主は来ませり。
「………ドクトゥール…フォリー…!!」
隣で、ニュウも険しい表情を浮かべている。
ネオは、フォリーと顔を合わせた事は一回しか無い。
しかし、その一回だけで十分過ぎるほどの印象を彼はネオに残していた。
「……タルタロスで私を連れ去ろうとした時以来だね。」
「ほぉ。覚えていたのか。嬉しいじゃないか。」
笑うフォリー壊。ネオはそんな彼を睨みつける。
「
フォリー壊は、自分の機械化した体を誇る様に軽く叩いた。
「コレか?ーーーーコレは私の研究と実験の集大成さ。…かつてキミと戦った天聖〈ケテル〉の心臓と自らを融合させ、新たな肉体を手に入れたのだよ。」
ソレを聞いたネオとニュウは眉を顰めた。
「ーーーーケテルの心臓と融合…??なんの為に?」
フォリー壊がニヤリと笑った、気がした。(彼の頭部には口が無いのだ。)
「…
彼は両手を手に広げた。
「キミは考えた事は無いかね!?ーーーー宇宙はいつ始まったのか!そして、いつ終わるのか!超弦理論は正しいのか!ダークマターとは何なのか!生命の起源とは何なのか!!ヒトの魂とは何なのか!!」
彼は叫び続ける。
「全てだ!!私はこの世の全てを知りたいのだ!!知って、識って、知り尽くして、全知全能になりたいのだ!!!!」
彼は手を、何かを掴み取ろうとするかの様に前に突き出した。真紅の双眸に、狂気的なまでの光が宿る。
「その為に私は星の花の元へ行き、神となる!!!そうなった時、私の実験が始まるのだ!!この宇宙を実験場にして、全てを知る為の崇高なる実験が!!!」
彼は心底楽しそうだった。
「ーーーーふっふっふっふ!!!神となった暁には、手始めに生命の起源と星の誕生のメカニズムについての実験から始めようか…!!この星を破壊して再び一から創造し、その過程を記録する……誰も成し遂げたことの無い一大実験の幕開けと言う訳だよ!!!最高じゃ無いかぁ!?」
「何だよそれ……。」
「……な、なんて……。」
呆気に取られてしまったネオとニュウ。
「ーーーー貴方は自分の知識欲を満たすためだけに、今の世界を滅ぼすと言うの……!?」
「あぁ。そうさ。」
フォリー壊は、悪びれもせずにそう言い切る。
「昔の私なら、考えもしなかっただろうね。…しかし、星のセラムが私に可能性を見せてくれたのだ。神になれるチャンスを!ならば、掴もうとするのが人間ってもんだろう??」
そう語る彼は、新しいオモチャを手に入れた少年の様だった。
映画や物語の悪役にあるような悪意すら無く、ただただ純粋な好奇心のままに世界を滅ぼそうとしている。
「そんなのーーーー。」
……彼はココで絶対に止めなければならない。
そう強く思ったネオは、彼が纏う狂気的なオーラを感じながら、鋭い目付きで
◇◆◇
「久しぶりだなぁ…アルスラーン。タルタロスの時以来か?また会えて嬉しいよ。」
ネオがフォリー壊と対峙する傍らで会話しているのは、ニルヴァーナとアルスラーン。
彼のニタニタとした笑みに、アルスラーンは思いっきり嫌な顔をしてスレイブエッジを構えた。
「二回と会いたくは無いと思っていたのだがな。」
「おやおや…酷いじゃないか。決着が次回に持ち越しになった事、忘れてないよな?」
アルスラーンはため息をつく。
「…覚えては居るさ。だが、私はお前との因縁など持ち出す気は無い。」
「アンタが持ち出さなくとも、俺が持ち出すさ。戦いの決着は、どちらかの死によってのみ決まる。ーーーー決着が宙ぶらりんのままは嫌なんだよ。」
そう言ってニルヴァーナは銃を構えた。…彼の焼け爛れた様に赤い腕に、セラムの属性光が宿る。
それを見たアルスラーンは微かに首を振ると、戦闘態勢に移った。
「……ならば、今此処で決めてやろう。お前の負けを。」
ニルヴァーナは笑った。
「良いね。最高だ!!!」
ーーーーこうして、ニルヴァーナとアルスラーンの戦いが始まる。
◇◆◇
一方で、ハクビ達3人組の前にはドクトゥール・フォリーの助手であるアムール・ソワンが立ち塞がっていた。
「ふっふっふ!博士の邪魔はさせないデスよ!」
そう一丁前に胸を張るソワン。
しかし、対するハクビ達は困り顔だ。
「……君は非戦闘員では無いのか?旧人類だろう?」
そう問いかけるハクビ。
確かに、目の前に立つアムールソワンは星のセラムを防ぐ為の防護服を着用しており、どう考えてもセラムに耐性のある新人類と戦うのは無理そうだ。
しかし、ソワンは首を振る。
「ノープログレムなのデス!何故なら、
「えっ。」
サクアが不可解と言う様に首を傾げた。
次の瞬間、ネオと対峙していた筈のフォリー壊が動く。
「ーーーーその通りだとも。私の力を見るが良い。」
そして、フォリー壊の両手からニルヴァーナとソワン目掛けて、真紅の星のセラムが放たれた。
「ニルヴァーナもか…!」
歯噛みするアルスラーン。
ハクビとアルスラーンの前で、フォリー壊から放たれた星のセラムに包まれた2人が、苦悶の声を上げ始める。
「がぁ…っ!あぁ…!!ははっ…!ハハハハ!!!」
ニルヴァーナは全身をセラムに包まれながらも、恍惚の表情を浮かべていた。
真紅のセラムはまるで炎のように光り輝き、それに包まれている2人は、恰も生きながら火葬されているかの様。
「ハハハハハハハハ!!!痛え!!痛え痛え!痛えぇぇぇ!!ーーーー
狂った様に笑いながら痛みに苦しむニルヴァーナ。
その身を包む
そしてニルヴァーナの内側から、圧倒的なオーラが辺りへ放たれた。
「ッ!?」
思わず後ずさるアルスラーン。
ニルヴァーナの赤かった筈の髪の毛は、燻んだ青色へと変わり、その身を包む火は更に激しく燃え上がっている。
「……ヒャハハハ……。最高だぁ…!コレが俺の新たなる力…!〈廻〉の力かぁ!!!」
狂った様に笑うニルヴァーナ。
いや、もはや彼はニルヴァーナでは無い。
フォリー壊によって膨大な力を与えられた彼は、文字通り新たに生まれ変わったのだ。
「ーーーーもう俺はオレじゃねぇ…!!これからオレの名は『
楽園の地に新生した〈ニルヴァーナ廻〉が、その脅威の力を解き放つーーーーーーーー
◇◆◇
その変化は、ハクビ達と相対するアムールソワンにも起きていた。
「はぁ…はぁ……ふふっ……コレが博士の…!凄く熱くて…私の中に流れ込んでくる……えへへっ…えへへへへッッ!!」
完全にイっちゃってる顔で笑うソワン。
その体は焼け焦げたように真っ黒になり、皮膚には真っ赤な幾何学模様が刻み込まれている。
その姿は、あの天聖ケテルが使役していた『聖者』にそっくりであった。
違いがあるとすれば、顔がちゃんと人間の顔であると言う事ぐらいだろう。
「なんて変化……まるで壊獣じゃないかっ…!」
フェムトが恐る様に頭を抱えた。
「んん…そうデスね。私はもう、人間では無いデス。旧人類でありながら、星のセラムをその身に宿す者となったのデスから…!」
勝ち誇る様に言うソワン。
ーーーーそれは、ある意味では全旧人類が目指した理想であった。
「もう防護服も必要無い。セラムに侵される事も無く、セラムの力も操れる…!最高の気分デス!」
ソワンは手を前に突き出す。
ーーーー突き出した手のひらに、歪んだキューブが姿を現した。
ソワンの顔が喜びに満ちる。
「ーーーーコレが、私のセラムキューブ!!コレこそが、私の力の具現なのデスね!?おぉ……力が湧き上がってくるのを感じますッ!……コレで貴方達をボコボコにーーーー」
ーーーーガツン!!!
勝ち誇った様に笑っていたソワンの顔に、ハクビの一撃が叩き込まれた。
「ぐべぇえっっ?!?!」
顔面をハクビの
「あぇ…痛……えぇ??」
大地に這いつくばる彼の前に、ハクビが立ち塞がる。
その見下ろす眼光に一瞬怯んだソワンだったが、直ぐに立ち上がった。
その体にはセラムの光が纏わり付き、パチパチとスパークを上げている。
「痛いじゃないデスか!ーーーー人が喋ってる時に!!」
そう言って、ハクビ目掛けて接近するソワン。
彼女が放つ蹴りやパンチを、ハクビは軽やかに避けていく。
そして彼女の隙を見ては、鍛えられた自身の棒術を駆使してソワンへダメージを与えていくのだった。
「ぐぅっ!何故デス!私は覚醒新人類である博士から力を得たのデスよ?!なのにーーーー」
理解出来ないと言う様に叫ぶソワンの脇腹を、ハクビの蹴りが抉った。
「がぁっ!?」
激しく大地に叩き付けられるソワン。
「力は使い手次第だ。どんな強力な武器も、使い手が素人では何の役にも立たない。キミは只の助手なのだろう?素人丸出しの体術で、私達を抑え込めるとでも思ったのか??」
ハクビの言う通りだった。
先ほどから、ソワンの放つ攻撃は全て素人のソレで、到底ハクビとまともに渡り合える筈も無かったのだ。
それにソワンは力を得たばかり。…普通に考えて、得たばかりの力を使いこなすなんて不可能なのだ。
銃を持っていても、射撃の仕方を知らなければ意味が無い。
実は、ソワンには勝ち目なんて無かったのである。
それを認められないソワンは、鬼気迫る顔で起き上がって叫んだ。
「ふざけないで欲しいデス!!ーーーーせっかく博士に力を貰ったと言うのに、何も出来ずにやられるなど愚の骨頂!!!…許さないデスよ!!」
そんな彼女の意思に反応したのか、歪んだセラムキューブが形を変えた。
松葉杖のような形を取ったソレを構え、ソワンは血走った眼でハクビ達を睨む。
「絶っっっ対に、ボコボコに倒してやるデス……!!」
その敵意に呼応したかのように、彼女の周囲を
感情の発露によって出力が増加したセラムの力が、本来は壊獣のアビリティである〈重力バリア〉を、彼女の周囲に生み出したのだ。
「…成る程……。力だけは厄介なシロモノだな。サクア、フェムト。手伝ってほしい。」
一連の流れを見たハクビは、少々真剣な顔付きで後ろの2人に話しかける。
「わかったよ。…僕も、やってみる!」
頷いたフェムトが、セラムキューブを展開した。
「分かった。2人とも、重力バリアには気を付けて!」
サクアも戦闘態勢をとる。
こうして、第二ラウンドが始まったーーーーーーーー
◇◆◇
場面は、フォリー壊と相対するネオへ戻る。
「…ネオさん。油断せずに行きましょう。」
身構えたネオの隣で、ニュウがそっと囁いた。
「分かってる。」
頷くネオ。
どう言う原理かは知らないが、ドクトゥールフォリーは天聖ケテルと融合し、同じ様な力を得たようだ。
感じる力は確かに巨大。…覚醒新人類と同じレベルだろう。
ーーーースピードモードで身構えるニュウの体を、ボッ…と暖かな炎が包み込んだ。ーーーー決して消えず、揺らがないソレは、彼の心の火である。
「…ふふ。やはり
フォリーが、背中から〈壊星の翼〉を広げた。
同時に〈星の腕〉が発動し、彼の腕が6本に増える。
「それはさせません。ーーーーネオさんは、僕が守る。」
ニュウが機械の翼を大きく広げた。ネオも彼の隣で、展開可能な全ての武器を展開する。
それを見たフォリー壊は微かに笑うと、手の内にケテル廻の剣に良く似た一本の長剣を生成した。
その真っ赤な刀身を構えながら、彼は星の花を背にして朗々と声を上げる。
「ーーーーーーさぁ、世界の命運を決める戦いとやらを、始めようじゃ無いか!!!」
ーーーー燃ゆる星の花が見下ろす中、楽園で最後の戦いが始まった。
◇◆◇
「しっ!!」
最初に仕掛けたのはネオ。
楽園の大地を蹴って、構えるフォリー壊目掛けて
更に、彼女の後ろからニュウが〈レールガン〉での援護射撃をフォリー壊へ放つ。
「ふぅん!!」
迫る超音速の弾丸を、6本の〈星の腕〉で叩き落とすフォリー壊。
その隙に懐に潜り込んだネオが
ガキィンッッッ!!!
ーーーーフォリー壊が構えた真紅の剣と、
「ぐぅ……!」
「……っ!」
鍔迫り合いになる両者。
しかし力の拮抗は一瞬で終わり、ネオがフォリー壊ごと
ズザーーッと大地を滑りながら態勢を整えるフォリー壊。
そこに、ネオが武器を纏めて投擲する。
「おっと!」
6本の腕にそれぞれ剣を装着し、せまるネオの攻撃を弾くフォリー壊。
その隙を縫って、ほぼ瞬間移動のような速さでネオが距離を詰める。
「ーーーーふはは!速いじゃないか!」
笑いながらネオに6本の腕を振り下ろすフォリー壊。ーーーーしかし、ネオに向かって振り下ろされた腕は、銃声と共に中程から千切れて吹き飛んだ。
「むっ!」
ニュウによる援護射撃である。
ーーーーそのまま、ネオがフォリー壊の胸元を
スパークと共に砕け散る機械のボディ。
「ガッ!?」
胸元を大きく斬られたフォリー壊は、辺りの木々を巻き込みながら勢いよく飛ばされて倒れ込んだ。
追いかけるネオ。
立ち込める煙の中から、フォリー壊が生み出した無数の〈星の腕〉がネオへ伸びてくる。
ーーーーそれを避け、腕を斬り、ネオは走り続けた。
「素晴らしい!!…覚醒新人類と戦うという事とはこう言う事か!!」
伸ばした全ての腕を斬られた時、フォリー壊は笑っていた。
迫るネオを見ても、恐れを抱いているようには見えない。
「私もそろそろ本気を出させて貰おう!来い、ネオ!!」
そう叫んで手を前に突き出したフォリー壊。
次の瞬間、ネオの上から光の柱が何本も降り注いでくる。
「ーーーー〈シャイニングピラー〉!!!」
「な……!」
楽園の大地に、幾本もの光柱が突き刺さる。
大地が抉れ、木々が燃えながら爆ぜていった。
後に残るは、炭化した巨大なクレーター。
「く…!なんて威力ーーーー」
噴き上がる熱と風に顔を顰めるネオ。
降り注ぐ光柱の威力は確かに高かったが、その狙いはランダムなようだ。
ネオとニュウを直撃する事は無く、ただ周囲を破壊しただけに過ぎない。
「ふむ……威力は素晴らしいが、力の流れが速すぎて狙いを定められんな。ーーーーよし、次だ。」
…と、まるで実験をしているかの様な口ぶりで、フォリー壊が呟く。
いや、実際そうなのかもしれない。ーーーー彼は神となって得た自らの力を、ネオ達で一つ一つ試そうとしているのだ。
「ーーーー〈スクランブルレーザー〉。」
フォリー壊の声と共に、彼の背中から出現した無数の〈星の腕〉が、極大のレーザーを放ってくる。
「ーーーー
周囲の地形を滅茶苦茶にしながら飛んできたレーザーを、大地を再構築する事によって生み出したブロックの壁で防ぐネオ。
ドッ!ーーーーと激しい閃光が迸り、ネオが生み出したブロックの壁はレーザーと衝突して、その威力を相殺したのちに砕け散った。
辺りに吹き荒れる爆発の嵐。
そのどさくさに紛れてフォリー壊は空に飛び上がった。そして、両手を合わせて次なる技の発動へ移る。
「ただ数を増やせば良いと言うものでもないか。……ならば次はーーーー」
「させるか!!」
ーーーーココでフォリー壊に追い縋るのはニュウ。
彼は青紫に煌めく機械の翼をはためかせ、フォリー壊目掛けて〈レールガン〉を構える。
「ーーーーほぉ?向かってくるのか。〈インボリュートスフィア〉!」
フォリー壊は、空を飛んで迫るニュウ相手に光弾を放った。
フォリー壊を中心に、円を描きながら迫るインボリュートスフィア。
それを難なく避けると、ニュウはフォリー壊へ銃口を構え電磁砲を放つ。
しかしーーーーーーーー
「バリア!!」
彼の攻撃は、フォリー壊が展開した球体障壁によって全て弾かれてしまった。
「ーーーーバリアまで…!」
歯噛みするニュウ。更にフォリー壊は彼に手を向ける。
その掌から、回転する刃のような鋭い一撃が飛んで来た。
「ーーーーリレーションカッター!!」
「シールド!!」
空気を裂いて飛んでくる刃を、前方に展開した盾で受け止めたニュウ。
ガキィンッッ!!
金属音を響かせながら盾に当たった刃は、不自然に軌道を変えるとネオに向かって飛んでいった。
「!」
咄嗟に
そして今度は、ニュウがフォリー壊に向かって技を放つ番だった。
「ーーーー〈スナイプマシンガン〉!!!」
紫の光と共に放たれた百を超える弾丸は、その全てが一点に集中していた。
「ぬぅうッ…!?ーーーーコレは…一点集中による破壊力の強化が目的か!」
バリアで攻撃を受けながら、素早くニュウの狙いを分析するフォリー壊。
弾丸を防ぐ紫色の障壁に、たちまち亀裂が入り出す。
「ーーーー割れろ!!!」
…ガッシャーーーーーンッッッ!!!
そしてバリアが砕けたかと思うと、障壁を砕いて尚放たれ続ける弾丸が、フォリー壊の体をズタズタに撃ち抜くのだった。
「ぬおぉぉおぉおぉッッッ!!!!」
ピンポイントに収束した圧倒的弾幕によって、肉体を削り取られながら吹き飛ばされていくフォリー壊。
しかし、飛ばされていく彼の体が途中でフッと消えた。
「……ワープか!!」
彼が消える寸前の空間の歪みを見逃さなかったニュウは、素早く射撃の手を止める。
少し離れた所に、フォリー壊がワープして現れた。
その体はあちこちにヒビが入り、傷だらけで今にも壊れてしまいそうだが、彼の眼光に衰えは見えない。
それが、不気味な底知れなさをネオ達に感じさせていた。
「ふふ…ふははは…!素晴らしい!頭で考えを巡らせるだけなのと、自らの体で体験するのとでは、やはり違うな!!ーーーー最高の体験だよ!」
そう言った彼は、真紅の剣を構えた。
更に背中から壊星の翼が大きく広がり、彼の胸元には真紅の十字架状の紋様が浮かぶ。
渦巻くセラムのエネルギーが彼を包み込み、更なる力を引き出している様だった。
「おぉ…!
そう彼が言うと同時に、彼の頭上に割れた
「…この気配……まるでケテル…。」
ネオがポツリと呟く。
赫々とした光に包まれたフォリーが、此方に喜びに満ちた狂気的な笑みを向けた。
「ーーーーさぁ。まだまだ戦いは終わらないぞ!?せっかく手に入れた神の力なんだ。もっともっと
放たれる圧倒的威圧感。
神と神の戦いは、第二ラウンドに移ろうとしていた。
……そして、この戦いは
…心臓は鼓動を刻む。
それは、時の羊皮紙に刻まれし自らの存在証明に他ならない。
今鳴り響く鼓動は、果たして誰の