※注意
色々詰め込みすぎた結果、ご覧の通り最初のマクゴナガル先生のセリフがとんでもなく読みにくくなりました。
最初以外はここまでセリフを長くしてないので、それでもいいよ、って方のみ、ご拝読をお願いします。
次からは気を付けます(同じことを繰り返す可能性が高い模様)
「ホグワーツ入学おめでとう、皆さん。これから新入生歓迎の宴が行われますが、大広間の席に付く前に。皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。寮の組分けはとても大切な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校での皆さんの家族のようなものです。教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間は寮の談話室で過ごすことになります。寮は4つあり、グリフィンドール、レイブンクロー、ハッフルパフ、スリザリンです。それぞれ輝かしい歴史を持ち、偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。故に、彼ら偉人達が数々の偉業を残してきたホグワーツの名を汚さぬよう、あなた達生徒は日々努力し、節度ある行動をしなければならないのです。……まして、ホグワーツに入学する前から既に喧嘩を起こし、他者に対して挑発を仕掛ける者や、その挑発に乗り喧嘩をする者。そして、それらの喧嘩に巻き込まれたとはいえ、他者に対して暴力を振るい、まして相手を気絶させるなどのことをすることは言語道断!あまりの問題行動を起こしホグワーツの名を汚したとなれば、我等教職員は問題を起こした生徒に対し、苦渋の思いではありますが!退学処分を下さるざるを得ません。どうかその様な処分があなた達の在学期間中にされぬことを、私は副校長の立場からしても、1教師の立場からしても、切に願っています。………わかっておりますね?ロン・ウィーズリー。ドラコ・マルフォイ。セラス・ヴィクトリア」
「はい……すいません。次からは気をつけます………」
「……ふん。こんな野蛮な事、もう絶対関わる機会なんて来るはずがない………多分」
「色々と迷惑かけて………すいませんでした」
ロンは周囲の視線からか、顔色を悪くしながら少し縮こまってそう言い、ドラコは少し遠い目をし、何処か遠くを見つめながら不器用ながらも頷き、私はというと、何か色々不味いと今更ながら思い返し、その場の勢いのままジャパニーズ土下座して、内心汗ダラダラになりながら、未だ怒りモードで長い祝辞を述べた【ミネルバ・マクゴナガル】先生に対し、今できる全力の謝罪をした。
ホグワーツ特急で私が2人を気絶させてから数秒後。
私達は騒ぎを聞きつけた監督生と呼ばれる、ホグワーツのエリート中のエリート達に、騒ぎを起こしたとして軽く説教を受け(その中の1人はロンの兄だったようで、何処か複雑そうな様子だった)、中でも喧嘩と暴力を引き起こしたロンとドラコ、そして私はハリー達よりも悪い意味で一足早くホグワーツに連行され、ホグワーツ副校長で、インテグラさんが怒らしてはならないと散々警告された、マクゴナガル先生による説教を私達は他の生徒が到着するまで受ける羽目となった。
まぁ、これは正直自業自得だと思うし、こんな入学する前に、問題行動を起こした人間の達の入学取り消しを行わなかったホグワーツサイドに対し、過大な温情が見て取れる。
………だが、例えそうだとしても、後ろで全力で宥めようとしてくれている【アルバス・ダンブルドア】先生を差し置いて超怖い顔での説教をするマクゴナガル先生の怒りは尋常ではなかったし、インテグラさんが笑い話にできないと語るほどの確かな恐怖がしっかりとそこにはあり、保護者には後日連絡するという話を含め、入学すらしていないのに頭を抱える事になるとは予想できるわけがない。
しかもこれ、インテグラさんが言ってた、”決して、面倒事には関わらない”、っていうのを余裕で無視してることになってますし、しかも学年成績トップ10取れって言われてるのに、最初から教師に嫌われてるとかいう、マイナス状況からのスタートとかもうっ、悲しすぎて……涙が止まりません………。
インテグラさんこういうルールに関しては特にうるさくて厳しいですし、約束事を破ったことも含めて私………数週間の無償労働だけじゃ、多分許されないんだろうなぁ………。
………一体家に帰ったらどんな説教が待っているんだろう?そもそも、本当に説教だけで済むんだろうか?
学年トップ10の事を含め、もう色々と開始早々から頭痛いばかりです………。
「ホグワーツに連行された時はもう、本当に無事かどうなのか、って思って焦ったけど、ロンもセラスも説教受けただけで済んでよかった。てっきり僕、入学する前から友達いなくなるじゃないかって、少し焦ったよ」
「何が無事なもんか。こんな事ママに知られられたら僕、もしかしたら絶縁されちゃうかもしれない………。ホグワーツに入学すらしてないってのに……どうしてこんな…………」
「これ以上、終わったことを考えるのはやめましょうよ……ロン。なにか考えたとしても絶対状況はよくなりませんし………私ももうこれ以上はこの事について考えたくはないんです………。………無償労働だけじゃ、絶対に済まないんだろうな」
「じゃ、じゃあさ。一体どうやって寮を決めるか知ってる?僕まだ魔法の一つも覚えちゃいないし、こんなことあるなんて思ってもなかったんだ」
「試験のようなものだと思う。凄く痛いってフレッドは言ってたけど、きっと冗談だ」
「大丈夫。私なら大丈夫。教科書だって暗記したし、参考書だって2,3冊は読んだ。それにセラスほどじゃないけど多少なら魔法使えるしそれに────」
「ハーマイオニー。大丈夫ですから、一旦落ち着いてください。周りが余計緊張しますし、周囲の人がドン引きしてます」
「だって心配だもの!入学する前から喧嘩に巻き込まれて、監督生にだって怒られてるし………」
「それわざわざ僕達の前で言うことかい?ハーマイオニー・グレンジャー。………ウィーズリー家に関わったばっかりに………まさかこんなことになるなんて」
「それを言うなら、君のせいでもあるだろマルフォイ」
「何だと?君が喧嘩さえふっかけなければ、こうはならなかったんじゃないかウィーズリー」
「あわわわっ……喧嘩はやめてよ………」
「何をまた喧嘩しているのです!さぁ早く行きますよ!!」
戻ってきたマクゴナガル先生の鋭い声で、どうにか本日2回目の喧嘩をどうにか回避し、私達は1年生は部屋を出て玄関ホールに戻り、仰々しく開いた2重扉から大広間に入った。
そこには今まで見たこともないような空間と雰囲気が漂っており、何千も蝋燭が空中に浮かび、4つの長テーブルを照らしていた。
天井はさながらプラネタリウムのように幾つもの星々が浮かんでおり、その間を霞のように舞うゴースト達はさながら神秘的な霧。
何処までも不思議な光景に皆が息を呑み、私もまたその圧倒的に幻想的な光景に圧巻される。
「本当の空がみえるように魔法がかけられているのよ。『ホグワーツの歴史』に書いてあったわ」
「じゃあ、あの浮かんでる蝋燭も魔法だったりするんですか?確かに綺麗ですけど、もしあんなに沢山蝋燭なんてあったら普通に火事の元で危ないですし、魔法が解けて仮に生徒達のとこに落ちたりなんかしたら、危ないどころ話じゃないと思うんですけど」
「うーん、どうだったかしら?ちょっと曖昧。けど、確かに本物だとしたら危ないし、もしそうだとしたら火災に対する意識が低すぎるわよね」
「おーい、そこ。人が感動してるのに変な水差さないでくれよ。そんな事聞いたら僕まで少しヒヤヒヤしてくるじゃないか」
「先生が何か持ってきた。あれは、帽子?なのかな」
私とハーマイオニーが火災に対しての謎の心配していると、奥からマクゴナガル先生が黙って4本足のスツールを置き、椅子の上に少しどころじゃないぐらい、ボロボロで今直ぐクリーニングに出した方がいい位汚れているとんがり帽子が置かれた。
あまりにボロボロな帽子が置かれたことに皆が困惑していると、何とつばのへりの破れ目がまるで口のように開き、帽子が歌いだす。
私は綺麗じゃないけれど 人は見かけによらぬもの
私を凌ぐ賢い帽子 あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはスラリと長い
私はホグワーツ組み分け帽子 私は彼らの上をいく
君の頭に隠れたものを 組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう 君が行くべき寮の名を
グリフィンドールに行くならば
勇気のある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く誠実で
苦労を苦労と思わない
古く賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ
かぶってごらん!恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手に委ね(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!
そう帽子が歌い終えると広間にいた全員から拍手が喝采し、4つのテーブルにそれぞれお辞儀して、帽子は再び静かになった。
「なんだ! 僕たちはただ帽子を被るだけ! フレッドのやつあとで覚えてろよ!」
「………確かによく考えてみればここには当然マグル出身の人もいるわけですし、そりゃあこういうシステマチックな組分け方法になりますよね。ただ、やっぱり汚いですし、あの帽子は後でクリーニングに出すべきです」
「君が気になるのは歌じゃなくそっち方なのか………」
「ABC順に名前が呼ばれたら、帽子を被って椅子に座り、組み分け帽子を受けていてください。ではまず、アボット・ハンナ!前に」
ピンクの頬をした、金髪おさげの少女が1番最初ということもあって、ガチガチに緊張しながら転がるように前に出てきた。
帽子を被ると彼女は目を閉じ、一瞬の沈黙に辺りは満たされる。
「ハッフルパフ!」
帽子がそう宣言すると、右側のテーブルから歓声と拍手が上がり、彼女は少し照れた様子でハッフルパフのテーブルに向かっていった。
彼女が無事組分けを終わらせたからなのか、次の新入生からはさほど緊張せずスムーズな様子で組分けが行われていき、アルファベットの番号順にどんどん新入生がそれぞれのテーブルについていく。
「………ねぇセラス。次、私の番なんだけど、大丈夫かしら?ダンブルドアも卒業してるしグリフィンドールがいいんだけど、レイブンクローも悪くないし、もしかしたら2つ以外になるかもしれないし………」
「心配することありませんよ。仮にその2つじゃなかったとしても、ハーマイオニーならどの寮でも上手くやっていけるでしょうし、ハーマイオニーならきっと大丈夫です。自信を持って、行ってください」
「グレンジャー・ハーマイオニー!」
「呼ばれたみたい。じゃあ、行ってくるわね」
「はい、頑張って」
私の言葉に頷くと、ハーマイオニーは帽子のところに行き、緊張した様子で帽子を被った。
どうやら組分けが難航しているようで、組み分け帽子は悩ましいように唸り、私の手握る力も次第に少しずつ強くなっていく。
「グリフィンドール!」
時間にして4分ほど経って、ようやく組み分け帽子は高らかとハーマイオニーの行く寮を宣言し、ハーマイオニーは安心した様子で私に手を軽く振りながらグリフィンドールの席に向かっていった。
それに対し、私もまた軽く手を振り返す。
続いてのネビルはハーマイオニー同様少し時間がかかった後グリフィンドールと宣言され、ネビルが帽子を被ったまま駆け出すという珍事がありながらもマクドゥガル・モラグに帽子が渡り、あのお菓子食べ漁り2人組がスリザリンに宣言され、順番の次がドラコの所まで番が進んだ。
「まぁ、僕のところは代々だからスリザリンだろうし、こんな茶番やる必要ないんだけどね」
「まぁまぁ確かにそうかも知れませんけど、結構楽しくないですか?こういうのって?私はお祭りみたいで結構好きなんですよ?こういうの」
「僕は騒がしいのは嫌いだ。……確かセラスはグリフィンドールがいいって、思ってるんだっけ?」
「はい。インテグラさんがそこ出身ですし、やっぱり行くなら綺麗な風景が見えるところがいいですからね。それについさっきハーマイオニーがそこに行った、っていうのもありますし」
「意外と君はその3つ除いたら何処でもいい、っていう、結構そこら辺は適当な感じなんだな。名家だって言うのに、そういうとこは気にならないのか?」
「まぁうち所属職員、みんな寮バラバラで拘りないみたいですし、それに例え寮違っても、会いたいなら自分から会いに行けばいいじゃないですか」
「自分から会いに行く?寮が違うのにかい?」
「別に距離が遠く離れてるってわけじゃないですし、仲良くしたい相手を寮で仕切る必要もないですしね。………もしかして、自分だけがボッチになるかもって、心配してるんですか?そんな心配しなくても、偶に遊びに行くぐらいはしますって、寮が違っても。もしやドラコって、結構な寂しがり屋だったりするんですか?」
「な、なわけないだろ!?馬鹿にしているのか!?」
「マルフォイ・ドラコ!何を騒いでいるのですか?次はあなたの番です」
「だ、そうだ。行ってくる」
「寂しくなったら呼んでくださいねー。いつでも会いに行きますからー」
「うるさい黙ってろ!」
椅子に行くすがら少しブツブツと呟きながらドラコは帽子のところに行き、帽子は被られて3秒ほど考えた後、スリザリンと宣言した。
僅かばかりに一瞬こっちを見た後、ドラコは悠々とスリザリンの席に向かっていく。
「ポッター・ハリー!」
その後も組分けが続いた後、遂にかの有名な『生き残った男の子』ことハリーの番となり、ネームバリューも相まって広間中にシーッという囁きが波のように広がった。
ハリーは緊張と不安のせいかいまにも倒れそうになりながらも帽子のとこに行き、どこか祈るように組み分け帽子を深く被る。
「………別に好き嫌いは個人の自由ですけど、スリザリンはダメ、スリザリンはダメ、っていうのは流石に失礼すぎません?私以外生徒には声聞こえてないでしょうけど、先生の何人かには聞こえているかもしれないのに」
吸血鬼という事もあって、私は目と耳が昔からよく、ハリーが椅子に座って手を握りながらそう言っているのを聞いてしまい、思わずそんな感想をぼそりと言った。
確かに、スリザリンは歴史上かなりの数の闇の魔法使い出してますし、ヴォルデモートもスリザリンだったからイメージがとんでもなく悪いことは仕方のないことだ。
だが、スリザリン生が全員悪なんてことはまずないし、創始者のサラザール・スリザリンも最終的に純血主義を掲げた結果ホグワーツを出ていくことになったが、彼もまた他の創始者達同様昔の魔法使いが迫害されてた時代の中で魔法使い達を守り、育て抜くために、彼等とともにこのホグワーツを作ったはずだ。
その事に誇りを持っている人もいるかもだし、スリザリンだから悪!は、あまりに早急過ぎだ。
本人がそれを自覚しているかいないかはわからないが、そういう些細な言葉こそ、余計に溝を広げてしまうきっかけなのに。
「グリフィンドール!」
そんな事を考えているとハリーがグリフィンドールに組分けされたことが宣言され、ハリーは心から嬉しそうな様子でグリフィンドール席に向かっていった。
「えっと、僕等の中で残ったのは僕とセラスみたいだけだと、一体どっちが先だっけ?」
「私の方の名前がヴィクトリアでVだから、私のほうが先みたいですね。一足先に、決めさせてもらいます」
「そんなぁ……最後から2番目じゃないか。ただでさえ入学する前から問題起こしちゃったていうのに……これでもしスリザリンに組分けされたら………僕一体どうなるんだろう?」
「どうもなりませんよ。ただドラコと同じ寮になるだけです。ハリーといいロンといい、どんだけスリザリンの事が嫌いなんですか?別に直接自分に害があっとワケじゃないでしょ」
「例えそうだとしても、スリザリンの奴等はみんなロクでもないって、パパもママもみんな言ってる。”例のあの人”だって、スリザリン出身だったんだぜ?」
「ロンのお父さんとお母さん、その他知り合いを馬鹿にするつもりじゃありませんが、”例のあの人”がいたからって、誰かれ構わずロクでもない人間になるわけじゃないでしょ。確かに”例のあの人”に付いて行った魔法使いは大量にいますし、そうでなくても闇の魔法使いは多いですが、全員が全員そうではありません。風評被害はとてつもないですが、わざわざ言葉にしてお前は悪だ!みたいな事言う必要ないじゃないですか。それじゃあ純血主義ならぬ、逆純血主義を掲げてるも同然です」
「そんな風に言わなくてもいいじゃないか。………セラスってさ、結構変わってるよな。名家の養子だって言うのにハーマイオニーみたいなマグル生まれを邪険にしないし、かといって、純血主義掲げてるマルフォイを邪険にしてるわけでもないし」
「主義主張は人それぞれです。何で個人の考えで、こっちが仲良くしたい相手を勝手に決められなきゃいけないんですか」
「それはそうとハリーがスリザリン嫌だ、って言ってたこと、いつハリーから聞いたの?セラスには直接ハリーは言ってなかったと思うけど」
「そ、それは、あれですよ!あれ!ドラコに嫌な態度列車で取ってたし!そうじゃないかって!す、推理したんですよ!!推理!!」
「ふーん、そっか。推理なんかよくできたね」
「ま、前に読んだ小説の受け売りですよ……受け売り………(危な……!今絶対怪しまれたかと思った……!!……この様子じゃ亜人に対してもあんまりいい印象持ってないかもですし、今後ロンと関わる時は要注意ですね。にしても………邪険にしてるっていう、自覚はあったんですね)」
「ヴィクトリア・セラス!」
「じゃ、じゃあ私行きますね。ロンも組分け、頑張ってください」
「うん、ありがとう。スリザリンにはならないようにね」
スリザリンどれだけ嫌われているんだ?と、思わず思いながら組み分け帽子のところに行き、既に被っていた深い黒い帽子を太ももあたりにのせて、近づいてみたけどやっぱり汚い組み分け帽子を頭に被った。
いつも私が被っている帽子も日光を遮るために体外深く、大きく作られてるが、組み分け帽子はそれの1周りも2周りも大きかったらしく、頭に置いた瞬間スポッ、と落ち、視界は真っ暗になってしまった。
『ふーむ、難しい、非常に難しい。勇気に満ち溢れ、正しく実直。仲間に対しての深い、忠誠心も持ち合わせている。………残念ながら、無理矢理詰め込まれているだけで、地頭はそこまで良くないようだが』
「余計なお世話です!今直ぐクリーニングして、水たんまり飲ませてあげましょうか!?」
『まぁ待て。確かにいい加減クリーニングはして欲しいが、水を飲みたいというわけではない。………ほぉ?普段は真面目ぶっているが、祭り事には積極的に参加し、気づけば最終的にその中心にいるタイプと。なれば、ハッフルパフはなしか』
「と、なると、グリフィンドールとスリザリンの二択ですか。うーん…………グリフィンドールに行ったらドラコ寂しがるだろけど、かといってハーマイオニーと一緒に過ごしたい、っていう気持ちもあるんですよねー。………あーっ、どうしよう。悩ましい」
『これまで様々な生徒を見てきたが、ここまで寮に頓着ない生徒は初めてだ。何処までも変わっておる』
「変わってる、変わってるって………。………あくまで寮で区切られるだけで、他の寮の人と仲良くしちゃ駄目なんてルールなんてありません。周りが馴れ合うのを嫌がるならプライベートで会えばいいだけじゃないですか」
『それがなかなか魔法界では出来ないからこそ、君はかわっているんだ。………私を作った創始者達は、それをすることが出来なかった』
ここまで語りかける様な話し方だった組み分け帽子は、ふと遠くを見つめるような口調となる。
『過去魔法界と人間界が区切られてから数世紀。魔法界と人間界は交流のほぼ全てを絶ってきた。これは何故だか知っておるか?』
「そりゃあ人間界及び魔法界の秩序を維持し、互いの日常を守るためじゃないんですか?」
『それも間違ってはいないが、それ以上の理由は互いを恐れ、渇望しているからだ。魔法族はマグルを、マグルは魔法族を。互いにない力に恐怖し、欲し、互いが劣ると言いながらも、互いを心の奥底では何処か尊敬している』
「なら、欲しいのなら手に入れればいいじゃないですか。互いに歩み寄って、互いに欲しいものを」
『それだけで互いの感情をどうにか出来ると思えるかい?互いに対する恐怖を、疑念を、払拭できると?互いの仲間、家族が殺されるのではないかという恐怖を、無視できるとでも?』
「1日1年じゃどうにかならないかもしれません。ですけど、互いに時間を重ね接し、互いに譲歩すること、犯してはならない領域を知り、理解を重ねていけば」
『だが、悲しいかな。その時間を重ね、互いを知っていたはずのサラザール・スリザリンとゴドリック・グリフィンドールは互いに意見をぶつけ、犯してはならない領域を互いに侵し、ゴドリックはサラザールを拒絶し、サラザールはゴドリックを拒絶し、サラザールはここを出ていった。創始者達が出来なかった事を、君がやってのける自身はあるのかい?』
「そんなの、自信ないですよ、全く。………でも、昔、
『『諦め』が人を殺す。諦めを拒絶した時、人間は人道を踏破する権利人となる』
………諦めたらそこで終わり、なんて言いますけど、人生そんな簡単じゃなくて、諦めきゃいけないことだってあります。けど、人を知る事、人に歩み寄る事を諦めたら、もうその瞬間から私は人間じゃなくなる。魔法使いでも、マグルでも………吸血鬼でもない、ただの
私がそう組み分け帽子に言うと、組み分け帽子はクスクスと笑い、次の瞬間大広間に響き渡るほどの笑い声を辺りに響かせた。
『そうか、そうか。『諦め』を諦めたくない。これは面白い。例えいかなる目を向けられようと、誰かに拒絶されようと、それでも意志を貫き通す!何とも、小説でありがちなセリフだ』
「そ、それは言わないでくださいよ。ちょっと、自分でも思ってたことなんですから」
『馬鹿にしているわけではない。称賛しているのだよ。ふむ、そうか。ならば私はその『諦め』を諦めない勇敢さを称え、君が行くべき寮をここに宣言しよう』
グリフィンドール!!!
これまでの宣言よりも大きな声で、組み分け帽子は私の入るべき寮を叫び、組み分け帽子が突如笑い出すなどという、前代未聞の事態の事に困惑してたダンブルドアを除く全員に対し、そう高らかに宣言した。
「………やっぱりですけど、長年洗ってないせいもあってか、少しばかり周りの匂いよりホコリ臭いです。もうこの際ですから、この発表が終わった後校長先生にクリーニングした方が良いって、伝えたほうがいいと思います」
『………やはり君。今言ったことを抜きにしても、だいぶ変わっているというか、最早色々ずれておる。わかっていたことだが、君にレイブンクローという選択肢は最初からなかったようだ』
「ちょっと!誰が馬鹿ですか!?このボロ帽子!今直ぐクリーニング屋にでも放り込まれてください!!」
………色々言われたが、やっぱりこの帽子は臭いし、汚く、そして何より失礼。
これを作った創始者達は、喧嘩なんて起こす前に、この帽子が新品だった頃の綺麗さと、あったかもしれない性格の良さを維持する魔法か何かをかけるべきだったと、彼等に改めて言いたい気分になったのだった。