転生先は四葉でした   作:わすぽん

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第5話 平和っていいね!

平和っていいね。

 

だって、なんというかさ、平和ってのはさ、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われるようでなきゃダメなんだ。

 

そんなこんなで、親バカこと四葉姉妹が学校見学に来た翌日、生徒会室で事務処理と格闘していたのだが、この日は特にトラブルらしいトラブルは・・・起きてはいたのだが、これまで、特に昨日とかと比べたら、かなりましである。つまりは、あの時と比べれば・・・みたいな?

 

今日の待機メンバーは私と、あーちゃんこと中条センパイである。小動物的な可愛さのある人で、さも人を荒ぶる神がごとく扱い、おびえている人でもある。まぁ、そういうといころが小動物っぽいともいえるんだが・・・ちな、個人的にはタイプ。

 

とはいえ、最近は少し、本当にごく少しだけ普通の人として扱ってもらえるようにはなってきているような気がしなくもない。というより、常にデフォでおびえたように話すことが多いので誰に対してもそうなのかも知れないが。

 

で、今日は珍しく、あーちゃん側から話しかけてきた。

 

「あ、あの~。よ、四葉くんのCADってシルバーホーンですよね?トーラスシルバーの」

 

「え?ええ、そうですが。そんなに珍しい・・・珍しいか。確かに補助金があるとはいえ20万もしますしね。学生が持つようなものでもないですから」

 

「それも、そうですがそのモデルは特殊なロングスライドモデルですよね。しかも、限定版のロングスライドモデルよりもさらに長いスライドのモデル。グリップの形状も違いますし、トリガーもトリガープルの軽いタイプのものになっている。恐らく特注のものですよね?」

 

「おお、一息で言った。ええ、まあ、かなり無理を言いましたが」

「それにしても、詳しいですね」

 

「ええ、好きですから」

 

あーちゃんがデバイスオタクというのは原作でもちょこちょこ出てきていることだったが、実際にもデバイスオタクであることは公然の事実みたいな感じになってきている。特に生徒会及び風紀委員会内では。

 

「少し見せていただいてもよろしいですか?」

 

「ええ、構いませんよ。こんなものでよろしければ」

 

「でも、どうしてこんなに長いスライドを?通常のロングスライドモデルでも十分な照準補助機能があると思いますが」

 

通常特化型CAD、特に銃タイプのものでは銃で言う銃身の部分が照準補助システムになっていることが多い。ただし、魔法の発動速度が低下するため多くは、短銃身タイプを使うものが多い。

 

「まあ、詳しく話せないことも多いんですが、簡単に言えば、これは長距離、特に直接視認できないような距離、または場所から使うためのモノなのでこれくらいはいるんですよ」

 

実際に、現場から応援要請があった際には生徒会室から遠隔で魔法を発動させている。

 

「あと、四葉くんぐらいの魔法力があれば汎用型でも十分だと思いますがどうして特化型を?」

 

「ああ、一応、汎用型も携帯はしていますよ。それに短銃身タイプのシルバーホーンも。少々、物騒な話ですが、魔法師に対処するといっても、殺傷しても構わないというのであれば、そこまで多くの選択肢を必要としないからですかね?もちろん今は非殺傷性の魔法のみですが。」

「実際、私の干渉力があればほとんどの魔法師の防御を無視できますからね。なら、選択肢が多いと悩む時間が生まれますから、少しでも速度をあげるためにですかね?」

 

実際、現代の魔法師同士の戦いであれば、よほど戦力差が大きくない限り先に相手に魔法を当てたほうが有利になる。コンマ何秒以下の差であっても、致命的な隙になりかねない。そういう意味では、効果のほどはさておきまず相手に攻撃できることが重要だったりする。一般的に魔法の発動速度が重要視される理由がこれだ。

 

「でもこれだと、発動までに時間がかかりすぎませんか?」

 

「ああ、まあ確かに、短銃身タイプに比べれば発動はおそくなりますが、ここは腕の見せ所ってとこですかね。確かに特化型の長所でもある発動の速さが犠牲にはなってますが。ほとんどの人には合わないと思いますよ?」

 

そもそも、マルチスコープや精霊の目(エレメンタルサイト)のような知覚系魔法を使えるやつ自体珍しいんだけど。

 

「FLTでもここまでやってもらえるんですね」

 

「金さえ払えば・・・ね」

 

なお、実際は四葉パワーである。ちなみに、お金を積めばやってもらえるのは事実。

 

「では、ほとんどオーダーメイドということでしょう?もしかして、トーラスシルバーとも会ったり・・・」

 

「ないない、それはないですよ。(ま、あなたもその片割れにはあったことがあるんですがね)」

 

「やっぱりそうですよね」

 

「中条先輩は魔工師志望でしたっけ?やっぱりFLTに就職するんですか?」

 

「え?まあ、できればですが・・・」

 

FLTは他の企業と比べると後発組で中堅といったところだ。最近はトーラスシルバーのおかげで知名度も上がっているとは言え、トップ企業というわけでもない。

 

「ああ、そういえば、最近FLTへの就職は倍率が上がってきてるって言われてますからね。特に魔工師の場合は特に。でも中条先輩ならできるんじゃないんですか?2年の理論1位じゃないですか」

 

「そ、それでも、絶対にできるという自信はないですし・・・」

 

「今から、気にするにしても早いとも思いますが。就職するにしても大学を出てからでしょう?大学生の間に悪い遊びを覚えなければ中条先輩ならできると思いますよ」

 

「悪い遊び・・・」

 

「夜遊びとか、酒とか、男とか?」

 

なお、現代では女性の貞淑さがステータスでもあるとされているのだ。一昔前にはフリーセックス時代なんてのもあったそうだからその反動かもしれないが。

 

「男遊び・・・///」

 

「まあ、中条先輩にはあんまり関係なさそうですけどね。あとは、コツコツまじめにやるしかないでしょうね」

「ま、中条先輩ならできると思いますよ。頑張ってくださいね」

 

優秀な人物がFLTに入ってくれるのなら、全力で勧誘するのみ。実際、中条先輩はウラもとれていてシロなので、スパイになるような疑惑もないし、本人の性格を考えてもそういうことができるような人ではないだろう。

 

「そういえば、中条先輩はFLTのトーラスシルバーのCADを使っていないですよね?」

 

中条先輩のCADはトーラスシルバーでもなければFLT製ですらない。

 

「ええ、お値段が・・・」

 

無理もない話である。CADの購入には政府からの補助があるとはいえ通常市販されているものでも3~5万程する。トーラスシルバーのCADともなれば開始価格は10万からだ。基本的に通常家庭の高校生が手を出すには少し躊躇するだろう。それに、FLT以外にもCADのメーカーはあるのだ。むしろFLTは後発組ですらある。

 

「そういえば、今FLTでは紹介キャンペーンなるものをやっているそうで通常の2割引きになるそうですよ?どうでしょう、私からの紹介ということで?」

 

いつの時代になっても、企業が紹介キャンペーンと称したキャンペーンを打ち出すのは変わらないみたいだ。

 

「それは・・・今すぐには返答はできないですね・・・申し出はありがたいのですが」

 

さすがに、そう簡単にはいかなかった。さすがに、四葉に借りを作るとまずいと思っているのかもしれない。

 

「なら、決まったら教えてくださいね」

「そういえば中条先輩のCADはマクシミリアンのやつですよね。FCA‐HC153D 通称ミリ4。だいぶとマニアックなもの使っていると思いますが?」

 

このミリ4こと「ミリタリー4」かなりの変態CADで有名である。もともとは、USNA軍でも使われたりしていたミリ1と呼ばれたりするモデルをさらにチューンナップした4代目である。もともとミリ1は非接触式スイッチを用いるCADであったがトーラスシルバーによる非接触式スイッチの改良がおこなわれる前に開発されたモデルであったため誤認識が多かった。両手がふさがっていても使えるというメリットがあったため、軍で採用されたものを民間用に販売したそうだが、誤認識の多さから民間だけでなく軍からも不評が相次ぎ、その一時しのぎとして物理スイッチを備えた非接触式CADとかいう訳の分からないものが誕生。これがミリタリー2でありさらに3,4と改良が続いた結果ミリ4ではなぜか魔法式の格納量を減らしてでもスイッチの精度向上に邁進し、今では非接触式スイッチのモデルの中では最も誤認識率の低いCADとまで言われるようになったモデルである。なお、多くの魔法師は自分の得意な魔法が99個もあるものは珍しいため3分の2の66個になってもあんまり問題なかったりするのだが・・・変態といわれるのは物理スイッチと非接触式スイッチの両方を持つところと魔法式の格納量を減らしてまで非接触式スイッチの制御システムを搭載しているからだそうで。

 

「ええ、わたしの場合66個で十分だというのもありますし。何より調整の幅が広くていいんですよね。前に使っていたローゼンのEクラスは調整がシビアでしたから、調子の違いでばらつきが出ることが多くて。でもミリ4はマージンが大きいので扱いやすいんですよね。細かいところはEクラスのほうがよく効くんですが、私にはこっちのほうがよく合うんですよ」

 

「ああ、確かにローゼンのEクラスってそんな感じですよね。性能はいいんだけど頻繁に調整をやり直さないとうまく合わないって感じで・・・かといって調整を甘くするとうまくかみ合ってくれなくなりますし。そのへんミリ4は緩いって感じですもんね」

 

「ええ、学校に調整用の機材があるとはいえ頻繁に調整をするのも大変ですから」

 

魔法科高校の生徒であっても一般的には月に一度の調整が一般的だ。それも、機械によるオート調整。魔工師の完全マニュアル調整など値段が高すぎておいそれとできるようなもんじゃない。高校生でプロの魔工師レベルの作業ができる達也が異常なだけなのだ。

 

やっぱそう考えると、達也が九校戦のエンジニアやるのは反則だよなぁ。

 

 

 

こうして、ただCADの話をしながら一日が終わる。なんとも平和でサイコーじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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