また、性懲りようも無く始めちゃいましたよ。
…ガンバリマス٩( ᐛ )و
1話 〈楽園を継ぐ者とその微睡〉
星はありとあらゆる命を育む、万物の揺籠。
虫も、魚も、獣も、皆等しく一つの星の中で生まれ、育ち、眠り、目覚め…………そして死ぬ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー勿論、人も…………
◇◆◇
…………地平線の彼方が、薄っすらと白み始めている。
墨を流したような真っ暗な夜空が、少しずつ、少しずつ滲み出る光に照らされて、その色を変えていく。
彼方より全天に投げかけられた光の矢が、今まで闇の中に沈み、溶け合っていたあらゆる物に、形と色を与え始める。
ーーーーーーーーー朝が来たのだ。
新たな1日の始まりを告げる朝日。
ーーーーーーーーそして、そんな朝焼けの空に、朝の光を受けて浮かび上がる者達の姿があった…………
フォォーーーーーーーン…………。
もしも貴方が地上にいてこの音を聞いて空を見上げたのなら、青空に隊列を組んで飛ぶ、巨大な戦闘機の大群を見ることが出来ただろう。
…戦闘機のスタイリッシュな鋼のボディは朝日を受けて煌めき、その機体の側面に彫られた、ボールのように丸まった竜の刻印を浮かび上がらせていた。
…………この戦闘機の軍団は、何処を目指しているのだろうか?
ーーーーーーーーーその答えは、もうじき分かる。
◇◆◇
『ーーーーーーーーーコチラ、9号機からHQへ。…当機は現在作戦区域5〈ア目標〉に接近中。ーーー目標との距離…3キロ…どうぞ。』
雑音の余りない、クリアな声が無線越しに響く。
それに答えるのもまた、無線の声だ。
『HQ了解。ーーー9号機以下全機に告ぐ。3キロ圏内は
ソレを合図に、青空を飛ぶ戦闘機の隊列が変わっていく。……戦闘機同士の広がりが最小限になり、まるで鏃のようなVの字に隊列が並び変わった。
…そして、慣れた手つきで〈迎撃準備〉なるモノが始まっていく。
『迎撃準備。』
『…レーザーバリア展開』
『対貫通装甲を持つ者が前へ。15号機以下の機体は、射撃の準備。ーーー弾種は〈スナイプ〉1〜8号機はスピード
『…3号機、完了』
『6号機準備完了。』
「ーーーーーーーー8号機、準備完了。」
準備を終えたパイロットの1人が、軽く息をついて前方を見据えた。
…彼の視線の先にはーーーーーーーーー地平線を貫き空に伸びる…
ソレをまるで親の仇の様に睨みつけるパイロット。
「…………絶対に消し去ってやる。この世から…
呪詛の様な呟きが彼の口から漏れると共に、目の前の巨大な花から黒いシミの様なモノが湧き出して、空中に広がり出した。
よく見ると、それは黒一色ではなく、いろんな色が混じり合っているのだ…という事が分かる。
彼等の前で、その〈黒いシミ〉は形を変えていく。
「………来やがったな。
パイロットがそう呟いたのを合図にしたかの様に、〈ソレ〉は完全な形を得た。
…………〈ソレ〉は、不思議な姿をしていた。
黒一色の身体に、血の様に赤く輝くラインが幾何学模様を刻み込んでいる。
姿形は個体によって様々で、球体や円盤に無数の触手のような物がついた、非生物的な見た目をしているモノも居れば、鳥や魚を思わせる生物的な姿をしたモノも居た。
ーーーー空に湧き出た黒の異形。
それを見たパイロット達の間に緊張が走る。
そして、誰ともなく
「〈ノーマン〉………!!」
黒い無機質な異形達ーーー改め、〈ノーマン〉は自分達の縄張りへと、近づいてきた存在にゆっくりと向き直った。…カレ等の無機質な…しかし確かに感じる敵意を受けて、パイロット達が顔を険しくする。
『ーーーーーーーーーHQへ…。
…そんな中、無線で彼等は連絡を取り合う。戦いの火蓋は、まだ落とされてはいない。始まりを決めるのは、無線の向こうの
…緊張が高まる中、無線の奥でHQが答えた。
『ーーーーーーーーー了解。交戦を許可する……。ーーーーーーーーー人類に救済を、我ら連邦に勝利を。』
ソレを合図に、戦いが始まったーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇◆◇
……よく夢を見る。
不思議な夢だ。ーーーー
…足元に目を落とせば、青い星。この暗い宇宙で何十億年も瞬いてきた、輝く
………♬♩♪♬♫♩………
(………!!)
ふと耳に入ってきた『歌』に顔を上げると、綺麗な光が見えた。
……
(何を歌っているの……?)
何かを語りかけられているーーーーそんな気がする。
でも、よく聞こうと耳を澄ますと、歌声は遠くへ行くのだ。
……知りたい。
この歌は何なのか……あの光は何なのか……。
……視界がぼやけて来た。
夢から覚めようとしているのだと、自分は理解した。
(まだ…まだ歌声を、最後まで聴いていない……続きを…まだーーーー)
何故から夢から覚めたくなくて、無駄な努力を試みる。…でも結果はいつも同じ。ーーーー体の感覚が失われていき、そして………
『……さぁ、お行きなさい。』
ーーーー最後に優しい声が遠くから響いて、自分の名前を呼ぶのだ。
『お行きなさいーーーーーー
………うん、なんだコレ?
幾ら1話とはいえ、ネームドキャラが1人も出ないとはね…ま、これは物語の走りみたいなもんなんで。ハイ
…さて、果たして続くかな?
追記2023.6.1 タイトルを変更 話を一部削除及び追加