帰還と現代入り   作:成鐘 翔

3 / 4
英雄、そして弦月。

意識が浮上する。

寝ていた時、突然意識が覚醒するような心地よい感覚。

その後に重力を肌で感じる。

夢の中にいるような感覚が不快な縛り付けられる感覚に変貌する。

それを肌に感じながら目を覚ました。

 

「...」

 

自分でも分かる、光の無い窪んだ目。

やつれた顔、ミイラのような肌。

俺は死んだ、と。

死んだ事には何も思わない。

それが日常茶飯事だから。

人間性を取り出し、握り潰す。

黒い靄は体に流れ、消えた。

それを篝火に捧げる。

体内から強引に抜き取られる感覚と共に体が元に戻った。

これはちゃんと機能するようだ。

 

「ふぅ、やれやれだ。」

 

体はちゃんと動く。

篝火もちゃんと燃えている。

外は、半月、上弦月だ。

半月を見ると、アイツを思い出す。

isが世界に復旧して以来、女尊男卑がこの世界にはびこって、

そのせいで捨てられた、アイツを。

 

「空夢半月、弟の弦月も、元気にやってるかな?」

 

遠く離れて、それでも、忘れない親友。

俺は、アイツのお陰で生きてるんだ。

俺は目を閉じて、過去を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「金持って来いっつったろぉが!」

「いた!やめ、て、よぉ」

「女だからって見逃すと」

「ちょい失礼。」

「ぐふぅ!?」

 

俺が中学三年生の頃。

いじめをしてたデカいやつをぶん殴って、アイツと出会った。

空夢半月、弦月の姉だ。

俺は将来軍隊、シュヴァルツェ・ハーゼに入隊する事になっていた。

理由は俺の義理の父、空音 深紅がその軍隊の責任者だったから。

ちなみに俺が中学を卒業後、どこかに旅に出ている。

元シュヴァルツェ・ハーゼの卒業生らしく、当時の同僚の人は

素手で戦車を潰してきたとかisの刀を白刃取りしたとか。

...素手でアイアンゴーレムのコアを潰してグウィンの大剣を白刃取り

したのは遺伝ではない筈。

まぁ、そんな経緯で親父と空夢一家は家族ぐるみで付き合ってた。

まぁ、その家が崩壊したのは俺が原因だ。

その家が弦月を虐待していた、その事実を知ってしまった。

さらに、あいつらは半月に。

恥辱の限りを尽くした。

怒りで何も見えなくなった俺はそいつらの資金源を徹底的に破壊、結果

あいつらの家は衰退した。

その後は知らない、俺は死んだから。

まぁ話を戻す。

兎に角軍に入るため、体を鍛える為に18キロ全力疾走をトライしたのだ。

その途中半月に蹴りを入れてる馬鹿共発見。

プッツンした俺はそのまま全力で前に跳躍、弾丸のように跳び蹴りを放った。

当時喧嘩に強かった俺はまぁ恐がれていた為いじめはすぐさま逃げ出した。

それ以降よくつるんでいたお陰で俺はクラスに溶け込めたのだ。

半月が優しい、おっとりした性格のお陰だろうか。

因みに一部では空夫婦と呼ばれる事もあった。

 

「はぁ、ちょいと調べるか。」

 

気怠さを全面的に出し、パソコンを開いた。

まぁ、新型には劣るが、それなりにはスペックが高い。

検索ワードに空夢弦月、と入れる。

確かアイツの方が悪い意味で有名だったから。

俺はそうは思わん。

たしかにあの頃は戦場で場数を踏んだ訳でもないが、かなり武人には

近づいていた筈だ、その俺の首と手首に一太刀浴びせてきたのだ。

油断すらしていないのに。

故に気になった。

そして、一番上から目をーーーー

 

「ふぁ?」

 

そこには、二人目のis適合者、空夢弦月、とでていた。

...え?

いや、これは夢か、じゃぁ寝よう。

俺は半ば現実から逃げるように布団に潜った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。