Vtuberが奥さんだったら、みたいなやつ。


取り合えず思い付き。
特に何か書くことは無いが、感想について一つ。

Vtuberは結婚しないとかしちゃ駄目とかウンタラカンタラ……、みたいなのは一切無しでお願いします。
だってここは二次創作の場所ですからね、えぇ、有り得ない設定とかそういうのがあっても良いじゃない。






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俺ァ、全く懲りねェ奴だぜ……。







脳が破壊されそうな配信

 

 

 

 

 

私の職業はVtuberだ。

人気って言えるぐらいにはチャンネル登録者や配信中の同時接続数は多い。

だからこそ、一年が経った今でも偶に信じられない。

旦那がいるなんて言う我が家の光景には自分の事ながらまだ慣れないのだ。

と言うか真冬でしかも滅茶苦茶雪積もってる中に半袖短パンで出て行くな。

風邪引いたらどうするんだって。

ジャージの上着だけでも着せて送り出す。

本人はどうせ暑くなるって言うけどそう言う問題じゃないんだ。

 

 

Vtuberって言うのは、運営側や会社が特に恋愛禁止とかが無くても風潮的に恋愛がし辛い一面があるのは否定出来ない。

それこそ箱によっては恋愛全面禁止みたいなのは珍しくは無い。

よく一緒にゲームをやる子が所属する他社も恋愛禁止だし、こっそり彼氏が居たとかで炎上、謹慎だったり活動休止、引退みたいな話も無くはない。

 

とは言え私も企業に属しているけど、特に恋愛禁止みたいなルールは無い。その辺は許されてたし、特にそれは不味いよねってなる事さえ無ければOKだ。

 

今の旦那と付き合い始めた時も運営には報告はしたし、同じ箱の皆はキャーキャー色めき立ちながら根掘り葉掘り聞かれながら背中を押された。

配信でも気になる人がいるとか色々それとなく溢していたから視聴者の皆からも応援されていた。

その点では物凄く私は恵まれていたと思う。

デート代とか言ってスパチャ投げられた時は困ったけど。

なんせ遠距離恋愛だったからさ。

 

それでもいざ結婚しました、となった時は騒ぎにならなかった訳じゃ無いし、批判をする人や誹謗中傷をして来る奴も勿論いた。

でも少数だったし気にもならなかった、と言えば嘘になるけどあんまり気にはならなかった。

所謂推しの幸せが自分の幸せ、って言ってくれる人が多かった。

 

結婚した時は滅茶苦茶に祝福してもらったし、配信で入籍と結婚を報告したら異常なぐらいのスーパーチャットが起きて怖くなったぐらい。

旦那の仕事の関係で都内から北海道に移り住む事にはなったけど、運営側や同じ箱の皆からも行き過ぎなぐらいの理解と協力で成立している。

流石に収録、とかになったら都内に飛行機で行かなきゃならないけど旦那も自分の我儘でこっちに来てもらったからって航空券を出してくれる。

運営が交通費を支給してくれてるから翌月のお小遣いに上乗せって形で返してるけど、旦那は何故か気が付かない。

びっくりするぐらい気が付かない。

 

お金にルーズでは無い。

単純にアホなんだと思う。

わーい今月のお小遣い何時もより多いー!ぐらいでしか捉えてないんじゃないかなぁ。

 

実際一緒にいると分かるけど中々アホだ。

別に馬鹿ではないし、寧ろ地頭はかなり良い。いやちょっとおバカだけど、どっちかと言うとアホなのだ。

性格は優しいけど、小学生みたいなもんだから既に子供が一人いる感じがする。

 

性格も合わさって、愛すべきアホ、と言うべきかな。

私個人としては旦那は配信者向けの性格だと思うけど本人は配信者になる気は欠片も無い。

今の仕事に誇りを持っているからって。

その辺はやっぱり格好良い。

 

 

 

 

「お疲れー」

 

『あいお疲れー』

 

『お疲れ様でーす』

 

いつもと変わらず同じ箱の三人で集まってゲーム配信。

一緒に配信をする人は様々で、プロゲーマー、ストリーマー、Vtuber、有名人。

本当に色んな人達とだ。

 

実況や配信のジャンルも様々。

ゲーム、それこそバカゲーから超大作や超有名なんて言われるものまでなんでも。

雑談や運営側の企画だったり、有名曲のカバーをすることだってある。

ついこの前も都内で楽曲のカバー収録があった。

 

 

今日はサンドボックスってジャンルのゲーム。

自分の好きなように建物を作ったり、ラスボスを倒したり、様々なMODを入れて楽しむでも良い。

そんなゲームだ。

建築途中だった建物や探索を進めるのが今日集まった理由だ。

 

ゲームをやりながら配信をしていると、ふと聞かれる。

 

『そう言えばさ、旦那さんとの生活ってどんな感じ?』

 

『もう離婚の危機だったりして』

 

「んな訳無いでしょ。……まぁ、幸せかな」

 

『『……』』

 

なんだか少し恥ずかしくなりながら答えると、二人は黙る。

聞いてきたくせに黙った挙句、変な空気にされたんだけど?

 

「えっ何この空気」

 

『っかぁー!聞きました!?今の声!めっちゃ甘い声してましたよ!』

 

『なんなん?滅茶苦茶幸せそうじゃねぇかよ!砂糖吐くかと思ったわ!!』

 

いきなり叫ぶ二人を見て、なんか怖くなる。

台パンまでしてるし。

 

『ったくよぉ!こっちは結婚どころか彼氏すら一度も出来たことねぇってのによォ!』

 

『あー……、良いなぁ私も幸せになりたいなぁ……』

 

「それ以上自分で抉るのやめない?」

 

勝手に傷を作って勝手に傷口広げて勝手に傷口に塩を塗りたくって擦り込んでる。

 

『誰のせいだと思ってんじゃい!』

 

「少なくとも私のせいでは無いね」

 

『これが勝ち組の余裕ってヤツですか!』

 

こいつら今日面倒臭いな。

酒呑み配信じゃ無いんだけど、もしかして酔ってたりする?

 

『こうなったら私達にも幸せを分けろ!』

 

『そうだそうだ!先輩にはその義務がある!!』

 

「めんどくせぇし、そもそも幸せを分けろってどうすんの」

 

『新婚生活の話とか全部吐いてください』

 

『リスナー達も聞きたいよな!?』

 

ワーワー騒ぎながらゲーム内でポカスカ殴ってくる。

一応このワールドは皆で、ってものだから作業してもらわないと困るから、手を動かさせる為に話すしかなさそうだ。

 

リスナー達も気になって話せ話せと騒ぎながらスパチャを投げてくる始末だから、私が話すまでは収まりそうにない。

別に隠すことも無いから良いけどさ。

 

「あーもー、分かったから手を動かして」

 

『了解です!!』

 

『リスナー、今日は夫婦の赤裸々な話をぜんっぶ丸裸にしような!スパチャ投げたら投げた分だけ色々話してくれるぞ』

 

「ほんっとに止めて。最近子供出来たときの養育費とか言って普通に赤スパ飛んでくるんだから」

 

本当にリスナーが破産したりしないか心配で仕方が無い。

そんなほいほい投げていいものじゃ無いからね?

 

リスナー達には釘を刺してはいるけど、効果があるかはかなり怪しい。

 

『でも脳を破壊されないようにねー』

 

「脳を破壊されるぐらいならいっそ私が話さなきゃ良いんじゃない?」

 

『『それは違う』』

 

「脳を破壊されてまで聞きたい?わざわざ?」

 

『そりゃ推しがちゃんと幸せになってるかは気になるでしょ』

 

「上手い言い方するなぁ……」

 

そう言われると、断り辛い。

 

リスナー共々、鼻息荒くして意気込んでる。

いやまぁよっぽどじゃない限りは答えてもいいけどさ。

 

 

 

 

『家事とかどうしてる?』

 

「旦那には掃除と洗濯物を干す、畳むとかは任せてる。ピシッとしてて上手いし。ただ料理と洗濯自体とかはは絶対に私だね」

 

『なんで?』

 

「料理に関しては、マジで男飯が出てくるんだよね。ブロックベーコン焼いて醤油掛けて食べるだけとかみたいな。だから料理は絶対に私がやる」

 

『あっはっはっはっ!!』

 

『ブロックベーコン丸々出されるってこと!?』

 

何がツボなのか爆笑し始めた。

ブロックベーコンの何がそんなに面白い?

 

「そうそう。付け合わせが目玉焼きとか言われた時は頭痛くなった」

 

そう言うと二人は余計に笑い始めた。

まぁ、旦那は別に身体を思いっ切り動かしまくる仕事だから、摂取したカロリーを消費することなんて簡単だろうし実際旦那は体格も良いし筋肉質だ。

毎年の職場の健康診断も、セルフで受けてる健康診断もオールA判定だ。

でも私はそうじゃない。

基本が座り仕事って言うのもあって、そんなの食べてたらみるみるうちに太るし何より健康に絶対悪い。

 

旦那は嫌いな食べ物なんて生のエビぐらい、アレルギーでパイナップルとキウイが駄目なだけってぐらいだからなんでもバクバク食べる。

けど自分でやるとなると好きな物しか食わなくなる典型的なタイプだから任せられないのだ。

 

全肯定マンじゃないから、今日はしょっぱいね、とか今日は薄味だ、とかぐらいの事は言ってくれるからありがたい。

 

 

『でも先輩って料理出来るんですか?』

 

「言っとくけど私普通に料理するからね?お泊り会の時とか作れ作れ言うからそこで爆笑してる奴にも食わせたし」

 

『えー、すごーい』

 

普通に関心されると照れる。

 

『洗濯は?』

 

「全部一緒に洗っちゃうから大変なことになる」

 

『全部って、下着も靴下も?』

 

「そう。もう本当にびっくりしたもん。色落ちとかそんなの全く気にしないでスピードコースでぶん回すから全然匂いとか汚れが落ちてない。そのくせに掃除とか整理整頓はマジで旦那のが絶対上手いし早いし綺麗だね」

 

『それってどれくらい?』

 

「一軒家に住んでるけど、丸々掃除するのに1時間とか2時間ぐらいかな?」

 

我が家には自動掃除機とかは無いけど、旦那の掃除をする速度が異常なぐらい速い。

しかもきっちり綺麗になってるんだから凄い。

 

『はっや!?』

 

『え旦那さんウチに来て欲しいんだけど』

 

「駄目でーす」

 

『うーわっ、今の聞きました!?』

 

『あいつは私だけのもんだってか!?』

 

「うるせぇうるせぇ」

 

やいのやいのと言われて顔が熱くなるのが分かる。

 

と言うよりもこいつはまず自分である程度掃除することから始めた方が良い。

汚部屋代表とか言われてるぐらい部屋が汚い。

裏で話したり、配信中でも偶にガサゴソ、みたいな掻き分ける音が聞こえる事があるぐらいだし。

 

旦那も流石に拒否するかも。

……いや、優しいから怒った後に手伝うかな?

でもどうだろ、どんな地雷が転がってるか分からないからやだ、って言う可能性もあるな。

 

旦那は雑って性格じゃないのは確かだ。

寧ろかなり丁寧な方だし、手先も趣味が模型作りとかだから物凄く器用だ。

なんだかんだ字も綺麗だし、高校卒業までやってたピアノも流石にプロとか動画投稿してる人達に比べればって感じではあるし、ブランクもあるけどそこそこ弾ける。

本棚とか何か欲しいってなれば自作出来そうな物はまず自作しようとささっと設計図を描くぐらいには頭も回る。

 

洗濯とかが無茶苦茶なのは高卒から結婚するまでの間に受けた仕事の影響だと思う。

 

『旦那さん、仕事ばっかとか?』

 

「いーや、確かに仕事は大変だし忙しそうだけど毎日ちゃんと時間を作ってくれるし、休みの日とか私の予定が空いてたら名所みたいなとこに連れてってくれる。この前は海鮮がめっちゃ美味しいお店に連れてってくれたし」

 

『うわっ、めっちゃ良いじゃん』

 

「まぁ休みが丸々1ヶ月ぐらい無いとかあったりするし、一週間とか二週間ぐらい仕事で帰って来ないってのもあるし、ゴールデンウィークとか盆休みとか年末年始の休みが1、2ヶ月ズレるなんてのもザラらしいからさ」

 

『ブラック企業?』

 

「働いた分の休みはちゃんと貰ってるから違うかな?仕事柄って側面が強いだけかな。なんでも無い時に四連休あったりするもん」

 

流石に丸1か月連勤した時は心配になったけど、割と本人は元気そうだった。

それでも疲れはしてたのか、引っ付いてきてそのまま寝落ち、なんてこともあった。

起こしてお風呂には入って貰ったけどね。

 

 

 

『旦那さんってゲームするんでしたっけ?』

 

「やるにはやるけど、上手い下手で言ったら普通ぐらい?同じゲームを延々とやってるし趣味自体は模型作りだから実際やってるところってあんまり見たことないなぁ。けど頭の回転は速いからIGLとかは得意かも」

 

なんなら身体動かす方が好きなまである。

体力馬鹿だし、一年中どこに行くにしても基本半袖短パンで走り回る、今時の小学生でも居なさそうなタイプだ。

 

寒くないの、って聞いたら別に雪山じゃないから寒く無いってアホな答えが帰ってきた。

雪山じゃなくても冬は寒いでしょ。

 

最近じゃ私も一緒に運動することが増えたから、体重が1か月で2kgぐらい痩せた。

筋肉も付いたからきゅっ、と引き締まったし。

お陰で皆に自慢することが出来る。

 

 

『配信やってることとかどう思ってる?』

 

「多分特に何も考えてない、が一番正しいかも。言ったことあるけど、へーそーなんだー、すげーって間抜けな声で帰ってきたし」

 

『そんな旦那さんに一言』

 

「私の覚悟を返せって言いたい」

 

『『あっはっはっ!!』』

 

こいつらさっきから笑ってしかいない。

そんなに面白いか。

 

「だってそうじゃない!?私が引退も視野に入れて、めっちゃ悩んでこう言う活動とかやってますってめっちゃ勇気を出して覚悟して話したのにさぁ!」

 

『でも理解はしてくれてるんでしょ?』

 

「まぁね。一応防音部屋だけど、配信中とかは静かにして気配消してくれてるし、今もそうだよ?収録とかで都内に行くって時は航空券代とか渡してくれる」

 

『あれ、運営から支給されてるんじゃなかったっけ』

 

「支給されてるって知らないんだよね。だからお小遣いに上乗せで返してるけどマジで気付いてない」

 

『うっそだぁ』

 

「ほんとほんと。未だに気付いてないし、この前のやつを返した時とかあれっ?今月小遣い多いやったーって普通に喜んでた」

 

『旦那さん小学生とかだったりする?』

 

「中身は完全に小学生」

 

確かに小学生って疑うよね。

 

まぁでも、楽しむときはってだけだしそれ以外はびっくりするぐらいちゃんとしてる。

なんていうか、人生楽しんでるなぁって感じ。

 

 

『旦那さんとちゃんと話してみたいかも』

 

『確かに私達、披露宴と結婚式の時にチラッと挨拶しただけですもんね』

 

「なんなら今呼ぼうか?」

 

『大丈夫なんですか?』

 

「旦那は大丈夫。運営も一回ぐらい旦那と一緒に配信してみたら、みたいな事言ってたし、今やっても全然平気。実質許可出てる。後はいつやるかだけだったし」

 

『じゃぁ、お願いしても良い?』

 

「ん、ちょっと待ってて」

 

ドアを開けて旦那を呼ぶ。

 

「ねー!」

 

「何ー?」

 

「ちょっと椅子持って来てくれるー?」

 

「あーい」

 

返事が聞こえたのを確認して、椅子に座り直す。

配信部屋は四畳ぐらいの小さい部屋だから、ちょっと物を退けて旦那のスペースを作る。

 

散らかってる訳じゃ無いけど、飲み物の段ボールケースとか小さい冷蔵庫があるから退けないといけない。

 

「椅子持って来たけど、何に使うん?」

 

「隣に座って貰える?」

 

椅子を隣に置いて、座ってから切り出す。

 

「今配信中なんだけどさ、皆が話してみたいって言ってるんだけど良い?」

 

「まぁ、俺は別に良いけどそっちは大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫、運営からも許可出てるようなもんだし」

 

「なら良いけど」

 

PCにヘッドフォンを挿して、旦那に着けさせる。

 

「ミュート切るよ?」

 

「おー」

 

マイクのミュートを切って。

 

「呼んで来たよー」

 

『おー!』

 

『こんばんわー』

 

「……あ、これ俺喋っていいのか。こんばんわ」

 

『おぉ、なんか良い声してる!』

 

全く慣れない事だからか、一瞬遅れて返事をする。

 

旦那は体格が良いから、多分声が良いんだと思う。

体格が良い人って結構声も良い人が多い。

 

でもなんか、旦那が褒められるっていいね。

 

「何話せばいいの?」

 

「聞かれたことを適当に返せばいいんじゃない?」

 

「分かった」

 

特に何か変な事を答えたりしないだろうし、まぁ一応私も聞いておいた方が良いかなってぐらい。

元々コミュ力高い人だし結構すんなり会話が出来ると思う。

 

『はいはい旦那さんのお仕事は何ですか!』

 

「んー、秘密にしとこう。言えない訳じゃないけど面倒な手合いが湧いても迷惑だろうし」

 

『じゃぁ、奥さんのどこが好きですか?』

 

「全部」

 

『きゃー!』

 

『じゃぁ、ここが一番可愛いってとこは!?』

 

「一番可愛い?そりゃ勿論全部って答えたいけどなぁ……。うーん、何処にするか……」

 

「ねぇ待って待って待って。何ナチュラルにそんな恥ずかしい話してるの!?」

 

「だって聞かれたことに適当に返せばいいって言われたから」

 

「これは別に答えなくても良いでしょ!?」

 

『イチャイチャしてんなぁ』

 

『これ視聴者に脳破壊されてる人いるんじゃない?』

 

外野がなんか言ってるけどそれどころじゃない。

こんなのほいほい答えさせてたら冗談抜きでバカスカ切り抜かれて晒される!

 

『じゃ、取り合えず旦那さん奥さんの一番可愛いところをどうぞ』

 

「リスナーも炊き付けるなってば!」

 

あーもう手が付けられないって!

 

「でもやっぱりあれだな、奥さんがお酒飲んでる時だな」

 

『その話めっちゃ気になる!』

 

『さぁさぁどんどん話してください!』

 

二人も変なテンションになっててブレーキ無くなってる。

 

「偶に家でお酒を奥さんが飲むことあるんですけど、その酔った時がいっちばん可愛い。もう何よりも可愛い」

 

『普段とお酒入った時って何が違うんです?』

 

「普段はなんかかーちゃん!みたいなとこが多いけど酒入った時はもう、そりゃもう甘くなる」

 

『甘えさせてくれるってこと!?』

 

『うぉぉぉ!!』

 

「いや、それは割と何時もだけど、お酒が入った時だけでっれでれって言うか、ふにゃふにゃになって甘えてくるって感じになる」

 

『『キャー!!!』』

 

もうやだぁ……。

絶対切り抜かれまくって晒されるんだぁ……。

 

『って言うか旦那さん、甘えるんですね』

 

「そりゃそう。俺だって人間だからそういう気分の時もある」

 

『じゃぁじゃぁ、奥さんに愛を語ってって言ったらどれぐらい語れます?』

 

「いやもう本当に止めて!!」

 

私が止めたにも関わらず旦那は語り始めた。

それからしっかり二十分ほど、旦那は色々と語っていた。

 

その度に二人は黄色い声を上げ、コメントは大盛り上がりと言う有様で、恥ずかしくて止めるどころじゃなかった。

絶対に切り抜かれる……。

 

 

『因みに今隣に居る人はどんな感じですか?』

 

楽しそうな声で旦那に聞きやがって……。

 

「顔を両手で覆って俯いてる。耳まで超真っ赤」

 

そう答えると二人は大爆笑しながらきゃーきゃー言ってやがる。

 

「お前ら後で覚えとけよ……」

 

「これ以上は奥さんの顔がガチっぽいから止めとこ。飯抜きとか嫌だし、あとちょっと可哀想」

 

『んっふっはっは!!』

 

『尻に敷かれてるぅ!』

 

「どこの家も奥さんには頭が上がらんのですよ」

 

『なんか哀愁が滲み出てる』

 

楽しそうに会話しているのを見る限り、良い感じではあるようだしコメントも楽しんでくれているようだ。

私はぜんっぜん楽しく無いけどね!!

 

顔が熱くて仕方が無い。

もうこれから旦那が出た後に配信に戻れる気がしない。

 

ちらり、と同時接続数を見てみるともう恐ろしい事になっていた。

と言うか普段の3倍ぐらいいる。

 

ひえっ……。

 

流石に万を軽く超える視聴者は初めてだぁ……。

多分二人の配信でもかなりの数が見てるだろうし、下手したら5万とか行っちゃう数のリスナーに見られてるってことでェェェッ!

 

うわぁぁぁ!!!

 

 

 

『最後に奥さんに愛してるって一言、言ってもらいたい!』

 

「良いですよ」

 

「良いですよ、じゃない!もう本当に止めて!」

 

流石にこれ以上は私が保たないから、全力で止めた。

 

旦那の突発的な出演も終わって、と言うかもう殆ど無理矢理追い出した。

あれ以上喋らせたら何を言うか分かったもんじゃない。

 

 

 

『いやー……、なんかこっちも顔が熱い』

 

「そりゃあんだけ大騒ぎしてたらな!」

 

『でも凄い愛されてますね』

 

『旦那さんに愛してるって言って欲しかったなぁ』

 

「いや、だったら二人きりの時で良くない?」

 

『二人きりの時に言われて!?』

 

『フゥーーー!!』

 

「違がう!」

 

もうだめだ、何を言っても墓穴を掘ることにしかならない。

これ以上口を開くのは止めとこう。

 

 

 

 

 

『あー、先輩幸せそうで本当に良いなぁ……』

 

『と言うかどうやったら彼氏出来るかなぁ』

 

「少なくとも汚部屋代表とか言われてる現状じゃ無理じゃない?」

 

『……この話は終わりにしよっか』

 

「おい」

 

少しして熱が冷めてからゲームを再開して色々と進めているとぼやくように二人が言う。

 

意見を返してあげたのに目を逸らしながら切り上げようとしてやがる。

あんだけ私を弄ったんだから覚悟しろよ、逃がさねぇからな。

 

リスナー達もどれだけ部屋が汚いかを知っているからか、コメントの殆どが先ずは部屋を片付けるってので埋め尽くされてる。

多分コメント欄を見たのか速攻でまた目を逸らしてるけど。

 

『でも実際問題、相手の部屋が汚いって分かったら絶対無理。別れるもん』

 

「男の部屋が汚かったら嫌でしょ?それと同じだって」

 

『あー……。でも一週間前に掃除したよ?』

 

「でももう散らかってるでしょ?」

 

『まぁ、机の上にペットボトルが数十本と、ごみが詰まった袋が幾つか転がってる』

 

「普通にゴミ捨て行けよ」

 

『だって起きたらもうごみ回収の時間過ぎてんだもん!』

 

『その時だけ起きて捨てに行って、もう一回寝れば良いじゃないですか』

 

『それが出来たらこうなってねぇよ!』

 

「そもそもの対策した方が良い」

 

『対策って?』

 

「散らかさないようにする根本的な対策ってこと」

 

『例えば?』

 

「そもそも部屋で飲み食いしたりするから散らかるって事でしょ?だったらもう部屋で飲み食い一切しないようにすれば良いんだよ」

 

『天才じゃん』

 

『でも配信中にお腹空いたり喉乾いたりしたら?』

 

「普通に部屋から出て飲み食いすれば良いでしょ」

 

『いやぁ、めんどくさくない?』

 

「じゃぁもう打つ手無しだよ」

 

『諦めないでよ!』

 

「いやこんだけ提案して無理とか言われたら誰だって諦めるでしょ」

 

『でもさぁ、配信中に一々トイレ以外で部屋を出るのって実際めんどくさくない?』

 

「それは分かる。お茶と水のケースがそのまま置いてあるし小さい冷蔵庫もあるもん」

 

『うわっ、良い生活』

 

『私も部屋に冷蔵庫欲しいけど置く場所が……』

 

「それはあなたも部屋が汚いってこと?」

 

『いやいやいや違いますって!私の部屋って実家暮らしなんで凄く小さいんですよ。だから冷蔵庫を置く場所が無いんです。配信も二段ベッドの下でしてますし』

 

「狭いのは知ってたけどそんな狭いの?」

 

『そうですよ?私の部屋って四畳ぐらいしか無いんで、小さい冷蔵庫を置くだけでも結構厳しいんですよね』

 

『もう引っ越せば?』

 

『でも引っ越したら引っ越したで先輩みたいに汚しそうだから嫌なんですよ』

 

『おいそれはどういう事だ』

 

『いやっ……』

 

『おらどういうことだ言ってみろ!』

 

「お前ダル絡みして汚部屋弄られた鬱憤を晴らすなって」

 

そんな会話をしながら配信を終えて時計を見ると既に1時半を過ぎていた。

今日も仕事、と言うかあと一週間は連勤だって言ってたしもう寝てるだろう。

 

ご飯は済ませていたからお風呂に入って髪の毛を乾かしたら寝室に向かう。

一応旦那の部屋も見たけど、居なかったからやっぱりもう寝てるかな。

 

行くと、何故かうつ伏せで片手に本を持って寝てる。

多分途中まで起きて待っててくれてたんだろうけど、睡魔に耐え切れなくて寝落ちしたんだ。

 

本に栞を挟んでおいて、幾ら暖房が入っているとは言っても布団を被ってないと風邪引くかもしれないぐらい外は寒い。

体重があるからかなり頑張って転がして、自分も入ってから布団を掛ける。

先に旦那が布団に入ってたから、あったかい。

 

時間も時間だったこともあって、すぐに寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 









年内中に1~2話の投稿を目指して、他の小説の執筆を進めたい。
実を言うと他の小説で6話分ぐらい書き溜めたのが綺麗さっぱり消えちまったとか言う大災害が発生しているので投稿が遅れている作品はそれが原因だと思ってほしい。

気長に待っててください。

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