え、そんなこと誰も聞いてないって?いや、ハリポタ小説を中途半端にして他ジャンルに浮気しようとか、ここでハマってることを先に白状しといて許してもらおうとか、そんなこと考えてないですから。
誤字報告ありがとうございますm(_ _)mとても助かっております。
それから、気づいたらUAが10000越してました。ありがとうございます。
呪文しか書かれていないその本のページを捲りながら、私──レイ・エルバはあくびを一つした。
はっきり言って、つまらん。くそつまらん。
だが私はわざわざ図書室へ赴いて呪文集を読んでいる。それはなぜか。
んなもん自分の身を守るために決まっとるやろがい。
話は一旦変わるが、二週間前くらいに私はふと、前触れもなくあることを思い出した。
それは『必要の部屋』。 その名の通り、本当に必要としてるときだけ現れるという不思議な部屋だ。ほっと息のつける隠れ家的な場所が欲しかった私にとって、この出来事は嬉しいものだった。
さすが私。よく思い出した。
だが、肝心の場所やら入り方やらは覚えていなかったため、図書室で頑張って調べた。
クソが私。よく覚えとけよ。
部屋を特定し早速使ってみると、なんと部屋の中は前世の私の部屋になっていた。
なるほど、私にとっての安息の地は前世のマイルームだったか…。にしても良く出来てる。私がベッドに置いてたサメの抱きまくらの触り心地まで再現されとる…。
サメちゃんをたんまり堪能したあと、私は早速、気になっていたあることを試すことにした。
それは杖魔法。
何度か杖魔法を使う授業を受けて思ったのは、私はもう自分は才能しかないんじゃないかということ。
つまり、順調すぎるのだ。理論を一ミリも理解していないのに、適当に杖を振るだけで魔法が使えている。
入学当初は、どうせ実技はできないだろうから筆記でどうにか…とか思っていたのに、逆に筆記ボロッカスでもホグワーツで人権を失うことはないんじゃないかと思うくらいである。
こりゃあもう試すしかねえということで、図書室からなんとか呪文集っていう難しそうな本を借りてきて、載っている呪文を片っ端から読み上げてみたのだ。
結果は言うまでもない。やはり、私は天才だったようだ。
まあおそらく、これも転生の賜物なんだろうと私は考えている。
そしてこの才能を活用しようと考えた結果が、
話を戻そう。
こんなにも杖魔法の才能に溢れているのだから、呪文をたくさん覚えさえすればいつでもなんでもつかえるはずだ。ただでさえ私は、ハリポタ物語の主人公たちと
非常に前置きが長くなった。
というわけで、私は『呪文集を丸暗記して、私の平凡で平穏なぐうたら生活を死守する作戦』を決行中なのである。
それにしても呪文って、思ったよりもたくさんあるんだな。私が聞いたことのある呪文なんて10分の1にも満たなかった。
とにかく、ここに書いてある呪文を全部覚えるのが今の私の目標だ。
努力は嫌いだが、これもすべて生活のためだ。
ぐうたらするために努力するという、若干の矛盾を自覚しながら、私は必死に呪文集を読み漁るのだった。
★★★★★★
私の生活が図書室と必要の部屋通いになったかたわら、ハリーたちも着々と原作通りに進んでいるようだった。
この前はハリーたちがハグリッドの小屋に行くところを見たし、ちょうどさっきの飛行訓練の授業でハリーのアクロバティック飛行をこの目で見たばかりだ。
そんでもって今、私はハリーとロンと一緒に、ハリーがシーカーに選ばれたことを話題にしながら昼食を取っている。
なんで一緒かって?捕まったんだよ(#・ω・)ピキッ
「ちょっと来てくれよレイ!すごい話があるんだ!」なーんて言われて抵抗する間もなく引っ張ってこられちゃったんだよ(#・ω・)ピキッ
「ほんとにすごいぜ!!一年生でシーカーだなんて!レイもそう思うだろ?」
「…ソウダネ」
あ゛〜今すぐここから去りてぇ。
そんなことを考えながらサンドウィッチをかじっていると、向こうからマルフォイが近づいてくるのが見えた。
はぁ…面倒なのが増えた。
「よぉポッター。最後の晩餐か?」
「…マルフォイ」
今は昼だけど…というツッコミを心の奥に仕舞った私は、必死に自分関係ありませんアピールをしながらサンドウィッチを頬張る。
「そうやって威張ってられるのも今のうちさ。ハリーはシーカーに選ばれたんだぞ!マルフォイごとき、目じゃないね!」
「なにっ…!?一年生はクィディッチチームには入れないはずだぞ!」
「ハリーには才能があったってことさ!」
あ〜そろそろテオに会いにいく時間だなぁ〜…。
「…決闘だ!今夜、トロフィー室に来い。まさか、逃げないだろうな?」
「ああ、もちろんだ!僕が介添人をする。お前は?」
「…クラッブだ。いいか、絶対に逃げるなよ」
決闘か…そういえばあの呪文集、あんまり攻撃的な呪文がなかった気がするなぁ…今日から別の呪文集でも探してみようか…。
「ねえ、決闘って何?僕、何を受けちゃったの?」
「決闘っていうのは魔法使いの決闘のことさ!でも安心しろ、ハリー。決闘っつったって君たちじゃできることはたかが知れてるし、大怪我なんてことにはならないさ」
「ちょっと失礼」
「…なんだよ、ハーマイオニー。盗み聞きか?」
「聞こえちゃったのよ。その上で言わせてもらうけど、絶対に行っちゃだめよ」
今私が覚えてる攻撃呪文って言ったら…失神呪文?と死の呪文くらいだな。まさかアバダなんて使っちゃったらアズカバン行きだろうしなぁ…ちょっと使ってみたかったけど。
「なんでさ!これは男と男の戦いなんだから邪魔しないでくれよ!」
「夜に出歩きなんてしたら、またグリフィンドールの点が減っちゃうでしょう!少しは周りのことも考えて頂戴!ちょっと、レイからもなにか言ってやって!…レイ?」
「…え、何?」
「…あなた、一緒にいたのに聞いてなかったの?」
なんにも聞いてなかったわ。だって面倒くさそうな話してたんだもん。
…ええと、なんだっけ。マルフォイと決闘?
「…昼にやればいいんじゃない?ていうか、マルフォイが来るとは思わないけどね」
「ほら!レイの言うとおりよ!そもそも夜中に呼び出すなんて怪しいでしょう?」
「うっ…でも、逃げるわけにはいかないんだよ!」
二人の言い争いを聞きながら、私はサンドウィッチの最後の一欠片を口に放り込んだ。
どうせ何言ったってハリーとロンなら行くだろうし、ほっとけばいいのだ。
それに、原作通りに歴史が進むためには必要なイベントなんだろう。
私はギャーギャー言い合う二人と困った顔のハリーを無視して、テオに会いにいくのだった。
★★★★★★
その日の夜。
私は窓のほうを見ながら、ハーマイオニーが寝るのを待っていた。
いつもの彼女ならもう寝ているのに、今日は昼のことがあったからなのか、そわそわしながらなにか考え事をしている。
うーん、テオを呼びたいのに呼べない…。
「…ねえ、寝ないの?」
「そ、そうね…うぅ、でもあの二人のことが気になって眠れないのよ!」
おっ…二股宣言っすか?
なんてふざけたことを考えながら、私はテオに会う日課を諦めてベッドに入ろうとした。
しかし…
「やっぱり止めに行きましょう!レイもついてきて!二人で説得すれば、あのバカも納得するはずよ!」
「え…あの、ちょっ」
ああああ!やめて!私まで巻き込まないでええええ!
私の心の叫びは虚しく、私はハーマイオニーにむんずと手を掴まれて談話室へ引きずられて行くのだった。
…なんでこうなるのぉ(泣)
談話室に降りると、今まさにハリーとロンが寮を抜け出そうとしているところだった。
「ちょっと二人とも!やっぱり行く気だったのね!」
「げっ、なんでいるんだよ。君たちには関係ないだろ!」
そのとおりだ。私は関係ないぞ。
ハリーとロンはハーマイオニーを無視して寮の外に出たが、ハーマイオニーはそれでも説得を試みようと彼らについていく。もちろん、私の手を掴んだまま。
入り口の外にでると、ネビルがしゃがみ込んで泣いているのを見つけた。
…うっ、やばい。
ネビルは急に出てきた私達に驚いたようだが、私はそっと目をそらす。
前世で弟がいたおかげで、私は年下に少し弱い。
え、今は同い年だろって?前世年齢も精神年齢も私のほうがはるかに上だわ。
ネビルも加わった4人でまだ口論をしているようだが、私はすべて聞き流す。
それよりも、嫌な予感がするのだ。
これ…なんのイベントだっけ?
このあとどうせハーマイオニーの説得も虚しく決闘に行くんだろうけど…そんなシーンあったかな。
マルフォイが来るとも思えないし…
「もういいわ!呆れた!レイ、ネビル、戻りましょ」
その言葉に意識を引き戻され、やっとかと思いつつ私は入り口の方へ目を向けた。
が…
「そんな!太った婦人がいないわ!」
…
え、もしかしなくても…
閉め出されちゃった感じ??
…
はああああああふっざけんな!?
え、あ、お、もちつけ!(落ち着け)
いや、どうすんのこれ?ていうか、この絵の中の人って居なくなることあんの!?
入り口の番人だろ!!!どっか行くなよ!!!!!(大声)
私が内心焦りまくっていると、4人が廊下を進み出す。
え、ちょ、行くの??
ここで待つとか…しないの???
ちょ、ハーマイオニーさん手!手!!
結局私は引きずられるようにして、4人について行くこととなった。
最悪な夜の冒険が始まったが、出だしから早速最悪だった。
フィルチに見つかったのである。
いや、正確にはピーブズに見つかり大声を出されたのだ。
とにかく、全力でその場から逃げ出した私達は、いつの間にか四階右の廊下に来ていた。
「まずいわ!ここ、立入禁止の廊下よ!」
「でも、フィルチが来る!こっちに逃げよう!」
ん?立入禁止の廊下?
…あ!
やばい、まさか…ケルベロスとこんにちはイベントか!?
ちょ、私まだ死にたくない!死因がケルベロスの餌なんてヤダ!!
「くそっ、このドア鍵が!」
「どいて!…
「あっ…待って、そこは…」
私がケルベロスの姿を思い出しているうちにハリーたちは例の扉を開けてしまった。
思わず止めようとするが、4人の耳に私の声は届かなかったようで、私もろとも扉の中に押し込まれてしまった。
4人は扉を閉めてすぐ外の様子を伺いだしたが…私が視線を向ける先はもちろん部屋の中にいるこいつだ。
やっべえええええ!!ガチでいる!ガチでいるって!!
あっ、お休みになられてたのを邪魔しちゃった感じですか?まじすいませんっっっ!!!
「…フィルチ、どっかに行ったみたいだ」
「よかった。深追いしてこなくて…」
「…この状況は全然よくないんだけど」
「ん?どうしたんだ、レイ…って…」
ようやく気づいたかこのガキどもめ!
もうフィルチも居ないんだろう?ならばやることは一つ。
「逃げるよ」
「「「うわああああああ!!」」」
私の言葉を合図にお手本のような悲鳴を上げた4人とともに、転がるように部屋から出た。
それと同時に、ケルベロスがガウガウ言いながら襲ってきて、どうにかこうにか扉を押し込んで再び鍵を閉める。
あっぶな。原作では死んでないんだから…って自分に言い聞かせてたけど、まぢで危なかった。
ケルベロスの3つの頭の統率があんまりとれてなかったおかげで、思ったよりも動きが遅くて助かったわ。
運良くフィルチに見つかることもなく談話室へと逃げ帰れた私達は、青白い顔で各々ソファーに倒れ込んだ。
やがて、ロンが絞り出すように言った。
「…あんな化け物を学校に閉じ込めておくなんて…どうかしてるよ!いったい先生たちは何を考えているのさ!」
「ちょっと!あの犬の足元見てなかったの!?」
ハーマイオニーがそう叫んだ。
足元…たしか、仕掛け扉があって、たくさんの罠と賢者の石があるんだっけ?
「足元だって?頭を見るので精一杯だよ!3つあったんだぞ!?」
「仕掛け扉があったのよ。きっと何かを守っているに違いないわ!」
はぁ〜あ…にしても最悪だ。
ハリーたちはきっと明日から探偵ごっこをはじめるだろう。私も仲間とか思われてんだろうなぁぁ…
ああ…
ハーマイオニーはその後も夜歩きの原因になったハリーたちを散々非難しまくっていた。
「あなた達に付き合うといつか死んじゃうわ!もっと悪くすれば、退学よ」
そう言い残して私を置いて女子寮に上がっていったハーマイオニーにロンがぽつり。
「…死ぬより退学のほうが悪いのかよ」
「…グリンゴッツは何かを守るには世界一安全な場所だ…ホグワーツ以外では」
「ハリー?」
ハーマイオニーもロンも無視してさっきからなにやら考え込んでいたハリーが、独り言をぶつぶつと呟き出す。
これ以上いるとめんどくさいな。私ももう寝よう。
「…ネビル、寝よう。明日も授業だよ」
「う、うん…」
さっきからショックで泣いていたネビルをついでに促し、私は引き止められる前にとさっさと部屋に戻るのだった。
前書きであんなこと言いましたが、失踪は考えてません。10年かかっても書き上げてやりますよ。こんな駄文にも読者がついてくださったことに内心大はしゃぎなんで、むしろ執筆欲は掻き立てられてます。これからも頑張りますのでどうぞよろしくです。
あ、ここまで読んでくださりありがとうございます。
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次回も期待しないでくださいね。