IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

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なかよし部はビーチバレーをします

「あ…あれ…?」

 

 これは…一体どういうことだ?

 なかよし部の皆や千冬姉と合流した俺は、これからどうなると思っていたら、いつの間にかビーチの上に即席で作られたバレーコートの中に立たされていた。

 何を言っているのか分からないと思うが、俺も何をされたのか分からなかった。

 手品とかトリックとか、そんなちゃちなもんじゃない。

 もっと恐ろしい何かの片鱗を感じ取ったぜ…。

 

「何をいきなりポルナレフムーブをかましておるのかね。試合が始められないではないか」

「あ…すんません」

 

 体力的な意味で審判をすることになったユニちゃん先輩に怒られてしまった。

 その隣には、先輩をサポートするという名目でラウラも一緒にいる。

 本当に、あの二人って絵になるなぁ…。

 

「それではこれより、なかよし部による、なかよし部の為の、なかよし部同士の試合を始めようと思う。審判はこのボク、なかよし部ことユニちゃんズの部長である真宮寺由仁が勤めよう。補佐はラウラ君だ」

「よ…よろしく頼む…」

 

 別にそこまで仰々しく自己紹介とかしなくていいんですよ?

 別に正式な試合じゃないんだし。

 

「チーム分けは、チエル君と箒君、それから織斑顧問による『なかよし部Aチーム』、クロエ君とシャルロット君、そして一夏君による『なかよし部Bチーム』になる」

 

 おいこらちょっとぉっ!?

 なんか、いつの間にか俺もなかよし部の一員にカウントされてるんですがっ!?

 確かに何回か活動に参加したことはあるけど、別に入部した覚えはないんだがっ!?

 一応、俺は剣道部志望のつもりなんですけどっ!?

 

「因みに、IS学園は基本的に運動部と文化部の兼任は可能となっている。実際、クロエ君が陸上部となかよし部を兼任しているからな」

「何故それをここで言う…」

 

 猛烈に嫌な予感がするのだが…。

 

「ここに実は一夏君のなかよし部の入部届けがあったりする」

「なんで、そんな物があるッ!? 書いた覚えが微塵も無いのですがっ!?」

「私が書いておいた」

「千冬姉っ!?」

 

 まさかの犯人は実の姉ッ!?

 こんなのコナンでも滅多に無いぞっ!?

 

「後は、ここに織斑教諭が印鑑を押せば全ての手続きが完了するわけだが」

「まさかとは思うけど、ハンコを持ってたりなんてのは…」

「あるぞ」

「なんでだよっ!?」

 

 ビーチにハンコを持ってくる意味よっ!?

 こうなることを最初から知ってたなっ!?

 

「更に因むと、実はもう既に箒君のなかよし部の入部届が提出されていたりする」

「いつの間にッ!?」

「臨海学校に来る直前だ! 最初は半ば諦めかけていたのだが、真宮寺先輩に運動部と文化部の兼任が可能と聞かされてな! 即決だった!」

「少しは迷えよっ!?」

「チエルと同じ部に入るのに迷う理由などない!!」

「んもぉ~…箒ちゃんったら~♡ そこまでストレートに言われちゃったら、流石のチエルも照れちゃいますよぉ~♡」

 

 こ…こいつ…絶対に欲しい物が有ったら衝動買いするタイプだな…。

 風間さんと仲良くなった時点で、なんとなく察してはいたけど…箒も完全になかよし部の空気に毒されてきてる…。

 

「とまぁ、お話はここまでにして。そろそろ本格的に試合を始めるか。負けた方は、今日の昼食を勝者とボク達二人に驕ると言うことで」

「二人も含まれてるんだっ!?」

 

 これ、どっちのチームが勝ってもユニ先輩とラウラには得しかないじゃねぇか!

 ある意味、一番の勝ち組だな!

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 試合が始まる前にもう疲れてしまったんだけど…やる以上は流石に勝ちたい。

 と言いたいが、相手チームに千冬姉がいる時点で絶望的では?

 これ完全に俺が足を引っ張るパターンだろ…。

 

「まずは一番最初のサーブ権を決めるために、コイントスをしようか」

 

 そう言ってユニ先輩が取り出したのは、陽光に煌めくフシギダネが描かれた一枚のコイン…って、それポケモンカードのヤツじゃねぇか!

 なんでまた、んなもんを持ってるんだよっ!?

 

「代表選手は前に出てくれたまえ」

「うっし…やるか」

「ここで見事に当てて、場の流れをこっちのものにしますよ~」

 

 代表はクロエ先輩と風間さんなのか。

 んで、俺はまたここでツッコミ役をすると。

 

「ではラウラ君。頼むぞ」

「お任せください、ユニ先輩」

 

 フシギダネコインを受け取ったラウラがコートに入り、二人に裏と表をチラッと見せる。

 

「こちらが表で、こちらが裏だ。では…行くぞ!」

 

 親指でコインを弾き、クルクルと回転しながら宙に飛ぶ。

 落ちてきた所をラウラが左手の甲で受け止め、そのまま右手で見えないように抑え込む。

 

「さぁ…張った張った! 表か裏か!」

 

 それ完全に時代劇に出てくる賭場で出てくるセリフだぞ。

 寮のテレビで時代劇を見て影響されたな。

 

「なら表で!」

「じゃあ、チエルは裏で!」

「クロエ先輩が表、チエルが裏! よござんすね!?」

 

 ラウラも結構ノリノリだな。

 ある意味、この中じゃ一番なかよし部に影響されやすいんだろうな…。

 

「では…結果は…」

 

 ラウラがそっと右手を挙げる。

 果たして、表か裏か…。

 俺もなんかドキドキしてきた…。

 

「裏! よって先攻はなかよし部Aチーム!」

「よっし!」

「しゃーない…でも、まだまだここからだし」

 

 向こうが先攻ってことは、誰かのサーブが来るってことか…。

 …うん。これ詰んでね?

 千冬姉は当然として、確か風間さんも相当な怪力の持ち主だったよな?

 箒も二人程ではないにしろ、かなり鍛えてるからパワーはある。

 お願いだから、俺の方にボールが来ませんように…後生だから!

 

「それじゃあ、まずはチエルからサーブをしますね~」

 

 千冬姉じゃなくてよかった…とは言い難い!

 ある意味これも俺にとってはハズレだ!

 問題はボールがどこに来るかだが…。

 

「シャルロット。マジで構えとき。チエルのパワーは侮れないから」

「分かりました! クロエ先輩!

 

 お…俺も構えとくか…。

 少しでもダメージを少なくするために…。

 

「まずはかるーく…」

 

 ボールがポーンと高く上がって…かーらーのー…?

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

「めっちゃ殺る気満々じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 全力全開の超絶スピードのサーブボールが真っ直ぐに俺に向かって飛んでくるぅぅぅぅぅっ!?

 これ絶対にサーブで出していいボールじゃねぇからぁぁぁぁっ!!!!!

 

「チッ! 一夏! そこどきな!!」

「クロエ先輩っ!?」

 

 俺の前に先輩が躍り出て、そのまま風間さんから打ち出された殺人サーブを見事に受け止めた!

 そういや忘れてた…この人も十分に化け物の領域にいるんだった…。

 

「こんのぉぉぉぉっ!!」

 

 は…弾いたぁぁぁぁっ!?

 す…すっげー…って、こっちに来たっ!?

 よ…よし! さっきの借りを少しでも返すぜ!

 

「こ…これでどうだ!」

「シャルロット!!」

「はい!!」

 

 な…なんとかトス出来た…。

 で、俺のトスをシャルロットがジャンプして、そのままアタックの構え!

 よし! そのままやっちまえ!!

 

「ふんぬっ!!!」

 

 いや…明らかに女子高生が出していい声じゃねぇよ…。

 つーか、それよりも…。

 

「いいボールを打つではないか! しかし!!」

 

 シャルロットのアタックしたボールもアホみたいな速度を叩き出してるんだが…。

 そして、それを難なく受け止める箒。

 これって…もしかしなくても、このコート内で最弱って俺? マジで?

 

「チエル!」

「おっまかせ! 織斑せんせー!」

「任せろ!!」

 

 そこから風間さんがトス、千冬姉が高く飛び上がってアタックの構え…。

 あぁ…走馬燈が見える…。

 

「くらえ!!!」

 

 これが世界最強のアタックかー…。

 炎を纏って、更にはそれが虎の形になってるー…あははー…。

 これはどこの少林バレーだっつーの…。

 

「まだまだぁっ!!」

 

 あのスーパーアタックボールをクロエ先輩が受け止めたぁッ!?

 あれって今の人類に受けれるボールだったのかっ!?

 それとも、先輩が新人類だっただけ?

 

「シャル!! トス!!」

「お任せを!!」

 

 遂には名前を略しだした。

 咄嗟に呼ぶには長いってのは分るけど。

 

「クロエ先輩!! お願いします!!」

「よっしゃぁっ!!」

 

 あれ? とうとう俺にボールが来なくなったよ?

 命の危機は去ったけど、それと引き換えに男としてのプライドが木端微塵に砕け散ったよ?

 

「こいつでぇ…決めるっ!!!!」

 

 おぉーっと!

 今度はクロエ先輩の放ったアタックが風を纏って鳥の形になったー!

 あははー…もう俺完全に解説役ー。

 

「うむ。どちらも気合が入って良い試合だな」

「そうですね。こちらまで熱くなってきそうな勢いです」

 

 審判の二人は気楽でいいですなー。

 俺も今は気楽な立場だけど。

 と言うかさ…。

 

(この作品は、いつから熱血バレー小説になったんだ…?)

 

 一応これ…メカ物だよな?

 かっちょいいISが大空を飛び交って激戦を繰り広げる小説だよな?

 んでもって、今は魅惑の水着回だよな?

 読者サービスの回の筈なんだよな? そうだよな?

 

「おらぁっ!!」

「まだまだぁ!!」

「この程度で!!」

「終わりませんよ!!」

「この一撃で!!」

 

 これ…本当に決着つくんだよな…?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 結局、お昼ギリギリまで試合は繰り広げられたが決着はつかず、最終的には風間さんの本気中の本気の超全力アタックの威力にボールが耐えられなくなり、バァン!!という破裂音と共にボールが消滅。

 双方共に一点も入れられないまま試合終了と相成った。

 

「ふっ…まさか、私の全力にここまでついてこられるとは…強くなったな。黒江」

「それは、こっちのセリフだっつーの。まさか、ウチの全力がああも易々と止められると、流石に自信なくすっつーの」

「そう卑下するな。あの一撃は本当に凄かった。今だから告白するが、実はまだ腕が痺れている。こんなことは初めてだよ」

 

 あの千冬姉の腕を痺れさせるって…どんな腕力してんだよクロエ先輩…。

 

「いやー! まさかチエルの本気にボールの方が耐えられなくなるのは流石に想像してませんでしたねー!  てぺろりんちょ♡」

「チエルと一緒のビーチバレー…最高だった…♡」

「ボクも…クロエ先輩と一緒のチームでビーチバレーが出来るだなんて…感無量だよ…♡」

 

 んで、箒とシャルロットは恍惚の表情を浮かべて、風間さんは全く反省していませんと。

 

「ユニ先輩…いかがしましょうか…」

「仕方あるまい。このメンバーで試合をした以上、この結果は当然の帰結とも言える」

「では…?」

「今回の試合は素直に引き分けにしよう。お互いに満足しているようだしな。問題あるまい」

「そうですね。ユニ先輩がそう仰るのであれば」

 

 なんか上手いように纏まったな…。

 でも、そうなると奢る奢らないって話はどうなるんだ?

 

「ここは間を取って…一夏君に皆のお昼を奢って貰うことにしよう」

「「「賛成~!」」」

「妥当だな」

 

 なんでやねん!!!!!

 なんで俺が奢らないといけないんだよっ!?

 あと、一体何がどう『妥当』なのか詳しく教えてくれ千冬姉!!!

 

 と言いたいけど、俺がこのメンバーに逆らえる筈もなく…結局、俺が全員分の昼飯を海の家で奢る羽目になったのだった…トホホ…。

 白式の稼働データ収集で得た金が無かったら、大変なことになってたな…。

 今だけはマジで感謝するわ…ありがとう…白式…。

 お前のお陰で俺は破産せずに済みました…。

 

 

 

なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
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