吾輩は天彗龍である。   作:名無しのサイボーグ

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前回との寒暖差でショック死します。だってシリアスを書きたかったんです。…注意してください。
短いです。だって課題に押しつぶされそうだったんですもの。…勘弁してください。
アランと愉快な仲間は出てきません。だって彼ら(主にネコサマ)が出るとシリアス薄れるんだもの。…ごめんなさい。

ちょっぴりグロめです。
…えぇと、お楽しみください。


俺は捨てられた。『世界』そのものに、ゴミのように

 …いつだったか──太陽を初めて浴びた時のことを、時々夢で見ることがあった。

 

 なんかのモンスターから……そう、モンスターだったはずだ。俺の子宮だったモノは。

 そこから()()()()()()、そして突如降り注いだ煌びやかな暖かい光は、生まれたばかりの俺に未来への希望を持たせてくれた。

 

 

 そして旅に出た。知りもしないはずの故郷へ帰る為に。正確にはその前準備として成長するために。

 

 

 まずは近場を探索した。 ──出会い頭に死ね消えろと、罵詈雑言の嵐を浴びせられた。

 

 砂漠にも行ってみた。 ──砂漠の端から端までずっと執拗に攻撃され続けた。

 

 雪山にも行った。 ──何もやってないのに誰も彼もが恐怖した。

 

 初心にかえって、草原に行ってみた。 ──挙げ句の果てには存在を否定された。

 

 

 ……。

 どこへいくにも、否定。

 あっちへ行っても、こっちへ行っても否定否定否定。

 

 否定。否定。否定。

 否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定否定…………。

 

 

 

 

 ウゼェ。

 

 

 

 

 しょーがないから、全員ブッ殺した。

 口を無理矢理開け放って、背骨を抜き取り、頭をぐしゃぐしゃに潰してやった。締めに俺のウイルスで、そのまま無様に踊らせた。

 

 だいぶ気分が晴れた。

 太陽は、まだ俺を照らしてくれていた。

 太陽だけは、まだ俺の味方のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生まれたあの日から、だいぶ月日が経った。

 体がむず痒くなってきて、そろそろ知るはずもない故郷へ帰る時が来たのを感じとる。

 

 踊らせていた人間の動きを潰して止めてから、俺はゆっくり空に昇った。

 

 

 恥ずかしい話だが、その時の俺はだいぶはしゃいでいた。

 「故郷ってのはどんなところなんだ?」「美味いものがあるのか?」「そこへ行ったら俺は何になるんだ?」

 テンションは最高潮、飛ぶスピードも自然と速くなっていたのに、そのくせ疲れは微塵も感じなかった。

 

 

 山越え谷越え、海さえ越えた。

 段々と近づく『故郷』に、俺の胸は高鳴った。

 

 そして────到達した。

 

 『故郷』。俺を呼んでた『故郷』。

 想像よりだいぶ寂れた場所だったが、その時の俺はそんなこと意識に無かった。

 

 

 体の鱗が剥がれ落ちていって、自分が新しいモノに成ろうとしているのがわかる。俺の心はさっきから期待で暴れ回っている。

 

 ふと、『故郷』から一匹の龍が飛び去っていったのを感じた。

 金色の龍だった。ちょうど、俺の鱗の剥がれたところからのぞいている新しい鱗のような。

 

 へぇ。俺もあんな風になるのか。それよりも二着ってのが気に食わないが、まぁいいだろ。

 

 飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ。

 早くあの場所へ、一刻も早く『故郷』へ。

 おい、『故郷』さんよ。お呼びのようだから来てやったぜ。歓迎ついでに追い風でも起こせよな。

 心の中で言いながら、俺はさらに速度を上げた。

 

 

 

 

 

 …あれ

 上がって、ない?

 

 

 痛い。

 

 

 突然、翼に激痛が走った。

 もはや体の半身にまで及んでいたはずの鱗の剥がれ落ちが、ピタリ、と止まってしまっていた。

 

 

 痛い。

 

 

 まるで針山の上を思い切り体重をかけて走っているかのような痛みだ。

 だが、痛みを気にしている暇はない。

 『故郷』が呼んでいるのだ。

 生まれてから、今の今までずっと俺を呼び続けていた『故郷』に、もう少しで行ける。

 現に、今だって『故郷』は俺を呼んで────、

 

 

 

 ──あれ。

 …声が聞こえない。

 

 『故郷』が、俺を呼ぶあの声が聞こえない。

 それどころか、『故郷』は俺に向かい風を吹いてくる。

 

 

 ……。

 

 

 

 

 

 

 

 は?

 

 待て、おい待てよ。

 テメェが呼んだんだろうが。

 生まれた時から、俺の頭にずっと呼びかけてただろうが。

 今になって、追い返すのか?吹き飛ばすのか?

 ふざけんじゃねぇ。

 

 …おい

 

 おい!

 聞いてんのか!このクソ野郎!

 チッ…やめろ、風を止めろ!落ちる、落ちちまう!

 もう翼も動かせねぇ!イテェ、イテェんだよ!やめろ!!

 

 おい!おい!!おい!!!?

 

 ああああああああああああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たいようが ない

 

 太陽は、俺を見放したようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 落ちた。

 痛い。

 

 …。

 

 とりあえず立つ。

 クソほど痛いが、まぁまだ耐えられる方だ。

 

 次は…そうだ、次はどうすればいい。

 故郷に帰る…いや、否定されただろ、バカか俺は。

 

 

 …なんで否定された?

 俺が何かしたのか?何もしてないよな?

 じゃなんで行けなかった?

 アイツが行けて、なぜ俺は到達できない??

 

 

「ば…化け物だ」

 

 

 …あ?

 

 俺は声のする方へ目を向ける。

 

 

 …アレ、何で目が見えるんだ?変な見え方だが、見える。

 まぁいいか。

 

 

 そこには、何人かの雄の人間がいた。俺を化け物呼ばわりしたのはどうやら、一番前で腰を抜かしているジジイらしい。

 俺は早速、どう殺そうかアイデアを巡らせる。

 無論、『故郷』に否定されたストレス晴らしという意味も、多分に含んでいた。

 

 未だに腰を抜かしたままのジジイは、口だけを必死に動かす。

 

 

「いかん…コレはいかん!」

 

「許されぬ…許されるはずがない」

 

「此奴は…存在してはならぬもの!!」

 

生きとし生けるもの全てと相容れない!!

 

「この…化け物めぇぇぇぇ!!」

 

 

 ……………。

 ……。

 クソやかまし。

 

 …にしても、このジジイもバカだよなぁ。

 周りの人間がせっかく逃げようと頑張ってんのに、「気球が壊れたから」とか言って頑として動かねぇんだもん。

 

 …あれ

 

 俺人間の言葉なんて元から理解できてたっけ?

 

 

 …ま、どうでもいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日に日に、体が重くなっていくのを感じる。

 多分、こんなザマになったせいだろう。俺の勘によれば、もうあと三日も生きてはいられないらしい…。

 

 だが、俺は死ぬつもりなんて毛頭ない。何とかして生き続けて、俺を選ばなかった『故郷』を壊す。

 その後のことなんざどうでもいい。今はただ、復讐がしたくてたまらない。

 

 

 いろんなものを喰った。

 本当に、色々な物を。

 おかげで、少し寿命が延びた気がした。

 

 

 

 そして俺は、いつの間にか知らない場所にいた。

 

 

 

 本当に、知らない場所だ。

 世界各地を余すところなく回ったからわかる。

 

 …ここ一帯は、自分の見知らぬ全く新しい世界だと。

 

 

 ……はは

 そうか。 

 そういうことか。

 

 『故郷』は…俺を見放した。

 期待させておいて、まるで嘲笑うかのように。

 

 そして今。

 

 俺を生んだ『世界』そのものも、俺を捨てた。

 邪魔だからと。ゴミのように俺をこの『ゴミ箱』に捨てた。

 

 

 

 

 

 ハハハ、ハハハ

 全く、憎すぎて一周回って笑っちまうぜ…。

 

 いい。いいよ。わかった。

 竜生方針変更だ。

 

 

 

 

 

 俺を生んだ世界よ。そして今俺のいる、ゴミ箱のような監獄の世界よ。

 

 ──俺は、テメェらに必ず復襲することに決めたよ。

 

 

 

 

 

 世界そのものを壊す。もちろん、住んでいる奴らは全員皆殺し。

 竜も、人間も、植物の種一つ、土に秘められたエネルギーもろとも、全て。

 

 

 

 手始めにまず壊すのは、この監獄だ。

 

 俺はもう、縛られたりしない。

 そうすれば、裏切られることもない。

 

 

 

 俺は、自由になる…!

 

 




人は、良い人と悪い人がいる。
大体悪くなるのは環境のせいの場合が大きいが、たまに生まれながらに悪い奴がいる。

そしてそれはモンスターでも、例外ではない。
モンスターにもごく稀に、驚くほどの悪意を持った『悪魔』が生まれる。
…もちろん、万に一つぐらいの確率だけどね?



第二の主人公、ST世界に進撃。

質問などがきっとおありでしょうから
そういったものは感想欄などで受け付け&お答えしまするるるる(平安貴族)
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