TS転生美少女宇宙人、地球侵略を命じられる   作:スマルト星人

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メッセージを送ろう!

 素直に困った事になったと思った。

 文明球星に対しての環境保護及び改善を任される事は『智礼院』に入る前から予測されていた。

 それでもなんだかんだでそれらは良い事だと見て見ぬふりをして、給料面が良いからという事だけを見て今まで働いてきた。

 まさかこんなにも早くそのしっぺ返しを食らう事になるとは。

 かつての故郷、地球。

 そもそも今までてっきり異世界に来ていたと思っていたので文明球星としてそれがこの宇宙上にあるという時点でちょっと驚きだが、まさかクレア星人に不幸にも見つかってしまうなんて、なんて不運なんだ。

 

 ただ、逆に言うと私にその仕事を割り振られたというのは不幸中の幸いと言える。

 クレア人にも当然個性があって、仕事態度もまちまち。

 環境保護と一言で言っても担当者によってその仕方は異なってくるし、だからもしかしたらそれこそ文明を武力で速攻侵略しに行く奴とかだっていたかもしれない。

 そう言う意味で私が担当するというのは地球にとって悪い事ではない。

 私ならば出来る限り穏便に事を進められるし、被害者を減らす事が出来るだろう。

 ……名目上は環境保護だがやっている事は完全に侵略行為なので、だから被害者が0って事には、悲しいかな、出来ないだろうけど。

 

 さて、兎にも角にもまずは地球に向かうところから始めなくてはならない。

 支給された宇宙戦艦に乗り込み――の前に、過剰戦力にはなるが航宙巡洋艦とかを借りて一緒に連れて行く事にする。

 それらはすべてオートパイロットなので乗組員がいなくても私一人で動かす事が出来る。

 十二分に体裁を保つ事が出来るだろう。

 ……当然、星を滅ぼすとかそういったつもりはなく、ただ単に見栄を張りたいだけである。

 たった一隻の宇宙戦艦だけでは「もしかしたら対抗出来るかも?」とか思われて戦争吹っ掛けられるかもしれない。

 なのでここは圧倒的戦力を前にして貰って戦意を挫こうという作戦だ。

 とはいえ、借りれた航宙巡洋艦は予算の都合上お世辞にも質の良い奴とは言えず、むしろぶっちゃけてしまえば数世代前のおんぼろ機だった。

 こんなんで大丈夫かとも思ったが、まあ、地球人にしてみれば十分オバテクなのは間違いない、大丈夫だろうそうしよう。

 

 さて、と。

 という訳でこれから早速地球に向かって飛び立つ訳だが、やはりいきなり前触れもなく現れると云うのはナンセンスだろう。

 無駄な混乱、恐慌、そして戦争……

 そうならない為にも、あらかじめ連絡はしておいた方が良いだろう。

 幸い地球は宇宙からの電波を受信して文字通りの意味で宇宙人がいないか調べているみたいなのでその機関に直接メッセージを送れば良い。

 と、最初は思っていたが、しかしこれは若干問題な気がする。

 私がやりたい事は問題の早期解決だ。

 手っ取り早ければ早いほどいい。

 それで犠牲者もいなければそれに越した事はないのだが、兎に角重要なのはスピーディーさ。

 地球人にとって私という異物が存在しているというのは非常にストレスに繋がるだろうし、だからさっさと仕事を切り上げて家に帰りたい。 

 

 ……家に帰りたい、か。

 

 少しだけ感傷的になった頭をフリフリ振って切り替えて、まずどこにメッセージを送るかを考える。

 先ほど、宇宙からの電波を受信している機関にメッセージを送れば良いといったが、実際のところこのクレア星からでも地球のどの媒体へもメッセージを送る事は可能だ。

 だから極論、ここからでも日本の某匿名掲示板に書き込めたりする。

 いやまあ、書き込まないけど。

 だけど、今からやろうとしているのはそんな感じの事だ。

 

 私がメッセージを送るに当たって、まず気を付けなくてはならないのは「平等性」だ。

 つまり私がメッセージを送った対象が他の人間に迫害されるような事があってはならない。

 しかしそれは国単位で考えても難しく、例えば大国アメリカのホワイトハウスに連絡を取ったとしても、きっとその行為は問題に繋がってしまうだろう。

 だから、一周回ってこう考えた。

 

 もう、地球人すべてに連絡とれば良いんじゃね、と。

 

 具体的に言うと、すべての電化製品をジャックしてメッセージを送る。

 そうすれば絶対に仲間外れは生まれず、だから問題も生まれない。

 宇宙人イベントを秘密裏に進めるという考えは元よりない。

 最終的に私が行うのは環境改善、それをしたら遅かれ早かれ私の存在は気づかれるのだから。

 

 だから早々にネタバラシをする。

 私の事を、宇宙人の事を、クレア星人の事を。

 知ってもらうのだ。

 

 と、言う訳で早速メッセージを製作。

 すぐにそれを電波に載せて飛ばす。

 クレア星の技術を用いれば数分で私が作ったメッセージは地球のすべての媒体で表示される事であろう。

 ……なにも起こらないでくれー頼むから。

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