それでは第二譜、どうぞ!
悠斗が玉座の椅子に座ってから数年の月日が経った。悠斗は玉座の防衛を続け、さらにA級1組になった。今では名人と並んで将棋界のトップをひた走っている。
悠斗の妹弟子である銀子は女王と女流玉座の女流二冠に輝いた。女性の中で圧倒的な強さを誇り、世間では『最も強い女性』と言われている。さらにプロ棋士の登竜門である奨励会にも入会して段位を獲得。現在もプロ棋士を目指している。
弟弟子の八一はプロ棋士となり、現在は竜王のタイトルを獲得している。ある意味で一門の中で最も変化を遂げた人間だ。
3人は三者三様の成長を遂げた。一見、順風満帆に見えるがそうは問屋が卸さない。『九頭竜八一竜王 まさかの連敗止まらず!』と見出しが躍るほど八一は絶不調を迎えているのだ。
「で、こないな状況を悠斗はんはどう見てるんどすか?」
棋士室で悠斗君の膝の上を独占し、実際にスマホで記事を見ていたのは供御飯万智。山城桜花のタイトルを持つ女流棋士。悠斗の彼女(仮)である。
「俺にそれ聞くなよ。流石に弟がそんな状況なの気分が悪い」ヾ(・ω・*)なでなで
全く当然という素振りで悠斗は万智を撫でる。万智は色々考えながら、八一の過去の棋譜を読み漁る。こう見えて万智は将棋ライターであり、八一のことでも書こうとしていたのだろう。ちなみに、各報道機関の悠斗担当はだいたい万智が代理で担っている。そっちのほうが色々聞けるからだ。
「わかった。その代わり、今度辻●でパフェ食べさせとぉくれやす」
「ハイハイ、仰せのままに」
棋士室はゆったりとしたくうk「きえええええええええ」( ゚Д゚)
落ち着いた空気は消え去ったようだ。
「師匠だな」「清滝先生ですね」
声の主はどう考えても、悠斗の師匠である清滝剛介九段その人である。
「今日は雑誌の企画で八一と対局があったよな?」
「そうどすなぁ。この様子やと、八一はんが勝ったのやろう」
その時、連盟職員が棋士室に飛び込んできた。
「失礼します!玉座はいらっしゃいますか!?」
「清滝先生が暴れてしまって…」
「はぁ…あのバカ師匠が。今行きます」
▲▽▲▽▲
悠斗が会場に行くと唖然とする記者、絶対零度を放つ銀子、師匠をなだめる八一、慌てる職員、そして駄々こねる剛介。もはやカオスの極みである。
「あ、兄弟子!師匠抑えるのを手伝ってください!」
「分かったよ。左頼んだ!師匠!九段の威厳があっち向いてほいしてますよ」
「いやだわ!あんな奴に負けた!10連敗もしてる奴に!」
「マジで落ち着いてください!」
名人戦に出たことのある様な棋士がタイトルホルダー二人に抑え込まれるとかいう地獄絵図の完成は後にも先にもこれが初めてであり歴史に残る珍事になったことは言うまでもない。
「いやd…お…」
「「「お?」」」
「オシッコooooooo!」
急に止まったと思えばトイレに行きたくなったのか、急に着ていた着物を脱ごうとしだした。
「師匠ストップ!」
銀子含め女子もいる。棋士もいる。報道陣もいるとかいうカオス・オブ・会館が開催され、そこで用を足そうとしているのだ。鬼である。
「オシッコ――――――――!」
「師匠ぅぅぅぅぅぅぅうう!」
これが俗にいう『清滝の乱』である。
▲▽▲▽▲
このカオスをどうにか終わらせた悠斗は、棋帝戦の予選に勝利し、万智とイチャイチャして過ごしていた。リア充吹き飛べby作者
そんなある日だった。
プルルルル…プルルルル…
「銀子か…もしもし。どった?」
『お兄ちゃん…八一が幼女を家に連れ込んだ!』
「うーん…絶☆望」
がんばれ、悠斗君!
この世界線では万智は悠斗に恋しているので、銀子とのくだりが無いです。そのため、八一読みなんですねー。では次回もよろしくお願いします!