TS転生美少女宇宙人、地球侵略を命じられる 作:スマルト星人
この世には数多というエネルギーが存在しているが、それを大きくカテゴライズすると三つに分ける事が出来るらしい。
そしてその法則は宇宙全体どこに行っても同じであり、だから私達クレア星で開発された技術は地球でも応用する事が出来るだろう。
発電は電気を発するという言葉ではあるが実態はエネルギーを電気エネルギーへと変換する事である。
基本的な方法は主に一つ。
タービンを回す事だ。
ひたすらに、どんな方法を使ってでもタービンをひたすら回す。
よくフィクションで人間が集まって回していたり、あるいはハムスター的生物に回させていたりするが、あれもれっきとした発電装置だと私は考える。
……原子力発電も核爆発というニュークリアフュージョンな事をやっているのにも関わらず結局はタービンに収束するのは面白い。
そんな原始的なんだかハイテクなんだかよく分からない事をやっている現代で、同じ発電でも太陽光発電というのは異彩を放っている。
難しい説明は省いて重要なところだけ話すと、これはシリコン半導体が光を浴びると電気が発生するという性質を利用して発電している。
そして太陽光が持つエネルギーは莫大だ。
理論上、そのすべてを活用可能となったら恐らく文字通りの意味で世界が変わるとされていた。
ただ、私が生きている間にそれはなされる事はなかった。
エネルギー変換効率は最高でも30パーセントは超えていなかったし、瞬間的にも40が限界、だったっけ?
だからシリコンを利用した半導体では限界であり、そのため異なる素材の開発が期待されていた。
ところでクレア星において最も利用されている発電方法は核融合発電である。
核融合。
核爆発、核分裂を利用する原子力発電と同じみたいに聞こえるが、これにはウランなどといった放射性物質は使わず水素を主に利用する。
安全でエネルギー効率も良い。
ただ、やっている事はタービン回し。
未来を生きている星でもやっている事は同じだった事を知った時は本当に微妙な表情になった。
ただ、その核融合発電を導入するのはやはり難しいと思う。
これは核融合というのが実のところ未来の発電システムという位置づけながら既に手が届く範囲にある方法であるからだ。
その方法は既に地球人の中で確立していて、だからその危険性なども理解されている。
例えば放射性物質を使わないとはいえ放射能が発生しないとは言い切れない事とか、安全を期するためには広大な土地と防御壁が必要である事とか。
そう言った事を考えた結果、違う方法を選択する事にしたのだった。
話を戻そう。
太陽光発電の話だ。
太陽光エネルギーの変換は難しい。
しかしそれでもクレア星ではそれを可能にしている。
新世代の太陽光パネル、その素材の作成に成功していた。
そしてそれを地球にもある素材で再現したのが、実は何を隠そう私だったりする。
新素材の発明。
その素材こそが――石炭だ。
石炭、というよりカーボン。
炭素。
多分みんな知っている事と思うけれども、ダイヤモンドや鉛筆の芯といったものがある事からも分かる通り、炭素というのは結合方法の変化などにより振る舞いや性質が異なって来る。
そしてその最たるものがカーボンナノチューブ、人類の叡智の結晶であろう。
文字通りナノサイズの構造体。
そして私が作り出したのはそれの親戚みたいな存在だった。
その名も、ダイナパウダー。
その構造の説明は難し過ぎるので省くが、とにかくこれは黒くて触ってみるとざらざらしている。
話の流れからも察する事が出来るだろうが、私はこれを太陽光パネルの素材として生み出したのだった。
蛇足だが、当初は『イダイナパウダー』という名前にしようとしていたのだったが、いろいろな人から却下を受けて今の名前になった。
残念。
このダイナパウダーを取り入れて作った太陽光パネルは凄い。
何が凄いって、その効率が凄い。
変換率、驚きの99.7パーセント。
ほぼ電気に変えていると言っても過言ではない。
……これを地球で実装出来ればエネルギー問題も多少楽になる事だろう。
無論、この『イダイナパウダー』の原材料、石炭が大量にあったとしても、いや、まずは掘るところから始めないとだが、それを加工する為には相応の装置が必要になってくる。
それに関しては、一応こちら側で持ち込んだものを使って貰うつもりだ。
すべてAIで管理されているので小学生でも使う事は可能だ。
最悪、悪い人達が技術を調べる目的でバラす可能性も考え、持ち込んだ機材には多数のブラックボックスを組み込んでいるので絶対複製や悪用は出来ないだろう。
そして重要な石炭採掘。
日本には多数の石炭がまだ残っているが、それでも需要や時代の流れからほとんどの炭鉱が廃棄されている。
だからそれに関しても、こちらが何とかする。
バケットホイールエクスカベーター的働く車を使って貰って、ガンガン掘って貰おう。
兎に角、まずは太陽光パネルを使って発電しよう。
まずは、そこからだ。