TS転生者なんだがなんか一夏の護衛になった件。 作:ライトダイバー
しかもなんか初投稿からめっちゃ時間たってるゥ…(白目)
こんな文章力がカスな性癖と妄想の垂れ流しを気に入っていただけるなんて……すごく、凄い嬉しいです(NTR並感)。
まだまだ日常パートは続きます。
戦闘パートはいつになるんですかねぇ…
「──コホン。…まずは自己紹介をしようか。
私は
「あ、うん、よろしく…」
少し前に裸を見られたばかりというのに物凄く落ち着いた様子の目の前の女の子…獅堂さんはまるで何事もなかったかのように自己紹介を始めた。
これで相手が
いや、殴られるだけで女の子の裸を見てしまった罪が無くなるわけではないのだが…
「えっと、知ってるだろうけど俺は織斑一夏。普通に一夏って呼んでくれていいぜ…デス。」
今さらながらに裸を見てしまった相手にタメ口ってどうなんだと思い取って付けたような敬語を付け加える。
すると獅堂さんは困ったように笑った。
「敬語はいらないよ、同級生だし。」
「あ、あぁ、ごめん。…ははは、失礼かもしれないけど獅堂さんと話してると同い年に思えないな」
さっきから感じていたが、獅堂さんと話していると年上の女性と話している感覚になる。
物腰の柔らかさというか、落ち着きというか。彼女の動き方の節々から上品さを感じるというか…兎に角同い年と話しているって感じがしない。
あの金髪と同じお嬢様だとしても罵詈雑言とか言わなさそうだし獅堂さんの方がよっぽどお嬢様に見えるぜ。でも裸見られたんだからもっと取り乱してもいいと思うんですけど…
「…まあ、初対面でいきなりタメ口ってのも変な話か。あと一応言っておくけどさっきの別に気にしてないよ?本当に。」
「アッハイ」
いやそんな簡単に割りきれることじゃないよね?
俺だってフルチン見られたらしばらくは気まずくなると思うんだけど??というか君が気にしなくても俺のほうが気にしてまうんですけど???
っていうか早速言葉崩してるし図太い神経してますね獅堂さん…。
「──あ、そうだ。」
突然ふと何か思い出したような声を出す獅堂さん。彼女は腰掛けていたベッドから立ち上がると自分の鞄の所まで行き中からサッと本を取り出した。
「これ、君に貸すよ。」
「え…これ、参考書?」
見覚えのある、シンプルな表紙の分厚い本。
大切に何度も読み返されたのだろう。発行されたのが数ヵ月前とは思えないほどかなり年季を感じる姿にはなっているが、間違いなく俺が電話帳と間違えて捨てたヤツとまったく同じものだ。
「なんか間違えて捨てちゃったんだっけ?とりあえず再発行までの繋ぎとして使ってよ。」
「い、いいのか?ってか俺が借りてたら獅堂さんは…」
「大丈夫大丈夫。それ
えっ暗記?
このもの凄く分厚い参考書の全てを…暗記?そりゃ凄い年季籠ってる感じがするし説得力あるけど数百枚はありそうなこの本の中を全部暗記してるのか!?
あれ…すごく今さらだが、俺が入学したIS学園ってもしかしてかなり偏差値高いんじゃ…?
そうして俺が両手で参考書を持ったまま唖然としているといつの間にか獅堂さんが奥のベッドに座っていた。心なしか眠そうな表情をしている。
気がつけば既に23時。IS学園の朝は早いとのことらしいのでさっさと寝てしまうのが吉、ということか?
「あ、多分まだシャワー浴びてないよね?今のうちに浴びておいた方がいいと思うよ~ささっと浴びれば睡眠時間が多く得られるぜ。」
「お、おぉ。ありがとう?」
「私は先に寝るわぁ……襲ってこないでね?」
「襲わねーよ!!」
少しニヤついた表情でボケる獅堂さん。
勤勉で随分と大人びた人なんだな~って思ってたけど、ああいうジョークを言う辺りお茶目で年相応な所もあるんだなぁ…
そのあと俺は何事も無く普通にシャワー浴びて普通に寝た。ベッドは見た目相応にふかふかで凄く寝心地が良かった。
…いや待て、冷静になって考えたら初対面の女子と男子が同じ部屋で寝るのってかなりおかしい事だと思うのだがこれは俺が間違っているのか!?俺の常識がたった今ものすごい勢いで崩れてるんだが!?
なんかもう俺が間違ってる気がしてきたよ……。
「…妙な動きは無し、強固な理性だ。
本当に主人公だな、君は。」
ふと、なにか声が聞こえた気がした。
でもその時はほとんど意識が消えかかっていたので次の日起きた時最後に何を聞いたのか忘れてしまった。
翌朝。
事前にセットしたスマホのアラームに起こされた俺はふと気になり隣を見た。
…ベッドはもぬけの殻、シャワー室も誰もいない。なんだか昨日の出来事が全部丸々夢だったんじゃないかと思えるほど部屋の中は静けさで満ちていた。
だけど、俺に渡された分厚い年季の入った参考書が昨日の出来事が現実なのだと俺に知らしめる。
……あんまり眠れなかったな。
主に煩悩のせいで。
「んーッ……はぁ。」
背筋を伸ばしあくびをする。時刻は午前6時程。
ささっと着替えてささっと朝食を食べたら授業まで少し時間ができるぐらいの時間だ。
「体鈍ってるだろうし、少しランニングでもすっかなぁ…」
テキトーに選んだジャージを着て外に出る。
「…あれ?人の気配がしないな。」
ふとそんな事を口にした。
時刻は早朝なのだ、起きている生徒はそりゃ少ないだろう。いたとしても薄く短い服ばかりの大変際どい服装をした女子生徒が寝惚けた様子でちらほら廊下を歩いているぐらいで人っ気はそこまでない。まあ授業自体は八時からなので二時間前から起きている人なんてそりゃ少ないか。見付かって客寄せパンダ状態になられると困るので好都合ではある。
寮から出るとすぐにランニング用のコースに出た。当然道はランニングコースだけでなく、他にも校舎へ向かう道や車が通るのかアスファルトの道路もあり道だけ見ているとここが人工島とはとても思えない。資料を軽く見たが確か直径だけで約5km程はあるらしいな……いやでかくね?
ランニングコースの距離は寮と校舎の周りをぐるりと回るだけのようでピッタリ1kmほどと看板に書いてあった。
手始めに30分程走り込んで体力がどれほど落ちたのか確認することにする。決闘までの一週間、付け焼き刃だろうがなんだろうが何もしないよりはマシのハズだ。
はぁ…こうなるんだったら剣道やめるんじゃなかったかもなあ。そうすればせめて体力ぐらいはあっただろうし。
つーかそもそも剣の腕も鈍ってるだろうなあ。
──剣。それでふと思い起こされる黒く長い髪を後ろでひとまとめにした幼馴染の姿。
そう言えばなんとなく、似てる奴が居たような気がする。もうだいぶ長いこと会っていないからか記憶も朧気ではあるが、それでも雰囲気だけは鮮明に思い出せる。
剣術を扱う者に現れる風格というか、無意識のうちに溢れるオーラというか。そんな“アイツ”と同じ雰囲気の奴が、確か1組に居たような……
そう考えるが、コースにたどり着いたので一旦頭の隅っこに追いやってしまう。集中する時は頭を空っぽにする派なんだ、俺は。
で、少し走ってみたら。
「「あっ」」
なんと獅堂さんと遭遇してしまった。
…遭遇というか、追い付かれた感じだが。
「お、おはよう!獅堂さん!」
「あっうん。おはよう織斑君。」
俺の挨拶に律儀に返してくれる獅堂さん。昨日裸を見られたというのにまるで気にも止めていない……いや、実際に気にしていないのだろう。うら若き乙女がそれでいいのか獅堂さん。
速度を落とし俺の横を走る獅堂さんの体をチラっと見る。決してやましい気持ちがあるわけではない、断じて無いからな。本当だからな。
ン゛ン゛ッ……獅堂さんも体を鍛えているらしく、運動着の上からでも体が程よく引き締まっているのが見て取れる。見せる筋肉というより、実戦に重きを置いた機能美に溢れる肉体だと分かる。昨日見てしまった時あれほどしなやかで美しいと思った肉体美はそれこそISに乗っていた千冬姉以来でありその肉体のバランスは最早完全な黄金比とすら──
ゴホンッ!…それに格闘技か何か習ってて完璧に習得してるのか、重心の運び方とかが強者のソレだ。今の俺が挑んでも簡単に地面に転ばされるだろうと言うことが鈍感な俺でも分かる。
……ていうか部屋ではあんまり分からなかったが獅堂さんってかなり強い人じゃないか?そうかだから俺と同室にされたのか…
閑話休題
ランニング中はまあ最初の方が昨日の事故のこともあって(俺だけ)少し気まずかったけどそんな事は走っているうちに気にならなくなっていた。
ランニング開始からおおよそ十分ほど。
唐突に獅堂さんが会話を切り出した。
「織斑君はさ、どうやってISを動かしたの?」
「へ?ISを?」
「こういう言い方は失礼だけどさ、男性がISに触れる機会って極端に少ない……って言うか無いじゃん?だから織斑君がどうやってISに触れたのかちょっと気になってさ。」
「あ~……」
言われてみれば確かに普通なら俺みたいな一般人はISに触れる機会にすら恵まれないだろう。知り合いの中に元凶が居てわりと交遊関係を持っていたため感覚麻痺していたが、冷静になって考えるとただの学生だった俺がISと遭遇すること自体疑問に思うハズだ。
獅堂さんはチラっとこちらの顔色を見てきている。どうやら言えない事を聞いてしまったか、と心配しているようだ。
「いや、別に隠す程のことじゃないぜ?
俺が高校受験に行った時に会場を間違えてさ、なんかISの適性試験の会場になる所に入っちゃったらしくて。当時はそこに誰も居なくて、部屋に置かれてたISが気になって興味本位で触れて…そしたら今みたいになったんだ。」
「へー…ん?“会場を間違えた”?」
驚いた表情をする獅堂さん。
獅堂さんって綺麗とか可愛いとかってよりカッコいい系の顔付きの人だけど、今みたいな驚いた表情をすると可愛いな。
「ハハハ、恥ずかしながら迷いまして…それでヤマ勘で入ったら~って感じ?」
「初見の建物は確かに迷いやすいけど会場を間違える程かねぇ」
「間違えた結果IS学園に連れてこられた男がここに1人居ますよ~」
「いや自慢気に言うことじゃないよそれ。」
「でも男が入れないような場所に正式に入れるのは他の男に自慢できる事じゃないか?」
「ん~…確かに
「居る居る。俺がここに来るって決まったときに俺の友達がそれはもう酷く羨ましがって…あいや、アレは羨みの声ってより妬みとか怨嗟の声って感じだったな…」
「ふっあはははっ…変な友達だねぇ」
お互い同じ速度で走りながらの会話。獅堂さんはもっと速く走れるだろうに、わざわざ俺の速さに合わせて会話に応じてくれていた。
多分この時から、俺は獅堂さんをこの学園で二番目くらいには心を許せる相手にしていた。勝手ながらに友達ぐらいに思ってたのかも。
久しぶりに肩の荷が降りたような、そんな清々しいいい気分だった。
あれから二十分、俺たちはランニングを終えた。
俺は久しぶりに体を動かしたからか想定よりも汗でいっぱい。対して獅堂さんは涼しい顔をしたままで汗すらかいてない。
…俺、もっと運動しよう。
そう固く決意を固めた。
~
気分転換にと外出した時。
その姿を偶然、私は見付けてしまった。
「一夏…」
自分の幼馴染──私の、初恋の人。
……せっかく同じクラスになったと言うのに、気付いてはくれなかったな。
当然だ、最後に会ったのは小学生低学年の頃。いったいあれから何年たっている?忘れていても無理は無い。
だが、やはり女心というのは複雑だ。
どうしても、奴の方から気づいて欲しかったと、そう思ってしまうのだから。
ここで私が勇気を出して声を掛けられれば良かったのだろう。そうすればせめて認知させることはできただろうから。
そうでなくとも、昨日のうちに休み時間にでも話し掛けに行けば良かったのだ。出来なかったのは、私に勇気が足りなかっただけ。
それに…
一夏の隣を歩く、随分と綺麗な女の子。
今も楽しそうに話ながら歩いている。
その間に割って入れるほど……私は、器用な人間にはなれなかった。
~某コソコソ暴露話~
実は作者、プロローグにて完全にモッピーの存在を忘れていました。そして気が付けばモッピーがこんなキャラクターに……どうして…(現場猫)