帝国を狩る!-心やさしき復讐者ー   作:izanami

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 全てが戦闘シーンの第10話です
 ではどうぞ


因果を狩る!

 

 

「先手必勝!」

 

 そう言ってまずはマインが己の帝具である浪漫砲台≪パンプキン≫の銃弾を発射させる。

 この帝具は持ち主の精神エネルギーを撃ち出す銃だ。

 それゆえに弾切れはなく、その威力は持ち主の精神状態によって大きく左右される。

 

 そんな帝具による攻撃にもセリューは冷静だった。

 何もせずに立っていただけだ……彼女は。

  

 「キュア~~!」

 

 そんなかわいらしい鳴き声(?)とともに生物型帝具魔獣変化≪ヘカトンケイル≫……通称コロが前に出た。

 二つが激突して周りの地面からは砂埃が舞う。

 

 「やったか……?」

 

 残念なことにそのセリフはやっていないフラグである。

 急激に巨大化したコロが銃弾を全て受け止めていたのだ。

 

 「!……マインやはりあれは帝具です」

 

 マインの帝具、パンプキンが止められたことによってシェーレが気付いたことを口にする。

 マインも同じ考えに達したのか、うなずいた。

 

 「旋棍銃化(トンファガン)

 

 そう言って服の中からその名前の通りトンファーと銃が一体化したようなものを取りだしそのまま発砲。

 しかし相手は修羅場を何度もくぐって来たナイトレイドの人間。

 そんな相手に通用するわけもなく、弾は宙を通り抜けただけだった。

 それを一発で理解したのかセリューは戦法を変える。

 

 「コロ、≪捕食≫」

 

 その言葉を聞いたコロは今までの可愛らしい様子を一変させて、狂暴なクマ、はたまたパンダのように見た目を変えて敵に突っ込んでいった。

 

 だがそこにいるのは鋏……万物両断≪エクスタス≫……を構えたシェーレだ。

 この帝具は名前の通りに全てを切り裂くことができる。

 硬さ、耐久値、その物質の構造なんてものをすべて無効にしてただ切ったという現象だけを残していく。

 

 気付いた時にはシェーレはコロの後ろにいてコロの首辺りからは血の様なものが出ていた。

 

 「すいません」

 

 彼女は何に関して謝ったのだろうか。

 謝る気などさらさらなく、なんとなく癖で謝っただけなのかもしれない。

 

 そして彼女はそのままセリューの方へ歩き出す。

 だが一瞬後には切り裂かれたはずのコロが立ちあがり、シェーレに襲いかかろうとしていた。

 

 「シェーレ!!」

 

 マインが急いでパンプキンを発射。

 攻撃を何とか中断させる。

 

 生物型帝具は身体のどこかに核を持っていてそれを破壊しない限り、何度でも甦る。

 それをシェーレはうっかり忘れていたのだ。

 ……戦場でうっかり忘れるなど普通はありえないことなのだが。

 

 「コロ、腕!」

 

 セリューがその言葉を発するだけでコロの腕は人体の3人分ぐらいの太さに膨れ上がり、そのまま2人に襲いかかった。

 早過ぎる腕の動きに残像が発生して、腕が何本もあるかのような錯覚を生みだす。

 

 「ちょ!?何よこれ。逃げ場ないじゃない!」

 

 「マイン!私の後ろへ!!」

 

 軽く混乱気味のマインにシェーレが声をかけて自らが前に出た。

 

 ぶつかり合う、腕と鋏。

 そこに散る無数の火花。

 

 「く!?お、重い!」

 

 エクスタスは全てのものを斬れるほどの切断力を持つと同時にかなりの硬度を誇る。

 そのため、このようにして立ても用に使用することも可能なのだ。

 

 ピィィィィィィーーーーーー

 

 急に甲高い音が響いた。

 2人がコロに手間取っている間にセリューが仲間を呼ぶため笛を鳴らしたのだ。

 絶対的なピンチ。

 そんな状況にもかかわらず……いや、そんな状況だからこそマインは強気に笑った。

 

 「嵐の様な攻撃に、援軍も呼ばれた。……まさにピンチ」

 

 パンプキンは使用者の精神に威力が強く影響する。

 

 「だからこそ、いっけぇぇぇぇぇーーーーーーーー」

 

 そう、この帝具はピンチになればなるほど威力を増す仕様なのだ。

 だが、核を砕けはしていないため、コロの身体はすぐに修復する。

 

 

 

 ここで、少しできた時間を利用し、全員が体勢を立て直して、戦いは振り出しへと戻された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帝具同士の戦いはここからが本番になる。

 

 

 

 

 

 帝都警備隊が駆け付けるまで推測時間、あと15分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうしてすぐに、場面は動くことになった。

 

 「(エクスタス)!」

 

 そう言ってシェーレがエクスタスを前に掲げると、そこに強い光が生まれた。

 奥の手だ。

 帝具の多くは使用された素材によってこのような奥の手を持っている。

 

 セリューは思いっきりこの光を目視してしまい、目がくらんでしまう。

 ちなみにマインはコロの方を相手取っていた。

 1対1にして使用者から先に殺してしまおうといった作戦のようだ。

 

 「終わりです」

 

 シェーレがそのまま飛び込んでエクスタスを振るう。

 

 視界がはっきりないまま何度かの応戦があったが、結局セリューは地面に足を取られ決定的な隙を作った。

 

 「しまっ!?」

 

 必死になって手をクロスさせて攻撃に備えた。

 スパッ!

 その音によって両腕の肘から先が宙を舞う。

 

 身体が真っ二つにされるような大きな隙を両腕を犠牲にして見事に防いだのだ。

 

 「正義は…………絶対勝つ!!!!」

 

 ゆがんだ笑顔のしたで、彼女の腕からは銃が生えていた。

 人体改造だ。

 

 「私が隊長から授かった切り札だ!食らえ!!!」

 

 そう彼女は叫び、発砲。

 大きな音が響いた。

 金属同士がこすれ合うような(・・・・・・・・・・・・・)

 

 「馬鹿な!?」

 

 「すいません」

 

 防いだのだ。

 至近距離からの射撃を…

 

 このままでは死んでしまう。

 そう感じたセリューはある決断をした。

 

 「コロ≪狂化≫!!」

 

 ヘカトンケイルの奥の手≪狂化≫

 莫大な内部エネルギーを使用して、全能力の強化をするものだ。

 それは帝具自体にも負担がかかるため使用が数カ月は使い物にならなくなってしまう。

 

 「ギョアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーー」

 

 身体の大きさも一回り大きくなったコロは大きく咆哮を上げる。

 それは思わず、マインとシェーレが耳を覆ってしまうほどの大きさだった。

 

 そしてそれが大きな隙を作ってしまったのだ。

 

 「マイン!?」

 

 コロの手の中で握られてしまったマイン。

 

 「握りつぶせぇぇぇ!」

 

 セリューが言うと、ミシミシという音を立てて手に圧力が加わっていく。

 

 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 思わず声を上げるマイン。

 だがそれも一瞬のこと、すぐにシェーレが駆けつけて腕を切り裂いた。

 

 「シェーレ!」

 

 「間に合いました」

 

 嬉しそうにシェーレを見上げるマインとそれにこたえるシェーレ。

 だがそんな時だった。

 シェーレの服が赤く染まったのは……。

 

 大きく目を開くマイン

 何が起こったのかわからないといった様子だ。

 

 周りに目を向けると口から銃口をのぞかせているセリューの姿とこちら側に駆けているコロの姿が目に入った。

 口の中まで改造が施されていたとは流石に考えなかっただろうシェーレは、それでも冷静に判断を下し、コロから距離を取ろうとする。

 その時だったのだ。

 彼女が異変に気付いたのは。

 

 「身体が、動……か……」

 

 セリューが彼女に打ち込んだのはきっと麻痺毒か何かが塗られていたのだろう。

 彼女の脳から発せられる命令に身体は動こうとしなかった。

 

 その一瞬後、コロは大きく口を開く。

 無数の刃が覆い尽くされた、2年前一人の女性を死へと追いやった、その口を……。

 

 『正・義・執・行・!!!!』

 

 セリューのゆがんだ顔にはっきりと書いてある。

 これから自分がどうなってしまうのか、最悪の想定がシェーレには容易にできたのだが、それに対処をすることは彼女にはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドガァァァァン

 

 そんな音が夜の帝都に響き渡る。

 

 「おいおい、せっかく見つけたのに何なんだよ、この状況は……?」

 

 それはコロがシェーレを食い殺した音ではない。

 

 「2年間待ったぞ……」

 

 一人の少年が帝具も発動させずに、狂化したコロを蹴り飛ばした音だった。

 

 「セリュー・ユビキタス!もういい加減に殺してやる!!!!」

 

 右手の腕輪(ガントレット)を握り、青年……ダイアは(正義)に向けて指を突きつけていった。

 

 帝都警備隊が駆け付けるまでの推測時間、あと5分





 何回か読みなおしたんですがやはり戦闘描写は苦手ですね……。

 これから頑張っていくので温かく見守ってください。

 誤字脱字、感想、意見お待ちしています。
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