TS転生美少女宇宙人、地球侵略を命じられる 作:スマルト星人
今まで私は完全に征服しに来たインベーダー的宇宙人を装って来たので、だからこれは因果応報だとは思う。
完全に、恐がられている。
そりゃあ舐められて戦争に発展する方がヤバいのだが、それでもやはりいじめっ子みたいになるのは気分が悪い。
とはいえ、現状が最も都合が良いのだ。
私一人が悪人になってしまえば、この世界の人々がクレア星人からもたらされる理不尽の責任をすべて私に押し付ける事が出来るのだから。
責任、責任、責任転嫁。
如何せん問題が文字通りの意味で地球レベルなので、その責任も莫大なものとなっている事だろう。
最悪、殺されてしまうかもしれない。
それは本当に、やめて欲しい。
だから出来るだけ私に責任を押し付けて責任逃れ出来るように流れを持っていきたいけれども、果たしてどうなる事やら――
ともあれ、私達を乗せた車は国会議事堂へと到着。
そこからすぐに大きな机がある広間へと通され(過去に地球人だった頃よくテレビで見た、偉い人達が怒鳴り合っていた部屋ではない)、そこで改めて「よ、ようこそ地球へ」とこの国の首相、田村さんが腰を90度折って歓迎の言葉を投げかけてくる。
それに対して私は反応せず、まず最初に「今回の会談ですが」とあらかじめ決めていた事項について話し始めた。
「すべて、私の持ち込んだ映像記録機器で撮影し、その後ネットにて全国に公開しようと思っています――よろしいですね?」
「それは……」
「安心してください。こちら側で専用のWEBサイトを用意し、そこで公開するつもりです。勿論、そのサイトがハッキングされるような失態は起こさないので、ご心配なく」
これに関しては一応「日本はあくまでクレア星からの侵略行為を受け、一方的に条件を呑まされた」事を全世界に発信する為である。
私というかクレア星の目的の関係上、今回の会談で行われた事を秘密裏にしておくと批判が集中する可能性がある。
それを阻止するために、あくまで日本は被害者であると、その事をアピールしなくてはならないのだ。
そして今回の会談をこちらが公開する事から得られるメリットをすぐに理解したのか、田村さんは「分かり、ました」と頷いてくれる。
それを確認した私はすぐにポケットから球体の撮影機器を取り出し、宙に浮かべた。
「撮影開始」と私が宣言すると、すぐさま撮影は開始される。
「それでは早速――私からの要求を貴方に伝えます」
ここからが本番。
出来るだけ有無を言わさないような雰囲気を漂わせながら彼に話し始める。
「我々の目的は、あくまで地球の環境を改善する事。その先駆けとしてまずエネルギー問題の解決を図るつもりです」
「エネルギー問題……?」
「より良い効率的な発電機関の開発を行って貰います……無論、我々クレア星人の技術力と知識によって生み出されたものを貴方達地球人が再現できるかは、分かりません。その為に、まず貴方達に実験を行って欲しいのです」
「……」
「当然、安全性については保証します。しかしそれでもヒューマンエラーはどのような状況でも発生する可能性はあり、それについては流石に我々は関与しません――良いですね?」
「それは……ええ。しかし、そのより優れた発電機関というのは、しかしどのような仕組みのものなのでしょうか? 日本という国は、その、誠に述べづらいのですが、資源に乏しい国家であります」
「いえ、我々が欲しているものは、ちゃんとこの国にありますよ。手つかず状態なため、だからまずはそれらを採取するところから始める必要はありますが」
私が開発を行いたい発電機関。
そのマイナーチェンジ、地球版にローカライズされたそれに必要なものは、勿論日本にある。
より正確に言うと、埋まっている。
「石炭、その採掘を我々は求めます」