したことじゃねぇ。お前さん達こそ何しとるんだ?まさか、ニコラス・フラメルについてまだ探っとるんじゃないだろうな?」

 

「そんなのとっくの昔わかったさ。それだけじゃない。あの犬が何を守っているかだって知ってる。『賢者の───』」

 

  

「「シーーッ!!」」

 

 

 勉強から離れ、ハイテンションになったロンの口を大急ぎで私は塞ぎ、ハグリットは大慌てで辺りを見渡す。

 

 幸いここには私達以外司書さんしかおらず、その司書さんも奥の本棚の整理で大忙し。

 

 誰も聞かれていなかった事に、私とハグリットはほっとため息をつき、自分がした事の危険性を理解していないロンを厳しい目で軽く睨みつける。

 

「あのですね……。前にも言った通り、あの石に関わったら危ない目に遭うんです。それなのにも関わらずこんな公衆の面前でそれを大々的に言うって、あなた馬鹿なんですか!?馬鹿!いい加減脳味噌を詰め直して来て下さいよ!シャレになりませんから!!」

 

「何だよ!?確かに今の言ったのは悪かったけど、何もそこまで言う必要ないじゃないか!」

 

「いーや、お前さんは今の行動の危険性を全くわかっとらん。………セラスの今の言い方からして、これ以上深入りするのは避けているようだが、少しでも関わっちまった以上いつ何処で狙われたっておかしくねぇ。そんな大声で言いふらしちゃいかんぞ!」

 

「でも、ハグリット。実は僕達相談したいことがあるんだ。こないだスネイプがクィレルに詰めよって、石の守りについて教えろって脅してて────」

 

 

「「シーーッ!!」」

 

 

 ロンが目の前で注意されていたのにも関わらず、公衆面前でとんでもない事を言ったハリーの口をまたも、私は大急ぎで塞いだ。

 

 ハリーの声がロンのものより少し大きめに発せられたせいか、今度はつい先ほどまでこちらを見向きもしていなかった司書さんの視線集めてしまっており、私は思わず視線を窓の外に晒す羽目となる。

  

「だから、そんな事を大声で言っちゃあかん。というか、4人共。まだその事を疑っていたのか?」

 

「まぁ、色々と状況的にね。今のところ一番怪しいのはスネイプだから」

 

「………あとで小屋に来てくれ。ここでそのことを捲し立てられると困るし、相も変わらずお前さん等は勘違いしとる。あの2人のどっちかが犯人だなんて事、ありえる訳ねーんだから」

 

「わかったよ。じゃあ後で行くよ」

 

 ハリーがそう言うと、ハグリットはブツブツ何かを呟きながら行ってしまった。

 

 どうも帰る時も背中をモゾモゾさせており、その姿はまるで何かを隠しているかのようだった。

 

「ハグリットったら、一体どうして図書館なんかに来たのかしら。ハグリットの性格からして、読書をするようにも見えないし」

 

 ハグリットの明らかに怪しい姿に疑問を持っていたのか、その影が見えなくなるとハーマイオニーはそう呟いた。

 

 ハーマイオニーがそう言うと、勉強にうんざりしていたロンが先ほどまでハグリットがいた本棚に行き、ありったけの本を持ってくる。

  

「きっとドラゴンだよ!ドラゴン!ハグリットはドラゴンの本を探していたんだ。見てごらん。『イギリスとアイルランドの竜の種類』。『ドラゴンの飼い方──卵から焦熱地獄まで』だってさ」

 

 ロンがそう言いながら置いた本は確かに、どれもドラゴンに関する本であり、特に生態や飼育法についての本が数多く揃っている。

 

「初めてハグリットに会った時、ズーッと前からドラゴンを飼いたい言ってたな。もしかすると、ドラゴンの子供か何かを捕まえたりとかして、それを自分なりに育てようしてたりして」

 

 ロンがまさかと冗談半分にそう言うが、もしそんな事本当にありえたりでもしたら笑い話ではない。

 

 ドラゴンは世界中に存在する危険度XXXXX級の伝説クラスで危険な魔法生物であり、その殆どが獰猛で狂暴。

 

 年に数回ほど人間界に卵が密輸入される事件が起きており、その卵が孵化してしまった場合、私達HELLSINGが総力(師匠(マスター)の場合単独だが)を上げて討伐を行わなければならないほどの騒ぎが起こるのだ。

 

 私も過去何回か、生体一歩手前のドラゴンの相手(おとり)をしたことがあるのだが………冗談抜きで、あいつ等は非常におっかなく、関わってはならないと全力で考えるほどには本気でヤバい。

 

 基本堅牢な鱗で覆われている為、銃撃や爆撃が効かない他、呪いに強い耐性を持っており、限られた一部の呪い以外はその全てが無効。

 

 奴等の多くが翼を持つ為機動力が高く、そもそも中々攻撃が当たらない。

 

 また、その多くの種が雑食性である為、村などの近くで孵化されようものなら問答無用で人里を襲おうとし、その結果戦闘被害額は毎度毎度狂気の沙汰と………思い出せば出すほど、関わりたくない奴等なのだ。

 

 過去何度もあいつ等の相手(おとり)をした事により、私は、何回も奴等に殺されかけ、冗談抜きで吸血鬼でなかったら死んでいた。

 

 更に言えば、師匠(マスター)の単独戦闘による巻き添えで何十回も死にかけているのも……私自身のドラゴン嫌いを激化させているのかもしてない。

   

「でも、魔法界じゃドラゴンを飼う事は違法なんだ。どのみちドラゴンは殆ど雑食だから人に懐かないしね。チャーリーがルーマニアで野生のドラゴンに付けられた火傷を見せてやりたいくらいさ」

 

 ロンが結局ありえないと話を締め括り、私はそれに全力で頷いた。

  

 まぁ、よく考えなくともドラゴンを飼うなんてありえないし、そもそもそんな事をしたら即逮捕。

 

 いくらドラゴン好きと言ってもそれぐらいの事は弁えているだろうし、仮にもハグリットは大人。

 

 咄嗟の単語で驚いてしまいましたが、ドラゴンを飼おうだなんてある訳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつはな、賭けで貰ったんだ。パブで会った知らない奴に。むこうもこいつ(ドラゴンの卵)を持て余していたらしい。そんなもんだから図書館から本を借りて、こいつを孵化させようと───」

 

「返品!返品!即刻返品!!今すぐあった場所に返してらっしゃい!そんなドラゴンの卵(面倒事の権化)!!」

 

「な、何てこと言うんだセラス!?こいつを育てるのが俺の夢で───」

 

「そんな事知ったことありません!何です?情でも湧いちゃいました?なら私が回収をします。そっちの方がお互い後腐れがいいですもんね!ハーマイオニー!馬!馬!馬か何か連れて来て!そもなくば車!さもなくばトラック!さもなくばヘリコプター!!」

 

「セラス落ち着いて!言いたい事は分かるけど一度落ち着いて!!」

 

「杖を振り回すな!魔法を出そうとするな!というか、そもそもトラックって何!?ヘリコプターって一体何!?」

 

「放せ!放して!!嫌だ!果てしない被害総額数えるのは!!嫌だ!これ以上おとりになって死にかけるのは………もう嫌だぁ!!」

 

 ハグリットが隠していたドラゴンの卵を前に、デジャブを感じながらも私は殆ど半狂乱。

  

 腰から抜いた杖を振り回して魔法を放とうとし、ロンとハーマイオニーがそれを2人掛りで止め、ハグリットは暖炉にある卵を守ろうと冷や汗を流しながら仁王立ち。

 

 ハリーは状況についていけず、ポカーンと口を開けていた。

 

 ………一先ず、状況をず整理しよう。

  

 私達はあれから少し勉強した後約束通りハグリットの家に行き、今知っている事を洗いざらい話した。

 

 私達が隠されているものの正体を明らかにした事にはしかっめ面で眉こそ潜めていたものの、正体が賢者の石だとわかってからは自ら関わろうとしていないという事で、ハグリットは一先ず納得してくれた。

 

 だが、その一方、スネイプ先生が明らかに怪しく、犯人に一番近しいであろうという事には納得を示してくれず、結局話はダンブルドアがいれば大丈夫だという所に着地をした。

 

 ハリーとロンはスネイプが犯人だとどうして信じてくれないんだと、ブツブツ呟いてはいたが、客観的に見てハグリットの視点からではどう考えても突拍子もない話であるし、結論のダンブルドアがいれば大丈夫だと事が紛れもない事実である為、ハグリットが納得したどうこうはさほど問題ない。

 

 そう、ここまでは何ら問題なかったのだ、ここまでは。

 

 だからこそ私は言いたい。

 

 ………何故、こんなところにドラゴンの卵(面倒事の権化)がある?

 

 何故、違法と知りながらドラゴンの卵(面倒事の権化)を不法所持している?

 

 何故、ドラゴン(面倒事の化身)を飼うだなという、辺り一帯の被害を考えない夢を実現させようとしたのか?

 

 ………全く、理解が出来ない。

 

「で、この際はっきり聞きますけどハグリット。この卵、孵したとして一体どうする気なんです?仮にも数多くの魔法生物関わって来たHELLSING 局員として、このままドラゴンの卵を放置だなんて事、出来る訳ありませんから」

 

 状況を整理を整理してようやく落ち着き、私はドラゴンの卵(面倒事の権化)を指差しながらハグリットに詰め寄る。

 

「……そりゃあ、俺とてこいつをずっと飼おうだなんて出来る訳ない事ぐらいわかっとる。だがな……こいつを育てる事は本当に俺の夢なんだ!頼む!1ヶ月とは言わん!せめて3週、いや2週………いいや1週間だけでいい!!こいつの面倒を、俺に任せちゃくれないか!?」

 

「よし、わかった、とでも言う思いました?というかどれも大して変わりありません。一週間もすればこの家を突き破るであろうドラゴンを、一体何処に隠しとく気で?」

 

「そりゃあ……あれだ。………禁じられらた森の奥に連れてくつもりだ。あそこなら人はよりはせんし、食べ物だって沢山ある。こいつがデカくなった時も安心だし、俺が面倒を見に行くことだって───」

 

「論外。森番が森の生態滅茶苦茶にする気ですか。そもそも、それでドラゴンが暴れないという保証がありません。仮にドラゴンが人を傷つけたとして、その責任は一体誰に負わせる気なんです?」

 

「うっ……それは……だな…………」

 

 完全に夢が叶うという喜びで頭が一杯だったハグリットはそれ以上何も言えず、私はその姿を見て思わず溜息をつく。

 

 これまでの仕事で多くの卵を密輸入して来た魔法使いを見てはいるが、その多くの魔法使いの密輸入した理由が金儲けの為であるのに対し、今回のハグリットの様に飼う為に密輸入した例はごく稀。

  

 金儲け為に密輸入した魔法使い達が問題を明るみにしたくない為、極力ドラゴンを孵化させない環境で卵を管理するのに対し、ごく稀の魔法使い達は寧ろ卵を孵化させ易い環境を作る為、孵化したドラゴンが最終的に暴れる可能性が高くなる分、ある意味非常に厄介なのだ。

 

 そんな事を引き起こす奴等と同様の事を知り合いが、今目の前でしようとしていたのだから、全く持って呆れるしか他はない。

 

「セラスの言う事はご尤もよ。ハグリットがドラゴンが暴れた時の責任なんて、取れるわけがない。被害の規模が大きすぎもの。………いいや、寧ろ、責任を取る云々の前に、ワーロック法の名の下でアズカバンに入れられるのが早いかも」

 

「アズカバン?ロン、それは何?」

 

「魔法使い用の刑務所だよ。どっかの海のど真ん中にあって、今の今まで脱獄出来た奴は一人もいない悪夢みたいな刑務所だって、パパが言ってた」

  

「そんな!ハグリットが刑務所入れられるなんて……僕絶対に嫌だ!!」

 

 ロンの説明を前に、ハリーは真っ青になってそう言い、ハグリットは思わず一歩後ずさりする。

 

 友達だというハリーの悲痛な言葉を前に、ようやく自分の立場を自覚したらしい。

 

「……あぁ……そうだな。ドラゴンを飼おうだなんて言って……悪かった。身勝手な事をしようとした……俺が悪かった……。………魔が差したんだ。夢がようやく叶うってなって、その事で頭が一杯になっちまって………」

 

「……まぁ、反省している様なら今回はお咎めなしにしておきます。もし、これでも飼うだなんて言おうものなら、真っ先にインテグラさんに報告して、相応の処置をしてもらうつもりでしたが」

 

「そ、相応の処置って……。……それはそうと、これからその卵はどうする?ハグリットが捕まらない為にもここには置いておけないし、かといって何処かに放置するわけにもいかないだろうし」

 

 ハリーが暖炉の卵を指を指してそう言い、皆が少し思案顔となる。

 

「………そうだな。こういうときゃ元々の持ち主に返すっていうのが基本なんだが、何せ貰った相手の顔を俺が覚えちゃねぇし、パブで別れた相手一人を探すってのは一苦労だ。早々元の持ち主には会えんだろう」

 

「なら、セラスはHELLSING局員だっていうんだし、その伝でどうにか他の局員とかに連絡して、その人達にお願いするとか───」

 

「無理よ、ロン。HELLSINGは大昔の取り決めで魔法界との不可侵条約を結んでるの。要するに、許可なく魔法界で活動できないって意味。前みたいな緊急事態だったらともかく………今回みたく緊急性がないのなら、HELLSINGは基本魔法界の事には何も対処できないの」

 

「はい、そうなんです。飼うのを止めるだけならいざ知らず、下手にこれ以上私がドラゴンの卵に私が関わると後々大問題になります」

 

「となると、どうしたもんか…………」

 

 ハグリットはそう言って唇を嚙み、私達は更に頭を抱える。

 

「…………チャーリー。………そうだ!何で思い浮かばなかったんだろう!チャーリー!!」

 

 そんな中、ハリーは突然ロンの事をチャリーと呼び出し、ロンは呆気にとられた表情でハリーの事をまじまじと見る。

 

「チャーリー?兄さんにチャーリーはいるけど、僕の名前はロンだよハリー。色々考え過ぎて、狂っちゃたのかい?」

 

「違うよ、チャ-リーだ。君のお兄さんのチャーリー。ルーマニアでドラゴンの研究をしていたはずだから、チャーリーに卵を預ければいいんだよ。そうすれば面倒を見て、きっと自然に返してくれるはずさ」

 

 ハリーはロンにそう説明し、ロンはその提案に大賛成した。

 

 ドラゴンの研究者だというのならば預けても法的に問題ないだろうし、ロンのお兄さんというのならば秘匿性にも問題ない。

 

 今回のドラゴンの卵をどうするかという議題において、これ以上の答えはないだろう。

 

 その次の週。

 

 ロンがチャーリーに送った手紙の返事を待っている間、ハグリットの家でドラゴンが産まれた。

 

 ハグリットはそのドラゴンをノーバートと名付け、一時ではあると分かりつつも世話に勤しんでいるようだ。

 

 なお、私はHELLSING局員という立場と、これ以上ドラゴン(面倒事の化身)と個人的にも関わりたくない為その場にいなかったのだが、私を除く3人はドラゴンが産まれる瞬間を見学した際、どうもドラコがその現場をカーテンの隙間から覗いていたらしい。

 

 今のところ薄笑いを浮かべているだけで何もしてはいないが、ドラコはどうも私を除くハリー達3人を何かにつけてつけているらしく、何か企んでいるのはと3人は怪しんでいた。

 

 ………尤も、私からするとしょーもない事考えているんだろうなとしか思わないし、自らもそのしょーもない事でしっぺ返しを喰らう気がしてならない。

 

 ハリー達と仲良くしたいのであればこんな回りくどいことをせず、真正面から話に行けばいいのにと、つくづく思ったが。

 

「ヘドウィグだ!チャーリーの返事を持って来たんだ!」

 

 水曜日の夜、皆がとっくに寝静まり、餌をやる手伝いをしていた最中ノーバートに指を噛まれたというロンの話を聞いていると、ようやく返事は返って来た。

 

 手紙の内容を要約すると、チャ-リーの友人達が土曜日の真夜中に一番高い塔へ向かい、そこでノーバートを受け取るとの事だった。

 

 預ける相談をしていたとはいえ、法律を無視してドラゴンを飼おうとしたハグリットから堂々とドラゴンを受け取る事は問題になりかねない為、真夜中+高い塔という、見つかりにくい状況で受け渡しをするとの事らしい。

 

 とはいえ、幼体とはいえドラゴンを塔の上に運ぶという難題に私達は思わず顔を見合わせるが、ここ数日で倍近くまで成長しているノーバートをこれ以上放置しておけず、何よりつけ回してくるドラコを早く追っ払いたいという事で、透明マントを使い塔の上まで運ぶというハリーの提案に皆が同意した。

 

 その後、ロンが噛まれた傷をドラコにバレるの恐れたあまり、傷を放置してその傷が化膿。

 

 牙に毒があったこともあり、ロンが傷が元で熱を出し病室に監禁され、ロンの看病の為私が病室にいなければならないという非常事態こそ起こったものの、結論から言ってドラゴンの受け渡しは成功。

 

 チャーリの友人達4人がノーバートを牽引し、ノーバートはルーマニアに旅立って行った。

 

 斯くして、ハグリットのドラゴンの卵(面倒事の権化)取得という一大事を切り抜け、全員が一安心。

 

 何事もなかったかのように、皆が平穏な日々に戻るはずだったのだが………

 

「………150点。150点……マイナス…………」

 

「セラス、ロン………ごめん」

 

「最後の最後で………フィルチさんに見つかっちゃって…………」

  

 受け渡しが終わったタイミングで2人はフィルチさんに見つかってしまい、2人を探し回っていたというネビルを事前に捕まえていたというのもあって、ハリーとハーマイオニーへのマクゴナガル先生の怒りは大爆発。

 

 1人50点という………寮対抗戦においては致命的なまでの減点をされてしまった。

 

「………それはそうと、スリザリンはスリザリンで……20点マイナス………。………ハリー達をつけ回すのもそうですけど………ドラコはドラコで……一体何をやってるんですか」

 

 私がそう言うと某オールバックは明らかに視線を明後日の方へ向け、私からの煽りをこれ以上聞かないよう席を奥の方へ移した。

 

 

 ………やはり、奴等は余計な問題しか運んでこない。

 

 ハグリットは美しいと散々言ってはいたが………私はそう思わない。

 

 ドラゴンは間違いなく面倒事の権化であり、面倒事の化身であり………ドラゴンと関わる事は面倒事と関わる事と同義だと………改めて私は確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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